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act.109
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翌朝、セスは改めて殺人課の部屋を覗いた。
ハドソン刑事達はティム・ローレンスの事件を捜査するために既に外に出ていた後で、在署しているのは電話番の新人刑事がいるのみだ。そう、一時テイラーの見張り係として張り付いていたブロンクという若者だ。
「よう、ブロンク」
セスがさり気なく刑事部屋に入っていくと、ブロンクは気まずそうな表情を浮かべた。
どうやらブロンクの心の中では、先の連続爆破事件の一件で、セスは要注意人物というレッテルを貼られているらしい。なぜなら、捜査の過程でセスが主任のハドソン刑事に真っ向から対立する姿勢を取ったからだ。
おかげでハドソンの機嫌もいつも以上に悪く、ブロンクも八つ当たりをされて大変だった。しかも、事件解決の糸口を掴み出したのはこのセスであるため、刑事部屋の連中もバツが悪いときている。
それに事件解決後も、容疑者ジェイコブ・マローンの背後に黒幕の存在があることを示唆し続けるセスに、刑事部屋の誰もが閉口していた。
セスに言われるがまま捜査してみても、証拠が出てくるどころか逆に面倒にもなったりして、散々な目に合っている。
だからこそブロンクは、今日もまたセスが何かを言い出すのではないかと思って、暗い気分になったのだ。おまけに今はブロンク一人だし、この間に何かあったら、俺が怒られる・・・そんな思いがあるのだろう。
「ここに来たって何も出ませんよ」
セスがブロンクの席に近づくと、早速先制攻撃された。
「そんなことわかってるさ。コーヒーはいつもセルフサービスだろ?」
セスは暢気にそうとぼけて、壁際のコーヒーメーカーから煮詰まったコーヒーをカップに注いだ。
必要以上にブラックなコーヒーを啜りながらセスが振り返ると、仕方がないなぁという顔つきでブロンクがセスを見つめている。
「先輩には悪いですけど、俺、何も言えませんから」
「ん? 何のことだ」
「何のことだって・・・。昨夜起きた強盗殺人事件のことでしょ? 昨日さり気なくここにいたじゃないですか、先輩」
関係者でもないのに・・・と口を尖らせた。
確かにセスの所属している部署は爆弾処理班なので、爆発物や爆弾犯が関与していない事件についてはセスの出る幕はない。
それでもセスはニコニコと憎みきれない笑みを浮かべ、ブロンクの隣のデスクに腰を掛けた。
「連続爆弾事件が解決してから、うちのチーム暇なのよ」
そう言いながら、コーヒーを啜る。
え~、そうなんですか~と疑り深い顔つきでブロンクが返してきた。
実際には・・・今なお爆弾処理班の業務は忙しかった。『とても』がつくくらい。
マローン逮捕を受けて、彼が作ってきた爆弾の図面起こしや材料の購入ルート、製造方法、事件の経過、被害の状況など、セスのチームが法廷提出用に準備する必要がある書類が山のようにあり、本来ならセスも自分のデスクに座っていて然るべき状況だった。
だが昨夜偶然に知った強盗殺人事件の被害者があのローレンスだと知って、黙っていられる筈がない。
昨夜の段階では、開店前のローレンスの店に強盗が入り、レジの中の金すべてを抜き取った後、店主のローレンスを“めった刺し”にしたという、おおよそのことしかわからず、ウォレス宅とレイチェル、そしてテイラーに簡単な連絡だけしかすることができなかった。
いずれローレンスの素性がわかり、セスにもお呼びがかかる時がくるだろうが、それでは遅い。ハドソンがあの店に出入りしていた人間をチェックしにかかるだろうから、その時になってウォレスの存在が明るみに出てくると、ややこしいことになる。
── 事件の様相を探って対策を練らないと、マズイことになるやもしれない・・・。
「それで・・・、何かわかった?」
セスがそう言うと、ブロンクは「やっぱり」と言いたげな溜息をついた。
「だからぁ、さっきも話せないって言ったでしょ」
「じゃ、何にもわかってないんだ」
「そういう訳じゃないです!」
「だって、ネタがないんならそういうことだろ? 遺留品とかも出てこなかったんだ」
「だから、そういう訳じゃないって言ったでしょ!!」
ブロンクはまるで自分がバカにされたかのように、額に青筋を浮かび上がらせ、反論する。
一方セスは対照的に気楽なものだ。
「じゃ、あるんだ。遺留品」
「犯人のものと思われる血痕が、割れたガラスに付着してました!!」
セスはふーんとあくまでさり気なく相づちを打つ。しかしその後、ブロンクの口から続きの言葉が出てこないことに、眉を顰めた。
「え? それだけ?」
ブロンクがムッとした表情を見せる。
「それだけって、何ですか」
「それだけしかないの? 遺留品」
「それだけじゃ、ダメなんですか?」
ブロンクはすっかり頭に血が上った状態で、自分がまんまとセスの調子にのせられてることにも気が付かない。
セスは、「また刑事課をバカにして」とぶりぶり怒っているブロンクを余所にふらりと立ち上がると「邪魔したな」と呟いて、コーヒーを置いたまま刑事部屋を出た。
廊下の端まで歩いた頃にやっとブロンクも正気に戻ったのだろうか。刑事部屋から慌てて顔を出し、「さっき僕が言ったこと、僕から聞かなかったことにしてくださいね!!」とひ弱な叫び声を上げた。
セスは手のひらをヒラヒラさせてそれに答えたが、頭の中ではまるで違うことを考えていた。
遺留品は、犯人のものとおぼしき血痕『しか』なかった。
しかしセスは昨夜、ウォレスから電話で聞いていた。
ローレンスの小指に填められていた指輪のことを。
しかもその指輪の内側には、ウォレスの昔の名と死んだ妻の名前が彫り込まれているという。
そんな全然関係のない名を持つ指輪が被害者の小指に填められていたとなると、これは立派な遺留品だ。事件を捜査する上で重要な意味を持つ。
ブロンクが嘘をついているとは到底思えない。
ブロンクはそう言うのなら、やはり指輪はなかったのだ。
── ジムの見間違いなのだろうか・・・。
セスは首を傾げながら、階段を登った。
── だがそれにしたって、ジムが話していた内容は、いやにリアルだったが・・・。
あまりにも釈然としない状況に、セスは頭を掻きむしった。
朝、ウォレスはマックスと二人、車でシンシアを学校まで送った。
ウォレスとしてはシンシアを学校に行かせたくなかったが、かといって会社に連れていく訳にもいかず、それならば学校にいた方が安全だと判断した。
シンシアも学校に復帰することを楽しみにしていたし、手続きを取った手前、再び休校する訳にはいかなかった。
「絶対に一人にはならないから」
そう言ってシンシアが教室に姿を消した後、ウォレスは校長と面談をして、あらかたの事情を話した。
連続爆弾事件の犯人を捕まえたことで共犯者から狙われているかも知れないことをウォレスが告げると、校長は身を乗り出して警備員をなるだけシンシアの行動範囲に回すよう便宜を図ると約束してくれた。
どうやら学校でもあの事件のことは話題になっているらしく、標的になった会社の主席社長秘書という要職についているウォレスのことは、特に気になっていたのだろう。しかもウォレスの傍らには、現在ウォレス家に同居しているというマックス・ローズ ── 今全米で話題の美しきヒーロー ── が膝を並べている。
まるで有名芸能人に出会ったような気分が、校長の感情を高揚させたのだろう。彼のその少々オーバーな態度は、今話題の事件に自分がよき市民の手本として関わり合いが持てることを喜んでいる節が見られた。
必要以上の握手で見送られ、ウォレスはマックスと共に車に戻った。
車の運転席越し心配げに学校を見つめるウォレスに、「シンシアにはたくさんの仲間がいるから安心ですよ」とマックスが囁くと、ウォレスは自嘲気味に笑みを浮かべた。
「確かにそうだな・・・」
要所要所に警備員や防犯カメラも設置されている学校の方が、メイドのデイビスさんと共に家にいるよりも確かに安全だろう。それにクラスメートがたくさんいる中でシンシアをどうこうしようというのは、あまりにもリスクが大き過ぎる。それはジェイクのスタイルではないことは、わかりすぎるほどわかっていた。
