2 / 5
『タイトル:ワンちゃんへ、放課後に校舎裏 本文:(無し)』
しおりを挟む
『タイトル:ワンちゃんへ、放課後に校舎裏 本文:(無し)』
つまらない授業。
隣を見ると頬杖をつきながらーペンをもてあそんでいるアイツと目が合った。
いつもの眠たげな垂れ目でオレを見返しながら、不意に思いついたように口元に嫌らしい笑いを浮かべる。
アイツはクルクルとまわしていたペンを自分の唇にあてる。
少しだけ出した舌先でついばむようにペロリと舐める。
「我慢してる?」
アイツが見透かしたように笑う。
……クソが。
オレは胸ポケットから錠剤を取り出す。
追加の抑制剤だ。
オレはそれを飲み込み、にらみ返した。
「ふーん?」
クスクスと笑うアイツ。
オレは目をそらし、机につっぷして居眠りを決め込んだ。
アイツはいつだってオレをイラつかせやがる。
胸元のケータイがバイブでメールの着信を知らせる。
見ればタイトルだけのメール。
隣を見る。
ペロリと出した舌で唇をなめながら、アイツが笑っていた。
***
「んむっ……あーあ、結局、来ちゃったねぇ?」
「お前が! あんなメールを!」
口元をぬぐいながら、オレの足元から立ち上がるキョウ。
「つらそうだったからお世話してあげようと思っただけだよ? ご主人様の役目だからね?」
「うるせぇ!」
「ふふ……んっ」
これみよがしに、ゴクリとノドを鳴らした後。
「じゃあ、先に帰るね。ごちそうさま?」
と笑って去っていった。
「……くそっ!」
誰がご主人様だ!
つまらない授業。
隣を見ると頬杖をつきながらーペンをもてあそんでいるアイツと目が合った。
いつもの眠たげな垂れ目でオレを見返しながら、不意に思いついたように口元に嫌らしい笑いを浮かべる。
アイツはクルクルとまわしていたペンを自分の唇にあてる。
少しだけ出した舌先でついばむようにペロリと舐める。
「我慢してる?」
アイツが見透かしたように笑う。
……クソが。
オレは胸ポケットから錠剤を取り出す。
追加の抑制剤だ。
オレはそれを飲み込み、にらみ返した。
「ふーん?」
クスクスと笑うアイツ。
オレは目をそらし、机につっぷして居眠りを決め込んだ。
アイツはいつだってオレをイラつかせやがる。
胸元のケータイがバイブでメールの着信を知らせる。
見ればタイトルだけのメール。
隣を見る。
ペロリと出した舌で唇をなめながら、アイツが笑っていた。
***
「んむっ……あーあ、結局、来ちゃったねぇ?」
「お前が! あんなメールを!」
口元をぬぐいながら、オレの足元から立ち上がるキョウ。
「つらそうだったからお世話してあげようと思っただけだよ? ご主人様の役目だからね?」
「うるせぇ!」
「ふふ……んっ」
これみよがしに、ゴクリとノドを鳴らした後。
「じゃあ、先に帰るね。ごちそうさま?」
と笑って去っていった。
「……くそっ!」
誰がご主人様だ!
0
あなたにおすすめの小説
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
隣の番は、俺だけを見ている
雪兎
BL
Ωである高校生の湊(みなと)は、幼いころから体が弱く、友人も少ない。そんな湊の隣に住んでいるのは、幼馴染で幼少期から湊に執着してきたαの律(りつ)。律は湊の護衛のように常にそばにいて、彼に近づく人間を片っ端から遠ざけてしまう。
ある日、湊は学校で軽い発情期の前触れに襲われ、助けてくれたのもやはり律だった。逃れられない幼馴染との関係に戸惑う湊だが、律は静かに囁く。「もう、俺からは逃げられない」――。
執着愛が静かに絡みつく、オメガバース・あまあま系BL。
【キャラクター設定】
■主人公(受け)
名前:湊(みなと)
属性:Ω(オメガ)
年齢:17歳
性格:引っ込み思案でおとなしいが、内面は芯が強い。幼少期から体が弱く、他人に頼ることが多かったため、律に守られるのが当たり前になっている。
特徴:小柄で華奢。淡い茶髪で色白。表情はおだやかだが、感情が表に出やすい。
■相手(攻め)
名前:律(りつ)
属性:α(アルファ)
年齢:18歳
性格:独占欲が非常に強く、湊に対してのみ甘く、他人には冷たい。基本的に無表情だが、湊のこととなると感情的になる。
特徴:長身で整った顔立ち。黒髪でクールな雰囲気。幼少期に湊を助けたことをきっかけに執着心が芽生え、彼を「俺の番」と心に決めている。
天使から美形へと成長した幼馴染から、放課後の美術室に呼ばれたら
たけむら
BL
美形で天才肌の幼馴染✕ちょっと鈍感な高校生
海野想は、保育園の頃からの幼馴染である、朝川唯斗と同じ高校に進学した。かつて天使のような可愛さを持っていた唯斗は、立派な美形へと変貌し、今は絵の勉強を進めている。
そんなある日、数学の補習を終えた想が唯斗を美術室へと迎えに行くと、唯斗はひどく驚いた顔をしていて…?
※1話から4話までは別タイトルでpixivに掲載しております。続きも書きたくなったので、ゆっくりではありますが更新していきますね。
※第4話の冒頭が消えておりましたので直しました。
言い逃げしたら5年後捕まった件について。
なるせ
BL
「ずっと、好きだよ。」
…長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。
もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。
ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。
そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…
なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!?
ーーーーー
美形×平凡っていいですよね、、、、
幼馴染みのハイスペックαから離れようとしたら、Ωに転化するほどの愛を示されたβの話。
叶崎みお
BL
平凡なβに生まれた千秋には、顔も頭も運動神経もいいハイスペックなαの幼馴染みがいる。
幼馴染みというだけでその隣にいるのがいたたまれなくなり、距離をとろうとするのだが、完璧なαとして周りから期待を集める幼馴染みαは「失敗できないから練習に付き合って」と千秋を頼ってきた。
大事な幼馴染みの願いならと了承すれば、「まずキスの練習がしたい」と言い出して──。
幼馴染みαの執着により、βから転化し後天性Ωになる話です。両片想いのハピエンです。
他サイト様にも投稿しております。
僕の番
結城れい
BL
白石湊(しらいし みなと)は、大学生のΩだ。αの番がいて同棲までしている。最近湊は、番である森颯真(もり そうま)の衣服を集めることがやめられない。気づかれないように少しずつ集めていくが――
※他サイトにも掲載
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる