第三王妃

otaka

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破の国

新しい王の誕生

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 男たちはシータを見つめていた。秘肉に刺さったモルゲンシュテルンは引き離される時を待っている。クンタはシータの汗をかいた顔を笑いながら見ている。「いくぞ」そんな掛け声とともにモルゲンシュテルンは抜けていった。
 
「うぐっうぐっ……い、痛い……」
 
 グズグズグズグズと音をたてながら、肉壁を棘が引っ掻いていく。
 
「はぁはぁ……」
 
 シータの痛みが収まった頃、またモルゲンシュテルンは振り下ろされる。そして……
 男たちは目を丸くした。コニタ王子の嫁であるシータは処女では無いはずだ。しかし、彼女の股間から血が流れた。正しくそれは、膣が裂傷をおこしている証拠だ。
 しかし、それを知ってもクンタは気にも止めない。誰でも最初は、そうなのだ。血を流す。しかし、何回も繰り返すうちにクンタの物でなければ、絶対に満足出来ない身体となるのだ。その支配感がクンタは堪らなかった。
 少しずつ、少しずつ、クンタのピストン運動は早くなっていく。
 
 ガクガク……ギシッギシッ……
 
「ああああ、ダメダメ……イクイク……」
 
 シータはベッドのシーツを掴んだ。爪がシーツに突き刺さって割れる。それほどまでに、クンタのピストンは激しい。髪を振り乱し、シータは汗まみれとなる。
 すると、クンタは動きを止めた。抜く……
 
「飽きたよ……四つん這いになれ……」
「はぁはぁ……」
 
 息を切らしながらシータは四つん這いになる。尻をクンタに向けた。
 
「ほぉ素直だな。諦めたか……」
「まだよ。未だ逝ってないんでしょう」
「そうだ。お前は何回逝った?」
 
 シータは歯を食いしばった。クンタは腰を掴んだ。モルゲンシュテルンを振り下ろす。徐々に挿入しながら、クンタはシータに身体を密着させた。耳許で囁く。
 
「もっと気持ち良くさせてやろう」
 
 クンタは右手を腰から回しシータの股間にある陰核を撫でる。彼のモルゲンシュテルンが一番奥まで行き、傷ついた肉壁を引っ掻こうとした時だった。
 
「ぎえぇぇぇ……」
 
 シータが叫び声をあげ両手で股間を抑えるような格好で、うつ伏せにつんのめった。クンタがシータの陰核に爪を食い込ませたのだ。血が迸る……シーツが真っ赤に染まった。
 うつ伏せになったシータにクンタは両手を掴まえてピストンを続けた。シータの意識が遠のいていく。
 
「イクイク……」
 
 それはクンタの声だ。まるで遠くにあるかのようにシータの耳に届いた。子宮に流れ込むクンタの精液は、なぜか暖かく思わずシータは涙を流した。
 
「では、皆さんに確認して頂きましょう」
 
 M字開脚したシータの股間は血塗れであった。その血と混じった白い液体は紛れもなくクンタの精液であった。国民は二人が契ったと承諾した。その瞬間、シータの意識が途切れた。

 神官サキタは告げた。
 
「今、クンタはコンタ王の姻族であるシータと契りの儀を結びました。これは破の国のルールによれば、血族がいなくなった場合は姻族と契った者が王になる基準を満たしております。よってクンタは、これより破の国の国王となり、シータ姫は国王の第二王妃となります」
 
 クンタは両手をあげ、自分で王冠を被った。ベッドの上にはぐったりとしたシータが横たわっている。
 
「龍の壺は溜まったのか? 白龍の汗を作り治療しないと……この女を、このまま死なせる訳にはいかない……何としてもコイツを餌にコニタ王子を誘き寄せ、殺さないとな」
「はは、相変わらず小心者だな。龍の壺は充分溜まって、白龍さまにエネルギーは送られているよ。それよりクンタ……白龍の血を継ぐ者と契りの儀を交わしている、この女なら「舞姫」として最適ではないか。この女に伝説の「白龍の舞」を踊らせようじゃないか……」
「白龍の舞……それは白龍を蘇らせる……」
 
 現在、白龍は玄武の罠に嵌められ、重石の下で身動き取れない状況にあると言う言い伝えがあった。それを解く為には、白龍の舞を十週欠かさず奉納するか、復活の儀をしなければならない。
 
「その通りだ。白龍さえ蘇れば、三国は統一したようなものだ。その為に神殿も作り直したのだから……」
 
 神官サキタは笑う。

 シータが目を覚ました。それは生臭い匂いが漂う風呂の中であった。
 
「シータ姫、起きられましたかな……どうです。身体の調子は?」
 
 目の前にいたのは神官サキタだった。サキタはシータに具合を尋ねた。聞かれたシータは確かに、疲れや痛みが無くなっている事に気づいた。
 
「良いわ……どうして……」
「白龍の汗に浸かって頂いているからです……」
 
 シータの記憶が蘇る。そう、白龍の汗とは男たちの精液に呪文を掛けた万能薬である。浸かる事で全ての病気や怪我は、たちどころに治ると言う伝説の薬なのだ。しかし、それは白龍が神通力を持っていた時代の話だ。神通力が無くなった今では伝説でしかない。
 しかも、男の精液で出来ている以上、女性が浸かれば妊娠は免れないと言う話もある事を思い出しシータは蒼くなった。
 
「白龍の汗は精液で出来ているのよね。妊娠……」
「左様でございます。浸かった以上、妊娠は免れません……」
 
 シータの顔は、ますます蒼くなる。妊娠は免れない、しかも誰の子供か分からない子を宿すのだ。
 
「ただ一つ、妊娠を免れる方法がございます。「舞姫の涙」を飲む事です……ただし条件があります。貴女に舞姫になって頂き「白龍の舞」を踊って頂くのが条件です」
 
 舞姫の涙と言うのは、現代で言えば経口避妊薬の事だ。そして白龍の舞は今の破の国のルールで禁じられている秘密の舞なのである。しかし、背に腹はかえられない。
 
「良いわ……白龍の舞を踊ります……」
「良し……では、今から調教師ギラルタに会わせよう……指導のもと優秀な舞姫となるんだぞ……」
 
 シータはサキタの言葉にゾッとした。そして手渡された舞姫の涙を口にする。

 兵士たちの不満が増えている。
 
「全く、どういう事だ?」
 
 それはクンタの思惑とは違っていた事だった。クンタは首都バストロイの城には金銀財宝が山ほど有るはずだと思っていた。しかし、探し回っても金銀どころか食料さえも少ないのだ。そう、この貧しい破の国では王も慎ましやかに生活していた。
 
「これでは約束を違えてしまう……間違いなく金銀があるはずなんだ……」
 
 元々、兵士として雇ったのは山賊の一味だった。彼らを金で釣ったからこそ、山賊の被害が無くなったのだ。
 コンタ王からは武器を購入すると言って多額の金銀を巻き上げ兵士たちに配っていた。そして、それが尽きる頃にクンタは提案した。
 
「私が王となれば国の金は使い放題だ。お前たちにも分けてやろう……王族たちを殺すんだ……」

 破の国には女性が少ない。それは山岳地帯が多く遊牧が本業で移動が多く、男性中心の社会が形成されたせいである。それに比べて礎の国は農耕が中心で女性も多い。肥沃な平地も多い。
 
「神官サキタ、やっぱり礎の国土を奪うしかないか?」
「そうだな。私も意外だったよ。まさか、これほどまでに貧しいとは……それよりクンタ、礎の国には女性も多い……人質とした女性を娼婦として兵士たちに与えれば多少なりとも気が収まるとは思わんか?」
「そうだな……僕も三国一と言われた礎の国の美女スウタ妃を見てみたい……出来れば、やりたいがな……」
「なんでも、スウタ妃には似た娘がいるとか……ミーヤと言う名前で十六歳らしい……」
「ほぉ、それは美味しそうだな……」
 
 クンタのモルゲンシュテルンが首を持ち上げた。
 
「はは、クンタ……お前の物でいったら間違いなく壊れてしまうわ……」

 その頃、礎の国では破の国のコンタ王が亡くなった事を伝える伝令が来ていた。
 礎の国の王ルーヤは、その知らせに驚いた。事故とかならまだしも、殺されたとは聞き捨てならない。しかも殺した男はクンタと言う、どこの馬の骨とも分からない男なのだ。
 
「どうやら、破の国では最近、軍隊を強化し、その将軍職にあった者だとか……」
 
 大臣で神官でもあるドーヤが告げた。
 
「そうか、殺されたのか……」
「問題は、その男が友好的なのかどうかですが、とても友好的に話が出来る男とも思えません……」
「戦争を仕掛けてくるとでも……」
「そうです。今は農繁期でございます。今、攻め込まれたら、たまったもんじゃありません。当国家の兵士のほとんどが農民と兼業しているのですから……」
「なら、我が妹のパーヤが嫁いでいる確の国に応援を頼むしかないな。守らなければいけないだろう……」
「しかし今から、お願いしても……」
「とにかく、伝令を行かせるんだ。そして、ありったけの兵士を国境の都市ガルバンビンテへ派遣するんだ……あそこを占拠されたら最悪だぞ」
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