ウォレスは無意識のうちにエンジンキーの周囲を探る仕草を見せながら、「君も予定より早い会社復帰になってしまったな」と呟いた。
マックスは、ウォレスのその手の動きを苦々しい思いで見つめる。
ウォレスは、今朝家を出る時も同じ仕草をしていた。
彼は、車によからぬ仕掛けがされていないか、逐一確認をしているのだった。
たとえ車を離れた時間は三十分にも満たない短い間だったとしても。
ウォレスの身体に染みついたアレクシス時代の行動を無意識のうちに見せるウォレスに、マックスは胸が締め付けられる思いがした。
本当に、なんと悲劇的な人生を送ってきた人だろうと思う。
そしてそれは、幼い頃から洗脳され、強制的に植え付けられた“癖”のようなもので、自ら望んで手に入れたものではないのだ。
ウォレスは、キー周りに異常な配線が施されていないかどうかを確かめ終わると、おもむろにエンジンを掛けた。
ウォレスは、マックスが返事をしてこないので不安になったのだろう。彼は、怪訝そうな顔をマックスに向けてきた。
マックスは「ん?」と瞬きをして、照れくさそうに微笑んだ。
「 ── つい見とれちゃって」
ウォレスが苦笑いする。
「こんなおじさんに見とれたって、何にも得はしないよ」
「おじさんだなんて」
マックスとウォレスは笑い合った。
ウォレスの前で、不安げな顔は見せたくない。
マックスは切実に、こう思う。
── こんな辛くて厳しい状況の中でも、ジムに安らぎを与えられるような存在でありたい。
マックスは、それこそが自分の役目だと思っていた。
ジェイク・ニールソンに命を狙われていたのだとしても、不思議とそれ自体は怖くなかった。そんなことより、それによってウォレスやシンシアの命が失われることの方が恐ろしかった。
二人が会社に着くと、厳重になった会社の入口にマックスは目を丸くした。
以前はとても印象的だった回転ドアが撤去され、観音式のガラスドアに変わっていた。そして中にはいると、四つのゲートが設けられ、IDをチェックされる仕組みになっている。
当然マックスはIDカードを持っておらず、戸惑った。
そんな様子を見て、大笑いした人物がいる。
サイズだ。
行く手が阻まれるようにゲートのドアが閉じられてしまったマックスを指さして、ガハガハと大口を開けて笑っている。
サイズの以前となんら変わらない接し方に、マックスは内心ほっとしながら、サイズに向かって怒鳴った。「早くなんとかしろよ!」と。
「あはは。ドアに嫌われちゃったんだなぁ、先生」
サイズは自分のカードで出口専門のゲートをくぐり抜けてくると、ポケットからマックスのIDカードを取り出した。
「先生の分はもう作ってあるよ。先生、ちょっと見ない間に、また男ぶりを上げたな」
サイズがさり気なく彼の額を指で擦る。
マックスはサイズが何を指しているかわかった。マックスの額にうっすらと残る傷を指さしているのだ。
髪の毛を短く切ったマックスだったので、額の傷も髪に隠れていることはない。
だが、マックスはその傷を気にすることはなかった。むしろその傷を誇らしく思っている。
「カッコイイだろ?」
マックスが肩を竦めると、サイズが派手に顔を顰めた。
「嫌みだなぁ! できる男はもっと謙虚でいてくれよ!!」
二人であははと声を出して笑う。
後ろを振り返ると、少し苦笑いしているウォレスがいた。
ウォレスは、マックスの顔に傷が残ったことをやはり気にしている。
「ミスター・ウォレス。おはようございます」
さすがのサイズも、ウォレスに接する時は態度を変えた。
昨日、たった一日とはいえ、ウォレスが舌を巻くほどの処理の速さで仕事をあっという間に片づけてしまったことは、社内で既に話題となっている。
以前と同じように・・・いや以前にもまして優秀さに磨きをかけているこの『社長秘書』に全ての社員が敬意を表している。いつも冷静沈着な副社長のビル・スミスでさえも、ウォレスの完全復活に安堵の表情を露骨に浮かべていた。
そのウォレスと、今や社員の中では最も“愛される”存在になったマックス・ローズが“同居している”という噂は、いろんな影響を社内に与えた。
中にはその同居がただの同居でないらしいと、まるでタブロイド紙の記者が喜びそうなことを言っている人間も少なくない。
それを聞いて本気で泣き崩れる女子社員も多数いたが ── 何せウォレスにしろ、マックスにしろ、ミラーズ社の中で一、二を争う人気の独身男性だったからだ ── いずれしても社員全員がウォレスとマックスの繋がりの深さを好意的に受け止めていた。マックスが幸せそうにしているのが一番いい、と社員の誰もが思っている節がある。
なぜならマックスは、ミラーズ社前で起きた車両爆破事件での勇気ある行動で、ある意味ミラーズ社を救ってくれた立役者だ。
つまり、マーク・ミゲルのインタビュー記事のお陰で、ミラーズ社は負のイメージを一層することができたのであり、ミラーズ社にとってまさしくマックスは、救世主となった。
そしてそのせいで犯人に狙われてしまったマックスを守り、犯人を捕まえた人物こそがあのジム・ウォレスだった訳で、ウォレスが会社を休んでいる間の理由を察した社員は、ウォレスの英雄的な行動に益々羨望の眼差しを送った。
マックスがウォレスと共にゲートを潜ると、いつかの時のように、吹き抜けのロビー中、拍手の渦がわき起こった。
最初は小さかったそれが、拍手につられて社員が顔を覗かせるに従って増えていき、やがてそれは他の音が聞こえなくなるぐらい大きなものとなった。
「先生、愛されてるな」
サイズがニヤニヤと笑う。マックスは、「何言ってんだ」と憎まれ口を叩きながらも、自分の帰還を温かく迎えてくれたミラーズ社の社員にジンと心打たれた。
何だか、ちょっと後ろめたい気分も感じながら。
マックスはそのまま医務室には向かわず、ウォレスと共に最上階まで上がった。
ベルナルド・ミラーズ社長に挨拶をしておきたいと思ったからだ。
だが生憎社長はまだ出社していない時間だった。
「大丈夫。すぐに見つけてくるわ。きっとあなたが出社してきたと知ると、飛んでくるわよ」
エリザベス・カーターがにっこり笑って秘書室を出ていく。
彼女は、朝ベルナルドがどこで油を売っているのか、大概把握しているのだ。
「室長のオフィスでお待ちになったらどうですか?」
他の秘書にそう言われ、マックスはウォレスのオフィスで待つことにした。
「どうしたんだい・・・?」
窓際でぼんやり中庭を眺めているマックスに向かって、ウォレスが声を掛けてきた。
「ん?」
マックスが振り返ると、静かな目をしたウォレスがマックスを見つめていた。
「何か考え込んでいる様子だったから」
── ジムは、やはり鋭い。
マックスは、自分の気持ちをいつ切り出そうかと考えあぐねていたのだ。
また命を救う最前線に戻りたいという思いを・・・。
だが、それを口に出すのことはできなかった。
まだ自分の考えや迷いをきちんと整理できていない。
ウォレスが、怪訝そうな顔でマックスを見つめる。
隠し事をするのは、やはりウォレスを傷つけることになるのだろうか。
けれど自分のこの考えを現実のものにするとなると、ウォレスやシンシアと過ごせる時間が今より圧倒的に少なくなってしまう。またメアリーの時のように、今の良い関係が崩れていく可能性だってある・・・。
「何か悩んでいることがあるのかい? そうだとしたなら、言ってくれ。君が苦しんでいる姿は見たくない」
そう言われて、ぐらりと心が揺れた。
まだ自分の中で答えが出ていないことを吐露してしまうと、ウォレスに甘えてしまう結果に陥りそうで。
── でも・・・。
「あの・・・。あのね、ジム・・・」
マックスがそう切り出した時、ウォレスのデスクの電話が鳴った。
ウォレスが戸惑った表情を浮かべる。
「電話に出て、ジム」
「しかし・・・」
「俺のことはいいです。大切な電話だといけないし」
マックスに促され、ウォレスは電話を取った。
「はい。ああ、セス、君か。昨夜はありがとう・・・」
セスからの電話だ。
マックスもデスクに身を寄せた。
「え?・・・何? 何だって?」
ウォレスの声が、ふいに尖る。
「どうしたの、ジム」
マックスが声をかけると、ウォレスは受話器を耳から放し、こう言った。
「遺留品の中に例の指輪はないとのことだ・・・」
「え?」
マックスは一瞬何を言われているかわからなくて、まじまじとウォレスの顔を見つめた。
ハドソン刑事達はティム・ローレンスの事件を捜査するために既に外に出ていた後で、在署しているのは電話番の新人刑事がいるのみだ。そう、一時テイラーの見張り係として張り付いていたブロンクという若者だ。
「よう、ブロンク」
セスがさり気なく刑事部屋に入っていくと、ブロンクは気まずそうな表情を浮かべた。
どうやらブロンクの心の中では、先の連続爆破事件の一件で、セスは要注意人物というレッテルを貼られているらしい。なぜなら、捜査の過程でセスが主任のハドソン刑事に真っ向から対立する姿勢を取ったからだ。
おかげでハドソンの機嫌もいつも以上に悪く、ブロンクも八つ当たりをされて大変だった。しかも、事件解決の糸口を掴み出したのはこのセスであるため、刑事部屋の連中もバツが悪いときている。
それに事件解決後も、容疑者ジェイコブ・マローンの背後に黒幕の存在があることを示唆し続けるセスに、刑事部屋の誰もが閉口していた。
セスに言われるがまま捜査してみても、証拠が出てくるどころか逆に面倒にもなったりして、散々な目に合っている。
だからこそブロンクは、今日もまたセスが何かを言い出すのではないかと思って、暗い気分になったのだ。おまけに今はブロンク一人だし、この間に何かあったら、俺が怒られる・・・そんな思いがあるのだろう。
「ここに来たって何も出ませんよ」
セスがブロンクの席に近づくと、早速先制攻撃された。
「そんなことわかってるさ。コーヒーはいつもセルフサービスだろ?」
セスは暢気にそうとぼけて、壁際のコーヒーメーカーから煮詰まったコーヒーをカップに注いだ。
必要以上にブラックなコーヒーを啜りながらセスが振り返ると、仕方がないなぁという顔つきでブロンクがセスを見つめている。
「先輩には悪いですけど、俺、何も言えませんから」
「ん? 何のことだ」
「何のことだって・・・。昨夜起きた強盗殺人事件のことでしょ? 昨日さり気なくここにいたじゃないですか、先輩」
関係者でもないのに・・・と口を尖らせた。
確かにセスの所属している部署は爆弾処理班なので、爆発物や爆弾犯が関与していない事件についてはセスの出る幕はない。
それでもセスはニコニコと憎みきれない笑みを浮かべ、ブロンクの隣のデスクに腰を掛けた。
「連続爆弾事件が解決してから、うちのチーム暇なのよ」
そう言いながら、コーヒーを啜る。
え~、そうなんですか~と疑り深い顔つきでブロンクが返してきた。
実際には・・・今なお爆弾処理班の業務は忙しかった。『とても』がつくくらい。
マローン逮捕を受けて、彼が作ってきた爆弾の図面起こしや材料の購入ルート、製造方法、事件の経過、被害の状況など、セスのチームが法廷提出用に準備する必要がある書類が山のようにあり、本来ならセスも自分のデスクに座っていて然るべき状況だった。
だが昨夜偶然に知った強盗殺人事件の被害者があのローレンスだと知って、黙っていられる筈がない。
昨夜の段階では、開店前のローレンスの店に強盗が入り、レジの中の金すべてを抜き取った後、店主のローレンスを“めった刺し”にしたという、おおよそのことしかわからず、ウォレス宅とレイチェル、そしてテイラーに簡単な連絡だけしかすることができなかった。
いずれローレンスの素性がわかり、セスにもお呼びがかかる時がくるだろうが、それでは遅い。ハドソンがあの店に出入りしていた人間をチェックしにかかるだろうから、その時になってウォレスの存在が明るみに出てくると、ややこしいことになる。
── 事件の様相を探って対策を練らないと、マズイことになるやもしれない・・・。
「それで・・・、何かわかった?」
セスがそう言うと、ブロンクは「やっぱり」と言いたげな溜息をついた。
「だからぁ、さっきも話せないって言ったでしょ」
「じゃ、何にもわかってないんだ」
「そういう訳じゃないです!」
「だって、ネタがないんならそういうことだろ? 遺留品とかも出てこなかったんだ」
「だから、そういう訳じゃないって言ったでしょ!!」
ブロンクはまるで自分がバカにされたかのように、額に青筋を浮かび上がらせ、反論する。
