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12の時を重ねた後
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我は竜である。かつてはグラナトムと呼ばれていたが、今はただの古代竜だ。
エルがいなくなってからも、我は生き続けた。
もとよりこの身は飲食を必要とせず、この世の何物にも傷つけられることがないほど強靱だ。
卵を産んで子孫を残し、長き命が自然と燃え尽きるその時まで、我に死は許されぬ。
最初の一千年は、ただ洞窟で眠り続けた。
夢の中でなら、エルと出会えると気がついたのだ。
時折夢から覚めては、洞窟に微かに残ったエルの痕跡や、エルが身につけたコレクションを眺めながら無為に時を過ごしていった。
次の二百年は、エルと共に巡った地を再び巡り直した。
一千年の間に変化していた場所が大半だったが、海の青さや翼で風を切るときの唸りは変わらぬ。
我の背の上で無邪気にはしゃぐエルの声を思い浮かべる度、その声は次第に鮮明さを欠いていった。
その後洞窟に戻った我は、コレクションを見てもそれを身につけたエルの姿を上手く思い描くことが出来ぬことに気がついた。
いかに古代竜が優れた種族とはいえ、全てを記憶しておくことは出来ぬ。
エルと過ごした記憶は、その他の記憶同様に薄れつつあったのだ。
それから三か月、我は洞窟の中で暴れた。
あれだけ焼き付けたはずの記憶を失ってしまう自信の愚かさに腹が立って仕方がなかった。
次の四百年は、何もする気が起きずに身体を横たえていた。
眠る気すらせず、ひたすら息をしていた。
再び世界を巡る旅に出たのは、洞窟が崩れたためだ。
長い時を重ねた上に、我が散々暴れたこともあって脆くなっておったのであろう。
精霊の力を使えば治せることも出来たであろうが、不思議とそうする気にはなれなかった。
五百年かけて気ままに世界を巡り、新たなコレクションを集めたり景色を見たりするうち、心は次第に穏やかになっていった。
それとともに、エルのことも何かにつけて思い出せるようになっていった。
以前の我が望んだように、完全に細部まで再現した記憶ではない。ただ、ふとした瞬間にあの瞳や髪の色が頭を過ぎるのだ。
我には、それで十分だった。
更に六年が経った頃には、我はすっかりエルと共に暮らしたときのような生活を送るようになっていた。
世界を巡る途中で見つけた温泉に入りながら精霊の声に耳を傾け、獣や魚を捕らえては炎で焼いて食べる。
古代竜らしからぬ生活だが、我にはこれがしっくりきた。
七百年後には、我は新たな住居を見つけた。
かつてエーデルシュタインと呼ばれた国があった場所だ。
人間が作った集落の例に漏れず、エーデルシュタインも十万年以上の時を経る間に滅んだらしい。
我がこの地に訪れた当初は、宝石が取り尽くされた鉱山が残るだけで美しさの欠片もない土地だった。
エルの故郷がこのように美しくない姿になっているのを見るのは忍びない。
大地の精霊に魔素を集めさせて再びこの地に宝石が生まれるように取りはからったところ、次第に人間達が集まるようになってきた。
人間は好奇心が旺盛で、順応力も高い。
初めは我を見てすごすごと引き返していった人間達も、そのうち我の目を盗んで―――実際には全て見ているのだから盗めてはおらぬのだが―――宝石を採取していくようになった。
我が作らせた宝石を無断で取っていくような無礼者は焼き払ってもよかったのだが……その頃は気分がよかったので見逃してやっていたのだ。
八年後、人間達は我の周囲に集まって集落を作り始めた。
それに伴って、我の元へこの地で採れた宝石やそれを使った装飾品が届けられるようになった。
人間達の会話に耳を傾ける限り、どうやら、我はこの地の守り神とされておるらしい。
捧げられた装飾品はどれも我のコレクションに比べれば質もよくなかったが、捨てるには惜しい。
それに、精霊に作らせただけあって宝石の質はよいのだ。
コレクションとは別に飾ることにした。
九十年後、ついにこの地に国が生まれた。
