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1章 王国編
五話 眠りの時
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「ちょっと待て」
フカフカの白い羽毛のベット。
風太は追い詰められるように、そこに倒れた。
メイド達に囲まれ服を剥ぎ取られようとしている。
まさか自分がこんな嬉しくも恥ずかしい状況に陥るとは思ってはなかった。
病院で看護士の前で服を脱ぐ時ですら恥ずかしい。
それが麗しき乙女達に脱がされようとしているのである。
「さあ、大人しくして下さい」
最後の抵抗に声を上げるぐらいしか出来ない。
「いや、自分で脱ぐから外に出てくれ」
こうなったのも食事が終わり、部屋で休すむことにした為。
問題だったのは、それがまだ異世界での常識を学ぶ時間は終わっていない事だ。
仕事熱心なメイド達は我先にと風太に群がったのてある。
「いいえ、手取り足取り、丁寧に教えます。
ですから、大人しくするのです。
ニヒヒヒ……」
明らかに異様なテンションだ。
彼女達も、男と接するのには慣れていないのだろう。
やや興奮気味でニヤけている。
上着はすでに彼女達の手に、争奪しようと揉めて居るところだ。
それだけで済むはずもなく、最後の1枚まで剥がれようとしていた。
「いや、いやーっ、ちょっと、下は絶對駄目だから」
麗しの乙女たちに好感を持たれているのに嬉しさよりも恐怖のほうが勝っている。
むき出しの一方的な好意は、危機感を覚えるほど怖いものなのだ。
多勢に一人では無力、たちまち全て取り上げられてしまう。
「では体を拭かせていただきます」
「うぅぅ」
風太は涙目に成りつつ、手で大事な所を抑え隠す。
こんな無防備で心細いと感じてしまう。
衣服に守られていたんだと改めて実感するのだった。
桶一杯の水ですら貴重な物である。
風呂なんて贅沢はできない。
ぬるま湯を布に染み込ませて体を拭くのが一般的だ。
優しく体を拭かれている内に抵抗感が無くなり身を委ねるようになっていた。
指先一つ一つ丁寧に全身が綺麗に磨かれていく。
そんな心地よさに快感を覚えつつある。
(なんか幸せかも……)
「どこか気になるところはありますか?」
「えっ、あの、もう良いです。
ありがとうです」
緊張してもう言葉がうまく出てこない。
もっと気の利いたことを言えれば最高だったのだろう。
だが感謝の言葉にメイド達は微笑み喜んだ。
「では着替えを。
ニヒッヒヒ……」
着替えが終わると。メイド達は部屋を出ていく。
バタンと閉じられた扉を最後に静寂が包む。
引き際の速さに驚くと同時に寂しさを感じる。
「えっ……、一体何だったんだ」
寝間着に着替えるだけで、こんな大事になるなんて予想できるはずもない。
全身をくまなく知られた事も思い返すだけで恥ずかしさで顔が赤くなる。
ラッキースケベなんて、幸せそうなものでは断じて無い。
これは自尊心を崩壊させる支配する侵略行為に違いない。
ゴーンゴーン……!
鐘の音が響き、夕刻を告げる。
音もなくリアハが部屋に入ってくる。
「何なりと私にご命令下さい」
これがメイドの普通なのか。
影のように近づき振る舞うのである。
謎の習慣に振り回されていては身が持たない。
「一人にしてくれ」
「私はいないものとして、扱って下さい。
用があればベルを鳴らせば直ぐに対応いたします」
ベットの横にある小机の上に花を象ったベルが置かれた。
そしてリアハは椅子に腰掛ける。
乙女にじっと見つめられ、視線を感じるだけでも意識してしまう。
それで迂闊なことをすれば恥をかく。
だらりとだらしなく寝そべるなんて出来るはずもない。
「いや、部屋から出ていってほしい」
「……」
動く様子もなく、そこに人形が置いてあるのかと錯覚するほどだ。
実は目を開けたまま寝ているのかと疑いたくなる。
「おい、聞いてる?」
「……」
風太はベルを振る。
チリリリン……♪
「なんで無視するんだ?」
「独り言かと思ったので」
悪びれる様子もない所が彼女の意地悪さを感じられずにいられない。
仕事を忠実に行っているだけなのだろう。
だからといって気持ちを無視するのはどうなのだろうか?