一方セスは対照的に気楽なものだ。
「じゃ、あるんだ。遺留品」
「犯人のものと思われる血痕が、割れたガラスに付着してました!!」
セスはふーんとあくまでさり気なく相づちを打つ。しかしその後、ブロンクの口から続きの言葉が出てこないことに、眉を顰めた。
「え? それだけ?」
ブロンクがムッとした表情を見せる。
「それだけって、何ですか」
「それだけしかないの? 遺留品」
「それだけじゃ、ダメなんですか?」
ブロンクはすっかり頭に血が上った状態で、自分がまんまとセスの調子にのせられてることにも気が付かない。
セスは、「また刑事課をバカにして」とぶりぶり怒っているブロンクを余所にふらりと立ち上がると「邪魔したな」と呟いて、コーヒーを置いたまま刑事部屋を出た。
廊下の端まで歩いた頃にやっとブロンクも正気に戻ったのだろうか。刑事部屋から慌てて顔を出し、「さっき僕が言ったこと、僕から聞かなかったことにしてくださいね!!」とひ弱な叫び声を上げた。
セスは手のひらをヒラヒラさせてそれに答えたが、頭の中ではまるで違うことを考えていた。
遺留品は、犯人のものとおぼしき血痕『しか』なかった。
しかしセスは昨夜、ウォレスから電話で聞いていた。
ローレンスの小指に填められていた指輪のことを。
しかもその指輪の内側には、ウォレスの昔の名と死んだ妻の名前が彫り込まれているという。
そんな全然関係のない名を持つ指輪が被害者の小指に填められていたとなると、これは立派な遺留品だ。事件を捜査する上で重要な意味を持つ。
ブロンクが嘘をついているとは到底思えない。
ブロンクはそう言うのなら、やはり指輪はなかったのだ。
── ジムの見間違いなのだろうか・・・。
セスは首を傾げながら、階段を登った。
── だがそれにしたって、ジムが話していた内容は、いやにリアルだったが・・・。
あまりにも釈然としない状況に、セスは頭を掻きむしった。
朝、ウォレスはマックスと二人、車でシンシアを学校まで送った。
ウォレスとしてはシンシアを学校に行かせたくなかったが、かといって会社に連れていく訳にもいかず、それならば学校にいた方が安全だと判断した。
シンシアも学校に復帰することを楽しみにしていたし、手続きを取った手前、再び休校する訳にはいかなかった。
「絶対に一人にはならないから」
そう言ってシンシアが教室に姿を消した後、ウォレスは校長と面談をして、あらかたの事情を話した。
連続爆弾事件の犯人を捕まえたことで共犯者から狙われているかも知れないことをウォレスが告げると、校長は身を乗り出して警備員をなるだけシンシアの行動範囲に回すよう便宜を図ると約束してくれた。
どうやら学校でもあの事件のことは話題になっているらしく、標的になった会社の主席社長秘書という要職についているウォレスのことは、特に気になっていたのだろう。しかもウォレスの傍らには、現在ウォレス家に同居しているというマックス・ローズ ── 今全米で話題の美しきヒーロー ── が膝を並べている。
まるで有名芸能人に出会ったような気分が、校長の感情を高揚させたのだろう。彼のその少々オーバーな態度は、今話題の事件に自分がよき市民の手本として関わり合いが持てることを喜んでいる節が見られた。
必要以上の握手で見送られ、ウォレスはマックスと共に車に戻った。
車の運転席越し心配げに学校を見つめるウォレスに、「シンシアにはたくさんの仲間がいるから安心ですよ」とマックスが囁くと、ウォレスは自嘲気味に笑みを浮かべた。
「確かにそうだな・・・」
要所要所に警備員や防犯カメラも設置されている学校の方が、メイドのデイビスさんと共に家にいるよりも確かに安全だろう。それにクラスメートがたくさんいる中でシンシアをどうこうしようというのは、あまりにもリスクが大き過ぎる。それはジェイクのスタイルではないことは、わかりすぎるほどわかっていた。
ウォレスは無意識のうちにエンジンキーの周囲を探る仕草を見せながら、「君も予定より早い会社復帰になってしまったな」と呟いた。
マックスは、ウォレスのその手の動きを苦々しい思いで見つめる。
