1,230 / 1,557
第22章 終戦
異様な屍
しおりを挟む
嵯峨のカスタムしてくれた部隊制式のHK53カービンを片手に誠はゆっくりと07式の残骸に近づいていった。強烈な異臭が彼の鼻を覆い思わず手を口に添える。
「そんなに警戒する必要は無いと思うわよ。この地域はほぼ制圧していたから、反政府勢力も先ほどの光景を目にしていれば手を出してくることも無いだろうし」
誠の後ろに立っていたアメリアはそう言って笑った。付き従う運航部の女子隊員も明らかにおびえている誠の姿が面白いとでも言うように誠の後ろをついて回る。原野に転がる07式の姿は残骸と呼ぶにしては破壊された部分が少ないように見えた。近づくたびに、異臭の原因が肉が焼けたような匂いであることに気付く。
突然、その内部からの爆発で押し破られたコックピットの影で動くものを見た誠はつい構えていたサブマシンガンのトリガーを引いてしまった。
「馬鹿野郎!味方を撃つんじゃねえ!」
そう言って両手を挙げて顔を出したのかなめだった。安心した誠はそのまま彼女に駆け寄る。
「すいません……ちょっと緊張してしまって……」
「フレンドリーファイアーの理由が緊張か?ずいぶんひでえ奴だな……見ろよ」
かなめには今、誠に銃で撃たれそうになったことよりも、コックピットの中が気になっていた。彼女にあわせて07式のコックピットを覗き込んだ誠はすぐにその中の有様に目を奪われた。
その中には黒く焦げた白骨死体が転がっていた。付いていたはずの肉は完全に炭になり、全周囲モニターにこびりついているパイロットスーツの切れ端がこの死体の持ち主がすさまじい水蒸気爆発を起こしたことを証明していた。
「典型的な人体発火現象ですね」
誠は思わず胃の中のものを吐き出しそうになる衝動を抑えながらつぶやいた。人体発火現象は遼州発見以降、珍しくも無い出来事になっていた。それが法術の炎熱系能力の暴走によるものであると世間で認識されるようになったのは、先日の誠も参加した『近藤事件』の解決後に遼州同盟とアメリカ、フランスなどの共同声明で法術関連の研究資料が公開されるようになってからの話である。
人間の組成の多くを占める水分の中の水素の原子組成を法術で変性させて、水素と酸素を激しく反応させて爆発させる。この能力は多くは東モスレムなどのテロリストが自爆テロとして近年使用されるようになっていた。コストもかからず、検問にも引っかからない一番確実で一番原始的な法術系テロだった。
「ひでーな。こりゃ」
誠が見下ろすと小さな上司、ランがコックピットの中を覗き込んでいる。
「クバルカ中佐。法術防御能力のある07式のコックピットの中の人物を外から起爆させることなんてできるんですか?」
誠は小さな体でねじ切れた07式のハッチについたパイロットスーツの切れ端を手で触っているランにたずねてみる。
「理屈じゃあできないことじゃねーけどさ。広範囲の法術がすでに発動している領域にさらに介入して目標を特定、そして対象物を起爆させるってなれば相当な負荷が使い手側にもかかるわけだが……。でもこの有様じゃあそれをやってのけたわけだ……その怪物みてーな法術師は」
ランが感心しながらコックピットの上のモニターに乗って後ろ向きに中を覗き込む。
「あとは技術部の仕事になりそうね……見て」
隣で狙撃銃を肩から提げて振り返るアメリアの視線の先にはゆっくりと降下してきている『ふさ』の姿があった。
「おい、クラウゼ。みんな無事だろうな」
顔を上げたランは背後に迫ってきたアメリアにそう語り掛けた。
「ええ、大丈夫ですよ。うちは足首を捻挫した隊員が一名出ただけ。それと……」
アメリアががけの下をのぞき見ると駆け足で駆け寄ってくるカウラの姿があった。
「第一小隊は全員無事です」
カウラの言葉にコックピットの上に乗っかっているランもうなづいた。
『ふさ』を見上げる誠達に向かって小型の揚陸艇が進んでくる。
『あんまり動かさないでくださいよ。そいつは重要な資料なんですから』
珍しく仕事熱心なひよこのかわいらしい顔が通信端末に拡大される。
「おい!ひよこ。一言言っていいか?」
ニヤニヤ笑いながらかなめが怒鳴る。
『そんなにでかい声で……なんですか?』
「もう少し自信持てや」
かなめがそう言うと同意するとでも言うように倒れている07式を取り巻いているフル装備の誠達に同乗してきたのアメリアの部下達が笑う。
『西園寺大尉。良いじゃないですか……実際自信が無いんですから……』
消え入りそうな声でそう言ったひよこにかなめはタバコをくゆらせながら笑いかけた。
「やっぱり天然ポエム娘はだめだな。それより島田の馬鹿とは連絡がついたのか?」
そう言ってかなめは通信機の画面を切り替えた。誠もなんとなく彼女に従ってチャンネルを変える。『ふさ』のブリッジが映し出されるがそこには運航部の女子隊員の姿が無かった。
『……八ツ橋……美味しい』
すっかり休憩モードで日本茶をすする運用艦『ふさ』総舵手のルカ・ヘス中尉をはじめとするブリッジクルーの面々にかなめのタレ目がさらにタレて見つめていた。
「オメエ等、露骨に休憩するなよ。一応ここは戦闘区域なんだぞ」
『ごめん……。甲武名産生八ツ橋が届いたから。それに……』
「帰ってたんか?叔父貴」
嵯峨の話題が出ると明らかにかなめが不機嫌になる。
『まだ。先にお土産を送るって新港に届いた……生八ツ橋は早く食べないと駄目になる。大丈夫。一人あたり一箱くらいあるから』
「あの駄目人間……一人一箱も生八ツ橋食うかってえの!」
かなめはマスクをしたまま朴訥と話すルカの言葉にあきれ果てたような表情を浮かべた。その後ろに続いて下りてくる整備班員の手にはすでにこの場にいる兵士達に配るための生八ツ橋の入ったダンボールが置いてあった。呆然とアメリアは狙撃銃を背負いながら走ってきた下士官から八ツ橋の箱を受け取った。
「かなめちゃん……良いこと言うわね。こんなに食べたら口の中大変なことになるでしょ」
アメリアは手にした箱を脇に抱える。それをランが不思議そうな顔をしながら見つめている。
「生八ツ橋か……久しく食ってねーな」
「生八ツ橋?」
誠は今にもよだれを垂らしそうなランを見ながら首をひねった。
「ああ、神前は乗り物に弱いから旅行とかしないからは知らないかもしれないな。日本の京都の名産らしいが、甲武の生八ツ橋も有名なんだ。あの国は公家文化の国だから」
カウラはそう言うとダンボールから大量の生八ツ橋の箱を取り出す整備兵を苦々しげに見つめている。
「ああ、西園寺は甘いものは苦手だったな」
そう言うとかなめに手渡そうとした生八ツ橋の箱を止めた。
「そうね、私が食べてあげるわ」
アメリアがそう言うとかなめの分の生八ツ橋を取り上げた。
「おいしいらしいですね。もったいないなあ」
「そうでしょ?誠ちゃん。ほら、私達はソウルメイトなのよ!」
誠の手を取りアメリアは胸を張る。誠は苦笑いを浮かべながら風に揺れるアメリアの濃紺の長い髪を見て笑顔がわいてくるのを感じていた。
「そう言えば西とかの姿が見えねえな!」
整備班の兵長からアルミのカップに入れた日本茶を受け取りながらかなめがそうたずねた。兵長はすぐに隣で07式の回収のためにワイヤーを巻きつける作業を指揮していたパーラに視線を向けた。
「ああ、西君?輸送機で島田とサラが派遣されていた基地に向かったわよ」
そう言うとパーラは再び作業に戻る。
「島田の馬鹿の世話か……相変わらず西は気が回るからな」
かなめの言葉に、アメリアは彼女の肩に手をやって呆れたように首を振る。
「おい、何がおかしいんだ?」
「おかしいところなんて無いわよねえ、かなめちゃん」
抗議するかなめとアメリアを見てさらに誠とカウラは笑う。
「オメー等。くっちゃべっている暇があるなら撤収準備を手伝えや」
ランはそう言うとそのまま東和軍の部下達のところに走っていく。
「クバルカ中佐!八ツ橋!」
三つの八ツ橋の箱を持ったひよこが走っていく。箱を受け取って笑顔を浮かべるランを横目に見ながらかなめが視線をひよこに向ける。
「とりあえず何かできることあるか?」
「あ、西園寺大尉。とりあえず05式でこの残骸を運ぼうと思うんですけど……あの通信施設に東和の機械を載せてる輸送機じゃこれの情報が東和宇宙軍に筒抜けになるから上空の『ふさ』の格納庫まで引っ張りあげないと……」
八ツ橋を食べ始めたひよこを制したパーラはそう言うと緩んだネクタイを締めなおした。その姿になぜか口を尖らせながらカウラがパーラの前に出た。
「一応、私が第一小隊の隊長だ。そう言う指示は私を……」
「細けえこと気にするなよ。どうせやることは同じなんだ。カウラ、起動すんぞ!それと神前のこの馬鹿長いライフルはどうするんだ?」
そう言うとかなめは目の前の誠の05式乙型の手にある非破壊法術兵器を指差す。
「仕方が無いだろ。神前はそのまま『ふさ』に帰還だ。私と西園寺でこいつを引っ張りあげる」
カウラはそう言うと自分の05式に向かって歩き始めた。
誠はあきらめたようにコックピットに乗りこんだ。ハッチが降り、装甲版が下がってきた。朝焼けの中、誠は重力制御システムを起動させ、05式で上空に滞空する『ふさ』に向かった。
「アルファー・スリー。帰投します」
『お疲れ様!誠さん』
複雑な表情の誠に笑顔のひよこが口に八ツ橋をくわえながら答えた。
「そんなに警戒する必要は無いと思うわよ。この地域はほぼ制圧していたから、反政府勢力も先ほどの光景を目にしていれば手を出してくることも無いだろうし」
誠の後ろに立っていたアメリアはそう言って笑った。付き従う運航部の女子隊員も明らかにおびえている誠の姿が面白いとでも言うように誠の後ろをついて回る。原野に転がる07式の姿は残骸と呼ぶにしては破壊された部分が少ないように見えた。近づくたびに、異臭の原因が肉が焼けたような匂いであることに気付く。
突然、その内部からの爆発で押し破られたコックピットの影で動くものを見た誠はつい構えていたサブマシンガンのトリガーを引いてしまった。
「馬鹿野郎!味方を撃つんじゃねえ!」
そう言って両手を挙げて顔を出したのかなめだった。安心した誠はそのまま彼女に駆け寄る。
「すいません……ちょっと緊張してしまって……」
「フレンドリーファイアーの理由が緊張か?ずいぶんひでえ奴だな……見ろよ」
かなめには今、誠に銃で撃たれそうになったことよりも、コックピットの中が気になっていた。彼女にあわせて07式のコックピットを覗き込んだ誠はすぐにその中の有様に目を奪われた。
その中には黒く焦げた白骨死体が転がっていた。付いていたはずの肉は完全に炭になり、全周囲モニターにこびりついているパイロットスーツの切れ端がこの死体の持ち主がすさまじい水蒸気爆発を起こしたことを証明していた。
「典型的な人体発火現象ですね」
誠は思わず胃の中のものを吐き出しそうになる衝動を抑えながらつぶやいた。人体発火現象は遼州発見以降、珍しくも無い出来事になっていた。それが法術の炎熱系能力の暴走によるものであると世間で認識されるようになったのは、先日の誠も参加した『近藤事件』の解決後に遼州同盟とアメリカ、フランスなどの共同声明で法術関連の研究資料が公開されるようになってからの話である。
人間の組成の多くを占める水分の中の水素の原子組成を法術で変性させて、水素と酸素を激しく反応させて爆発させる。この能力は多くは東モスレムなどのテロリストが自爆テロとして近年使用されるようになっていた。コストもかからず、検問にも引っかからない一番確実で一番原始的な法術系テロだった。
「ひでーな。こりゃ」
誠が見下ろすと小さな上司、ランがコックピットの中を覗き込んでいる。
「クバルカ中佐。法術防御能力のある07式のコックピットの中の人物を外から起爆させることなんてできるんですか?」
誠は小さな体でねじ切れた07式のハッチについたパイロットスーツの切れ端を手で触っているランにたずねてみる。
「理屈じゃあできないことじゃねーけどさ。広範囲の法術がすでに発動している領域にさらに介入して目標を特定、そして対象物を起爆させるってなれば相当な負荷が使い手側にもかかるわけだが……。でもこの有様じゃあそれをやってのけたわけだ……その怪物みてーな法術師は」
ランが感心しながらコックピットの上のモニターに乗って後ろ向きに中を覗き込む。
「あとは技術部の仕事になりそうね……見て」
隣で狙撃銃を肩から提げて振り返るアメリアの視線の先にはゆっくりと降下してきている『ふさ』の姿があった。
「おい、クラウゼ。みんな無事だろうな」
顔を上げたランは背後に迫ってきたアメリアにそう語り掛けた。
「ええ、大丈夫ですよ。うちは足首を捻挫した隊員が一名出ただけ。それと……」
アメリアががけの下をのぞき見ると駆け足で駆け寄ってくるカウラの姿があった。
「第一小隊は全員無事です」
カウラの言葉にコックピットの上に乗っかっているランもうなづいた。
『ふさ』を見上げる誠達に向かって小型の揚陸艇が進んでくる。
『あんまり動かさないでくださいよ。そいつは重要な資料なんですから』
珍しく仕事熱心なひよこのかわいらしい顔が通信端末に拡大される。
「おい!ひよこ。一言言っていいか?」
ニヤニヤ笑いながらかなめが怒鳴る。
『そんなにでかい声で……なんですか?』
「もう少し自信持てや」
かなめがそう言うと同意するとでも言うように倒れている07式を取り巻いているフル装備の誠達に同乗してきたのアメリアの部下達が笑う。
『西園寺大尉。良いじゃないですか……実際自信が無いんですから……』
消え入りそうな声でそう言ったひよこにかなめはタバコをくゆらせながら笑いかけた。
「やっぱり天然ポエム娘はだめだな。それより島田の馬鹿とは連絡がついたのか?」
そう言ってかなめは通信機の画面を切り替えた。誠もなんとなく彼女に従ってチャンネルを変える。『ふさ』のブリッジが映し出されるがそこには運航部の女子隊員の姿が無かった。
『……八ツ橋……美味しい』
すっかり休憩モードで日本茶をすする運用艦『ふさ』総舵手のルカ・ヘス中尉をはじめとするブリッジクルーの面々にかなめのタレ目がさらにタレて見つめていた。
「オメエ等、露骨に休憩するなよ。一応ここは戦闘区域なんだぞ」
『ごめん……。甲武名産生八ツ橋が届いたから。それに……』
「帰ってたんか?叔父貴」
嵯峨の話題が出ると明らかにかなめが不機嫌になる。
『まだ。先にお土産を送るって新港に届いた……生八ツ橋は早く食べないと駄目になる。大丈夫。一人あたり一箱くらいあるから』
「あの駄目人間……一人一箱も生八ツ橋食うかってえの!」
かなめはマスクをしたまま朴訥と話すルカの言葉にあきれ果てたような表情を浮かべた。その後ろに続いて下りてくる整備班員の手にはすでにこの場にいる兵士達に配るための生八ツ橋の入ったダンボールが置いてあった。呆然とアメリアは狙撃銃を背負いながら走ってきた下士官から八ツ橋の箱を受け取った。
「かなめちゃん……良いこと言うわね。こんなに食べたら口の中大変なことになるでしょ」
アメリアは手にした箱を脇に抱える。それをランが不思議そうな顔をしながら見つめている。
「生八ツ橋か……久しく食ってねーな」
「生八ツ橋?」
