オレがαでアイツはΩ ~いつかご主人様と呼ばせてやる!~

尾和 ハボレ

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『タイトル:ワンちゃんへ、放課後に校舎裏 本文:(無し)』

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『タイトル:ワンちゃんへ、放課後に校舎裏 本文:(無し)』

つまらない授業。

隣を見ると頬杖をつきながらーペンをもてあそんでいるアイツと目が合った。

いつもの眠たげな垂れ目でオレを見返しながら、不意に思いついたように口元に嫌らしい笑いを浮かべる。

アイツはクルクルとまわしていたペンを自分の唇にあてる。

少しだけ出した舌先でついばむようにペロリと舐める。

「我慢してる?」

アイツが見透かしたように笑う。

……クソが。

オレは胸ポケットから錠剤を取り出す。

追加の抑制剤だ。

オレはそれを飲み込み、にらみ返した。

「ふーん?」

クスクスと笑うアイツ。

オレは目をそらし、机につっぷして居眠りを決め込んだ。

アイツはいつだってオレをイラつかせやがる。

胸元のケータイがバイブでメールの着信を知らせる。

見ればタイトルだけのメール。

隣を見る。

ペロリと出した舌で唇をなめながら、アイツが笑っていた。





***





「んむっ……あーあ、結局、来ちゃったねぇ?」
「お前が! あんなメールを!」

口元をぬぐいながら、オレの足元から立ち上がるキョウ。

「つらそうだったからお世話してあげようと思っただけだよ? ご主人様の役目だからね?」
「うるせぇ!」
「ふふ……んっ」

これみよがしに、ゴクリとノドを鳴らした後。

「じゃあ、先に帰るね。ごちそうさま?」

と笑って去っていった。

「……くそっ!」

誰がご主人様だ!
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