ウォレスは、今朝家を出る時も同じ仕草をしていた。
彼は、車によからぬ仕掛けがされていないか、逐一確認をしているのだった。
たとえ車を離れた時間は三十分にも満たない短い間だったとしても。
ウォレスの身体に染みついたアレクシス時代の行動を無意識のうちに見せるウォレスに、マックスは胸が締め付けられる思いがした。
本当に、なんと悲劇的な人生を送ってきた人だろうと思う。
そしてそれは、幼い頃から洗脳され、強制的に植え付けられた“癖”のようなもので、自ら望んで手に入れたものではないのだ。
ウォレスは、キー周りに異常な配線が施されていないかどうかを確かめ終わると、おもむろにエンジンを掛けた。
ウォレスは、マックスが返事をしてこないので不安になったのだろう。彼は、怪訝そうな顔をマックスに向けてきた。
マックスは「ん?」と瞬きをして、照れくさそうに微笑んだ。
「 ── つい見とれちゃって」
ウォレスが苦笑いする。
「こんなおじさんに見とれたって、何にも得はしないよ」
「おじさんだなんて」
マックスとウォレスは笑い合った。
ウォレスの前で、不安げな顔は見せたくない。
マックスは切実に、こう思う。
── こんな辛くて厳しい状況の中でも、ジムに安らぎを与えられるような存在でありたい。
マックスは、それこそが自分の役目だと思っていた。
ジェイク・ニールソンに命を狙われていたのだとしても、不思議とそれ自体は怖くなかった。そんなことより、それによってウォレスやシンシアの命が失われることの方が恐ろしかった。
二人が会社に着くと、厳重になった会社の入口にマックスは目を丸くした。
以前はとても印象的だった回転ドアが撤去され、観音式のガラスドアに変わっていた。そして中にはいると、四つのゲートが設けられ、IDをチェックされる仕組みになっている。
当然マックスはIDカードを持っておらず、戸惑った。
そんな様子を見て、大笑いした人物がいる。
サイズだ。
行く手が阻まれるようにゲートのドアが閉じられてしまったマックスを指さして、ガハガハと大口を開けて笑っている。
サイズの以前となんら変わらない接し方に、マックスは内心ほっとしながら、サイズに向かって怒鳴った。「早くなんとかしろよ!」と。
「あはは。ドアに嫌われちゃったんだなぁ、先生」
サイズは自分のカードで出口専門のゲートをくぐり抜けてくると、ポケットからマックスのIDカードを取り出した。
「先生の分はもう作ってあるよ。先生、ちょっと見ない間に、また男ぶりを上げたな」
サイズがさり気なく彼の額を指で擦る。
マックスはサイズが何を指しているかわかった。マックスの額にうっすらと残る傷を指さしているのだ。
髪の毛を短く切ったマックスだったので、額の傷も髪に隠れていることはない。
だが、マックスはその傷を気にすることはなかった。むしろその傷を誇らしく思っている。
「カッコイイだろ?」
マックスが肩を竦めると、サイズが派手に顔を顰めた。
「嫌みだなぁ! できる男はもっと謙虚でいてくれよ!!」
二人であははと声を出して笑う。
後ろを振り返ると、少し苦笑いしているウォレスがいた。
ウォレスは、マックスの顔に傷が残ったことをやはり気にしている。
「ミスター・ウォレス。おはようございます」
さすがのサイズも、ウォレスに接する時は態度を変えた。
昨日、たった一日とはいえ、ウォレスが舌を巻くほどの処理の速さで仕事をあっという間に片づけてしまったことは、社内で既に話題となっている。
以前と同じように・・・いや以前にもまして優秀さに磨きをかけているこの『社長秘書』に全ての社員が敬意を表している。いつも冷静沈着な副社長のビル・スミスでさえも、ウォレスの完全復活に安堵の表情を露骨に浮かべていた。
そのウォレスと、今や社員の中では最も“愛される”存在になったマックス・ローズが“同居している”という噂は、いろんな影響を社内に与えた。
中にはその同居がただの同居でないらしいと、まるでタブロイド紙の記者が喜びそうなことを言っている人間も少なくない。
