1 / 4
破の国
王の死
しおりを挟む
この物語は僕らが住んでる、この国が三つに別れていた時代だから、もう五百年以上も前の物語になる。そして、これは君も知っている、かの英雄カーヤが愛した女性の物語なのだ。
当時は「礎」「破」「確」の三国に別れていた。
礎の国は南西部に肥沃な広大な大地を持つ農業大国で、南東部にある確の国は、貿易が盛んな経済大国であった。
そして、最も貧しい破の国は山岳地帯が八割あり、平地は二割しかない。だから、牧畜が主たる産業で、他にはマークサと言う鉱物が取れる位だった。
マークサは海の向こうの国では貴重なみたいだが、それは海と港があり、貿易の盛んな確の国の商人たちが取引を牛耳っていた。
「コンタ王、最近は遊牧民たちが山賊に襲われ食料を奪われるケースが増えております。我々も戦える軍隊を持ち、山賊たちに対抗すべきです」
「そうだな……サキタ大臣……でも、それに適任者とかいるのか? 我々は戦争なんかした事はないんだぞ……」
「それには適任者がおります。白龍の息子と呼ばれる男……クンタでございます……」
コンタ王は思い出した。元々、この破の国は白龍の血を継ぐ者が作り、白龍の加護の元で栄えたと言う。
だから生まれつき白龍の痣を持つ男……クンタは白龍の血を継ぐ「白龍の息子」と呼ばれ、人々から尊ばれていた。
「しかし、あの獰猛な白龍は今の世界には必要ない……だから玄武の力で眠らせているのだ……しかし、息子なら人間だ。適任者かもしれんな」
「左様でございます。コンタ王、軍隊を作り、攻撃出来る武器を持たせれば山賊どもは一掃出来ます。ご決断を……」
「分かったよ。サキタ……お前の好きにするが良い。おっと忘れていた……」
そう言うとコンタ王は馬に鞭をいれた。サキタも鞭を入れるが追いつくはずもない。
コンタ王は忘れていたのを思い出した。そう今日は息子である先月結婚したコニタの嫁、十九歳のシータが国王の誕生パーティーを企画しているのだ。彼は慌てた。
サキタは必死で追いつき、息を切らしながら、ほくそ笑んでいた。これで一歩自分の時代が近づくのを感じた。
「コンタ王、山賊たちは大人しくなりました。今月は被害ゼロです……」
クンタ将軍の報告にコンタ王は満足していた。たったの三ヶ月で山賊どもを大人しくさせた器量には感服するしかない。
「クンタ将軍、ご苦労であった。何か褒美をやろう。何が欲しい?」
「いえ私は、この国が安泰であれば、それだけで大丈夫です」
「欲が無いの……では、サキタ大臣は?」
「なら、神殿を作り直して頂けますか。私は元々神官でございます。神を祀るのが私の使命です」
「分かった。作り直そう」
もう神殿なんか不要だと感じていたコンタ王は、その言葉に驚いた。でもサキタも、その方が落ち着くのだろう。
「とにかく、来月も頑張ってくれ……私は、もう休むよ……」
「分かりました……おやすみなさい」
クンタ将軍はコンタ王に言う。コンタ王は王座から下りると寝室へ向かった。
「神殿が完成したら……実行だな……」
サキタの言葉に頷いたのはクンタ将軍だ。将軍はニヤリと笑った。
「欲しいのは、お前の国だよ……」
バン……
そう呟くと脇の刀を抜くと、床に思い切り刺した。刀が立って、牙を輝かせている。
シータは目を覚ました。裸で抱き合って寝ていたはずの夫は、もうチュニックを着ていた。シータは眠い。ベッドの上、布団の中から出る気にもならない。夫のコニタ王子は、シータにそっとキスをした。
「お姫様……おはよう、もう狩りに出かけるよ……」
「お父様がいらっしゃってるのよ……それでも行くの?」
「だから行くんだよ。朝から煩い説教は嫌だからな……」
そんな言葉を聴きながら、シータは又、眠りに落ちていった。
シータはぼんやりと目を開いた。目の前に椅子に腰掛けた男がいる。夫は出かけたはずだ。もう帰って来たのかとも思った。寝室は鍵を掛け、夫以外の者は入れないはずだったから……
しかし、それは夫とは違う。クンタ将軍……シータは慌てて布団を掴むと身体が隠れている事を確かめた。普通なら叫び声を上げていただろう。しかし気品あるシータは、そんな事はしなかった。
「クンタ将軍、どうされたのですか?」
「起きられたのですね。良かった。貴女の寝顔を見ていたのです」
クンタはベッドや上で布団を抑え、顔だけ出すシータを見た。黒髪で少し浅黒い肌、それは大陸の遊牧民特有のものだろう。押さえ隠した胸が豊満である事は誰でも分かった。さすが遊牧民の長キルマグの娘である。破の国で並ぶ者などいない美しさを湛えていた。
「実は悲しい、お知らせがあるのです。バストロイ城で今朝、コンタ王が、お亡くなりになられました」
「えっ……あんなに元気だったのに……」
「いえ、元気でも亡くなる時は亡くなるのです。刃物で私に何回も刺されれば、否が応でも亡くなります」
シータは言葉を詰まらせた。正直に、余りにも冷たく、そして淡々と話すクンタ将軍に恐怖を抱いたのだ。
「ところで、コニタ王子は何処ですか? 貴女と一緒に眠っているとばかり思っておりました」
シータは答えない。答えてはダメだと言う気がした。コニタ王子は唯一の破の国王の後継者……クンタ将軍は、彼を亡き者にしようと考えているのは間違いなかった。
「答えられないのなら仕方ありませんね。先ずは直ぐに布団から出てきてください」
そんな命令に聞く事など出来ない。なぜならシータは裸なのだ。夫以外の男に見せられるはずもなかった。
「分かったわ。ならクンタ将軍……侍女のマーラを呼んで……寝室から出て下さるかしら……」
「それは出来ません。貴女に逃げられたら困りますから……」
「私、裸なんですよ……」
「知ってます。一度、貴女の裸を見たいと思っておりまして、良い機会かと……」
サーベルを片手にクンタ将軍は言う。そして、立ち上がりサーベルをシータの顔に近づけた。シータは観念するしかなかった。
布団を捲りあげる。その布団がクンタ将軍のサーベルに巻きついた。サーベルが落ちる。シータ裸のまま起き上がってクンタ将軍に殴りかかった。シータの拳を、しっかりとクンタは掴んだ。そのまま抱き寄せ唇を奪う。足掻いたシータはクンタを突き飛ばした。しかしクンタは直立不動のままだ。倒れたのはシータの方だった。
「中々、お転婆なお姫様だ。次にしたら、殺しますよ」
クンタはサーベルを取ると倒れたシータに突きつける。
「立ち上がって……」
シータはヨロヨロと立ち上がった。未だ十九歳の張りのある身体にクンタは目がいった。股間の毛が脱毛してあるのは破の国の風習である。
「ほぉ、素敵な身体だ。これで黒髪を束ねて貰えないかな」
シータは直立したまま、クンタから渡された紐で黒髪を後ろに束ねた。
「背が高いねぇ……僕と同じくらいある。顔は半分くらいか……」
クンタはシータの首を両手で触ると、撫でながら頬を包んだ。手を離し、少し後ろにクンタは下がると視線はシータの胸に移った。いきなりシータの左乳房を掴む。シータは背を屈めた。抵抗する事も出来ない。
「ああ柔らかい。なんと豊満な乳房なんだ。これならコニタ王子も喜ぶよな……」
クンタは乳房を掴み、その先の小さな乳首を舐めた。その感触に、まるで酔っているようだ。シータは顔を背けた。手は腰に動いている。
「細いくびれ……妊娠はしていないようだな……アソコは、どうだい。昨日も使ったんだろう……」
そう言うとシータの股間の割れ目にクンタが指を入れようとした。その手をシータが掴んだ。
「やめてください……」
「分かった。ならコニタの居場所を言え……」
クンタがシータを睨んだ。シータは黙っている。
「言えないんなら、大人しくしろ……リスラ、入ってこい」
そう言うと屈強そうな男が入ってきた。全裸のシータを見るなり、涎を垂らした。
「この女、やっても良いんですか?」
「ダメだ。コイツを後ろ手に縛り……バストロイ城まで連れて行くんだ」
当時は「礎」「破」「確」の三国に別れていた。
礎の国は南西部に肥沃な広大な大地を持つ農業大国で、南東部にある確の国は、貿易が盛んな経済大国であった。
そして、最も貧しい破の国は山岳地帯が八割あり、平地は二割しかない。だから、牧畜が主たる産業で、他にはマークサと言う鉱物が取れる位だった。
マークサは海の向こうの国では貴重なみたいだが、それは海と港があり、貿易の盛んな確の国の商人たちが取引を牛耳っていた。
「コンタ王、最近は遊牧民たちが山賊に襲われ食料を奪われるケースが増えております。我々も戦える軍隊を持ち、山賊たちに対抗すべきです」
「そうだな……サキタ大臣……でも、それに適任者とかいるのか? 我々は戦争なんかした事はないんだぞ……」
「それには適任者がおります。白龍の息子と呼ばれる男……クンタでございます……」
コンタ王は思い出した。元々、この破の国は白龍の血を継ぐ者が作り、白龍の加護の元で栄えたと言う。
だから生まれつき白龍の痣を持つ男……クンタは白龍の血を継ぐ「白龍の息子」と呼ばれ、人々から尊ばれていた。
「しかし、あの獰猛な白龍は今の世界には必要ない……だから玄武の力で眠らせているのだ……しかし、息子なら人間だ。適任者かもしれんな」
「左様でございます。コンタ王、軍隊を作り、攻撃出来る武器を持たせれば山賊どもは一掃出来ます。ご決断を……」
「分かったよ。サキタ……お前の好きにするが良い。おっと忘れていた……」
そう言うとコンタ王は馬に鞭をいれた。サキタも鞭を入れるが追いつくはずもない。
コンタ王は忘れていたのを思い出した。そう今日は息子である先月結婚したコニタの嫁、十九歳のシータが国王の誕生パーティーを企画しているのだ。彼は慌てた。
サキタは必死で追いつき、息を切らしながら、ほくそ笑んでいた。これで一歩自分の時代が近づくのを感じた。
「コンタ王、山賊たちは大人しくなりました。今月は被害ゼロです……」
クンタ将軍の報告にコンタ王は満足していた。たったの三ヶ月で山賊どもを大人しくさせた器量には感服するしかない。
「クンタ将軍、ご苦労であった。何か褒美をやろう。何が欲しい?」
「いえ私は、この国が安泰であれば、それだけで大丈夫です」
「欲が無いの……では、サキタ大臣は?」
「なら、神殿を作り直して頂けますか。私は元々神官でございます。神を祀るのが私の使命です」
「分かった。作り直そう」
もう神殿なんか不要だと感じていたコンタ王は、その言葉に驚いた。でもサキタも、その方が落ち着くのだろう。
「とにかく、来月も頑張ってくれ……私は、もう休むよ……」
「分かりました……おやすみなさい」
クンタ将軍はコンタ王に言う。コンタ王は王座から下りると寝室へ向かった。
「神殿が完成したら……実行だな……」
サキタの言葉に頷いたのはクンタ将軍だ。将軍はニヤリと笑った。
「欲しいのは、お前の国だよ……」
バン……
そう呟くと脇の刀を抜くと、床に思い切り刺した。刀が立って、牙を輝かせている。
シータは目を覚ました。裸で抱き合って寝ていたはずの夫は、もうチュニックを着ていた。シータは眠い。ベッドの上、布団の中から出る気にもならない。夫のコニタ王子は、シータにそっとキスをした。
「お姫様……おはよう、もう狩りに出かけるよ……」
「お父様がいらっしゃってるのよ……それでも行くの?」
「だから行くんだよ。朝から煩い説教は嫌だからな……」
そんな言葉を聴きながら、シータは又、眠りに落ちていった。
シータはぼんやりと目を開いた。目の前に椅子に腰掛けた男がいる。夫は出かけたはずだ。もう帰って来たのかとも思った。寝室は鍵を掛け、夫以外の者は入れないはずだったから……
しかし、それは夫とは違う。クンタ将軍……シータは慌てて布団を掴むと身体が隠れている事を確かめた。普通なら叫び声を上げていただろう。しかし気品あるシータは、そんな事はしなかった。
「クンタ将軍、どうされたのですか?」
「起きられたのですね。良かった。貴女の寝顔を見ていたのです」
クンタはベッドや上で布団を抑え、顔だけ出すシータを見た。黒髪で少し浅黒い肌、それは大陸の遊牧民特有のものだろう。押さえ隠した胸が豊満である事は誰でも分かった。さすが遊牧民の長キルマグの娘である。破の国で並ぶ者などいない美しさを湛えていた。
「実は悲しい、お知らせがあるのです。バストロイ城で今朝、コンタ王が、お亡くなりになられました」
「えっ……あんなに元気だったのに……」
「いえ、元気でも亡くなる時は亡くなるのです。刃物で私に何回も刺されれば、否が応でも亡くなります」
シータは言葉を詰まらせた。正直に、余りにも冷たく、そして淡々と話すクンタ将軍に恐怖を抱いたのだ。
「ところで、コニタ王子は何処ですか? 貴女と一緒に眠っているとばかり思っておりました」
シータは答えない。答えてはダメだと言う気がした。コニタ王子は唯一の破の国王の後継者……クンタ将軍は、彼を亡き者にしようと考えているのは間違いなかった。
「答えられないのなら仕方ありませんね。先ずは直ぐに布団から出てきてください」
そんな命令に聞く事など出来ない。なぜならシータは裸なのだ。夫以外の男に見せられるはずもなかった。
「分かったわ。ならクンタ将軍……侍女のマーラを呼んで……寝室から出て下さるかしら……」
「それは出来ません。貴女に逃げられたら困りますから……」
「私、裸なんですよ……」
「知ってます。一度、貴女の裸を見たいと思っておりまして、良い機会かと……」
サーベルを片手にクンタ将軍は言う。そして、立ち上がりサーベルをシータの顔に近づけた。シータは観念するしかなかった。
布団を捲りあげる。その布団がクンタ将軍のサーベルに巻きついた。サーベルが落ちる。シータ裸のまま起き上がってクンタ将軍に殴りかかった。シータの拳を、しっかりとクンタは掴んだ。そのまま抱き寄せ唇を奪う。足掻いたシータはクンタを突き飛ばした。しかしクンタは直立不動のままだ。倒れたのはシータの方だった。
「中々、お転婆なお姫様だ。次にしたら、殺しますよ」
クンタはサーベルを取ると倒れたシータに突きつける。
「立ち上がって……」
シータはヨロヨロと立ち上がった。未だ十九歳の張りのある身体にクンタは目がいった。股間の毛が脱毛してあるのは破の国の風習である。
「ほぉ、素敵な身体だ。これで黒髪を束ねて貰えないかな」
シータは直立したまま、クンタから渡された紐で黒髪を後ろに束ねた。
「背が高いねぇ……僕と同じくらいある。顔は半分くらいか……」
クンタはシータの首を両手で触ると、撫でながら頬を包んだ。手を離し、少し後ろにクンタは下がると視線はシータの胸に移った。いきなりシータの左乳房を掴む。シータは背を屈めた。抵抗する事も出来ない。
「ああ柔らかい。なんと豊満な乳房なんだ。これならコニタ王子も喜ぶよな……」
クンタは乳房を掴み、その先の小さな乳首を舐めた。その感触に、まるで酔っているようだ。シータは顔を背けた。手は腰に動いている。
「細いくびれ……妊娠はしていないようだな……アソコは、どうだい。昨日も使ったんだろう……」
そう言うとシータの股間の割れ目にクンタが指を入れようとした。その手をシータが掴んだ。
「やめてください……」
「分かった。ならコニタの居場所を言え……」
クンタがシータを睨んだ。シータは黙っている。
「言えないんなら、大人しくしろ……リスラ、入ってこい」
そう言うと屈強そうな男が入ってきた。全裸のシータを見るなり、涎を垂らした。
「この女、やっても良いんですか?」
「ダメだ。コイツを後ろ手に縛り……バストロイ城まで連れて行くんだ」
0
あなたにおすすめの小説
もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
【完結】勇者の息子
つくも茄子
ファンタジー
勇者一行によって滅ぼされた魔王。
勇者は王女であり聖女である女性と結婚し、王様になった。
他の勇者パーティーのメンバー達もまた、勇者の治める国で要職につき、世界は平和な時代が訪れたのである。
そんな誰もが知る勇者の物語。
御伽噺にはじかれた一人の女性がいたことを知る者は、ほとんどいない。
月日は流れ、最年少で最高ランク(S級)の冒険者が誕生した。
彼の名前はグレイ。
グレイは幼い頃から実父の話を母親から子守唄代わりに聞かされてきた。
「秘密よ、秘密――――」
母が何度も語る秘密の話。
何故、父の話が秘密なのか。
それは長じるにつれ、グレイは理解していく。
自分の父親が誰なのかを。
秘密にする必要が何なのかを。
グレイは父親に似ていた。
それが全ての答えだった。
魔王は滅びても残党の魔獣達はいる。
主を失ったからか、それとも魔王という楔を失ったからか。
魔獣達は勢力を伸ばし始めた。
繁殖力もあり、倒しても倒しても次々に現れる。
各国は魔獣退治に頭を悩ませた。
魔王ほど強力でなくとも数が多すぎた。そのうえ、魔獣は賢い。群れを形成、奇襲をかけようとするほどになった。
皮肉にも魔王という存在がいたゆえに、魔獣は大人しくしていたともいえた。
世界は再び窮地に立たされていた。
勇者一行は魔王討伐以降、全盛期の力は失われていた。
しかも勇者は数年前から病床に臥している。
今や、魔獣退治の英雄は冒険者だった。
そんな時だ。
勇者の国が極秘でとある人物を探しているという。
噂では「勇者の子供(隠し子)」だという。
勇者の子供の存在は国家機密。だから極秘捜査というのは当然だった。
もともと勇者は平民出身。
魔王を退治する以前に恋人がいても不思議ではない。
何故、今頃になってそんな捜査が行われているのか。
それには理由があった。
魔獣は勇者の国を集中的に襲っているからだ。
勇者の子供に魔獣退治をさせようという魂胆だろう。
極秘捜査も不自然ではなかった。
もっともその極秘捜査はうまくいっていない。
本物が名乗り出ることはない。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる