人喰い狼と、世界で最も美しい姫君

十五夜草

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7歳 人喰い狼と、真実

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「侵入者がいるわ」

 サラがそう告げたのは、ローザが入学してまもなく。
 季節外れの雪が降り積もったあくる朝のことだった。
 毛繕いを止めて聞き返す。

「侵入者?」
「ええ、森の入口に。
 大勢じゃないわね。一人だけ。
 マギアスほどじゃないけど、それなりに強い魔力を感じるわ」

 人喰い狼が出ると噂されているこの森に近づく人間など、ろくなものではない。
 サラの言葉を皆まで聞く前に、身体を起こした。

「見てこよう」

 鋭い牙と爪で引き裂くだけの私よりも、無尽蔵の魔力で炎を放つサラの方が戦闘力は上だ。
 だが、人間たちの多くはサラよりも私を恐れる。
 サラ曰く「見た目の問題でしょ。あんたの方が、ぱっと見て分かりやすく怖いのよ」ということらしい。

 故に、森に侵入者があったときは必ず私が最初に様子を見に行くことにしていた。
 その方が、警告と見なされやすい。

 ローザを学校へ送り届けた後でよかった。
 そう胸をなで下ろし、森の入口へ向けて駆け抜ける。
 私の足なら、十分もかからずに到着するはずだ。
 森の中を彷徨う人影を見つけたのは、駆けだしてから数分後のことだった。

「待て!」

 並の人間ならば腰を抜かすほど大きな声で吠えると、フードを被った人影がその場に倒れ込んだ。
 その拍子にフードが外れ、長い黒髪が露わになる。
 華奢な体格に長い髪。何よりもこの匂い。侵入者は、どうやら女だったようだ。
 他に人間の気配はないから、森に入ったのは間違いなくこの女だけだろう。

「貴様、何者だ」

 私の問いかけに、女は細い身体を小さく震わせて「お許しください」と言った。

「事情による。何故この森に入った」
「わ、わたしは……ただ、娘を確認したくて」
「娘?」

 女の雪のように白い肌と黒檀のように黒い髪を見て、ようやく気がついた。
 もしや、この人間は……。

「貴様……七年前に、森に赤ん坊を捨てた者か」

 私の問いかけに、女は小さく頷いた。
 途端、燃えさかるような怒りが胸に宿る。

 雪の降る寒い朝に、人喰い狼の住む森へ赤ん坊を捨てた。
 それは、自らの手を汚していないだけで赤ん坊を殺そうとしたのと同意ではないのか。
 今更どのような心境で、ここへ来たというのだ。

「今更何用だ!」
「お怒りになるのも分かります。
 ですが、どうか今一度話をお聞きください」

 女の濡れたような黒い瞳がこちらを見つめた。
 吠えるのを止めたのは、それに同情したわけではない。
 ただ、ローザを捨てた言い訳をするのなら聞くだけ聞いてやろうと思っただけだった。

「わたしは、この国の女王です。
 かつては、白雪姫と呼ばれていました」

 その言葉通り、女は雪のように白い肌をしていた。ローザと同じだ。
 白雪姫と呼ばれるのも、納得がいった。

「わたしには、母がおりました。
 大理石のように白い肌に黒炭のように黒い髪、ルビーのように赤い唇を持った、美しい母が。
 父はそんな母を、世界で最も美しいと賞賛しました。
 そして、母から産まれた私は世界で二番目に美しいと言いました。
 わたしは、それで満足していました」

 女が目を伏せた。

「わたしが七歳になった時、父は世界で最も美しい者はわたしになったと言いました。
 母はそれを聞いて怒り狂いました。わたしを四回も殺そうとするほどに。
 多くの幸運が重なってわたしは助かり、今では父の跡を継いで雪の国の女王となりました。
 人々から見れば、わたしは幸せでしょう」
「そうだな。娘を捨てる必要は、どこにも無さそうに思えるが」

 雪の国で、王族が子を捨てることを迫られるような災害や事件が起きたという話は聞いたことがない。
 もしそんなことが起きていれば、サラが知らせてくれる筈だ。
 私の言葉に、女は身体を微かに震わせて言葉を続けた。

「肌は雪のように白く、髪は黒檀のように黒く、唇は薔薇のように赤い。
 わたしと似た美貌をもった娘が生まれたとき、わたしは恐ろしくなったのです。
 母の血が流れたわたしは、果たしてこの子が世界で最も美しくなったときに愛せるのだろうか……と」
「それで、捨てたというのか」

 その言葉に、女は黙って頷いた。
 一度は静まったはずの怒りの炎が、再び燃え上がる。
 女の喉笛を噛みちぎりたくなる衝動を堪えながら、問いを投げた。

「貴様は一度、親に捨てられる悲しみを体験したのだろう。
 なぜ、同じ思いを子に味あわせる」
「同じ、ではありません。
 狩人に言って森にあの子を捨てたとき、あの子は何も知らない赤子でした。
 親に捨てられる悲しみを知っているからこそ、私はあの子に同じ苦しみを味あわせたくなかったのです」

 座り込んでいた女が震える足で立ち上がり、縋るような瞳で私を見つめた。
 白い息が幾度となく吐き出される。
 星のようにきらめいていた黒い瞳からは、いまや何を考えているのか全く読み取れなかった。
 だが、これだけは言える。

「……結局、貴様も母親と同じだ。
 自分のために、子を捨てたのだろう。
 将来美しくなった娘を見て、醜い嫉妬に狂う自分を恐れて」

 そう告げた途端、女の顔が強張った。
 瞳から大粒の涙が零れ、雪の上に落ちる。

 女にも、事情があるのかもしれない。
 だが、仮にそうだとしても今告げた言葉を取り消す気にはなれなかった。
 むろん、ローザに会わせるつもりもない。

「ここで野垂死にされては、後始末に困る。
 私の気が変わらぬうちに、早急に立ち去るがいい」
「お待ち下さい。どうか」

 見逃してやろうと言っているにもかかわらず、女は立ち去ろうとしなかった。
 よろめきながらも、私の足に縋りつく。

「娘は生きているのでしょう。
 銀花の街の学校に、とても美しい少女が在籍していると噂で聞きました。
 非常に魔力が高く、幼い頃のわたしによく似ていると……」
「それを知って、どうする」

 その問いかけが許しだと思ったのかもしれない。
 女は少し躊躇った後、言葉を並べ立てた。

「もちろん、雪の国の第一王女として迎え入れます。
 こんな森の奥で暮らすより、よほどいい生活を送らせてあげられますから」
「そうか」

 確かに、人里離れた森の奥で暮らすよりも多くの人間に囲まれて暮らす方がよいのかもしれない。
 ここで頷けば、ローザの「おひめさまになる」という夢も叶えられる。
 そんな思いが頭を過ぎった。
 だが……。

「雪の国の女王よ。
 物事には皆、取り返しのつくこととつかぬ事がある。
 お前は一度、子を捨てた。
 人喰い狼が住まうと伝えられているはずのこの森に。雪の国の者なら皆知っている寒さの厳しい真冬に。
 その意味が分かるか」
「それは……」
「あの子は、ビブリオの称号を与えられし魔法使いマギアスの使い魔の子だ。
 伝えることはそれだけだ。早々に立ち去るがいい」

 女は、私の言葉が耳に入らぬほどひどく驚いたようだった。
 しばらくして、女が口を開く。

「何故ですか。何故……」
「お前は信用できない。それだけだ」

 女がローザを雪の国の第一王女として迎えると言ったとき、いやな目をしていた。
 嘘をついている者の目だ。
 私は魔法は使えないが、嘘を見破ることにかけてはマギアスやサラよりも上手かった。
 だから、この女は信用できない。

「でも、わたしは母です! 子どもは、親の元で育った方が幸せでしょう」
「私は親に育てられなくとも十分幸福だった」

 マギアスに、サラ。
 親がいなくとも、彼らが常に傍にいてくれたから寂しくなかった。
 彼らが教え、導いてくれたお陰で今の私がある。

「あの子の髪が黒いのは私の毛皮が黒いからだ。あの子の瞳や唇が赤いのは、サラの身体が赤いからだ。
 あの子の肌が白いのは、雪の降る朝に生まれたからだ。決してお前の血を引いているためではない。
 あの子はお前とも、雪の国の王家とも一切関係ない。ただ、雪の降る朝に私が拾った子。それだけだ」
「……せっかく王女としてなに不自由ない生活と高い教育を受けられる権利があるというのに、あなたはそれを奪うのですか」
「それは、一度命を奪おうとした者の元で養育されてまで得なければならない権利なのか。
 王女として暮らさなかったからとて、幸福になれないわけではあるまい」

 女王は答えなかった。

「さあ、もうゆくがよい。
 二度と、私やあの子に関わるな。
 もしそのようなことがあれば、私の牙と爪がお前の身体を引き裂こう」

 そう言うと、女王は小さく息を呑んだ。
 マギアスの使い魔であった頃に私がしたことを知っているのだろう。
 私の言葉に震えながら頷くばかりで、後はもうなにも言わなかった。






「遅かったわね」

 家に戻った頃には、既に日が高く昇っていた。
 女が森の外に出ていくのを監視していたら、遅くなってしまったのだ。

「すまない。もうこんな時間か」

 普段なら、ローザを学校に迎えに行く時間だ。
 こんなに寒い中、いつまでも待たせるわけにはいかない。
 サラには、走りながら説明することにしよう。

「お疲れ様」

 だが、サラには言わずとも全て分かっていたらしい。
 私が口を開くよりも前に、そう言われてしまった。

「知っているのか」
「私をなんだと思ってるの? 古代竜から生まれて、大魔法使いマギアスと半生を過ごした、偉大なる炎の精霊よ。
 森の中でどんな会話がされているか聞くくらい、造作も無いわ」