名はエーデルシュタイン。以前この地で長きにわたって繁栄した王国……エルの故郷と同じ呼び名だ。
最近は、人間達が作る装飾品の質もよくなってきた。
これならば、エルに飾ってもその美しさに装飾品が負けることはないであろう。
今では何が捧げられるのかと楽しみに待ち望むようになってきたのだから、人間の成長は早いものだ。
それから十ヶ月後。今年の分の捧げ物が我の元へと運び込まれた。
これまでのように人間が身につける大きさの装飾品ではなく、我が身につけられるほど大きな装飾品の数々が我の前に並べられる。
王冠に首飾り、指輪、イヤリングやブレスレットなどその種類は多種多様だ。
首飾りをのぞいて、捧げられた品は全て受け取った。
このデザインは気に入らなかったかと慌てる人間に首を横に振り、我の首に巻かれた銀の鎖を見せる。
捧げられたものに比べれば宝石の質も大きさも装飾性も劣るが、我はこの鎖さえあればよいのだ。
精霊を通じてそう伝えると、人間は安堵したように胸をなで下ろした。
人が生き、死に、次に命を繋いでいく様を眺めている内に十一もの王を見送った。
愚かな争いはいくつも起きた。我の元へ捧げ物が送られなくなったこともあった。時には異教の象徴として刃を向けられたこともある。
それでもこの国はどうにか生き延び、我もまたこの国の守り神としてあり続けた。
先日、我は卵を産んだ。
我の記憶にあるそれよりも幾分か小さいものを十二個。
産むこと自体は容易かったが、それからというもの身体が妙に重くてならぬ。
大地の上に身体を横たえると、急激な眠気が襲った。
ああ、これが死というものか。
本能で分かるその感覚に目を瞑ると、それまでの記憶が鮮明に蘇った。
あれだけ追い求めたエルの表情が、声が、今ははっきりと思い出せる。
「グラナトム」
懐かしい声に名前を呼ばれたような気がして声を上げると、我の身体に暖かな温もりが触れた。
ああ、そこにおるのか。迎えに来てくれたのか。
「待っておったぞ、エル」
その温もりに身体をすりつけると、エルが笑ったような気配がした。
我はグラナトム。
エルを背に乗せて空を飛ぶのが好きな、ただの古代竜だ。
エルがいなくなってからも、我は生き続けた。
もとよりこの身は飲食を必要とせず、この世の何物にも傷つけられることがないほど強靱だ。
卵を産んで子孫を残し、長き命が自然と燃え尽きるその時まで、我に死は許されぬ。
最初の一千年は、ただ洞窟で眠り続けた。
夢の中でなら、エルと出会えると気がついたのだ。
時折夢から覚めては、洞窟に微かに残ったエルの痕跡や、エルが身につけたコレクションを眺めながら無為に時を過ごしていった。
次の二百年は、エルと共に巡った地を再び巡り直した。
一千年の間に変化していた場所が大半だったが、海の青さや翼で風を切るときの唸りは変わらぬ。
我の背の上で無邪気にはしゃぐエルの声を思い浮かべる度、その声は次第に鮮明さを欠いていった。
その後洞窟に戻った我は、コレクションを見てもそれを身につけたエルの姿を上手く思い描くことが出来ぬことに気がついた。
いかに古代竜が優れた種族とはいえ、全てを記憶しておくことは出来ぬ。
エルと過ごした記憶は、その他の記憶同様に薄れつつあったのだ。
それから三か月、我は洞窟の中で暴れた。
あれだけ焼き付けたはずの記憶を失ってしまう自信の愚かさに腹が立って仕方がなかった。
次の四百年は、何もする気が起きずに身体を横たえていた。
眠る気すらせず、ひたすら息をしていた。
再び世界を巡る旅に出たのは、洞窟が崩れたためだ。
長い時を重ねた上に、我が散々暴れたこともあって脆くなっておったのであろう。
精霊の力を使えば治せることも出来たであろうが、不思議とそうする気にはなれなかった。
五百年かけて気ままに世界を巡り、新たなコレクションを集めたり景色を見たりするうち、心は次第に穏やかになっていった。
それとともに、エルのことも何かにつけて思い出せるようになっていった。
以前の我が望んだように、完全に細部まで再現した記憶ではない。ただ、ふとした瞬間にあの瞳や髪の色が頭を過ぎるのだ。
