間違いを愛したかっただけ 〜年下の男の子達に挟まれて〜

「俺のこと遊びじゃないよね? まだキスもしてない」

私のもとにピアノを習いにやって来る二人の大学生、緋実くんと大地くん。
緋実くんから純粋な想いを受けながら私は大地くんと密かなる沼に堕ちました。
それをきっかけとして緋実くんに深い陰が落ち――

「なんであいつは良くて俺はだめ?」

可愛い男の子でしかなかった緋実くんはれっきとした一人の男だったのです。

「好きだって言え」

 ああ、私は間違えた。緋実くん、私は間違いました。この間違いが緋実くんの残像までもをかき消した、そういうことになるのでしょう。
 実に私は単純なものでした。この間違いを愛したかっただけ。きっとそう言えます。

「子供、できたらいいね、そしたら先生と一生一緒にいられる」
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