それを聞いて本気で泣き崩れる女子社員も多数いたが ── 何せウォレスにしろ、マックスにしろ、ミラーズ社の中で一、二を争う人気の独身男性だったからだ ── いずれしても社員全員がウォレスとマックスの繋がりの深さを好意的に受け止めていた。マックスが幸せそうにしているのが一番いい、と社員の誰もが思っている節がある。
なぜならマックスは、ミラーズ社前で起きた車両爆破事件での勇気ある行動で、ある意味ミラーズ社を救ってくれた立役者だ。
つまり、マーク・ミゲルのインタビュー記事のお陰で、ミラーズ社は負のイメージを一層することができたのであり、ミラーズ社にとってまさしくマックスは、救世主となった。
そしてそのせいで犯人に狙われてしまったマックスを守り、犯人を捕まえた人物こそがあのジム・ウォレスだった訳で、ウォレスが会社を休んでいる間の理由を察した社員は、ウォレスの英雄的な行動に益々羨望の眼差しを送った。
マックスがウォレスと共にゲートを潜ると、いつかの時のように、吹き抜けのロビー中、拍手の渦がわき起こった。
最初は小さかったそれが、拍手につられて社員が顔を覗かせるに従って増えていき、やがてそれは他の音が聞こえなくなるぐらい大きなものとなった。
「先生、愛されてるな」
サイズがニヤニヤと笑う。マックスは、「何言ってんだ」と憎まれ口を叩きながらも、自分の帰還を温かく迎えてくれたミラーズ社の社員にジンと心打たれた。
何だか、ちょっと後ろめたい気分も感じながら。
マックスはそのまま医務室には向かわず、ウォレスと共に最上階まで上がった。
ベルナルド・ミラーズ社長に挨拶をしておきたいと思ったからだ。
だが生憎社長はまだ出社していない時間だった。
「大丈夫。すぐに見つけてくるわ。きっとあなたが出社してきたと知ると、飛んでくるわよ」
エリザベス・カーターがにっこり笑って秘書室を出ていく。
彼女は、朝ベルナルドがどこで油を売っているのか、大概把握しているのだ。
「室長のオフィスでお待ちになったらどうですか?」
他の秘書にそう言われ、マックスはウォレスのオフィスで待つことにした。
「どうしたんだい・・・?」
窓際でぼんやり中庭を眺めているマックスに向かって、ウォレスが声を掛けてきた。
「ん?」
マックスが振り返ると、静かな目をしたウォレスがマックスを見つめていた。
「何か考え込んでいる様子だったから」
── ジムは、やはり鋭い。
マックスは、自分の気持ちをいつ切り出そうかと考えあぐねていたのだ。
また命を救う最前線に戻りたいという思いを・・・。
だが、それを口に出すのことはできなかった。
まだ自分の考えや迷いをきちんと整理できていない。
ウォレスが、怪訝そうな顔でマックスを見つめる。
隠し事をするのは、やはりウォレスを傷つけることになるのだろうか。
けれど自分のこの考えを現実のものにするとなると、ウォレスやシンシアと過ごせる時間が今より圧倒的に少なくなってしまう。またメアリーの時のように、今の良い関係が崩れていく可能性だってある・・・。
「何か悩んでいることがあるのかい? そうだとしたなら、言ってくれ。君が苦しんでいる姿は見たくない」
そう言われて、ぐらりと心が揺れた。
まだ自分の中で答えが出ていないことを吐露してしまうと、ウォレスに甘えてしまう結果に陥りそうで。
── でも・・・。
「あの・・・。あのね、ジム・・・」
マックスがそう切り出した時、ウォレスのデスクの電話が鳴った。
ウォレスが戸惑った表情を浮かべる。
「電話に出て、ジム」
「しかし・・・」
「俺のことはいいです。大切な電話だといけないし」
マックスに促され、ウォレスは電話を取った。
「はい。ああ、セス、君か。昨夜はありがとう・・・」
セスからの電話だ。
マックスもデスクに身を寄せた。
「え?・・・何? 何だって?」
ウォレスの声が、ふいに尖る。
「どうしたの、ジム」
マックスが声をかけると、ウォレスは受話器を耳から放し、こう言った。
「遺留品の中に例の指輪はないとのことだ・・・」
「え?」
マックスは一瞬何を言われているかわからなくて、まじまじとウォレスの顔を見つめた。
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