我には、それで十分だった。
更に六年が経った頃には、我はすっかりエルと共に暮らしたときのような生活を送るようになっていた。
世界を巡る途中で見つけた温泉に入りながら精霊の声に耳を傾け、獣や魚を捕らえては炎で焼いて食べる。
古代竜らしからぬ生活だが、我にはこれがしっくりきた。
七百年後には、我は新たな住居を見つけた。
かつてエーデルシュタインと呼ばれた国があった場所だ。
人間が作った集落の例に漏れず、エーデルシュタインも十万年以上の時を経る間に滅んだらしい。
我がこの地に訪れた当初は、宝石が取り尽くされた鉱山が残るだけで美しさの欠片もない土地だった。
エルの故郷がこのように美しくない姿になっているのを見るのは忍びない。
大地の精霊に魔素を集めさせて再びこの地に宝石が生まれるように取りはからったところ、次第に人間達が集まるようになってきた。
人間は好奇心が旺盛で、順応力も高い。
初めは我を見てすごすごと引き返していった人間達も、そのうち我の目を盗んで―――実際には全て見ているのだから盗めてはおらぬのだが―――宝石を採取していくようになった。
我が作らせた宝石を無断で取っていくような無礼者は焼き払ってもよかったのだが……その頃は気分がよかったので見逃してやっていたのだ。
八年後、人間達は我の周囲に集まって集落を作り始めた。
それに伴って、我の元へこの地で採れた宝石やそれを使った装飾品が届けられるようになった。
人間達の会話に耳を傾ける限り、どうやら、我はこの地の守り神とされておるらしい。
捧げられた装飾品はどれも我のコレクションに比べれば質もよくなかったが、捨てるには惜しい。
それに、精霊に作らせただけあって宝石の質はよいのだ。
コレクションとは別に飾ることにした。
九十年後、ついにこの地に国が生まれた。
名はエーデルシュタイン。以前この地で長きにわたって繁栄した王国……エルの故郷と同じ呼び名だ。
最近は、人間達が作る装飾品の質もよくなってきた。
これならば、エルに飾ってもその美しさに装飾品が負けることはないであろう。
今では何が捧げられるのかと楽しみに待ち望むようになってきたのだから、人間の成長は早いものだ。
それから十ヶ月後。今年の分の捧げ物が我の元へと運び込まれた。
これまでのように人間が身につける大きさの装飾品ではなく、我が身につけられるほど大きな装飾品の数々が我の前に並べられる。
王冠に首飾り、指輪、イヤリングやブレスレットなどその種類は多種多様だ。
首飾りをのぞいて、捧げられた品は全て受け取った。
このデザインは気に入らなかったかと慌てる人間に首を横に振り、我の首に巻かれた銀の鎖を見せる。
捧げられたものに比べれば宝石の質も大きさも装飾性も劣るが、我はこの鎖さえあればよいのだ。
精霊を通じてそう伝えると、人間は安堵したように胸をなで下ろした。
人が生き、死に、次に命を繋いでいく様を眺めている内に十一もの王を見送った。
愚かな争いはいくつも起きた。我の元へ捧げ物が送られなくなったこともあった。時には異教の象徴として刃を向けられたこともある。
それでもこの国はどうにか生き延び、我もまたこの国の守り神としてあり続けた。
先日、我は卵を産んだ。
我の記憶にあるそれよりも幾分か小さいものを十二個。
産むこと自体は容易かったが、それからというもの身体が妙に重くてならぬ。
大地の上に身体を横たえると、急激な眠気が襲った。
ああ、これが死というものか。
本能で分かるその感覚に目を瞑ると、それまでの記憶が鮮明に蘇った。
あれだけ追い求めたエルの表情が、声が、今ははっきりと思い出せる。
「グラナトム」
懐かしい声に名前を呼ばれたような気がして声を上げると、我の身体に暖かな温もりが触れた。
ああ、そこにおるのか。迎えに来てくれたのか。
「待っておったぞ、エル」
その温もりに身体をすりつけると、エルが笑ったような気配がした。
我はグラナトム。
エルを背に乗せて空を飛ぶのが好きな、ただの古代竜だ。
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