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しかしながら私はそうしなかった。緋実くんはまるで邪気のない幼子、そう信じて疑わなかったのか、悪く言えば見くびっていた、のでしょう。言い訳になりますがそうとしか思えなかったのです、引っ込めた笑みを緋実くんはすぐに取り出すのですから。
あのね、と。歯さえ見える笑顔がすでにそこにはありました。
「俺最近、告白されたんだ、中学でクラスが一緒だった女子に。同窓会で再会したんだよ。その子ね、中学の頃、俺の隣の席になりたくて、席替えのくじ引きの時に俺と隣になった子にいつも頼んで、席を交代してもらってたらしいよ。そういえばいつも隣にいるなあとは思ってたけど、その子のこと意識してなかったから、その子の気持ちに全然気づかなかった。でも告白されるとその子のこと気になり始めるよね」
良かったね。なかなか素敵な青春だ。そう微笑む私に緋実くんは、
「気になる? これからどうなるか気になる?」
小犬のように無邪気に私にまとわりつくのでありました。
緋実くんには邪気がない。そうとしか思えないわけです。これではまるで『小犬のワルツ』、緋実くんは私の周りを回ります。えらい違いだなと思ったものでした。頭にあったのは大地くんで、緋実くんと同い年でありながら彼はあの落ち着きを習得していたわけです。
今頃大地くんは何をしているのか。ふとそう思った瞬間にその姿が視界に現れたのですから以心伝心というやつだったのか、そんな浮かれた気持ちが宿りさえしました。公園です、ベンチからすと立ち上がったのが大地くんだったわけです。
あのね、と。歯さえ見える笑顔がすでにそこにはありました。
「俺最近、告白されたんだ、中学でクラスが一緒だった女子に。同窓会で再会したんだよ。その子ね、中学の頃、俺の隣の席になりたくて、席替えのくじ引きの時に俺と隣になった子にいつも頼んで、席を交代してもらってたらしいよ。そういえばいつも隣にいるなあとは思ってたけど、その子のこと意識してなかったから、その子の気持ちに全然気づかなかった。でも告白されるとその子のこと気になり始めるよね」
良かったね。なかなか素敵な青春だ。そう微笑む私に緋実くんは、
「気になる? これからどうなるか気になる?」
小犬のように無邪気に私にまとわりつくのでありました。
緋実くんには邪気がない。そうとしか思えないわけです。これではまるで『小犬のワルツ』、緋実くんは私の周りを回ります。えらい違いだなと思ったものでした。頭にあったのは大地くんで、緋実くんと同い年でありながら彼はあの落ち着きを習得していたわけです。
今頃大地くんは何をしているのか。ふとそう思った瞬間にその姿が視界に現れたのですから以心伝心というやつだったのか、そんな浮かれた気持ちが宿りさえしました。公園です、ベンチからすと立ち上がったのが大地くんだったわけです。
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