213 / 1,557
第18章 めでたい飲み会
祝いの席のセッティング
しおりを挟む
「なんだ、来てたのか」
暖簾をくぐると嵯峨がそう言った。誠が店の中を覗くと、すでにさしつさされつ日本酒を飲み交わしている遼州司法局実働部隊技術部長許明華大佐と同じく司法局監察官明石清海中佐の姿があった。
「すみません。ワシ等先やらしてもらってますわ」
明石はもつ煮をつつく。少しばかり酔いに頬を染めて、照れ笑いを浮かべる明石を明華が見つめた。
「あのなあ。お前等が先に来てたら吉田の気遣いが無駄になるじゃねえか」
そう言うと吉田の手にしている花束を奪ってかなめに握らせた。
「許大佐。婚約、おめでとうございます」
後ろから見ても確かに黒いタンクトップにジーンズのかなめとはいえ令嬢の雰囲気を漂わせる彼女が花を握れば絵になった。誠も思わず顔をほころばせる。その様子を一瞥しながら少し照れるように明華が花束を手にする。
「ありがとう。西園寺、アンタが選んだでしょ?相変わらずみごとなものね」
明華が受け取った花束の香をかいでいる。
「お前等が一番に着いたのか?」
「ちゃいますわ、アイシャ達が一番に来て小夏を連れて、なにやら上で仕掛けとるみたいです」
「それで準備が出来るまで飲んでろって言われたわけか……それで酔っぱらってたら意味ねえじゃねえか」
嵯峨はテーブルの上の三つ置かれた二合徳利を眺めた。
「じゃあ俺等はどうしましょうか?」
吉田が嵯峨に目配せをする。
「まあ、こいつ等と第四小隊以外は上がっても大丈夫なんじゃないの?」
そう言うと嵯峨はそのまま奥の階段を上り始める。
「ちょっと新さん」
厨房から出てきた春子が呼びかける。タバコに取り出しかけた手を置いた嵯峨が振り返る。
「こっちにあるビールのケース。運ぶの頼んでも良いかしら?」
そう言われると嵯峨は吉田に目配せをした。吉田はシャム、かなめ、そして誠の頭を軽く叩く。
「ああ、吉田さんと誠君が来てくれれば大丈夫よ」
春子の指名で目を見合わせた吉田と誠は、カウンターをすり抜けて厨房に入る。
「そこに二ケースあるでしょ?それを上に運んでもらえるかしら?」
言われるままに吉田は冷えたビールのケースを持ち上げる。誠はそれに付き合うようにその下のケースを持った。
「今日はメインは何ですか?」
「牛のもつ焼きよ。何でもスミス大尉が大の好物なんですって」
春子はそう言うと宴会の仕込みに取り掛かった。
「アメリカ産の癖に妙なもん食うんだな」
そう言う吉田を先頭に、あまさき屋の狭い階段を上り始めた。
「おう、ご苦労さん!そこに置けや。それと一本ビールを持ってきてくれ」
部屋の奥に腰をすえた嵯峨がタバコをくゆらせ始める。誠が見回すと部屋には紙でできた飾りや、万国旗が飾られている。
「誠ちゃん!そこの紐持って向こうの梁に取り付けてくれない?」
アイシャがそう言うと、部屋の中央にある万国旗の紐を指差した。
「おい、アイシャ!せっかくビール持ってきてくれたんだ。少しは休ませてやれよ」
手が痺れた誠がぐるぐる手を振っているのを見てかなめが叫ぶ。
「言うわね、かなめちゃん。もしかしてあなたの部屋で何かあったわけ?」
目を細めるアイシャ。その言葉にシャムとサラが興味深げにかなめの顔を見る。
「馬鹿言ってんじゃねえ!そんなことあるわけねえだろ!先輩としての気遣いから言ってやってるだ
けだ!島田!オメエがやれ!」
「また俺ですか?人使いが荒いなあ」
愚痴りながら島田が万国旗の紐を持ち上げる。誠はビール瓶を持って嵯峨と吉田の隣に座った。
「まあ、一杯やろうや」