 言われてみれば、サラは非常に器用な質だった。
 それを思い出して頷くと、サラは「分かったのならいいのよ」と満足げに揺れた。

「もしかしてと思ってはいたけど、まさか本当に王族だったなんてね……」
「分かっていたのか?」

 驚いて尋ねると、サラは「確信があったわけじゃないわよ」と少し困った様子で身体を揺らした。

「ただ、王族は精霊と相性のいい者が多いのよ。
 そういう人間が、国を創設してきたから」
「では、マギアスも?」
「マギアスは違うわ。たまたま私と相性がよかっただけ。
 だから、ローザも偶然精霊と相性のいい子なんだと思っていたんだけど……」

 そう言って、サラがため息を吐いた。

「まあ、あれだけ脅したんだから女王も二度と来ないでしょう。
 あんたがもしもローザを渡すって言ってたら、全身の毛を焼き尽くしてた所だったわ」
「それは勘弁してくれ……しかし、何故女王は今更ローザを」

 私の呟きに、サラが「ああ」と低い声を漏らした。

「そんなの、先代の王妃と同じ理由に決まっているじゃない」
「……ローザが自分よりも美しくなったと思ったから、か?」

 私の言葉に、サラが頷くように明滅した。

「もしあんたがローザを渡していたら、女王はきっとあの子を幽閉するか、何らかの方法で醜くしたでしょうね」
「そうか……」

 やはり、ローザを渡さなくて正解だった。
 しかし、そうなると今度はローザに危害が加えられないか不安になってくる。
 私の考えを悟ったのか、サラが「大丈夫よ」と優しく言った。

「女王にとっては、ローザをどうにかすることよりも自分の美貌を守る方が大切なはずだもの」
「しかし、先代の王妃は今の女王を四回も殺そうとしたのだろう?
 ならは、女王も同じことをするのではないか?」

 私の問いかけに、サラは「あの二人は違うわ」と事も無げに言った。

「先代の王妃は「世界で最も美しい女性」の座が大切だったから、子どもを排除しようとしたのよ。
 女王にもその傾向はあるけれど、何よりも大切にしているのは美貌そのもの。
 自分が美しいから国は上手く治まっているし、夫は優しいし、敵国も攻めてこないと思っているの。
 だから、その美貌を失うようなことにはきっと手を出さないわ。
 銀花の街でローザを攫ったり、危害を加えなかった辺り、先代の王妃よりも理性はあるみたいだしね。
 一応、女王の周囲の精霊に言ってなにかしようとしたら知らせてもらえるようにするけれど」
「それならば、安心だな」

 あらゆる場所に存在する精霊に隠し事をすることは、人間にはまず出来ない。
 女王が何かを企んだとしても、それを周囲に指示したり自ら動いたりする前にサラに伝わる筈だ。
 わかりきった計画を阻止するのは、私とサラならば造作も無いことだった。

 一つ悩む部分があるとすれば、ローザの本当の両親を奪ってしまったことだ。
 どんな人間であろうと、女王とその夫はローザと血の繋がりのある両親であることに変わりない。
 それを私は、彼女の意思も聞かずに奪ってしまった。

 だが……私のエゴかもしれないが、娘の美しさに嫉妬して捨てるような人間が母親だと、ローザに教えたくはない。
 ローザの両親は何らかの理由でローザを捨てた。どこの誰がどんな理由で捨てたのかはわからない。
 もう、それでいいではないか。

 森には今日、誰も来なかったのだ。

 しばらく走り続けると、ローザとキースが通う学校に着いた。
 門の前で待っている二つの人影を見つけて、足を止める。
 ローザとキースだ。どうやら、キースはローザと共に待っていてくれたらしい。
 この寒いのに、よく付き合ってくれたものだ。

「あ、パステール! サラ!」
「すまぬ、遅れてしまった」
「よかった、これで帰れるね」

 手を振るローザに、キースが微笑んだ。
 「うん」と笑い返したローザが「あ、これ」と慌てた様子で自分の首からマフラーを外してキースに掛ける。
 そういえば、ローザは出かけるときにマフラーをしていなかったな。待っている間、貸してくれていたのだろうか。

「貸してくれて、ありがとう。キース」
「どういたしまして。帰りも気をつけてね」
「ああ、待て。もしよければ、送っていこう」

 駆け出そうとするキースにそう声をかけると、キースは笑って首を横に振った。

「ローザが魔法を使ってくれたおかげで暖かかったですし、帰りが遅くなりますから。
 じゃあ、またね。ローザ」
「うん、またね」

 そういって、キースはさっと身を翻して駆けて行ってしまった。
 その背中が見えなくなるまで見送った後、ローザが私の背に乗り込む。

「あのね、さっきまでキースに数学を教わってたの。
 キース、すごいんだよ。先生に教わってもわかんなかったことも、キースに説明してもらうとかんたんにわかるの!
 だからね、今度の数学のテストはきっと満点とれるよ」
「それは楽しみだな」
「うん! それでね、今度はわたしがキースに魔法を教えてあげる約束したの。
 おうちに帰ったら特訓しないと」

 家に帰るまでの間、ローザはずっと学校や新しく出来た友達、それからキースの話を続けていた。
 その声はとても楽しげだ。

 大人になったとき、全てを知ったローザがどう思うのかは分からない。
 けれどどうか、今過ごしているこの時間が幸せだったと思って欲しい。
 森を駆け抜けながら、密かにそう願った。
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