我は竜である。名前はもう無い―古代竜と宝石騎士のほのぼのスローライフ―

十五夜草

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11の思い出と1つきりの名前

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「グラナトム」

 耳を傾けておらねば聞き逃してしまいそうなほど小さな声が、洞窟に響いた。
 「どうした?」と出来るだけ静かに問いかければ、以前よりも更に細くなった腕が宙を彷徨う。
 そこにほんの少し鼻先を触れさせれば、こちらを見つめた蒼い瞳が嬉しそうに微笑んだ。

「そこにいるのか」
「うむ。我はここにおる」

 この洞窟を出て世界を巡る間に、エルは一年、また一年と時を重ねた。
 眩い黄金の髪は落ち着いた輝きの白銀に変わり、滑らかな肌には年月を感じさせる皺が刻まれている。
 もともと小さかった身体が更に小さくなるにつれて、エルは次第に上手く身体が動かせなくなっていった。

 風の音が上手く聞き取れなくなり、一人で山を登ることが困難になり、遠くの景色が見えなくなった。
 どんなに手入れを重ねても、多少よくはなるものの昔のようには戻らぬ。

 エルはそれを「歳を取った」為だと言った。
 人間は長く生きても百年と少ししか生きぬ。エルにも、その時が迫っているのだと。

 それでも、エルの夢なのだという旅は続けた。
 小さな音が聞き取りにくいのなら聞き取れるところまでいけばよい。
 足が思うように動かぬのなら、我が運べばよい。
 遠くの景色が見えぬのなら、間近に言ってみればよい。
 エルが笑うのなら、我は耳にも足にも目にもなろう。

 グラナトムと最初に会った、あの洞窟に戻りたい。
 そんなエルの希望で洞窟に戻ってきたのは、ほんの一月前の事だった。

 白い鳥の羽を敷き詰めて作った寝床に小さな身体を横たえたエルは、よく我の話を聞きたがった。
 共に巡った世界の話から、我が送ってきたこれまでの生のことまで、様々だ。

 望まれるがまま話をすると、サファイアのように蒼い瞳は昔のようにきらきらと輝いた。
 我の話を聞くと、もと殆ど見えぬのだという視界に様々な景色がはっきりと浮かぶのだという。
 不思議なことだが、エルが望むのならばいくらでも話そう。

 我は長く生きた古代竜。一月程度では、我の思い出や記憶は語り尽くせぬからな。
 全てを語るには、一年二年でも足りぬ。百年、二百年……千年あっても、きっと足りぬであろう。

「まだまだ、そなたに語っておらぬ話は山とあるのだからな。
 我の話が尽きるその時まで、心して聞くのだぞ」
「そうだな。グラナトムの話はどれも面白いから、ずっと聞いていたいよ」

 そう言って、エルが蒼い瞳を細めた。
 その傍らに、我のとびきりのコレクションをいくつも並べる。

 大粒のルビーをあしらった指輪。スピネルとダイヤを散りばめたブローチ。紅水晶の首飾りにアレキサンドライトのブレスレット。
 それに、深い紅のガーネットを柄にはめ込んだ剣。
 どれもこれも、洞窟の中でもうっすらと輝く白銀の髪と吸い込まれそうなほど蒼い瞳に映えるものばかりだ。

「よく似合っておるぞ」
「そうか……うん、グラナトムが言うなら、きっとそうなんだろうな
 グラナトムは、センスがいいから」
「我は古代竜であるからな。
 まだまだ、そなたに身につけさせたいコレクションはたくさんある。だから……」
「グラナトム」

 静かな声が、我の言葉を遮った。
 細くなった指先が我の鼻先をそっとなぞる。
 そこから伝わる体温は、以前と比べればやや低いもののやはり温かかった。

「伝えたいことがある」
「……話すがよい」

 エルの話なら、いつまででも聞こう。我は古代竜。何百年、何千年、何万年と生きられる種族なのだから。
 我が頷くと、エルの薄い唇が小さく、ゆっくりと動き始めた。

「最初にグラナトムと出会った時、本当は怖かったんだ」
「気がつかなかったな」

 当時のエルも、今と同じく本当に立派だった。
 古代竜たる我を前にして怯えることも、萎縮することもなかったのだから。

「あの頃はまだ若かった。
 エーデルシュタインの近衛騎士団長として、例え古代竜が相手でも怯えている姿は見せられないと気を張っていたんだ」

 そう言って、エルが懐かしげに目を細めた。
 しかし、気を張る程度で我の前で態度を取り繕えるのだから、やはりエルは立派だ。
 目を細めたエルが、更に話を続ける。

「コレクションにと望まれたときは正直、途方に暮れた。
 ようやく帝国からエーデルシュタインの自治権を取りもどして、これからディアナ様を支えていこうと決めた矢先だったからな。
 人間をコレクションにするって感覚が理解出来なくて、喰われるんじゃないかと思った」
「人間など骨ばかりで、可食部が少ないではないか。第一、古代竜は基本的に食事を摂らぬ」
「そうだな。でも、当時は竜と言えば人を食うものだと思ってたんだ」

 そう言ったエルの表情は、言葉とは裏腹に穏やかなものだった。
 小さな手に導かれるまま、エルの隣に頭を横たえる。
 普段よりも近くにあるエルの瞳が「これならグラナトムがよく見える」と微笑んだ。

「よいのか。あまり近くに我を置くと、そなたを頭から食べてしまうかもしれぬぞ」
「こんな骨だらけの身体になるまで無事だったんだ。平気さ」
「脂がのった肉よりも、ほどよくさっぱりとした肉の方が好きなだけやもしれぬ」

 冗談の応酬に、エルがくすりと笑った。

「グラナトムになら、食べられてもいいな」
「残念なことに、我はそなたを食べるよりもそなたの料理を食べる方が有意義だと知ってしまったからな。
 まだまだ、そなたの料理に飽きるまでは食べぬ」
「ああ、それなら俺は最後まで食べられずに済みそうだ」

 そこで言葉が途切れて、エルの瞼が静かに閉じられた。
 ややあって、閉じられた瞼が重たげに持ち上げられる。

「グラナトムと暮らしはじめて、驚いたよ。
 思っていた古代竜とは、全く違ったからな」
「本物の方が、よかったであろう」
「ああ……本当に、よかった。
 一緒に食事をしたり、風呂に入ったり、眠ったり……一緒に過ごせて楽しかった」

 我の頬や首を撫でていた手が、首に巻かれた鎖に触れた。
 まだつけていたんだな、と笑うエルに力強く頷く。

「そなたがくれたものだ。何千年、何万年が経とうと身につけるとも」
「そうか……嬉しいな」

 独り言のように呟いたエルが、身体を震わせた。
 洞窟内は温かく保っておるが、身体が小さく頑丈な鱗を持たぬエルには寒いのやもしれぬ。

「……グラナトム」
「どうした。水が欲しいか? それとも、洞窟をもう少し暖めるか?」
「いや……もっと、傍にいきたい」

 エルの要望を叶えるため、小さな身体を翼で引き寄せた。
 驚くほど軽いその身体を潰さぬように抱え込み、翼で覆う。
 しばらくすると、エルの身体の震えは徐々に収まっていった。

「暖まったか?」
「……ああ」

 翼の合間から顔をのぞかせたエルが、焦点の合わない瞳で我を見つめた。
 皺だらけの顔をくしゃくしゃにして、無邪気な笑みを浮かべる。

「おやすみ……グラナトム」
「うむ。ゆっくり休むとよい。
 明日はまた、今日よりも楽しい話を聞かせよう」

 それに頷いて、エルの瞼がゆっくりと閉じられた。
 穏やかな寝息が唇から漏れる。
 周囲を飛び交う精霊の仄かな光に照らされるその寝顔はとても満足げに見える。

 エルの微かな呼吸が次第に遅くなり、やがて聞こえなくなったのは、夜が明ける直前のことだった。






「エル」

 何度呼んでも、エルは目を覚まさなかった。
 これが死というものであることを、我はよく知っている。

 人間は死にやすい生き物だ。
 高いところから落とせばその血肉を飛び散らせ、炎に触れれば瞬く間に焼け、水に沈めば数分で呼吸を止める。
 そうやって死んだ人間を、我は何人も、何十人も、何千人も……否、数えきれぬほど見て来た。

 エルは、我が見て来た中でもっとも美しく死んだ人間だった。
 穏やかな表情は、いつものように眠っているだけのようにさえ思える。

 しかしその心臓はぴくりとも脈打たず、徐々に冷えゆく身体からは生者とは異なる匂いが発されている。
 エルは間違いなく死んだのだ。

「エル」

 それでも、我は呼ばずにはいられなかった。

「エル、朝が来た。今日もまた、そなたが望む話を聞かせよう。
 その身を我のコレクションで飾ろう。
 何がいい。どんな話でも、宝石でも、そなたが望むのならいくらでも贈ろう」

 物言わぬエルの傍に、それまでエルに飾った中でもっとも似合うコレクションを無数に散りばめた。
 ブルーダイヤモンドの宝冠、エメラルドのブローチ、トパーズのブレスレット、アメジストのイヤリング、黒翡翠のアンクレット、オパールの留め具の着いた毛皮のマント、ジルコンの髪飾り、ルビーの指輪……。
 それから、エルが初めて出会ったときに携えていたアクアマリンの首飾り。

 どれもこれも、エルによく似合うものばかりだ。
 エルの隣や身体の上にいくらコレクションを乗せても、いつかのように「重いからやめてくれ」と文句を言われることはない。
 やがてその身体がすっかり宝石で覆われた時、我は宝石をエルの上に乗せるのをやめた。

 分かっておるのだ。このようなことをしても、エルが返事をすることは二度とないと。

「すまないな、重いであろう」

 気の向くままに身体の上に乗せたコレクションをどかして、始めに選んだものだけをエルの上に乗せる。
 このままエルを永久に保管できたらどんなによいだろう。
 しかし、それは出来ぬことだ。生き物である以上、死して時間が経てばその身は腐り、大地に孵る。
 氷漬けにすれば腐ることはないが……それでは寒いだろう。

 人間は暑さにも寒さにも弱い、繊細な生き物。
 エルも例外ではなく、見渡す限り続く雪原の中で眠ったときには「さすがに寒いな」と言って我の傍から離れなかった。
 そんなエルを、氷の中に閉じこめるわけにはいかぬ。

 美しい姿を目に焼き付けて、小さな身体にそっと炎を吐きかけた。
 勢いよく燃え上がる炎の周囲を、無数の精霊達が飛び回る。

 炎が消えたあとには、僅かな灰が残るばかりだった。





 我は竜である。それもただの竜ではない。
 かつて人間に「グラナトム」と名をつけられ、首に鎖を巻かれた強大で弱い古代竜だ。
 しかし、その名を呼ぶ者はもういない。二度と現れることはない。

 故に、我の名前はもう無い。
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