レジェンド・オブ・ダーク 遼州司法局異聞

橋本 直

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第11章 時代行列

時代行列

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 ハンガー奥の用具室の中。並んでいるのが源平絵巻の大鎧だという時点ですでにかなりシュールだった。それでも室内の隊員達はまるでそれが当然のことのように神妙な顔つきで作業を続けている。

「目撃者無し。証拠物件も挙がらず……まあ元々期待はしていなかったがな」 

 大鎧の盾を誠に外してもらいながらカウラがつぶやいた。節分の時代祭りでの武者行列。司法局実働部隊が設立されてから豊川市の時代行列の源平合戦武者行列は一気に歴史マニアに注目されるイベントになっていた。

 基本的には士官は大鎧で馬に騎乗し、下士官以下は腹巻姿でそれに従う。

 しかし、馬との相性が最悪のカウラは他の士官達が最低でも隊から貸し出した胴丸を着た乗馬クラブの係員に引いてもらいながらよたよたと騎乗を続ける中、去年は一人重そうな大鎧を着こんで一人歩いて行進していたと言う。今日のグラウンド一周の練習の時も嵯峨の顔で借りた乗馬クラブの馬との相性の悪さを再確認させるようにそもそも馬の轡に触れることすら出来ないで少し落ち込んでいるように見えた。

 すでに自分で緋糸縅《ひいとおどし》の西園寺家伝来の縁の大鎧を脱ぎ終えて狩衣姿のかなめが扇子を翻しながらカウラを冷やかすタイミングを計っていた。

 わいわいと年に一度のイベントと言うことでお互いの胴丸姿を写真に撮り合っていた警備部の金髪の隊員達。さすがに飽きが来て部屋の隅で鎧をしまっている運行部の女性陣の手伝いを始めて視界が開ける。するとかなめの表情は一気に呆れたようなものに変わる。

「それにしても……アイシャ」 

 扇子を懐に収めるとかなめが大きくため息をつく。その目の前には他の隊員とはまるで違う鎧姿のアイシャがいた。

「なに?かなめちゃん」 

「その鎧やっぱおかしいだろ?おかしいと思わないのか?」 

「いいじゃないの。これは私の私物なんだから」 

 そう言って鉄でできた胴を外すアイシャ。彼女だけは戦国末期の当世具足姿だった。剣術道場の息子で多少そういう知識もある誠も違和感を感じはするが、どうせアイシャに何を言っても無駄なのは分かっているのでただ黙ってカウラが鎧を脱ぐのを手伝っていた。

「そう言えばシャムは?」 

 かなめは床机に腰をかけて一月の寒さを身に受けながらも平然と扇を弄っている吉田に声をかけた。

「あいつか?馬の世話だよ。それにしてもなんだ……お前等の追っている事件」 

「別に追ってるわけじゃねえよ」

「なら気にならないわけだな」

 そっけなく言うと吉田は立ち上がった。

「いや……アタシ等の担当じゃねえけどさ。気になるじゃねえの。他人の能力で相撲を取る卑怯者……うちは法術とは因縁があるしさ……何か知っているのか?」 

 明らかに素直さに欠けるいつものかなめの姿を見ると満足したように吉田は再び床にどっかりと腰を下ろす。

「なあに、今回の事件の情報に関しちゃ俺の知ってることと茜のお嬢さんの知ってることの差なんてほとんど無いよ。ただ……」 

「ただ?」 

 もったいぶった吉田の態度にカウラはいらいらしながら吉田に話を促すような相槌をいれた。

「こう言うイカレタ連中を相手にしてきた経験が長い者から言わせて貰うとだ。急に犯行の場所が飛んだことにはそれなりの理由があるはず……と考えるのが自然だな。犯人の拠点が東都西部に移った……たまたまこちらに来て悪戯の虫が騒いだとしてこちらに来る特別な何かの理由があるのか……」 

「吉田少佐。もしかして住民認定の記録を全部見たんですか?」 

 呆れたように口を挟んだ誠に吉田がうなづく。

「でもなあ……法術関係の資料は極秘扱いだ。俺でも簡単には開けない。そこで法術特捜の名前で捜査令状を……」 

「無茶をおっしゃらないでいただけます?」 

 そこにはいつの間にか鎧兜の並んだ部屋にふさわしいような和服姿の茜が立っていた。

「あっお嬢さんいらしたんですか?」

 吉田は胡坐の姿勢からさっと立ち上がると平安武者の臣下よろしくさっと片膝をついて茜に伺候する。 
「吉田少佐。そんなに卑屈にならないでいただけます?」 

 いつものように優雅に空いた丸椅子に腰掛ける。当然のようにその隣には荷物を持ったラーナが立っている。

「卑屈にもなりますよ……捜査に関しては嵯峨のオヤジさんが助けを呼ぶまで手を出すなって言われてますし」 

「じゃあさっきの話だとすでに手を出しているみたいですわよね」 

 いつもの氷のような流し目で吉田を一瞥して黙らせるところは茜の父が遼州一の悪党と呼ばれる嵯峨惟基であることを再確認させた。冷たく澄んでいてそれでいて見ているものを不安にする何を考えているのか読めない見せ掛けのような微笑を作る技。誠はいつ見てもその表情の作り方に親子の面影を見て感心させられていた。

「法術絡み。特に調査がほとんど及んでいない能力を持った馬鹿が相手だぜ?多少法の目をくぐって無茶をしてもさっさとあぶりだすのは得策じゃねえのか?今は人死にが出ていないんだ。そのうち暴走してどうなることやら……」 

 かなめの言葉には誠もカウラもうなづくしかなかった。

「でもそうなれば東都警察は面目丸つぶれよね。またマスコミからうちの暴走を止められずにそれどころか手柄まで持ってかれたなんて書かれて……。まあ、『税金泥棒』の称号がうちから東都警察に移るのは結構なお話だけど……」 

 鉄製の重い胴を外して伸びをしながらのアイシャはそうつぶやいた。誠はやはり自分が組織人であることを再確認した。

「よくわかっているじゃねーか」 

 そう言って歩いてきたのはすでに勤務服に着替えを終えて半分笑顔を浮かべているランだった。

「今回は多少は東都警察に活躍してもらわなきゃなんねーんだ。きついぞ、人に手柄を取らせるってのは」 

 ランは頭を掻きながら部屋の隅の折りたたみ椅子を小さな体で運んでくる。

「クバルカ中佐!お願いがあるんですが!」 

「アイシャ……萌えたから抱きしめさせてくれってーことならお断りだかんな」 

 笑顔のアイシャをランは警戒するような瞳で見つめる。それをみてカウラが噴出しそうになる。

「信用無いですねえ。私」 

「まあいつものことだからな」 

 そう言いながらかなめは小手を外す作業に取り掛かった。

「それよりクラウゼ。お願いはどーした?」 

 ようやくランは話を戻そうとした。しばらくアイシャは話を振られたことを気づかないように突っ立っていた。

「早く話せよ。くだらねー話ならぶん殴ってやるから」 

 指を鳴らしながら小さなランがすごんで見せる。誠から見てもその光景はかなり滑稽だった。ランの身長は118cm。一方のアイシャは180cmを超える。小学生がプロスポーツ選手を脅迫しているようにしか見えない。つい笑いがこみ上げてくる。

「私達を派遣してくれませんか?豊川署に」 

『は?』 

 時が止まったようだった。誰もがアイシャの言葉の意味を理解できずにいた。ただ一人吉田は納得したようにうなづいている。

「あれか。法術関係捜査の実績はあるからな。その経験を生かしての助っ人と言うことなら……受け入れてくれるかもしれないねえ」 

 吉田の言葉にようやく全員がアイシャの意図に気づく。そしてその視線は自然と法術特捜の全権を握る茜へと向けられた。

 茜は襟元に手をやりしばらく考えていた。

「別にはったりじゃないですし……実績ならありますよ。厚生局事件の報告書は豊川署でも閲覧できるはずですから」

 アイシャの言葉に茜は小首をかしげて考えにふける。その肩をランがぽんと叩いた。

「アタシは無理だが……クラウゼにベルガーに西園寺に……神前。これで十分だな」 

「え?島田君達は?」 

 そんなアイシャの言葉に首を振るラン。彼女も一応この部隊の主である技術部部長、許明華大佐の部下に隊を離れる命令は出せないことは誰にも分かっていた。

「お前等経由なら色々情報も豊川署に流してやれるし……あちらも所轄の玉石混交とはいえそれなりに膨大な資料を扱っているんだ。俺等の知らないことも知ってるはずだしな」 

 なんとも他人事のように吉田はそう言うと立ち上がった。

「いいんですか?隊長の許可は……」 

 カウラの言葉にランはわかっているというようんいにんまりと笑う。その笑顔は頼もしく『アタシに任せろ!』と太鼓判を押しているとこの場の誰もが思っていた。彼女はそのまま何も言わずに満足げにうなづくと足袋を脱げないでいるカウラの足に手を伸ばした。

「おい、ちょっと足を上げろ」

 いきなり手を出されて驚いたカウラはランに言われるままに足を上げた。そしてそのままランは椅子の横棒に載せた右足の足袋をとめている紐を緩め始める。

「実は……おやっさんから言われててな。今回の件。誰か志願する奴がいれば捜査に当たらせてやれってよー」 

 器用に紐を解いていく小さなランの姿を見ながらアイシャが少しだけ目を潤ませていた。

「ランちゃん……」 

「おやっさんのお考えだ。それと今アタシのことを抱きしめてみろ……ぶっとばすからな」 

 そう言われるとアイシャはがっくりとうつむいてしまう。それを見ながら黙々と作業を続けてワイシャツに袖を通しているかなめが大きくうなづいていた。

「まあ叔父貴だからな……裏で何を考えているのやら……まあアタシも今度の事件の馬鹿野郎には着物代を弁償してもらわないといけねえからな」

「かなめちゃんも手伝ってくれるの?」

 アイシャは目を潤ませて手を合わせる。かなめは思わず引き気味にうなづくとそのまま無視してランに目を向けた。

「で、現在の豊川署の捜査担当の部署は?」 

「あそこは捜査二課だそうだ。しかも専従捜査官はいねーそうだ……危機感があるのかねーのか……当日は相当な騒ぎだったみてーじゃねーか?そのくせ専従捜査員はゼロ。矛盾だらけだな」 

 ランは顔を上げてかなめ達を満足げに見上げる。そしてカウラの右足の足袋を脱がせると今度は左足に取り掛かる。そしてそんなランの言葉に予想通りだというようにかなめは口笛で応じた。

「大山鳴動して軽犯罪ですか……まああれから連続して小火騒ぎがあれば本庁から捜査官でも派遣されたんでしょうが……法術の違法発動だけならそんな感じですよね」 

 誠も胴丸や上半身の小手などを自分でとって足袋を脱ぎ始める。その様子を確認するとランはそのままカウラの左足の足袋を脱がせた。

「まあそんなところだ。危機感が足りねーんだろうな。この前の厚生局事件の時はあれほど大騒ぎしたのに被害が小さければなかったことにする。まったくお役所仕事って奴さ」 

「アタシ等もお役所ジャン」 

「くだらねーことやってねーで早く着替えろ!」 

 ランの言葉に舌を出すとかなめはすばやく鎧の胴を元の箱に戻した。

「でもさっきの派遣任務の話は本当と受け取っていいんですよね」 

「当たりめーだろ?くだらねーこと言ってねーで着替えろ!」 

 ランの怒鳴り声に一斉に隊員達は着ている鎧を脱ぎ始める。誠も自分の胴丸の背中に手を伸ばしながらこれからの任務に緊張の気持ちを隠すことが出来ずに引きつった表情を浮かべながら結び目の紐を捜した。
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