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「誰、あんた!? いつからそこにいたの!?」
「さっきからいましたよ。呼び鈴らしきものを鳴らしたけど、誰も出なかったんですもん」
「あいつはあんたの手駒じゃねぇのか?」
唇を尖らせて拗ねている様子の少年を指さしながらジオンは尋ねた。アルエはかぶりを振る。
「いいや。初めましてだね」
「次から次へとなんなんだよ……」
いきなり知らない屋敷に瞬間移動させられたかと思えば、今度は謎の少年の登場。ジオンからすればめまいを起こす程の情報量の多さだろう。
一方で、アルエはやはり冷静だった。予想外の出来事が起きたはずなのに顔色ひとつ変えなかった。
「呼び鈴に関しては壊れていたのだろう。なんせ、訪問者など滅多に来ないからね」
「だからって勝手に入ってきてんじゃないわよ!」
全く以てイリアの言う通りである。
正面から堂々と入ってきたとはいえ、家主の許可を得ていないのだから不法侵入と変わらない。しかし少年は反省の色などおくびにも出さず、むしろ明るい笑みを浮かべた。
「というわけで、初めまして! カルマ・テウチルと申します!」
「急に自己紹介始めたぞ、こいつ……」
会話も成り立っていない、あまりの脈絡のなさにジオンは呆れさえ覚えたが、カルマと名乗った少年はきょとんとしながら
「さっき『誰?』って訊かれたんで」
「おぅ……そういや、そうだったな」
何か問題でもありますか? とでも言いたげに首を傾げられ、ジオンは圧倒されてしまう。すっかりカルマのペースに引き込まれそうな雰囲気を断ち切るように、アルエが口を開いた。
「で? 君は道にでも迷ったのかな? でなければこんな辺鄙な場所に辿り着くまい」
「えー、ちょっとぉ。僕は名乗ったのに、みなさんの名前は教えてくれないんですかぁ?」
「おっと、これは失礼。我が名はアルエ。アルエ・クロームだ」
名乗ってすぐに、アルエはイリアに視線を移す。彼女は仏頂面で目を逸らしたが、やがてしぶしぶと名乗った。ジオンは腕を組みながら黙っていた。だが、一同の視線が集まると、自らを指差して目を丸める。
「……え、俺も?」
カルマは期待のまなざしを向ける。観念したように自分の名前を告げると、カルマは「みなさん、よろしくお願いします!」と頭を下げた。
「さて。全員の自己紹介も済んだところで……カルマ、こちらの質問に答えてもらおうか。君はここに何をしに来たんだい?」
この屋敷は森の奥も奥、最深部にある。訪れようとして足を踏み入れる場所ではない。屋敷の存在を知る者がいるかどうかさえ怪しいほどだ。
だから、カルマが
「探し物をしていたら道に迷いました!」
と答えるのも、大方の予想はついていた。あまりに予想通り過ぎてイリアは頬を引きつらせた。
「迷子になってるのは案の定として……探し物って?」
どこかへ向かおうとして迷ったのであれば極度の方向音痴と認識すればいいだけの話だが、探し物をしているということは、一度でも森に入ったことがあるのか、あるいは――。
イリアが問うと、カルマは笑みを崩すことなく答えた。
「裏切り者、です」
思わず息を呑む。その名前が出た時点で目的を推測するのは容易い。
同じことを考えたのか、ジオンが近づいてきて耳元で囁いた。
「おい。こいつ、命を狙われているとか言ってなかったか?」
「……まだ気づいていないようだから大丈夫だと思うけど」
上手いことごまかせば、アルエの正体に気づかれることなく帰すことも出来るだろう。しかし、場合によっては戦闘になることも想定しなければならない。イリアは相手に悟られないよう気を張りつつ、身構えた。その過程で、ふと我に返る。
「っていうか耳打ちしないでくれる、気持ち悪い」
「んだとコラ」
ふたりのやりとりに気づいているのかいないのか、アルエは表情ひとつ変えずに
「詳しく説明してもらおうか」
「説明って?」
「君は、私に……」
口走りかけて咳払いでごまかした。
改めて口を開く。
「裏切り者に何の用事があるんだい?」
「そもそも、あんたは何者なのよ」
アルエに危害を加える恐れが欠片でもある以上、カルマの素性を明らかにする必要がある。突然現れた迷子をどれだけ警戒しているかなど知る由もない彼は口を尖らせながら
「名前ならさっきも言ったじゃないですか」
などと頓珍漢な回答をしてみせた。あくまでも冷静を保ちたかったイリアだが、「そういうことを訊いてるんじゃないわよ!」と感情的になってしまう。さらにその後でアルエが裏切り者の話をしようとして「私」と呼びそうになりまた咳払いをし始めたものだから、イリアとしては気が気ではない。
「アルエ、あんた一回黙ってて。墓穴掘りそうだから」
そう耳打ちをすると、軽く咳払いをして場を均す。
「あんた、そいつの個別魔法は知ってるわよね?」
「もちろんです」
「裏切り者に用があるっていう人間の目的は、大抵『命を奪うこと』……あんたもその類なの?」
ここで肯定されたなら、即座に攻撃を仕掛ける。その覚悟で核心を突いたつもりだった。
しかし。
「いえいえ、まさか! むしろ僕は『使役』してほしいんです!」
予想の斜め上を行く回答に、呆気にとられた。アルエは「ほう?」と興味津々の様子だ。ジオンはイリアと同じ反応で、ぽかんとしつつも「いや、なんでだよ」とつぶやきに近い声で問う。それを聞き取ったらしいカルマは眩しいくらいの笑顔で
「僕は強くなりたいんです。そのために仕えたい」
イリアは首を傾げる。
「話の関連性が見えないんだけど?」
「だって命を狙われているってことは、裏切り者を守るために何かしら戦闘になるってことですよね? その過程で、強くなれる気がするんです!」
その発想はなかった、と一同が思ったことだろう。
己の向上のために『使役』されたいと望む者など、おそらく後にも先にも彼以外いない。それでもイリアは警戒する。ここまでふざけた理由があっていいものか。もしかすると、はったりなのではないか。
一瞬の判断の誤りが、命取りになる。
それなのに。
「だからその者を……否、私を探していたのか」
「アルエ!?」
イリアは思わず声を張り上げた。
何を言い出すわけ、こいつ。状況が分かっているの。
ひとつ間違えれば、自分の命が危ぶまれるというのに。
いや、もしかすればまだ取り返しがつくかもしれない。
脳内で打開策を考える。しかし
「え……? 『私を』ってことは……!」
さらに目を輝かせるカルマに対するごまかし文句を考える間もなく、アルエが続けてしまう。
「いかにも、私が裏切り者だ」
あっさりとした告白に、ジオンは「正体バラしやがったぞ、こいつ」と再び呆れ顔を浮かべた。それでもやはり、アルエは飄々とした態度で
「構わないさ。私を殺しに来たわけじゃないのだろう?」
「はい! 改めて、お願いします! 僕を『使役』してください!」
勢いよく頭を下げるカルマに、アルエは「ふむ」と顎の下に手を添えて少し考える。
「しかし……ジオンには説明したが、私は『使役』する者を厳選したい」
選りすぐりの基準は個別魔法。
個人の強さを計るための指標でもある。
「問おう。君の個別魔法はなんだ?」
カルマはキラキラとした笑顔を崩さない。
はっきりと、きっぱりと答える。
「ないです!」
「さっきからいましたよ。呼び鈴らしきものを鳴らしたけど、誰も出なかったんですもん」
「あいつはあんたの手駒じゃねぇのか?」
唇を尖らせて拗ねている様子の少年を指さしながらジオンは尋ねた。アルエはかぶりを振る。
「いいや。初めましてだね」
「次から次へとなんなんだよ……」
いきなり知らない屋敷に瞬間移動させられたかと思えば、今度は謎の少年の登場。ジオンからすればめまいを起こす程の情報量の多さだろう。
一方で、アルエはやはり冷静だった。予想外の出来事が起きたはずなのに顔色ひとつ変えなかった。
「呼び鈴に関しては壊れていたのだろう。なんせ、訪問者など滅多に来ないからね」
「だからって勝手に入ってきてんじゃないわよ!」
全く以てイリアの言う通りである。
正面から堂々と入ってきたとはいえ、家主の許可を得ていないのだから不法侵入と変わらない。しかし少年は反省の色などおくびにも出さず、むしろ明るい笑みを浮かべた。
「というわけで、初めまして! カルマ・テウチルと申します!」
「急に自己紹介始めたぞ、こいつ……」
会話も成り立っていない、あまりの脈絡のなさにジオンは呆れさえ覚えたが、カルマと名乗った少年はきょとんとしながら
「さっき『誰?』って訊かれたんで」
「おぅ……そういや、そうだったな」
何か問題でもありますか? とでも言いたげに首を傾げられ、ジオンは圧倒されてしまう。すっかりカルマのペースに引き込まれそうな雰囲気を断ち切るように、アルエが口を開いた。
「で? 君は道にでも迷ったのかな? でなければこんな辺鄙な場所に辿り着くまい」
「えー、ちょっとぉ。僕は名乗ったのに、みなさんの名前は教えてくれないんですかぁ?」
「おっと、これは失礼。我が名はアルエ。アルエ・クロームだ」
名乗ってすぐに、アルエはイリアに視線を移す。彼女は仏頂面で目を逸らしたが、やがてしぶしぶと名乗った。ジオンは腕を組みながら黙っていた。だが、一同の視線が集まると、自らを指差して目を丸める。
「……え、俺も?」
カルマは期待のまなざしを向ける。観念したように自分の名前を告げると、カルマは「みなさん、よろしくお願いします!」と頭を下げた。
「さて。全員の自己紹介も済んだところで……カルマ、こちらの質問に答えてもらおうか。君はここに何をしに来たんだい?」
この屋敷は森の奥も奥、最深部にある。訪れようとして足を踏み入れる場所ではない。屋敷の存在を知る者がいるかどうかさえ怪しいほどだ。
だから、カルマが
「探し物をしていたら道に迷いました!」
と答えるのも、大方の予想はついていた。あまりに予想通り過ぎてイリアは頬を引きつらせた。
「迷子になってるのは案の定として……探し物って?」
どこかへ向かおうとして迷ったのであれば極度の方向音痴と認識すればいいだけの話だが、探し物をしているということは、一度でも森に入ったことがあるのか、あるいは――。
イリアが問うと、カルマは笑みを崩すことなく答えた。
「裏切り者、です」
思わず息を呑む。その名前が出た時点で目的を推測するのは容易い。
同じことを考えたのか、ジオンが近づいてきて耳元で囁いた。
「おい。こいつ、命を狙われているとか言ってなかったか?」
「……まだ気づいていないようだから大丈夫だと思うけど」
上手いことごまかせば、アルエの正体に気づかれることなく帰すことも出来るだろう。しかし、場合によっては戦闘になることも想定しなければならない。イリアは相手に悟られないよう気を張りつつ、身構えた。その過程で、ふと我に返る。
「っていうか耳打ちしないでくれる、気持ち悪い」
「んだとコラ」
ふたりのやりとりに気づいているのかいないのか、アルエは表情ひとつ変えずに
「詳しく説明してもらおうか」
「説明って?」
「君は、私に……」
口走りかけて咳払いでごまかした。
改めて口を開く。
「裏切り者に何の用事があるんだい?」
「そもそも、あんたは何者なのよ」
アルエに危害を加える恐れが欠片でもある以上、カルマの素性を明らかにする必要がある。突然現れた迷子をどれだけ警戒しているかなど知る由もない彼は口を尖らせながら
「名前ならさっきも言ったじゃないですか」
などと頓珍漢な回答をしてみせた。あくまでも冷静を保ちたかったイリアだが、「そういうことを訊いてるんじゃないわよ!」と感情的になってしまう。さらにその後でアルエが裏切り者の話をしようとして「私」と呼びそうになりまた咳払いをし始めたものだから、イリアとしては気が気ではない。
「アルエ、あんた一回黙ってて。墓穴掘りそうだから」
そう耳打ちをすると、軽く咳払いをして場を均す。
「あんた、そいつの個別魔法は知ってるわよね?」
「もちろんです」
「裏切り者に用があるっていう人間の目的は、大抵『命を奪うこと』……あんたもその類なの?」
ここで肯定されたなら、即座に攻撃を仕掛ける。その覚悟で核心を突いたつもりだった。
しかし。
「いえいえ、まさか! むしろ僕は『使役』してほしいんです!」
予想の斜め上を行く回答に、呆気にとられた。アルエは「ほう?」と興味津々の様子だ。ジオンはイリアと同じ反応で、ぽかんとしつつも「いや、なんでだよ」とつぶやきに近い声で問う。それを聞き取ったらしいカルマは眩しいくらいの笑顔で
「僕は強くなりたいんです。そのために仕えたい」
イリアは首を傾げる。
「話の関連性が見えないんだけど?」
「だって命を狙われているってことは、裏切り者を守るために何かしら戦闘になるってことですよね? その過程で、強くなれる気がするんです!」
その発想はなかった、と一同が思ったことだろう。
己の向上のために『使役』されたいと望む者など、おそらく後にも先にも彼以外いない。それでもイリアは警戒する。ここまでふざけた理由があっていいものか。もしかすると、はったりなのではないか。
一瞬の判断の誤りが、命取りになる。
それなのに。
「だからその者を……否、私を探していたのか」
「アルエ!?」
イリアは思わず声を張り上げた。
何を言い出すわけ、こいつ。状況が分かっているの。
ひとつ間違えれば、自分の命が危ぶまれるというのに。
いや、もしかすればまだ取り返しがつくかもしれない。
脳内で打開策を考える。しかし
「え……? 『私を』ってことは……!」
さらに目を輝かせるカルマに対するごまかし文句を考える間もなく、アルエが続けてしまう。
「いかにも、私が裏切り者だ」
あっさりとした告白に、ジオンは「正体バラしやがったぞ、こいつ」と再び呆れ顔を浮かべた。それでもやはり、アルエは飄々とした態度で
「構わないさ。私を殺しに来たわけじゃないのだろう?」
「はい! 改めて、お願いします! 僕を『使役』してください!」
勢いよく頭を下げるカルマに、アルエは「ふむ」と顎の下に手を添えて少し考える。
「しかし……ジオンには説明したが、私は『使役』する者を厳選したい」
選りすぐりの基準は個別魔法。
個人の強さを計るための指標でもある。
「問おう。君の個別魔法はなんだ?」
カルマはキラキラとした笑顔を崩さない。
はっきりと、きっぱりと答える。
「ないです!」
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