そう言うと後ろから嵯峨が栓抜きとコップを三つ取り出す。
「お前もこれから大変だろうからな」
誠から瓶を奪い取って、吉田が嵯峨の手の中のコップにビールを注ぐ。
「なっちゃん!これ大丈夫なの?」
シャムがアイシャのバッグの中から取り出したクラッカーを取り出した。
「大丈夫ですよ。どこぞの馬鹿が拳銃ぶっ放すのとはわけが違いますから」
「小夏。それはアタシか?アタシのことか?」
そう言うと紙の飾りを取り付けようとしていたかなめがそれを投げ捨てて小夏に歩み寄る。
「かなめ!急に離したら!」
パーラのその声の後、誠が吉田に注いでいたビールの中に紙の飾りが落ちた。
「おい、西園寺……」
「はあ?オメエ等、ビール運んできただけじゃねえか。それに糊の味が加わっておいしくなるかも知れねえぞ?」
いつものようにかなめはさっきとは真逆なことをしゃあしゃあと言う。
「はい、喧嘩はそこまで。とりあえずお疲れ」
そう言うと嵯峨は一息でビールを飲み干した。気を利かせてビールを飲み干した誠が立ち上がった。
「大丈夫よ誠ちゃん。もう終わるから飲んでて」
アイシャはかなめが放り出した紙の飾りを画鋲で壁に貼り付けるとあたりを見渡した。
「こんなもので良いかしら?」
「良いんじゃねえの?」
そう言いながら残っていたビールを自分のグラスに注ぐ。嵯峨は泡の少ないコップを何度か眺めた後、ビールを飲み干した。そしてそのコップがテーブルに置かれた時に宴会場にカウラ達が姿を現した。
入ってきたのは複雑な表情を浮かべるカウラと菰田率いるヒンヌー教団。それを見ながら部屋ではサラと島田が誠達が運んできたビールを各テーブルに配っている。
「そういえばキム達はまだなのか?」
二本目のビールを受け取った嵯峨が下座に陣取ったアイシャに声をかけた。
「もうそろそろ着くと思いますよ。それとシュバーキナ少佐がお客さんを積んで本部を出たそうです」
アイシャの言葉に黙って頷く嵯峨。それを見てすぐさま誠の隣に陣取るかなめ。そして向かいにはカウラが座った。
「なんか、ここ狭すぎるだろ。向こう行けよ、お前等が主役じゃないんだから」
嵯峨はかなめとカウラにそう言うとアイシャとパーラの座っている下座のテーブルを指差した。
「アタシ等の引越しは祝ってくれねえのか?」
「そんなの知らねえよ、明日勝手に引越しそばでも食ってろ」
そんな嵯峨の言葉を浴びると、渋々かなめが立ち上がる。誠とカウラも顔を見合わせてそのまま階段沿いの席に腰を落ち着けた。誠が階段を覗き込むと、明石が顔を覗かせている。
「タコ。まだ見るんじゃねえ!」
かなめが叫ぶ。
「なんじゃ、ワシ等はまだ蚊帳の外か」
そう言うと明石の大きなスキンヘッドがゆっくりと階段を下りていった。すれ違いで上がってきたのはキムとエダだった。そのままアイシャの前に立ったキムは、手にした書類ケースを彼女に渡した。
「一応こんだけ集めましたけど」
ちらちらと誠からも見えるのでそれが不動産屋の広告であることがわかる。アイシャがトランクルームを探しているということを誠は思い出して一人頷いた。
「ああ、ありがと。後でお返ししてあげるわね」
「お礼はプラモやフィギュアというはやめてくださいね」
キムは満面笑みのアイシャに向けてそう言うとサラと島田が占領しているテーブルについた。
暖簾をくぐると嵯峨がそう言った。誠が店の中を覗くと、すでにさしつさされつ日本酒を飲み交わしている遼州司法局実働部隊技術部長許明華大佐と同じく司法局監察官明石清海中佐の姿があった。
「すみません。ワシ等先やらしてもらってますわ」
明石はもつ煮をつつく。少しばかり酔いに頬を染めて、照れ笑いを浮かべる明石を明華が見つめた。
「あのなあ。お前等が先に来てたら吉田の気遣いが無駄になるじゃねえか」
そう言うと吉田の手にしている花束を奪ってかなめに握らせた。
「許大佐。婚約、おめでとうございます」
後ろから見ても確かに黒いタンクトップにジーンズのかなめとはいえ令嬢の雰囲気を漂わせる彼女が花を握れば絵になった。誠も思わず顔をほころばせる。その様子を一瞥しながら少し照れるように明華が花束を手にする。
「ありがとう。西園寺、アンタが選んだでしょ?相変わらずみごとなものね」
明華が受け取った花束の香をかいでいる。
「お前等が一番に着いたのか?」
「ちゃいますわ、アイシャ達が一番に来て小夏を連れて、なにやら上で仕掛けとるみたいです」
「それで準備が出来るまで飲んでろって言われたわけか……それで酔っぱらってたら意味ねえじゃねえか」
嵯峨はテーブルの上の三つ置かれた二合徳利を眺めた。
「じゃあ俺等はどうしましょうか?」
吉田が嵯峨に目配せをする。
「まあ、こいつ等と第四小隊以外は上がっても大丈夫なんじゃないの?」
そう言うと嵯峨はそのまま奥の階段を上り始める。
「ちょっと新さん」
厨房から出てきた春子が呼びかける。タバコに取り出しかけた手を置いた嵯峨が振り返る。
「こっちにあるビールのケース。運ぶの頼んでも良いかしら?」
そう言われると嵯峨は吉田に目配せをした。吉田はシャム、かなめ、そして誠の頭を軽く叩く。
「ああ、吉田さんと誠君が来てくれれば大丈夫よ」
春子の指名で目を見合わせた吉田と誠は、カウンターをすり抜けて厨房に入る。
「そこに二ケースあるでしょ?それを上に運んでもらえるかしら?」
言われるままに吉田は冷えたビールのケースを持ち上げる。誠はそれに付き合うようにその下のケースを持った。
「今日はメインは何ですか?」
「牛のもつ焼きよ。何でもスミス大尉が大の好物なんですって」
春子はそう言うと宴会の仕込みに取り掛かった。
「アメリカ産の癖に妙なもん食うんだな」
そう言う吉田を先頭に、あまさき屋の狭い階段を上り始めた。
「おう、ご苦労さん!そこに置けや。それと一本ビールを持ってきてくれ」
部屋の奥に腰をすえた嵯峨がタバコをくゆらせ始める。誠が見回すと部屋には紙でできた飾りや、万国旗が飾られている。
「誠ちゃん!そこの紐持って向こうの梁に取り付けてくれない?」
アイシャがそう言うと、部屋の中央にある万国旗の紐を指差した。
「おい、アイシャ!せっかくビール持ってきてくれたんだ。少しは休ませてやれよ」
手が痺れた誠がぐるぐる手を振っているのを見てかなめが叫ぶ。
「言うわね、かなめちゃん。もしかしてあなたの部屋で何かあったわけ?」
目を細めるアイシャ。その言葉にシャムとサラが興味深げにかなめの顔を見る。
「馬鹿言ってんじゃねえ!そんなことあるわけねえだろ!先輩としての気遣いから言ってやってるだ
けだ!島田!オメエがやれ!」
「また俺ですか?人使いが荒いなあ」
愚痴りながら島田が万国旗の紐を持ち上げる。誠はビール瓶を持って嵯峨と吉田の隣に座った。
「まあ、一杯やろうや」
そう言うと後ろから嵯峨が栓抜きとコップを三つ取り出す。
「お前もこれから大変だろうからな」
誠から瓶を奪い取って、吉田が嵯峨の手の中のコップにビールを注ぐ。
「なっちゃん!これ大丈夫なの?」
シャムがアイシャのバッグの中から取り出したクラッカーを取り出した。
「大丈夫ですよ。どこぞの馬鹿が拳銃ぶっ放すのとはわけが違いますから」
「小夏。それはアタシか?アタシのことか?」
そう言うと紙の飾りを取り付けようとしていたかなめがそれを投げ捨てて小夏に歩み寄る。
