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3章 玉国編
19話 魔女
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「燃える、燃えている……灼熱の魔女様がお怒りだ」
木材加工が盛んな村での出来事だ。
数軒の民家が燃え上がり灰となった。
その事件を解決する事になったのだが。
「なんで探偵みたいなことをするのか解らない」
「法術士は何でも出来ると思われているからですわ。
さあ、これは試験と思って依頼の達成をしなさい」
風太は鳥のような仮面を被っている。
見習い法術士の証であり師匠が認めた時だけ法術の行使ができる。
その師匠となるのがシャオーリである。
玉国の姫様で、ウロウロ出来る立場にないのだが影武者の魔女と入れ替わることで誰にも気づかれずここに居る。
魔女が操る縫いぐるみが風太の身代わりで、残酷な仕打ちを受けている頃である。
「魔法で魔物とか撃退するのかと思っていたんだが……。
そっちの方が力の証明になるだろう?」
「そんな有能な人材が、どうして無名なのかしらね」
「俺の意思も……」
「駒が勝手に動けば、指し手は思考することが出来ないわ」
シャオーリは、それまで素顔わ晒していたが、半面をつけ目を隠す。
白地に金の月や星の柄が入った代物だ。
口元しか見えないのに、魅力は隠せないのか小さめの赤い唇に見とれてしまう。
「仮面を交換してほしいな。
顔を隠しても緑髪は目立って隠れてない」
「この髪色は精霊の影響で珍しくないわ。
仮面は師弟の証なの」
少なくとも風太が知っている人物で緑髪は彼女だけだ。
それで珍しくないと言われても説得力はない。
村人の髪色も茶色や赤茶色だ。
「どうして鳥なのか」
「先人に文句を言うことね。
異界人から伝わった仮面で、伝説の強さを誇った彼にあやかって着けるようになったわ」
「君は?」
「異界人は成長が早い。
師範代には、もう必要ないというわけ」
「変な風習を止める勇気も必要だ」
「法術士組合が発行している賞金首のリストがあるわ」
紐で止められた薄っぺらい本の最初に風太の似顔絵が載っている。
賞金額が記載されておらず、???となっている。
「額が秘密ってゲームか?」
「それは交渉次第って事。
幽閉生活に戻りたければ仮面を外しなさい」
「……でも大将に面会した時は、俺のことに気づいた様子はなかった」
「耳を噛まれたでしょう?
認識を阻害する呪術だけど、よく知る者には効果が殆ないわ」
女の不可解な行動には警戒しなければならいと強く思うのだった。
知らない間に良くわからない魔法を掛けられて蛙化なんてことに。
アンデットよりもずっと怖い。
仮装した怪しい二人組にしか見えないのに、村人の反応はむしろ良い。
応援や励ましの言葉で歓迎してくれる。
特に女の子はキャーキャーと握手を求めてくる程だ。
「やけにモテるな……。
まさか正体がバレているのか?」
「目的を見失わないで。
予約しておいた宿で詳しい話を……」
シャオーリは宿が消えていることに気づく。
綺麗さっぱり更地のように真っ平らになっている。
痕跡と言えば、地面が黒く灰で覆われているぐらいだろうか。
「ご予約の法術士様ですか?
ご覧の通り。昨晩燃え上がり、この有り様です」
残骸は何処行ったと思うぐらい処理された跡らしい。
何事も速度が大切だが、これは流石に早いの次元を超えている気がするのだが、ここでは普通のこと。
火事が広がれば全滅もありうる。
即座に消すしか生き残れないから、即座にやるのである。
「代わりの宿を手配してくださる?」
「王国から多くの商人が買付に来ており、他の宿も既に貸し切りで馬車で寝泊まりしている人達もいるぐらいです」
占領を目的としない魔族の軍勢は村や町の建物を破壊し移動していた。
領地を奪還しても廃墟しかない。
一儲けしようと集まるのは何処もそうなのだろう。
そう思うと胡散臭い金の亡者が彷徨いているように見える。
シャオーリは風太の耳を引っ張り小声で「貴方が原因よ」と怒る。
「だったら感謝してくれ」
「あの王子が、善意で動くわけはないわ。
処刑した上に財産の没収、それを支持を得るためにばら撒いているだけ」
王位を争っている最中なのはゼラから聞いたが、その詳細は良く知らない。
振られた事で何でも王子のする事が憎いのだろう。
自国の村が潤って、ウハウハの筈なのだが不満らしい。
「根に持っているだけなのか?」
「商人を通じて王国の方が富を得られると、住人の流出が始まっているわ。
対抗して補助金や減税をすれば破産する」
「良く解らないけど、俺は皆のために全力を尽くしただけだ。
その結果まで責任を取らせたいなら、王国に差し出して賞金でも貰えばいいだろう」
何が嬉しいのかシャオーリの口元が笑っている。
それが妖艶で魅力的だ。
揉めだしたと勘違いした宿の者が、慌てて村長を連れて来た。
「大変申し訳無い。
依頼主の村長をしているものです。
汚い所ですが我が家にお泊まりください」
物腰が柔らかそうな優しそうなお爺さんに見える。
顔のしわが笑み出できたような、にこやかさが特に。
「では詳しい話を聞かせてもらいましょう」
「はい、お茶を用意しております。
じっくりと話をしましょう」
村長の家は、木造で蔦に覆われている。
思ったよりも広く快適な空間だった。
使用人なのか5人の女が出迎えてくれた。
「どうぞ、ハーブティーです」
メイド服姿の若い女が持ってきたお茶は落ち着く香りがする。
それに続き別の女がゼリーを置く。
弾力性は無くスプーンでスーと切れる寒天みたいなものだ。
毒見をしなければ食しない筈なのだがシャオーリは平然と口にいれた。
(姫様なのに警戒心がなさすぎる)
準備が整ったのか村長が話し初めた。
「村の外れに灼熱の魔女が住んでいます。
彼女を始末していただきたのです」
魔女は魔に通じる女という蔑称である。
疑われたものは処刑される。
だが風太は、そんな認識はなく箒に乗る魔法使いみたい感じに思っていた。
「いきなり命を奪うなんて殺伐した空気は嫌だ。
まずは話しをすべきだろう」
「アレは親子で暮らしていたのです。
ですが、親が行方不明となり孤児に。
我々も初めは可哀想だと食べ物を分け与えていたのですが……」
村長は何か言いたくなさそうな様子で黙った。
「引き取れる者は居なかったのかしら?」
「はい、親が帰って来ることを信じてあの家から離れることを拒んだのです。
無理やり連れ出そうとした男が居たのですが、火に包まれ大火傷を……」
「魔術を使ったと?
これは恐ろしいことですわ」
「それからも、事件が起きて。
前日も……」
「外部から遮断する法術で保護していますわ。
安心して話してください」
「食事を交代で運ぶことにしたのですが、
ガリオの奴は魔女に近づきたくないと飲んだくれて」
村長は気持ち悪くなったのか口を抑える。
悪寒が風太を襲う。
それは悪霊の気配、村長の背を撫でる。
ジュワッ……!
風太の手に火傷のような跡が出来た。
『呪を受けたな。
不用意に触れるからそうなる』
死者の書の声だ。
現状は手放すことが出来ない代物となり、約束は不履行となっている。
そのためか不親切な事しか言わず役に立たない。
「……でどんな呪なんだ?」
『さあ、良いものではない事は確か』
やはり機嫌を直す方法を考えなければ情報は得られそうにない。
村長は風太のやり取りが無かったかのように話を続けた。
「少し体調不良で……。
何処まで話したか……、そうそうガリオの奴を説得していた時だ。
あんな魔女に近づきたはないと大声を上げた途端に全身が燃え上がった」
「それは室内の事かしら?」
「あの燃えた宿での出来事です。
一階に酒場があって、火柱となってあっという間に火が広がり……」
「その時、魔女は近くに居たの?」
「いいえ、あの子は家から離れることを嫌います。
目撃した者も居ないので……」
「地図で場所を確認したいわ」
村はずれの家はやや離れており死者の森に近い場所だ。
アンデットが徘徊するような場所にあえて住もうなんてもの好きなのだろうか?
「こんな場所に住む理由はあるのか?」
「それは解りません。
アンデットの監視を行う為の小屋だったのですが勝手に住み着いてしまって困っていたのです」
「何か罪を犯したとか?」
「魔女の考えることですから……」
はっきりしない物言いは気になるが情報が出て来るとは思えない。
迫害して追い出したのかも知れない。
風太の口をシャオーリが背後から両手て抱きしめるように塞ぐ。
胸が背に当たり温かみと弾力感が……。
不意打ち過ぎる、一気に思考が飛んで考えが消えてしまった。
「明日の早朝に出向くことにしますわ」
「出来れば今すぐにでも対処して欲しいのですが」
「火炎を操るとなれば、それなりの対策が必要です。
今夜の内に準備をしますので時間を下さい」
「解りました。
では今晩の食事も用意しましょう」
「いいえ、それは必要ないですわ。
精神を高める為に断食をします」
「なるほどでは、客間に案内しましょう」
客間に二人だけとなると、シャオーリは針を床に刺す。
音を遮断する法術が掛けられた道具だ。
「袋にパンが入っているわ。
しっかり食べておきなさい」
「……断食って話は嘘なのか?」
「ええ、その方が偉く見える。
人は権威に金を払うわ」
「警戒したのかと思った」
ゼリーを食べた時点で、その考えは捨ててよかった。
権威の為だけに、固くて味の薄いパンを食べなくてはならない。
見栄より美味い飯の方がどれだけ幸福感を得られるか。
「人間不信に陥ると誰もが怪しく見えるようね。
目的を果たす前に殺す理由が解らないわ」
「呪術で遅延させてあれこれ出来るって話だけど?」
「ふーん、それは知っているのね。
でも、そのパンを疑わなかったのは残念」
「えっ?」
「私が指を鳴らせば発動するわ。
一瞬で深い眠りに落ちる」
パッチン!
「……冗談は止めてくれ」
「そうかしら?
鏡を見ると良いわ」
眉が繋がるように落書きされている。
眠っていたことに気づかなかったのか?
それなら何時……、答えは簡単だ。
「こんな細工を……。
仮面にインクが付いていたんだな」
「すぐに気づくのね」
「イタズラの為か?」
「まさか、迂闊に仮面を外しても問題ないように。
部屋に入った途端、油断して外したでしょう?」
「うっ……、悪かった」
「貴方は隙が多くて気が付かない内に追い込まれている事になりかねないわ。
だから注意しなさい」
「ああ、気をつける」
シャオーリは風太の頬を撫でるように触る。
その手つきが怪しくも魅惑的だった。
口づけを連想してしまう、引き寄せられて重なる。
そんなワクワク感。
「フフフ……。
何を期待しているのかしらね」
「いや、……調子が狂う」
「惚れている女が居るなら手を付ければ良い。
村長も5人も奥さんがいるわ」
「ええ?
あれはメイドだろう」
「そう見えるのね。
もし一人しか愛せないとしたら、大半の女が孤独になってしまうわ」
「どういう事……」
「魔族の戦いによって、男の数が人口の2割り程度に減ってしまったわ。
孤独になってしまう女を救済するために複数の女と結婚ができる仕組みが出来た」
「騙そうとしてしているのか?」
「メイドに聞いてみなさい」
聞くまでもないだろう、直ぐに解る嘘を付く意味はない。
「どうしてそんな話を」
「まだ意識が戻っていないそうね」
もしリアハの意識が戻らなければ、彼女の事が気になって恋愛なんて考えられない。
束縛となって機会を失う事になる。
今も誘惑がある、個室にはベットもあるし好感を持ってくれている女も居る。
手を出さないのは、罪悪感があるからだろう。
だが、その鎖が解けたら……。
「この依頼が終われば一度会いに行く」
「一途は美徳ではないわ。
富を独占し施しをしない度量の狭い者として見られることを覚えておきなさい」
「ああ、今は貧乏だから」
乱して考えを狂わしてくる。
怖い相手だ。
「今のうちに魔女に会って来なさい。
急かされたことが気になっているわ」
「別に不自然なことはなかった気がする」
「ではどうしてお茶を用意したのかしら?」
「ゆっくりと話をしたいから……。
時間稼ぎとでも言いたいのか?」
「さあ解らない。
彼は法術の知識がないから、あり得ないことを言っていたわ」
「あり得ない事?」
「法術は基本的に壁を貫通しないわ。
地面を走るように伝って室内に入る事はできても、火柱を発生させるだけの威力を維持できない」
「距離が遠いのは解るけど、あり得ない程のことなのか?
召喚獣を操ってとか」
「そんな事ができれば城や砦が無意味ですわ」
そう無意味、風太なら出来るからだ。
実際、魔族の砦を長距離攻撃で灰にした。
定説を無に帰し新たな常識を作り出すのである。
それが異界人の怖さ。
与えられた条件で物事を考えれば村長の言い分には無理がある。
魔女以外の何者か。
「確かに魔女が本物だと考えると不自然さがある。
身代わりに飛びついた」
騙されていた、或いは思い込みで決めつけていただけ。
実際に会って確かめるしか無い。
風太は窓から抜け出し、魔女のもとに向かった。
家というより掘っ立て小屋だ。
扉も粗末で隙間から中が覗ける。
コンコン
「話がしたい」
「はい、貴方は誰ですか?」
出てきたはおかっぱ頭の少女だった。
何処にでも居るような愛くるしい少女だ、村長の言うような放火魔には見えない。
「俺は風太だ。
両親が行方不明だって聞いて」
「うん、お父さんがここで待って居なさいって。
だから、待っているの」
「一人で淋しくないのか?」
「にーちゃんが居るから」
少女は縫いぐるみのクマを見せる。
ゾワッとする寒気、そのクマから放たれる邪気。
悪霊が取り憑いているのだろうか。
「可愛いな。
撫でても良いか?」
「うん、いいよ」
「よしよし」
殺意、切り裂かれるような痛みが手を襲う。
同時に意識がなだれ込む。
人が燃え上がる光景、次々と場所や人が変わる。
恐らく被害者……。
(悪霊の仕業だったのか)
消えろと念を込めると悪霊の気配は消えさる。
『愚かなことをする。
守護霊を失えば彼女を守るものは誰も居なくなると言うのに』
(……どういうことだ?)
『古城の周りには悪霊が彷徨っている。
それが法術を使って襲ってきたことがあるか?』
(あるような)
『それは呪霊と呼んでいる。
悪霊は、それに至らない卵』
(干渉できないなら何も出来ないだろう。
だったら守護はできない筈だ)
『既に知っている筈』
意味不明な言葉だけ残し黙る。
解決した筈だったのに、振り出しに戻された。
「もう良い?」
「ありがとう。
もし良かったら一緒に両親を探しに行かないか?」
「知らない人について行ったら駄目って」
「うーん、そうだな。
にーちゃんと友だちになったと思う、つまり友達繋がりは知らない人かな?」
「えっと、多分ともだち。
私はヨリー、よろしくね」
「良かった。
じゃあ一緒に……」
一緒に来れば魔女ではない事を証明できる。
なんの力も持たない少女は守るべき存在だ。
「私の代わりにポースケを持っていって」
お揃いの別のクマの縫いぐるみを持ってくる。
そのクマは片腕にリボンが結ばれている。
想定外の解に困惑したが、今は仲良くするの正解だろうと受け取る。
「ありがとう」
"かえせ"
暗い男の声、何処から聞こえてきたのだろうか。
凍りつくような寒気。
白い霧状の男がポースケを掴み取ろうと手を伸ばす。
「なんだ!」
『レイス……、触れれば命を持っていかれる』
アンデットが出てくるなんて予期していない。
村人を騙すために用意した魔法の手紙しかない。
スケスケの霊体に鳩を飛ばして何の意味があるのか。
"かえせ……"
「帰せ?
まさかこれを?」
この縫いぐるみは親から貰った物だろう。
だとしたら、この男はヨリーの父親ではないのか?
帰らぬ親を待ち続ける。
そんな悲しいことは無いだろう。
「俺に出来ることはない。
ただ届けたい気持ちはある」
手紙に念を込めると、鳩へと変わり飛び立つ。
レイスにぶつかると光を放ち消える。
"ヨリー……すまない……"
レイスは散り消え去る。
『……どんな手品を使った?」
「娘の姿を描いただけだ」
『たったそれだけで……、理解できない』
「見てきた霊には感情があった。
だから不安を取り除けば留まる理由がなくなると思ったんだ」
縛っているものがなければ自由になれる。
ふんわり飛んでいって消えても不思議じゃない気がする。
村長の家にもどり悪霊を撃退したことを伝える。
「悪霊によって引き起こされていた。
つまりこれでもう被害は発生しません」
「なるほど、では村の者に少女を保護するように伝えましょう」
「これにて一件落着だな」
この時はそう信じていた。
だが何時まで立っても少女が来る気配がない。
「やっぱり俺が……」
「いえいえ、その必要はありません」
「連れてくるだけだから」
「もう終わったのです。
今頃は魔女として処刑されている頃」
「なっ! どういうことだ!」
「生贄が必要だったのです。
怒りや不安を払拭するにはどうしても……」
迂闊では済まされない。
大失態だ。
以前にも、こんな事があった。
なのに……。
それでも助けに行こうとする風太を背後から抱きしめる形でシャオーリが止めた。
「報酬を受け取って帰りましょう。
これ以上は私達が関与すべきではないわ」
「解った……」
外に出ると煙が高く伸びているのが見える。
ヨリーが犠牲になったのだろう。
虚無感に涙が溢れる。
ポースケを返そう。
その背に糸が見え、ゴミだと引くと縫い目が解けた。
ポロッと、紙切れが落ちる。
「王国とのやり取りのようね。
これが村長が隠したかった事らしいわ」
「なんだそれ?」
「今となっては何の役にも立たないゴミ」
彼女はビリビリに破って放り投げる。
そんなゴミの為に命が奪われたのだとしたら……。
「仕組んだのは村長なのか」
「さあ、知らないほうが幸せなこともあるわ。
無意味に考えないことね」
……もし霊が別の誰かに取り憑いていて、それを通じて見ていたとしたら。
あの時、村長に取り憑いていたのを払ったから、人形に逃げ込むしかなかった。
だとしたら村長が黒幕のは明らかだ。
「そんなのは許せない」
「諦めなさい。
魔女は処刑され、全ては解決したわ」
燃えかすしか残っては居ない。
「一緒に行こう」
風太が手を伸ばすと、ヨリーは手を掴む。
キラキラと輝く魂だ。
「異界人の風習はよくわからないわ。
どうして石を積み上げるかしらね」
木材加工が盛んな村での出来事だ。
数軒の民家が燃え上がり灰となった。
その事件を解決する事になったのだが。
「なんで探偵みたいなことをするのか解らない」
「法術士は何でも出来ると思われているからですわ。
さあ、これは試験と思って依頼の達成をしなさい」
風太は鳥のような仮面を被っている。
見習い法術士の証であり師匠が認めた時だけ法術の行使ができる。
その師匠となるのがシャオーリである。
玉国の姫様で、ウロウロ出来る立場にないのだが影武者の魔女と入れ替わることで誰にも気づかれずここに居る。
魔女が操る縫いぐるみが風太の身代わりで、残酷な仕打ちを受けている頃である。
「魔法で魔物とか撃退するのかと思っていたんだが……。
そっちの方が力の証明になるだろう?」
「そんな有能な人材が、どうして無名なのかしらね」
「俺の意思も……」
「駒が勝手に動けば、指し手は思考することが出来ないわ」
シャオーリは、それまで素顔わ晒していたが、半面をつけ目を隠す。
白地に金の月や星の柄が入った代物だ。
口元しか見えないのに、魅力は隠せないのか小さめの赤い唇に見とれてしまう。
「仮面を交換してほしいな。
顔を隠しても緑髪は目立って隠れてない」
「この髪色は精霊の影響で珍しくないわ。
仮面は師弟の証なの」
少なくとも風太が知っている人物で緑髪は彼女だけだ。
それで珍しくないと言われても説得力はない。
村人の髪色も茶色や赤茶色だ。
「どうして鳥なのか」
「先人に文句を言うことね。
異界人から伝わった仮面で、伝説の強さを誇った彼にあやかって着けるようになったわ」
「君は?」
「異界人は成長が早い。
師範代には、もう必要ないというわけ」
「変な風習を止める勇気も必要だ」
「法術士組合が発行している賞金首のリストがあるわ」
紐で止められた薄っぺらい本の最初に風太の似顔絵が載っている。
賞金額が記載されておらず、???となっている。
「額が秘密ってゲームか?」
「それは交渉次第って事。
幽閉生活に戻りたければ仮面を外しなさい」
「……でも大将に面会した時は、俺のことに気づいた様子はなかった」
「耳を噛まれたでしょう?
認識を阻害する呪術だけど、よく知る者には効果が殆ないわ」
女の不可解な行動には警戒しなければならいと強く思うのだった。
知らない間に良くわからない魔法を掛けられて蛙化なんてことに。
アンデットよりもずっと怖い。
仮装した怪しい二人組にしか見えないのに、村人の反応はむしろ良い。
応援や励ましの言葉で歓迎してくれる。
特に女の子はキャーキャーと握手を求めてくる程だ。
「やけにモテるな……。
まさか正体がバレているのか?」
「目的を見失わないで。
予約しておいた宿で詳しい話を……」
シャオーリは宿が消えていることに気づく。
綺麗さっぱり更地のように真っ平らになっている。
痕跡と言えば、地面が黒く灰で覆われているぐらいだろうか。
「ご予約の法術士様ですか?
ご覧の通り。昨晩燃え上がり、この有り様です」
残骸は何処行ったと思うぐらい処理された跡らしい。
何事も速度が大切だが、これは流石に早いの次元を超えている気がするのだが、ここでは普通のこと。
火事が広がれば全滅もありうる。
即座に消すしか生き残れないから、即座にやるのである。
「代わりの宿を手配してくださる?」
「王国から多くの商人が買付に来ており、他の宿も既に貸し切りで馬車で寝泊まりしている人達もいるぐらいです」
占領を目的としない魔族の軍勢は村や町の建物を破壊し移動していた。
領地を奪還しても廃墟しかない。
一儲けしようと集まるのは何処もそうなのだろう。
そう思うと胡散臭い金の亡者が彷徨いているように見える。
シャオーリは風太の耳を引っ張り小声で「貴方が原因よ」と怒る。
「だったら感謝してくれ」
「あの王子が、善意で動くわけはないわ。
処刑した上に財産の没収、それを支持を得るためにばら撒いているだけ」
王位を争っている最中なのはゼラから聞いたが、その詳細は良く知らない。
振られた事で何でも王子のする事が憎いのだろう。
自国の村が潤って、ウハウハの筈なのだが不満らしい。
「根に持っているだけなのか?」
「商人を通じて王国の方が富を得られると、住人の流出が始まっているわ。
対抗して補助金や減税をすれば破産する」
「良く解らないけど、俺は皆のために全力を尽くしただけだ。
その結果まで責任を取らせたいなら、王国に差し出して賞金でも貰えばいいだろう」
何が嬉しいのかシャオーリの口元が笑っている。
それが妖艶で魅力的だ。
揉めだしたと勘違いした宿の者が、慌てて村長を連れて来た。
「大変申し訳無い。
依頼主の村長をしているものです。
汚い所ですが我が家にお泊まりください」
物腰が柔らかそうな優しそうなお爺さんに見える。
顔のしわが笑み出できたような、にこやかさが特に。
「では詳しい話を聞かせてもらいましょう」
「はい、お茶を用意しております。
じっくりと話をしましょう」
村長の家は、木造で蔦に覆われている。
思ったよりも広く快適な空間だった。
使用人なのか5人の女が出迎えてくれた。
「どうぞ、ハーブティーです」
メイド服姿の若い女が持ってきたお茶は落ち着く香りがする。
それに続き別の女がゼリーを置く。
弾力性は無くスプーンでスーと切れる寒天みたいなものだ。
毒見をしなければ食しない筈なのだがシャオーリは平然と口にいれた。
(姫様なのに警戒心がなさすぎる)
準備が整ったのか村長が話し初めた。
「村の外れに灼熱の魔女が住んでいます。
彼女を始末していただきたのです」
魔女は魔に通じる女という蔑称である。
疑われたものは処刑される。
だが風太は、そんな認識はなく箒に乗る魔法使いみたい感じに思っていた。
「いきなり命を奪うなんて殺伐した空気は嫌だ。
まずは話しをすべきだろう」
「アレは親子で暮らしていたのです。
ですが、親が行方不明となり孤児に。
我々も初めは可哀想だと食べ物を分け与えていたのですが……」
村長は何か言いたくなさそうな様子で黙った。
「引き取れる者は居なかったのかしら?」
「はい、親が帰って来ることを信じてあの家から離れることを拒んだのです。
無理やり連れ出そうとした男が居たのですが、火に包まれ大火傷を……」
「魔術を使ったと?
これは恐ろしいことですわ」
「それからも、事件が起きて。
前日も……」
「外部から遮断する法術で保護していますわ。
安心して話してください」
「食事を交代で運ぶことにしたのですが、
ガリオの奴は魔女に近づきたくないと飲んだくれて」
村長は気持ち悪くなったのか口を抑える。
悪寒が風太を襲う。
それは悪霊の気配、村長の背を撫でる。
ジュワッ……!
風太の手に火傷のような跡が出来た。
『呪を受けたな。
不用意に触れるからそうなる』
死者の書の声だ。
現状は手放すことが出来ない代物となり、約束は不履行となっている。
そのためか不親切な事しか言わず役に立たない。
「……でどんな呪なんだ?」
『さあ、良いものではない事は確か』
やはり機嫌を直す方法を考えなければ情報は得られそうにない。
村長は風太のやり取りが無かったかのように話を続けた。
「少し体調不良で……。
何処まで話したか……、そうそうガリオの奴を説得していた時だ。
あんな魔女に近づきたはないと大声を上げた途端に全身が燃え上がった」
「それは室内の事かしら?」
「あの燃えた宿での出来事です。
一階に酒場があって、火柱となってあっという間に火が広がり……」
「その時、魔女は近くに居たの?」
「いいえ、あの子は家から離れることを嫌います。
目撃した者も居ないので……」
「地図で場所を確認したいわ」
村はずれの家はやや離れており死者の森に近い場所だ。
アンデットが徘徊するような場所にあえて住もうなんてもの好きなのだろうか?
「こんな場所に住む理由はあるのか?」
「それは解りません。
アンデットの監視を行う為の小屋だったのですが勝手に住み着いてしまって困っていたのです」
「何か罪を犯したとか?」
「魔女の考えることですから……」
はっきりしない物言いは気になるが情報が出て来るとは思えない。
迫害して追い出したのかも知れない。
風太の口をシャオーリが背後から両手て抱きしめるように塞ぐ。
胸が背に当たり温かみと弾力感が……。
不意打ち過ぎる、一気に思考が飛んで考えが消えてしまった。
「明日の早朝に出向くことにしますわ」
「出来れば今すぐにでも対処して欲しいのですが」
「火炎を操るとなれば、それなりの対策が必要です。
今夜の内に準備をしますので時間を下さい」
「解りました。
では今晩の食事も用意しましょう」
「いいえ、それは必要ないですわ。
精神を高める為に断食をします」
「なるほどでは、客間に案内しましょう」
客間に二人だけとなると、シャオーリは針を床に刺す。
音を遮断する法術が掛けられた道具だ。
「袋にパンが入っているわ。
しっかり食べておきなさい」
「……断食って話は嘘なのか?」
「ええ、その方が偉く見える。
人は権威に金を払うわ」
「警戒したのかと思った」
ゼリーを食べた時点で、その考えは捨ててよかった。
権威の為だけに、固くて味の薄いパンを食べなくてはならない。
見栄より美味い飯の方がどれだけ幸福感を得られるか。
「人間不信に陥ると誰もが怪しく見えるようね。
目的を果たす前に殺す理由が解らないわ」
「呪術で遅延させてあれこれ出来るって話だけど?」
「ふーん、それは知っているのね。
でも、そのパンを疑わなかったのは残念」
「えっ?」
「私が指を鳴らせば発動するわ。
一瞬で深い眠りに落ちる」
パッチン!
「……冗談は止めてくれ」
「そうかしら?
鏡を見ると良いわ」
眉が繋がるように落書きされている。
眠っていたことに気づかなかったのか?
それなら何時……、答えは簡単だ。
「こんな細工を……。
仮面にインクが付いていたんだな」
「すぐに気づくのね」
「イタズラの為か?」
「まさか、迂闊に仮面を外しても問題ないように。
部屋に入った途端、油断して外したでしょう?」
「うっ……、悪かった」
「貴方は隙が多くて気が付かない内に追い込まれている事になりかねないわ。
だから注意しなさい」
「ああ、気をつける」
シャオーリは風太の頬を撫でるように触る。
その手つきが怪しくも魅惑的だった。
口づけを連想してしまう、引き寄せられて重なる。
そんなワクワク感。
「フフフ……。
何を期待しているのかしらね」
「いや、……調子が狂う」
「惚れている女が居るなら手を付ければ良い。
村長も5人も奥さんがいるわ」
「ええ?
あれはメイドだろう」
「そう見えるのね。
もし一人しか愛せないとしたら、大半の女が孤独になってしまうわ」
「どういう事……」
「魔族の戦いによって、男の数が人口の2割り程度に減ってしまったわ。
孤独になってしまう女を救済するために複数の女と結婚ができる仕組みが出来た」
「騙そうとしてしているのか?」
「メイドに聞いてみなさい」
聞くまでもないだろう、直ぐに解る嘘を付く意味はない。
「どうしてそんな話を」
「まだ意識が戻っていないそうね」
もしリアハの意識が戻らなければ、彼女の事が気になって恋愛なんて考えられない。
束縛となって機会を失う事になる。
今も誘惑がある、個室にはベットもあるし好感を持ってくれている女も居る。
手を出さないのは、罪悪感があるからだろう。
だが、その鎖が解けたら……。
「この依頼が終われば一度会いに行く」
「一途は美徳ではないわ。
富を独占し施しをしない度量の狭い者として見られることを覚えておきなさい」
「ああ、今は貧乏だから」
乱して考えを狂わしてくる。
怖い相手だ。
「今のうちに魔女に会って来なさい。
急かされたことが気になっているわ」
「別に不自然なことはなかった気がする」
「ではどうしてお茶を用意したのかしら?」
「ゆっくりと話をしたいから……。
時間稼ぎとでも言いたいのか?」
「さあ解らない。
彼は法術の知識がないから、あり得ないことを言っていたわ」
「あり得ない事?」
「法術は基本的に壁を貫通しないわ。
地面を走るように伝って室内に入る事はできても、火柱を発生させるだけの威力を維持できない」
「距離が遠いのは解るけど、あり得ない程のことなのか?
召喚獣を操ってとか」
「そんな事ができれば城や砦が無意味ですわ」
そう無意味、風太なら出来るからだ。
実際、魔族の砦を長距離攻撃で灰にした。
定説を無に帰し新たな常識を作り出すのである。
それが異界人の怖さ。
与えられた条件で物事を考えれば村長の言い分には無理がある。
魔女以外の何者か。
「確かに魔女が本物だと考えると不自然さがある。
身代わりに飛びついた」
騙されていた、或いは思い込みで決めつけていただけ。
実際に会って確かめるしか無い。
風太は窓から抜け出し、魔女のもとに向かった。
家というより掘っ立て小屋だ。
扉も粗末で隙間から中が覗ける。
コンコン
「話がしたい」
「はい、貴方は誰ですか?」
出てきたはおかっぱ頭の少女だった。
何処にでも居るような愛くるしい少女だ、村長の言うような放火魔には見えない。
「俺は風太だ。
両親が行方不明だって聞いて」
「うん、お父さんがここで待って居なさいって。
だから、待っているの」
「一人で淋しくないのか?」
「にーちゃんが居るから」
少女は縫いぐるみのクマを見せる。
ゾワッとする寒気、そのクマから放たれる邪気。
悪霊が取り憑いているのだろうか。
「可愛いな。
撫でても良いか?」
「うん、いいよ」
「よしよし」
殺意、切り裂かれるような痛みが手を襲う。
同時に意識がなだれ込む。
人が燃え上がる光景、次々と場所や人が変わる。
恐らく被害者……。
(悪霊の仕業だったのか)
消えろと念を込めると悪霊の気配は消えさる。
『愚かなことをする。
守護霊を失えば彼女を守るものは誰も居なくなると言うのに』
(……どういうことだ?)
『古城の周りには悪霊が彷徨っている。
それが法術を使って襲ってきたことがあるか?』
(あるような)
『それは呪霊と呼んでいる。
悪霊は、それに至らない卵』
(干渉できないなら何も出来ないだろう。
だったら守護はできない筈だ)
『既に知っている筈』
意味不明な言葉だけ残し黙る。
解決した筈だったのに、振り出しに戻された。
「もう良い?」
「ありがとう。
もし良かったら一緒に両親を探しに行かないか?」
「知らない人について行ったら駄目って」
「うーん、そうだな。
にーちゃんと友だちになったと思う、つまり友達繋がりは知らない人かな?」
「えっと、多分ともだち。
私はヨリー、よろしくね」
「良かった。
じゃあ一緒に……」
一緒に来れば魔女ではない事を証明できる。
なんの力も持たない少女は守るべき存在だ。
「私の代わりにポースケを持っていって」
お揃いの別のクマの縫いぐるみを持ってくる。
そのクマは片腕にリボンが結ばれている。
想定外の解に困惑したが、今は仲良くするの正解だろうと受け取る。
「ありがとう」
"かえせ"
暗い男の声、何処から聞こえてきたのだろうか。
凍りつくような寒気。
白い霧状の男がポースケを掴み取ろうと手を伸ばす。
「なんだ!」
『レイス……、触れれば命を持っていかれる』
アンデットが出てくるなんて予期していない。
村人を騙すために用意した魔法の手紙しかない。
スケスケの霊体に鳩を飛ばして何の意味があるのか。
"かえせ……"
「帰せ?
まさかこれを?」
この縫いぐるみは親から貰った物だろう。
だとしたら、この男はヨリーの父親ではないのか?
帰らぬ親を待ち続ける。
そんな悲しいことは無いだろう。
「俺に出来ることはない。
ただ届けたい気持ちはある」
手紙に念を込めると、鳩へと変わり飛び立つ。
レイスにぶつかると光を放ち消える。
"ヨリー……すまない……"
レイスは散り消え去る。
『……どんな手品を使った?」
「娘の姿を描いただけだ」
『たったそれだけで……、理解できない』
「見てきた霊には感情があった。
だから不安を取り除けば留まる理由がなくなると思ったんだ」
縛っているものがなければ自由になれる。
ふんわり飛んでいって消えても不思議じゃない気がする。
村長の家にもどり悪霊を撃退したことを伝える。
「悪霊によって引き起こされていた。
つまりこれでもう被害は発生しません」
「なるほど、では村の者に少女を保護するように伝えましょう」
「これにて一件落着だな」
この時はそう信じていた。
だが何時まで立っても少女が来る気配がない。
「やっぱり俺が……」
「いえいえ、その必要はありません」
「連れてくるだけだから」
「もう終わったのです。
今頃は魔女として処刑されている頃」
「なっ! どういうことだ!」
「生贄が必要だったのです。
怒りや不安を払拭するにはどうしても……」
迂闊では済まされない。
大失態だ。
以前にも、こんな事があった。
なのに……。
それでも助けに行こうとする風太を背後から抱きしめる形でシャオーリが止めた。
「報酬を受け取って帰りましょう。
これ以上は私達が関与すべきではないわ」
「解った……」
外に出ると煙が高く伸びているのが見える。
ヨリーが犠牲になったのだろう。
虚無感に涙が溢れる。
ポースケを返そう。
その背に糸が見え、ゴミだと引くと縫い目が解けた。
ポロッと、紙切れが落ちる。
「王国とのやり取りのようね。
これが村長が隠したかった事らしいわ」
「なんだそれ?」
「今となっては何の役にも立たないゴミ」
彼女はビリビリに破って放り投げる。
そんなゴミの為に命が奪われたのだとしたら……。
「仕組んだのは村長なのか」
「さあ、知らないほうが幸せなこともあるわ。
無意味に考えないことね」
……もし霊が別の誰かに取り憑いていて、それを通じて見ていたとしたら。
あの時、村長に取り憑いていたのを払ったから、人形に逃げ込むしかなかった。
だとしたら村長が黒幕のは明らかだ。
「そんなのは許せない」
「諦めなさい。
魔女は処刑され、全ては解決したわ」
燃えかすしか残っては居ない。
「一緒に行こう」
風太が手を伸ばすと、ヨリーは手を掴む。
キラキラと輝く魂だ。
「異界人の風習はよくわからないわ。
どうして石を積み上げるかしらね」
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