「むむっ、そういう態度をとるのか。
じゃあ命令する、今すぐ出ていってくれ」
これで独り言なんて言い分は出来ないはず。
勝ったつもりでいた風太を嘲笑うようにリアハは動かない。
「自分の一部だと思って下さい。
貴方の手に出ていけと言っても離れていくことはないでしょう」
「……いや、気になって寝られないんだ」
一瞬だった。
気がついたときにはリアハが馬乗りに成り、ナイフを首筋へと当てていた。
縫いぐるみと思っていたものが、猛獣の虎だったような恐怖感。
殺されるかも知れない、背筋が凍る寒気が襲う。
どうしてそんな恐怖を感じたのか風太には解らない。
「もし私が魔族が化けた偽物だったら、
もう貴方の首は体から離れているでしょう」
リアハの真剣な眼指差しに風太は圧倒される。
「俺は死ぬのか?」
「生きるために、私の癖や特徴をよく覚えておくことです。
貴方を守るために私が居ます」
そう言うとリアハは、椅子に戻る。
危機感はなく平和な世界でどれだけ安全に暮らしていたか。
怖さの断片を感じ真剣味が足りなかったと風太は心に刻む。
「教えてくれないか。
もっとこの世界のことを」
「その役目は私ではないです。
ですが平穏な場所はこの周辺だけで、殆どの土地は危険に満ちています」
「どんな危険があるんだ?」
「魔物や魔族……、あんな化け物と戦えるのは一握りの者だけです。
詳しい話は専門家に聞いて下さい」
「俺で大丈夫なのか……」
「異界人は成長が早いと聞きます。
ですから今ではなく未来の力に期待しているのです」
「はい、俺。頑張ります」
風太は知っている。
本当に恐ろしい化け物を。
それは自らを殺した、あの怪獣だ。
それに比べれば異世界の魔物は赤子のようなものだろうと高を括っていた。
当たっては居るが、それでも人間の強さは底辺に近い。
話をしていると先に来た者の存在を感じる。
だから同じ世界から召喚したのだろう。
もしその予測が外れていたなら、完全なランダムで召喚したことになる。
それはあまりに博打が過ぎる。
「俺以外にも召喚された人は居るんですか?」
「ええ、ここに遺物が残されています」
鍵のかかった引き出しを開くと、銃が並べられていた。
形は前世で見知ったものもあれば、全く見覚えのない物まである。
「なんで剣を振るっているんだ。
銃のほうが遥かに強いだろう」
魔法があると言っても、銃の破壊力は脅威なはずだ。
弾丸を見えざる衣で防げるなら別だが。
使わない理由がわからなかった。
全く無意味なのに怪獣へ向かって発泡する滑稽な人もいるが。
もしかすると、そんな滑稽に感じるほどの化け物がいるのだろうか。
「人間にとっては一発当たれば致命傷になることもあるでしょう。
ですが魔族の肉体を貫通しても、すぐに再生し傷が塞がってしまうのです」
色々と試して無力と判断したのなら、恐らくこれは役に立たないのだろう。
だがもっと知識を得れば魔法との融合が可能かもしれない。
今は、その考えを語るときではない。
そっと心の内に秘める。
「……そうなのか」
「ええ、内部で炸裂するような弾丸も作られたようですが、
体内でに入ると侵食を受けて爆発しなくなり失敗したらしいです」
怪獣にミサイルを打ち込むぐらい無意味なのだろう。
だったら古代から使われている剣を選ぶのも理解できる。
「色々と試したんだな」
「連射するのが最も効果を発揮したと記録にありますが、
火薬の材料が不足していて、弾の数を揃えられなく頓挫しました」
銃を見せた意図を風太は察した。
何かしらの情報を得ようとしているのだろう。
当然、風太の知識では解決策を出す事は不可能だ。
一つ手に取る。
小さいにも関わらず、ずっしりとした重さが手に伝わる。
漫画とかだと片手で軽々持っているが、そんな軽いものではない。
両手で持たないときつく携帯しようとはとても思えない。
「これ使えるかな?
初めて触るんだけど」
「いいえ、1つを除いて偽物です。
引き金を引けば暴発して自滅します」
「なんで?」
「敵に奪われれば私達が不利になります。
ですからごく一部の者を除いて真実は知らないのです」
剣や槍しか持たない数万人と銃で武装した数千人の戦いでも、その圧倒的数の差を覆した歴史もある。
これぐらいの罠を仕込んでいるのは当然の対処だろう。
風太が手に持っている銃も偽物だ。
明らかに重すぎるのに気づけなかったのは情けない。
「……それで本物は?」
「私にもわかりません。
試す勇気はありませんから」
数日が過ぎ、一息ついていた頃だ。
コンコン!
「風太殿、私です。
話を聞いて下さい」
メイド達は呼び出される事を心待ちにしている節がある。
名前を明かし、覚えてもらおうとするのだ。
だがその声に聞き覚えはない。
風太は動かずに聞く。
「一体誰だ?」
抜き打ちの試練がある、対処を間違えればリアハの丁重な指導が待っている。
以前の風太なら、扉を開いて確認していいだろう。
これで良いのだろうとリアハの方を見る。
リアハは直ぐに引き出しから、マスケットを取り出し一発放った。
凄まじい音と共に白煙が部屋を覆う。
「なんで撃ったんだ!」
「訪問は禁じられています。
私の後を付いてきて下さい」
リアハは壁にかけてある剣を手に取り扉を開く。
既に姿はないが、床に血痕が残っている。
後をたどりメイドの寝室へと突入した。
ぐっすり眠るオッセアの姿がある。
「体を調べます。
手伝って頂きたい」
「はい……」
掛け布団を除けると、寝間着姿があらわになる。
寝顔も可愛く見とれてしまう。
そんな彼女の体をリアハは触り確認する。
手の甲が青く光りリアハは渋い顔をした。
それは呪術が掛けられていることを意味したからだ。
室内を調べリアハは結論を出した。
「彼女が敵を招き入れ、逃がしたのは間違いない」
「なんでそう決めつけるんだ?」
「窓が閉まっている。
彼女が操られ締めた」
オッセアには傷跡がなく、触られてもずっと寝ている。
それに呪術の反応がある。
風太はモヤモヤとしたモノを感じていた。
その正体がなにかは分からない。
フカフカの白い羽毛のベット。
風太は追い詰められるように、そこに倒れた。
メイド達に囲まれ服を剥ぎ取られようとしている。
まさか自分がこんな嬉しくも恥ずかしい状況に陥るとは思ってはなかった。
病院で看護士の前で服を脱ぐ時ですら恥ずかしい。
それが麗しき乙女達に脱がされようとしているのである。
「さあ、大人しくして下さい」
最後の抵抗に声を上げるぐらいしか出来ない。
「いや、自分で脱ぐから外に出てくれ」
こうなったのも食事が終わり、部屋で休すむことにした為。
問題だったのは、それがまだ異世界での常識を学ぶ時間は終わっていない事だ。
仕事熱心なメイド達は我先にと風太に群がったのてある。
「いいえ、手取り足取り、丁寧に教えます。
ですから、大人しくするのです。
ニヒヒヒ……」
明らかに異様なテンションだ。
彼女達も、男と接するのには慣れていないのだろう。
やや興奮気味でニヤけている。
上着はすでに彼女達の手に、争奪しようと揉めて居るところだ。
それだけで済むはずもなく、最後の1枚まで剥がれようとしていた。
「いや、いやーっ、ちょっと、下は絶對駄目だから」
麗しの乙女たちに好感を持たれているのに嬉しさよりも恐怖のほうが勝っている。
むき出しの一方的な好意は、危機感を覚えるほど怖いものなのだ。
多勢に一人では無力、たちまち全て取り上げられてしまう。
「では体を拭かせていただきます」
「うぅぅ」
風太は涙目に成りつつ、手で大事な所を抑え隠す。
こんな無防備で心細いと感じてしまう。
衣服に守られていたんだと改めて実感するのだった。
桶一杯の水ですら貴重な物である。
風呂なんて贅沢はできない。
ぬるま湯を布に染み込ませて体を拭くのが一般的だ。
優しく体を拭かれている内に抵抗感が無くなり身を委ねるようになっていた。
指先一つ一つ丁寧に全身が綺麗に磨かれていく。
そんな心地よさに快感を覚えつつある。
(なんか幸せかも……)
「どこか気になるところはありますか?」
「えっ、あの、もう良いです。
ありがとうです」
緊張してもう言葉がうまく出てこない。
もっと気の利いたことを言えれば最高だったのだろう。
だが感謝の言葉にメイド達は微笑み喜んだ。
「では着替えを。
ニヒッヒヒ……」
着替えが終わると。メイド達は部屋を出ていく。
バタンと閉じられた扉を最後に静寂が包む。
引き際の速さに驚くと同時に寂しさを感じる。
「えっ……、一体何だったんだ」
寝間着に着替えるだけで、こんな大事になるなんて予想できるはずもない。
全身をくまなく知られた事も思い返すだけで恥ずかしさで顔が赤くなる。
ラッキースケベなんて、幸せそうなものでは断じて無い。
これは自尊心を崩壊させる支配する侵略行為に違いない。
ゴーンゴーン……!
鐘の音が響き、夕刻を告げる。
音もなくリアハが部屋に入ってくる。
「何なりと私にご命令下さい」
これがメイドの普通なのか。
影のように近づき振る舞うのである。
謎の習慣に振り回されていては身が持たない。
「一人にしてくれ」
「私はいないものとして、扱って下さい。
用があればベルを鳴らせば直ぐに対応いたします」
ベットの横にある小机の上に花を象ったベルが置かれた。
そしてリアハは椅子に腰掛ける。
乙女にじっと見つめられ、視線を感じるだけでも意識してしまう。
それで迂闊なことをすれば恥をかく。
だらりとだらしなく寝そべるなんて出来るはずもない。
「いや、部屋から出ていってほしい」
「……」
動く様子もなく、そこに人形が置いてあるのかと錯覚するほどだ。
実は目を開けたまま寝ているのかと疑いたくなる。
「おい、聞いてる?」
「……」
風太はベルを振る。
チリリリン……♪
「なんで無視するんだ?」
「独り言かと思ったので」
悪びれる様子もない所が彼女の意地悪さを感じられずにいられない。
仕事を忠実に行っているだけなのだろう。
だからといって気持ちを無視するのはどうなのだろうか?
「むむっ、そういう態度をとるのか。
じゃあ命令する、今すぐ出ていってくれ」
これで独り言なんて言い分は出来ないはず。
勝ったつもりでいた風太を嘲笑うようにリアハは動かない。
「自分の一部だと思って下さい。
貴方の手に出ていけと言っても離れていくことはないでしょう」
「……いや、気になって寝られないんだ」
一瞬だった。
気がついたときにはリアハが馬乗りに成り、ナイフを首筋へと当てていた。
縫いぐるみと思っていたものが、猛獣の虎だったような恐怖感。
殺されるかも知れない、背筋が凍る寒気が襲う。
どうしてそんな恐怖を感じたのか風太には解らない。
「もし私が魔族が化けた偽物だったら、
もう貴方の首は体から離れているでしょう」
リアハの真剣な眼指差しに風太は圧倒される。
「俺は死ぬのか?」
「生きるために、私の癖や特徴をよく覚えておくことです。
貴方を守るために私が居ます」
そう言うとリアハは、椅子に戻る。
危機感はなく平和な世界でどれだけ安全に暮らしていたか。
怖さの断片を感じ真剣味が足りなかったと風太は心に刻む。
「教えてくれないか。
もっとこの世界のことを」
「その役目は私ではないです。
ですが平穏な場所はこの周辺だけで、殆どの土地は危険に満ちています」
「どんな危険があるんだ?」
「魔物や魔族……、あんな化け物と戦えるのは一握りの者だけです。
詳しい話は専門家に聞いて下さい」
「俺で大丈夫なのか……」
「異界人は成長が早いと聞きます。
ですから今ではなく未来の力に期待しているのです」
「はい、俺。頑張ります」
風太は知っている。
本当に恐ろしい化け物を。
それは自らを殺した、あの怪獣だ。
それに比べれば異世界の魔物は赤子のようなものだろうと高を括っていた。
当たっては居るが、それでも人間の強さは底辺に近い。
話をしていると先に来た者の存在を感じる。
だから同じ世界から召喚したのだろう。
もしその予測が外れていたなら、完全なランダムで召喚したことになる。
それはあまりに博打が過ぎる。
「俺以外にも召喚された人は居るんですか?」
「ええ、ここに遺物が残されています」
鍵のかかった引き出しを開くと、銃が並べられていた。
形は前世で見知ったものもあれば、全く見覚えのない物まである。
「なんで剣を振るっているんだ。
銃のほうが遥かに強いだろう」
魔法があると言っても、銃の破壊力は脅威なはずだ。
弾丸を見えざる衣で防げるなら別だが。
使わない理由がわからなかった。
全く無意味なのに怪獣へ向かって発泡する滑稽な人もいるが。
もしかすると、そんな滑稽に感じるほどの化け物がいるのだろうか。
「人間にとっては一発当たれば致命傷になることもあるでしょう。
ですが魔族の肉体を貫通しても、すぐに再生し傷が塞がってしまうのです」
色々と試して無力と判断したのなら、恐らくこれは役に立たないのだろう。
だがもっと知識を得れば魔法との融合が可能かもしれない。
今は、その考えを語るときではない。
そっと心の内に秘める。
「……そうなのか」
「ええ、内部で炸裂するような弾丸も作られたようですが、
体内でに入ると侵食を受けて爆発しなくなり失敗したらしいです」
怪獣にミサイルを打ち込むぐらい無意味なのだろう。
だったら古代から使われている剣を選ぶのも理解できる。
「色々と試したんだな」
「連射するのが最も効果を発揮したと記録にありますが、
火薬の材料が不足していて、弾の数を揃えられなく頓挫しました」
銃を見せた意図を風太は察した。
何かしらの情報を得ようとしているのだろう。
当然、風太の知識では解決策を出す事は不可能だ。
一つ手に取る。
小さいにも関わらず、ずっしりとした重さが手に伝わる。
漫画とかだと片手で軽々持っているが、そんな軽いものではない。
両手で持たないときつく携帯しようとはとても思えない。
「これ使えるかな?
初めて触るんだけど」
「いいえ、1つを除いて偽物です。
引き金を引けば暴発して自滅します」
「なんで?」
「敵に奪われれば私達が不利になります。
ですからごく一部の者を除いて真実は知らないのです」
剣や槍しか持たない数万人と銃で武装した数千人の戦いでも、その圧倒的数の差を覆した歴史もある。
これぐらいの罠を仕込んでいるのは当然の対処だろう。
風太が手に持っている銃も偽物だ。
明らかに重すぎるのに気づけなかったのは情けない。
「……それで本物は?」
「私にもわかりません。
試す勇気はありませんから」
数日が過ぎ、一息ついていた頃だ。
コンコン!
「風太殿、私です。
話を聞いて下さい」
メイド達は呼び出される事を心待ちにしている節がある。
名前を明かし、覚えてもらおうとするのだ。
だがその声に聞き覚えはない。
風太は動かずに聞く。
「一体誰だ?」
抜き打ちの試練がある、対処を間違えればリアハの丁重な指導が待っている。
以前の風太なら、扉を開いて確認していいだろう。
これで良いのだろうとリアハの方を見る。
リアハは直ぐに引き出しから、マスケットを取り出し一発放った。
凄まじい音と共に白煙が部屋を覆う。
「なんで撃ったんだ!」
「訪問は禁じられています。
私の後を付いてきて下さい」
リアハは壁にかけてある剣を手に取り扉を開く。
既に姿はないが、床に血痕が残っている。
後をたどりメイドの寝室へと突入した。
ぐっすり眠るオッセアの姿がある。
「体を調べます。
手伝って頂きたい」
「はい……」
掛け布団を除けると、寝間着姿があらわになる。
寝顔も可愛く見とれてしまう。
そんな彼女の体をリアハは触り確認する。
手の甲が青く光りリアハは渋い顔をした。
それは呪術が掛けられていることを意味したからだ。
室内を調べリアハは結論を出した。
「彼女が敵を招き入れ、逃がしたのは間違いない」
「なんでそう決めつけるんだ?」
「窓が閉まっている。
彼女が操られ締めた」
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