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プロローグ
しおりを挟むその者に名前を知られてはいけない。
その者は名を奪う。
名を以て服従を強い、支配する――そういう魔法を使う。
その者を信用するな。
心を開いて名を教えた瞬間に、その者の従者となる。
盾となり、矛となり、命を燃やされる――そんな最期を強いられる。
その者の魔法は、人々の生活を脅かす。
その者の存在は、最強にして、最凶であり、最悪である。
ゆえに排除せねばならない。
我々の安寧を守るために。
皆はその者をこう呼んだ。
『裏切り者』と。
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