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第50章 国士落つ
転回点
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「『榛名』、『妙高』中破!さらに……」
「わざわざ言わなくても見れば分かる!」
いつの間にか清原は立ち上がっていた。互角の戦いに展開できる、そう考えた矢先に先導艦があらぬ方向から攻撃を仕掛けられた。
「赤松さんは予想がついていたようですね……」
眼鏡の参謀の言葉に首をひねる清原。
「おかしい、そんな……射撃地点は特定できないのか?」
「駄目です!データが少なすぎます!」
オペレータの言葉に歯を噛み締めながら清原は席に着くしかなかった。
「こちらも本腰を据えてかかるべきかと……」
長身の参謀の言葉に頷く清原、だが次の瞬間清原は気がついたように背後に立つ秘書官に声をかけた。
「佐賀君の泉州艦隊があるだろ!連絡をつけろ!できれば直接通信で……」
「足元を見られますよ」
「かまわん!負ければすべてが終わるんだ!」
秘書官を怒鳴りつける清原の姿には冷静さは微塵も無かった。秘書官は慌てて会議室を飛び出す。
「彼の言うことももっともだ。戦後に影響を与えます……」
長身の参謀がそこまで言ったところで言葉を飲み込んだ。悪意に満ちた清原の視線。それこそ自分が戦後に立場を失うだろうと思って口をつぐむ。
「どうしたんだ……赤松はしばらくは撃ってこない。そう言ったのは誰かね……」
周りを見回す清原。彼の目には誰も彼もが自分を裏切ろうとしているように見えた。
「保科公の恩を忘れて暴走する輩がいれば私は決して容赦はしないからな。君達がここにいるからと言ってそれが免罪符になるとは……」
その時船が大きく揺れて叫んでいた清原の体は大きく背もたれに叩きつけられた。
「今度はどうした!」
衝撃にずり落ちた椅子にしがみつく清原。シートベルトをしていたオペレータが焦りつつキーボードを叩く。
「今度は第三艦隊の船頭艦です!」
「何だって!」
清原が叫ぶのももっともだった。すべての第三艦隊の船はアステロイドベルトにある。そう信じ込んでいた参謀や清原達。だがその一部艦隊が下方に展開し射撃を始めていた。
「どうした!監視は何をやっていた!」
「国籍不明の貨物船が浮かんでいるのでそれと誤認したような……」
「そんな詐欺のような真似をあいつがするか!」
清原はようやく椅子に座りなおし帽子を直しながら叫ぶ。実際下方を貨物船が行き来していたのは事実だった。だがレーダーにはそれとは別の三隻の高速駆逐砲艦の姿を映していた。
「慢心があったか……」
搾り出すようにして清原は言葉を吐き出した。周りの参謀達も明らかに動揺した様子で拡大される高速艦の動きに目をやっていた。
「艦載機は戻せんのか?」
「いや、今戻せば中央は完全に抜かれてこちらは丸裸だ」
「だがここで打撃を受ければ立ち直れんぞ」
口々に叫ぶ参謀達。清原はそこで初めて彼等がまるで役に立たない存在だと言うことに気づいた。
「左翼は……羽州艦隊はどうなっている!」
清原の言葉にオペレータが左翼の状況をモニターに映す。そこには明らかに苦戦中の安東のアサルト・モジュール三式の姿が映っていた。
「終わったな……」
あたりに聞こえないようにつぶやくと清原は視線を落とした。
「わざわざ言わなくても見れば分かる!」
いつの間にか清原は立ち上がっていた。互角の戦いに展開できる、そう考えた矢先に先導艦があらぬ方向から攻撃を仕掛けられた。
「赤松さんは予想がついていたようですね……」
眼鏡の参謀の言葉に首をひねる清原。
「おかしい、そんな……射撃地点は特定できないのか?」
「駄目です!データが少なすぎます!」
オペレータの言葉に歯を噛み締めながら清原は席に着くしかなかった。
「こちらも本腰を据えてかかるべきかと……」
長身の参謀の言葉に頷く清原、だが次の瞬間清原は気がついたように背後に立つ秘書官に声をかけた。
「佐賀君の泉州艦隊があるだろ!連絡をつけろ!できれば直接通信で……」
「足元を見られますよ」
「かまわん!負ければすべてが終わるんだ!」
秘書官を怒鳴りつける清原の姿には冷静さは微塵も無かった。秘書官は慌てて会議室を飛び出す。
「彼の言うことももっともだ。戦後に影響を与えます……」
長身の参謀がそこまで言ったところで言葉を飲み込んだ。悪意に満ちた清原の視線。それこそ自分が戦後に立場を失うだろうと思って口をつぐむ。
「どうしたんだ……赤松はしばらくは撃ってこない。そう言ったのは誰かね……」
周りを見回す清原。彼の目には誰も彼もが自分を裏切ろうとしているように見えた。
「保科公の恩を忘れて暴走する輩がいれば私は決して容赦はしないからな。君達がここにいるからと言ってそれが免罪符になるとは……」
その時船が大きく揺れて叫んでいた清原の体は大きく背もたれに叩きつけられた。
「今度はどうした!」
衝撃にずり落ちた椅子にしがみつく清原。シートベルトをしていたオペレータが焦りつつキーボードを叩く。
「今度は第三艦隊の船頭艦です!」
「何だって!」
清原が叫ぶのももっともだった。すべての第三艦隊の船はアステロイドベルトにある。そう信じ込んでいた参謀や清原達。だがその一部艦隊が下方に展開し射撃を始めていた。
「どうした!監視は何をやっていた!」
「国籍不明の貨物船が浮かんでいるのでそれと誤認したような……」
「そんな詐欺のような真似をあいつがするか!」
清原はようやく椅子に座りなおし帽子を直しながら叫ぶ。実際下方を貨物船が行き来していたのは事実だった。だがレーダーにはそれとは別の三隻の高速駆逐砲艦の姿を映していた。
「慢心があったか……」
搾り出すようにして清原は言葉を吐き出した。周りの参謀達も明らかに動揺した様子で拡大される高速艦の動きに目をやっていた。
「艦載機は戻せんのか?」
「いや、今戻せば中央は完全に抜かれてこちらは丸裸だ」
「だがここで打撃を受ければ立ち直れんぞ」
口々に叫ぶ参謀達。清原はそこで初めて彼等がまるで役に立たない存在だと言うことに気づいた。
「左翼は……羽州艦隊はどうなっている!」
清原の言葉にオペレータが左翼の状況をモニターに映す。そこには明らかに苦戦中の安東のアサルト・モジュール三式の姿が映っていた。
「終わったな……」
あたりに聞こえないようにつぶやくと清原は視線を落とした。
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