聖女の仕事を理解しないなら、魔王と一緒に夜逃げしますわ

アイララ

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門を改良してもいいかしら?

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涙が流れるのをグッと堪えて、私は魔王についていく。

広い都市、そこを私は魔王と一緒に歩いて進んでいるのよね。別に、早歩きしてる訳じゃないし。

なのに流れるみたいにスゥーと進み、あっという間に大きなお城まで辿り着いちゃった。

これも魔王の力なのかしら?

『着いたぞ。私はこれから城に入るが、どうする?』

真っ黒く輝く、生き物みたいに角付いた所がない不思議な城。その入口の前で私に聞いて来た。

「えっ?どうするって言われても・・・。」『前にも言ったがお前は今まで十分、私達に協力してくれた。

これからは私の都市で、のんびり日々を過ごすがよい。」

「それはありがたいけど、食事とか寝床とか考えなきゃいけないし、あっ、あと仕事も。」

『心配するな。食事や寝床は城の者に用意させる。それに気に入らなければ、街にある店を自由に使えばよい。

だが、気を付けろ。人である事を言わなければ、食事で出てくる飲み物は人の血だぞ。』

人の血…流石は魔物の国ね。って、そういう事ではないのよ。

私の為にそこまでしてくれるのは、本当にありがたいの。

でも、キシュタン王国では毎日の様に門を行ったり来たりしてたし、働かないと落ち着かないというか。

あっ!確か、ここの門って保護魔法で強化できそうよね。それなら仕事の代わりになりそうかも。

「それなら出てくる食事も、変わった料理が多そうよね。ねぇ、そこまで私にしてくれるのなら、少し頼みがあるの。

この国の門、改良してもいい?」

『この門をか?それは構わないが、あそこに掛けてある魔法は隠匿などの闇の魔法だ。

聖女はその系統の魔法、使ってはいけないのだろう?』「いいのよ、キシュタン王国をおさらばした訳だし、もう聖女は辞めたわよ。」

それに、魔王は私を助けてくれたしね。

~~~~~

聖女・スヨミルを処刑して、私が次期聖女になる。その計画だったのにどうしてアイツは逃げたのよ!

折角、処刑される聖女の前で気持ちよく演説しようと思ったのに!

おまけに、聖女の力なんて使えないから聖水で誤魔化したけど、魔物はどんどん入って来るし!

今は何とかこの国の偉い人を騙せているけど、もしもバレたら私が処刑されるのは間違いないわ。

それならいっその事、コッソリと抜け出そうかしら?でも、最近は魔物の侵入のせいで警備が厳しいし。

・・・そうだ!そもそも魔物が全員いなくなればいいのよ!

この国が魔物と戦争をしないと、天罰が下るとか上手く騙して。この国の兵士に、全員殺させればいいのよ!
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