誠は今にもよだれを垂らしそうなランを見ながら首をひねった。
「ああ、神前は乗り物に弱いから旅行とかしないからは知らないかもしれないな。日本の京都の名産らしいが、甲武の生八ツ橋も有名なんだ。あの国は公家文化の国だから」
カウラはそう言うとダンボールから大量の生八ツ橋の箱を取り出す整備兵を苦々しげに見つめている。
「ああ、西園寺は甘いものは苦手だったな」
そう言うとかなめに手渡そうとした生八ツ橋の箱を止めた。
「そうね、私が食べてあげるわ」
アメリアがそう言うとかなめの分の生八ツ橋を取り上げた。
「おいしいらしいですね。もったいないなあ」
「そうでしょ?誠ちゃん。ほら、私達はソウルメイトなのよ!」
誠の手を取りアメリアは胸を張る。誠は苦笑いを浮かべながら風に揺れるアメリアの濃紺の長い髪を見て笑顔がわいてくるのを感じていた。
「そう言えば西とかの姿が見えねえな!」
整備班の兵長からアルミのカップに入れた日本茶を受け取りながらかなめがそうたずねた。兵長はすぐに隣で07式の回収のためにワイヤーを巻きつける作業を指揮していたパーラに視線を向けた。
「ああ、西君?輸送機で島田とサラが派遣されていた基地に向かったわよ」
そう言うとパーラは再び作業に戻る。
「島田の馬鹿の世話か……相変わらず西は気が回るからな」
かなめの言葉に、アメリアは彼女の肩に手をやって呆れたように首を振る。
「おい、何がおかしいんだ?」
「おかしいところなんて無いわよねえ、かなめちゃん」
抗議するかなめとアメリアを見てさらに誠とカウラは笑う。
「オメー等。くっちゃべっている暇があるなら撤収準備を手伝えや」
ランはそう言うとそのまま東和軍の部下達のところに走っていく。
「クバルカ中佐!八ツ橋!」
三つの八ツ橋の箱を持ったひよこが走っていく。箱を受け取って笑顔を浮かべるランを横目に見ながらかなめが視線をひよこに向ける。
「とりあえず何かできることあるか?」
「あ、西園寺大尉。とりあえず05式でこの残骸を運ぼうと思うんですけど……あの通信施設に東和の機械を載せてる輸送機じゃこれの情報が東和宇宙軍に筒抜けになるから上空の『ふさ』の格納庫まで引っ張りあげないと……」
八ツ橋を食べ始めたひよこを制したパーラはそう言うと緩んだネクタイを締めなおした。その姿になぜか口を尖らせながらカウラがパーラの前に出た。
「一応、私が第一小隊の隊長だ。そう言う指示は私を……」
「細けえこと気にするなよ。どうせやることは同じなんだ。カウラ、起動すんぞ!それと神前のこの馬鹿長いライフルはどうするんだ?」
そう言うとかなめは目の前の誠の05式乙型の手にある非破壊法術兵器を指差す。
「仕方が無いだろ。神前はそのまま『ふさ』に帰還だ。私と西園寺でこいつを引っ張りあげる」
カウラはそう言うと自分の05式に向かって歩き始めた。
誠はあきらめたようにコックピットに乗りこんだ。ハッチが降り、装甲版が下がってきた。朝焼けの中、誠は重力制御システムを起動させ、05式で上空に滞空する『ふさ』に向かった。
「アルファー・スリー。帰投します」
『お疲れ様!誠さん』
複雑な表情の誠に笑顔のひよこが口に八ツ橋をくわえながら答えた。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
時き継幻想フララジカ
日奈 うさぎ
ファンタジー
少年はひたすら逃げた。突如変わり果てた街で、死を振り撒く異形から。そして逃げた先に待っていたのは絶望では無く、一振りの希望――魔剣――だった。 逃げた先で出会った大男からその希望を託された時、特別ではなかった少年の運命は世界の命運を懸ける程に大きくなっていく。
なれば〝ヒト〟よ知れ、少年の掴む世界の運命を。
銘無き少年は今より、現想神話を紡ぐ英雄とならん。
時き継幻想(ときつげんそう)フララジカ―――世界は緩やかに混ざり合う。
【概要】
主人公・藤咲勇が少女・田中茶奈と出会い、更に多くの人々とも心を交わして成長し、世界を救うまでに至る現代ファンタジー群像劇です。
現代を舞台にしながらも出てくる新しい現象や文化を彼等の目を通してご覧ください。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
織田信長 -尾州払暁-
藪から犬
歴史・時代
織田信長は、戦国の世における天下統一の先駆者として一般に強くイメージされますが、当然ながら、生まれついてそうであるわけはありません。
守護代・織田大和守家の家来(傍流)である弾正忠家の家督を継承してから、およそ14年間を尾張(現・愛知県西部)の平定に費やしています。そして、そのほとんどが一族間での骨肉の争いであり、一歩踏み外せば死に直結するような、四面楚歌の道のりでした。
織田信長という人間を考えるとき、この彼の青春時代というのは非常に色濃く映ります。
そこで、本作では、天文16年(1547年)~永禄3年(1560年)までの13年間の織田信長の足跡を小説としてじっくりとなぞってみようと思いたった次第です。
毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。
スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。
(2022.04.04)
※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。
※アルファポリスの仕様上、「HOTランキング用ジャンル選択」欄を「男性向け」に設定していますが、区別する意図はとくにありません。
完結 シシルナ島物語 少年薬師ノルド/ 荷運び人ノルド 蠱惑の魔剣
織部
ファンタジー
ノルドは、古き風の島、正式名称シシルナ・アエリア・エルダで育った。母セラと二人きりで暮らし。
背は低く猫背で、隻眼で、両手は動くものの、左腕は上がらず、左足もほとんど動かない、生まれつき障害を抱えていた。
母セラもまた、頭に毒薬を浴びたような痣がある。彼女はスカーフで頭を覆い、人目を避けてひっそりと暮らしていた。
セラ親子がシシルナ島に渡ってきたのは、ノルドがわずか2歳の時だった。
彼の中で最も古い記憶。船のデッキで、母セラに抱かれながら、この新たな島がゆっくりと近づいてくるのを見つめた瞬間だ。
セラの腕の中で、ぽつりと一言、彼がつぶやく。
「セラ、ウミ」
「ええ、そうよ。海」
ノルドの成長譚と冒険譚の物語が開幕します!
カクヨム様 小説家になろう様でも掲載しております。
召喚学園で始める最強英雄譚~仲間と共に少年は最強へ至る~
さとう
ファンタジー
生まれながらにして身に宿る『召喚獣』を使役する『召喚師』
誰もが持つ召喚獣は、様々な能力を持ったよきパートナーであり、位の高い召喚獣ほど持つ者は強く、憧れの存在である。
辺境貴族リグヴェータ家の末っ子アルフェンの召喚獣は最低も最低、手のひらに乗る小さな『モグラ』だった。アルフェンは、兄や姉からは蔑まれ、両親からは冷遇される生活を送っていた。
だが十五歳になり、高位な召喚獣を宿す幼馴染のフェニアと共に召喚学園の『アースガルズ召喚学園』に通うことになる。
学園でも蔑まれるアルフェン。秀な兄や姉、強くなっていく幼馴染、そしてアルフェンと同じ最底辺の仲間たち。同じレベルの仲間と共に絆を深め、一時の平穏を手に入れる
これは、全てを失う少年が最強の力を手に入れ、学園生活を送る物語。
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる