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しおりを挟む当然ながら気づいていたわけです。そうしながら緋実くんを破門にしなかった。緋実くんは大事な収入源、であったわけですね、なんとも浅ましい思考でありますが私はしがないピアノ講師、生徒から受ける月謝を頼りに生きておりました。
頭さえも足りなかった。であるから間違ったと言えるでしょう。得られなかった青春、それを取り戻す行為であったのか、彼と共に堕ちた沼。
這い上がることなど困難でした。彼が私を女にしたからか、それとも彼が青春なるもののど真ん中にいた、まさに焦がれるほど私の欲した青空だとかそこを渡る鳥だとか浮かぶ入道雲だとか、どこまでも広がる田園、そこを連なって走る自転車そしてタイヤのカラカラと回る音――そうしたものの象徴であったからか。彼はそういう男でした。
鈴ちゃん。彼は私をそう呼んだ。
ああ、私は間違えた。緋実くん、私は間違いました。この間違いが緋実くんの残像までもをかき消した、そういうことになるのでしょう。
実に私は単純なものでした。この間違いを愛したかっただけ。きっとそう言えます。
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