「かなめ!急に離したら!」
パーラのその声の後、誠が吉田に注いでいたビールの中に紙の飾りが落ちた。
「おい、西園寺……」
「はあ?オメエ等、ビール運んできただけじゃねえか。それに糊の味が加わっておいしくなるかも知れねえぞ?」
いつものようにかなめはさっきとは真逆なことをしゃあしゃあと言う。
「はい、喧嘩はそこまで。とりあえずお疲れ」
そう言うと嵯峨は一息でビールを飲み干した。気を利かせてビールを飲み干した誠が立ち上がった。
「大丈夫よ誠ちゃん。もう終わるから飲んでて」
アイシャはかなめが放り出した紙の飾りを画鋲で壁に貼り付けるとあたりを見渡した。
「こんなもので良いかしら?」
「良いんじゃねえの?」
そう言いながら残っていたビールを自分のグラスに注ぐ。嵯峨は泡の少ないコップを何度か眺めた後、ビールを飲み干した。そしてそのコップがテーブルに置かれた時に宴会場にカウラ達が姿を現した。
入ってきたのは複雑な表情を浮かべるカウラと菰田率いるヒンヌー教団。それを見ながら部屋ではサラと島田が誠達が運んできたビールを各テーブルに配っている。
「そういえばキム達はまだなのか?」
二本目のビールを受け取った嵯峨が下座に陣取ったアイシャに声をかけた。
「もうそろそろ着くと思いますよ。それとシュバーキナ少佐がお客さんを積んで本部を出たそうです」
アイシャの言葉に黙って頷く嵯峨。それを見てすぐさま誠の隣に陣取るかなめ。そして向かいにはカウラが座った。
「なんか、ここ狭すぎるだろ。向こう行けよ、お前等が主役じゃないんだから」
嵯峨はかなめとカウラにそう言うとアイシャとパーラの座っている下座のテーブルを指差した。
「アタシ等の引越しは祝ってくれねえのか?」
「そんなの知らねえよ、明日勝手に引越しそばでも食ってろ」
そんな嵯峨の言葉を浴びると、渋々かなめが立ち上がる。誠とカウラも顔を見合わせてそのまま階段沿いの席に腰を落ち着けた。誠が階段を覗き込むと、明石が顔を覗かせている。
「タコ。まだ見るんじゃねえ!」
かなめが叫ぶ。
「なんじゃ、ワシ等はまだ蚊帳の外か」
そう言うと明石の大きなスキンヘッドがゆっくりと階段を下りていった。すれ違いで上がってきたのはキムとエダだった。そのままアイシャの前に立ったキムは、手にした書類ケースを彼女に渡した。
「一応こんだけ集めましたけど」
ちらちらと誠からも見えるのでそれが不動産屋の広告であることがわかる。アイシャがトランクルームを探しているということを誠は思い出して一人頷いた。
「ああ、ありがと。後でお返ししてあげるわね」
「お礼はプラモやフィギュアというはやめてくださいね」
キムは満面笑みのアイシャに向けてそう言うとサラと島田が占領しているテーブルについた。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
時き継幻想フララジカ
日奈 うさぎ
ファンタジー
少年はひたすら逃げた。突如変わり果てた街で、死を振り撒く異形から。そして逃げた先に待っていたのは絶望では無く、一振りの希望――魔剣――だった。 逃げた先で出会った大男からその希望を託された時、特別ではなかった少年の運命は世界の命運を懸ける程に大きくなっていく。
なれば〝ヒト〟よ知れ、少年の掴む世界の運命を。
銘無き少年は今より、現想神話を紡ぐ英雄とならん。
時き継幻想(ときつげんそう)フララジカ―――世界は緩やかに混ざり合う。
【概要】
主人公・藤咲勇が少女・田中茶奈と出会い、更に多くの人々とも心を交わして成長し、世界を救うまでに至る現代ファンタジー群像劇です。
現代を舞台にしながらも出てくる新しい現象や文化を彼等の目を通してご覧ください。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
織田信長 -尾州払暁-
藪から犬
歴史・時代
織田信長は、戦国の世における天下統一の先駆者として一般に強くイメージされますが、当然ながら、生まれついてそうであるわけはありません。
守護代・織田大和守家の家来(傍流)である弾正忠家の家督を継承してから、およそ14年間を尾張(現・愛知県西部)の平定に費やしています。そして、そのほとんどが一族間での骨肉の争いであり、一歩踏み外せば死に直結するような、四面楚歌の道のりでした。
織田信長という人間を考えるとき、この彼の青春時代というのは非常に色濃く映ります。
そこで、本作では、天文16年(1547年)~永禄3年(1560年)までの13年間の織田信長の足跡を小説としてじっくりとなぞってみようと思いたった次第です。
毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。
スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。
(2022.04.04)
※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。
※アルファポリスの仕様上、「HOTランキング用ジャンル選択」欄を「男性向け」に設定していますが、区別する意図はとくにありません。
完結 シシルナ島物語 少年薬師ノルド/ 荷運び人ノルド 蠱惑の魔剣
織部
ファンタジー
ノルドは、古き風の島、正式名称シシルナ・アエリア・エルダで育った。母セラと二人きりで暮らし。
背は低く猫背で、隻眼で、両手は動くものの、左腕は上がらず、左足もほとんど動かない、生まれつき障害を抱えていた。
母セラもまた、頭に毒薬を浴びたような痣がある。彼女はスカーフで頭を覆い、人目を避けてひっそりと暮らしていた。
セラ親子がシシルナ島に渡ってきたのは、ノルドがわずか2歳の時だった。
彼の中で最も古い記憶。船のデッキで、母セラに抱かれながら、この新たな島がゆっくりと近づいてくるのを見つめた瞬間だ。
セラの腕の中で、ぽつりと一言、彼がつぶやく。
「セラ、ウミ」
「ええ、そうよ。海」
ノルドの成長譚と冒険譚の物語が開幕します!
カクヨム様 小説家になろう様でも掲載しております。
召喚学園で始める最強英雄譚~仲間と共に少年は最強へ至る~
さとう
ファンタジー
生まれながらにして身に宿る『召喚獣』を使役する『召喚師』
誰もが持つ召喚獣は、様々な能力を持ったよきパートナーであり、位の高い召喚獣ほど持つ者は強く、憧れの存在である。
辺境貴族リグヴェータ家の末っ子アルフェンの召喚獣は最低も最低、手のひらに乗る小さな『モグラ』だった。アルフェンは、兄や姉からは蔑まれ、両親からは冷遇される生活を送っていた。
だが十五歳になり、高位な召喚獣を宿す幼馴染のフェニアと共に召喚学園の『アースガルズ召喚学園』に通うことになる。
学園でも蔑まれるアルフェン。秀な兄や姉、強くなっていく幼馴染、そしてアルフェンと同じ最底辺の仲間たち。同じレベルの仲間と共に絆を深め、一時の平穏を手に入れる
これは、全てを失う少年が最強の力を手に入れ、学園生活を送る物語。
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる