遼州戦記 司法局実働部隊の戦い 別名『特殊な部隊』の死闘

橋本 直

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第六章 『特殊な部隊』の思いやり

第14話 焼肉と遼南と銃

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「西園寺、神前を迎えに行ったこと、一応隊長に報告しといた方がいいな。どうせ今は暇とはいえ、持ち場を離れたのは事実だからな。隊長のことだ、たぶん笑って許してくれるとは思うが」

 隊に着くなりカウラはそう言って、かなめの腕を引いた。無許可で持ち場を離れたのは事実だ。かなめは渋々、カウラに連れられて廊下を進む。

 向かった先、司法局実働部隊隊長室のドアはわずかに開いていた。中から立ちのぼる煙、そして鼻をくすぐる香ばしい匂い……焼き肉だ。

「何やってんだ、叔父貴……いつからここ、焼き肉屋になったんだよ」

 かなめは呆れながら、ノックもせずドアを開けた。

「ああ、戻ってきたの?遅かったね。お前さん達も食うだろ?」 

 部屋の中では、嵯峨惟基特務大佐……『特殊な部隊』の隊長が、七輪の上に牛タンを並べていた。まるで大衆焼き肉チェーンの店内のような光景だった。

「隊長なにやってるんですか……」

 誠は呆れながらそうツッコんだ。就業時間は終わっているとはいえ、職場で七輪を使って焼き肉をやるなどとは誰が考えても非常識である。いくら『特殊な部隊』で常識が歪んできていたとはいえ、嵯峨のそれはあまりに常軌を逸した行動だった。

「ええと、月島屋の春子さんからの紹介で最近肉食ってないから、冷凍でもいいから安い肉でも卸してもらおうとして会った精肉業者と意気投合しちゃってさ。それでたまたまオートレースで勝った大枚が手元にあったもんだからつい買っちゃったんだよ。食うだろ?お前等も」 

 そう言って嵯峨は立ち上がると後ろから取り皿と箸を用意する。

「まあ、隊長のおごりと言うことなら仕方が無いですね。ええと……じゃあお言葉に甘えて」 

 少しばかり驚いた後、カウラはそう言うとかなめと誠をつれて隊長室に入った。

 嵯峨の娘、茜が主席捜査官としてこの庁舎に出入りするようになって、一番変わったのがこの隊長室だった。

 少なくとも分厚く積もった埃は無くなった。牛タンを頬張る嵯峨の足元に鉄粉が散らばっているのは、ほとんど趣味かと思える嵯峨の銃器のカスタムの為に削られた銃の部品のかけら。それも夕方には茜に掃き清められる。

 『稀代の策士』または『奇才』と称される嵯峨だが、『整理整頓』と言う文字はその多くの知識のどこを紐解いても見当たらない言葉だった。そんな嵯峨が主を務める隊長室も茜が出入りするようになってから変わった。以前は、書道の墨汁が床に飛び散り、そこに鉄粉と埃が層を成していた。嵯峨の散らかしぶりは伝説級だったが、今では茜の掃除で、なんとか人の住める部屋にはなっている。

 特にカウラは几帳面で潔癖症なところがあるので、この部屋に入るのを躊躇することもあったくらいだった。茜が掃除を取り仕切るようになった今ではとりあえず衛生上の心配はしないで済む程度の部屋になっていたので、誰もが嫌な顔せずに焼肉を楽しむことが出来た。

「ちょっとベルガー。レモン取ってちょうだい」 

 嵯峨はそう言うと七輪の上で焼きあがった牛タンを皿に移した。カウラは嵯峨に言われるがままに皿にあったレモンを嵯峨に手渡した。

「ほら、皿。お前さん達も遠慮することは無いんだ。今回は大穴を当てたからな。結構上等な肉を買ったんだぜ。これでお前さん達も俺を『小遣い3万円の男』と馬鹿にしなくなるだろう。ああ、かなめ坊はタンは嫌いだったな。ハラミがあるからそれを食え」 

 そう言うとまず焼けた油たっぷりの牛のハラミの乗った皿をかなめに手渡した。

「ああ、あんがとうな。叔父貴」

 かなめはそう言うと嵯峨の差し出す皿を受け取った。

 嵯峨は借りてきた猫のように呆然と突っ立っている誠やアメリア、カウラの手に皿を握らせた。接客用テーブルの上に皿に乗せた牛タンが並んでいる。量としてはおそらく二頭分くらいはあるだろうか。それを嵯峨は贅沢に炭火で焼いている。

「叔父貴、酒はどうしたんだよ」 

 嵯峨が焼いていた肉を横から取り上げたかなめが肉にレモン汁を垂らしながら尋ねた。嵯峨は察しろとでも言うように横を見た。そこにはかなめをにらみつけている仕事に関しては真面目なカウラがいる。かなめは肩をすぼめてそのまま肉を口に入れた。

「そう言えばクバルカ中佐は演習場から司法局本局へ出頭ですか」 

 カウラは大皿から比較的大きな肉を取って七輪の上に乗せた。

「まあな。法術関連の法整備とその施行について現場の意見を入れないわけにもいかないだろ?まあ俺が顔を出せれば良いんだが、俺はお偉いさんには信用無いからな。顔を出すと逆に藪蛇になる」 

 そう言いながら嵯峨は焼きあがった肉にたっぷりとレモン汁を振りかけた。

「それより叔父貴。管理部に背広組のキャリアが来るって噂、本当なのか?司法局の偉いさんに監視されるのは御免だぜ」 

 かなめのその言葉を黙って聞きながら嵯峨は口に肉を放り込む。

「まったくどこでそんな話を聞いてきたんやら……まあ、監視って訳じゃないよ。菰田じゃ予算編成会議とかに出られないから代わりに俺が出てるんだけど、俺は経済感覚があまり無いもんだから、予算の分捕りあいでどうも負け続きでね。その道の専門家を引っ張ろうって話なわけ。これで次の出動の時の予備費もその新しい部長様のおかげで司法局から出るようになる。良いことずくめじゃないの」 

 嵯峨は口の中で肉の香りを確かめるようにかみ締めながらつぶやいた。

「本当にそうよね。隊長は予算争奪戦には弱いから。これまでも予算取りの関係で東和軍とパイプが欲しいところだったから、『代理』と言うことで司法局本部の会議に出られない菰田君の代わりに腕の立つ背広組の人材が欲しいって言ったらそれに適した人材がいるって話が来たのよ」 

 静かに肉をかみ締めていたアメリアがあっさりとした口調でそう答えた。

「背広組?マジかよ……東和の背広組は信用置けないからな。東和の背広組のエリートは金を握ってるからと言ってアタシ等制服組を見下してやがる。気に入らねえな」 

 かなめはそう言いながら一人、肉に箸を伸ばさない。それを気遣うかのように嵯峨は良く焼けた牛タンをかなめの左手にある皿に乗せてやった。かなめはそれを見ると遠慮なく牛タンを口に放り込んだ。

「かなめ坊よ。お前さんのエリート嫌いは知ってるが、下士官の菰田じゃできることなんて限界が有るんだよ。だから今回はそう決まったの。決まったことに文句言っても仕方ないでしょ?かなめ坊、残念だな」 

 それだけ言うと嵯峨は牛タンを口に放り込んだ。誠はかなめを見つめた。口の中の牛タンを呑み込んだかなめはようやくかなめも決心がついたように肉に箸を伸ばすが、ハラミに手を出すかカルビを選ぶかと躊躇しているところがある。

「迷い箸は縁起が悪いな。スナイパーなんだろ?狙った獲物は逃すなよ」 

 そう言う嵯峨は彼女が取ろうとしたハラミを奪って七輪に乗せた。かなめは恨めしそうにその様子を見つめていた。

「でも、本当に美味いな。西園寺ももっと食べろ。こういう時に遠慮する貴様では無いだろ?」 

 そう言ってカウラはいい具合に焼けてきたカルビをひっくり返した。焼き肉の香ばしい香りが部屋中に漂うのが誠をわくわくさせた。

「珍しくサービス精神出してるな、カウラ。オメエの事だ。この前のパチンコで相当勝ったんだな」

 かなめはにやにや笑いながらカウラのパチンコ依存症を冷やかした。

「まあな、15万勝った。久々の大勝だ。これだからパチンコは止められない」

「それじゃあクバルカ中佐の指導の意味が無いんじゃないですか……」

 誠は得意げにパチンコの勝ちを誇って無表情の口元に笑みを浮かべるカウラを見つめながら思わずツッコミを入れた。

「そう言えばクバルカ中佐はこれまではうちが兼務業務で教導部隊が本務だったんですね」 

 カウラが水を向けると、肉をかみ締めていた嵯峨が微笑みながら箸を置く。

「まあね、アイツには遼南内戦で何度煮え湯を飲まされたことか……央都攻防戦の頃からの付き合いだから、もう十二年の付き合いってことになるわけだ……いや、それ以前にアイツとは……これは黙っておくか。アイツもそのことは俺には済まないと謝ってたし」 

 そう言いながら嵯峨は自分だけ手元にあった甲種焼酎を飲んで昔を懐かしむようにそう言った。

「隊長は遼南内戦に参加してるんですか?そんな話初めて聞きました」 

 誠は牛タンを頬張りながらそう水を向けてみた。嵯峨は遼南内戦の最中も誠の実家の剣道場に顔を見せることがあった。そう考えると誠の記憶が間違っているのか、いちいち嵯峨が何かあるたびに遼大陸からここ東和まで往復していたかどちらかだったと言うことになる。

「まあね……俺は一弱小軍閥の首領から初めて、最初は社会主義国家建設を目指す人民軍に味方して戦った。しかし、その人民軍があまりにダメダメなんでその人民軍を乗っ取って、東モスレムの有志とつるんで西遼軍と言うのを立ち上げて最終的にのさばってた遼南共和国の独裁者、ガルシア・ゴンザレス大統領をぶっ殺そうとしたわけだ」

 嵯峨の過去はいつも規格外だが、今回は特に現実感がなかった。嵯峨の話は時に一国を倒すようなことが出てくることがたまにあるので誠はその話を半分に聞きながら上の空でうなずきつつ焼ける肉を見つめていた。

「だけど……その手柄はそのゴンザレスの切り札だったランに持ってかれたんだ……一番信用していた『真紅の粛清者』と恐れられ、独裁者自身が一番信用していたランに殺されるとはゴンザレスの旦那も因果なもんだ。ゴンザレスを殺したランが言うには『人の道を外れた外道に利用されるのは』もうこりごりだってね。人でなしの独裁者の最期なんてもんはみんなそんなもんだ」

 そう言って嵯峨は足元の甲種焼酎を飲んだ。嵯峨の明るい口調の割に重い内容に一同はただひたすら沈黙した。

「『利用されるのは』こりごりって……確かクバルカ中佐は遼南共和国のエースだったんですよね。つまり、共和国に反乱を起こしたんですか?」

 誠は嵯峨の言葉の気になるところを繰り返しそう言った。

「そこんところは俺の口から言う訳にはいかないな。うちじゃあ他人の過去の話をするのはご法度だ……いずれ奴もお前さんにその時の心情を話すときが来るだろうからな」

 そう言って嵯峨はニヤリと笑った。その時、隊長室の扉が開いた。

「失礼します!」 

 そう言って入ってきたのはアメリアの仲間達。アメリア達の『おもり役』のパーラ・ラビロフ大尉と灰色の長い髪にいつも不織布のマスクをしている操舵手のルカ・ヘス中尉が立っていた。手にはそれぞれ紙皿と割り箸を持っていた。

「なんでオメエ等が来るんだよ?肉の分け前が減るじゃねえか」 

 肉をかみ締めながらかなめがあからさまに嫌な顔をした。

「ああ、俺が呼んだ……この量だもん食べきれないからな。かなめ坊、肉の量の話なら大丈夫だ。……と言って全員を呼ぶには量が少ないしな。ああ、思い出した。神前。お前さんにプレゼントが有るんだ。いつまでもグロッグG44なんていう安物の22口径のおもちゃ銃って訳にはいかないわな。お前さんは『近藤事件』の英雄なんだし、うちは一応は『武装警察』。警察官はふさわしい威力の銃を持たないとね」

 嵯峨は立ち上がると、執務机の後ろから別の七輪を取り出した。

 中の炭は十分におきていて真っ赤に網を載せられた網を熱し続けていた。そして嵯峨は机の後ろから一挺の古風な拳銃を取り出すと、誠に向かって差し出した。

「ルガー?こんなビンテージものどこで手に入れた?マニアに売れば相当な値段だぞ」 

 その特徴的なトルグアクションにかなめは視線を奪われる。その銃は誠も知っている第二次世界大戦のドイツ軍の制式拳銃『ルガーP08』に見えた。

「俺は小遣い3万円の男だよ?どこにそんな高い買い物をする金があるんだよ。そんなもんあるなら俺のコレクションにするよ。こいつはモーゼル・モデル・パラベラム。P08に似たリバイバルモデル。戦後の復刻品だ。P08程じゃ無いがガンショーとかでは結構いい値がつくんだぜ」 

 嵯峨はそう言うと素早くマガジンを抜いた。シングルカーラムの細いマガジンがダブルカーラムで多弾数の銃が主流の現在の戦場にはあまりに不向きに見えたが、どうせ銃がド下手な自分が使うことになるのだと思うと、誠はそれも仕方がないことだと思った。

「こりゃあずいぶん趣味的なチョイスじゃねえか。神前の豆鉄砲と交換するのか?」 

 誠は射撃がまるで下手糞だった。一般的な軍用拳銃ならば初弾はまだしも、二発目以降はどこにあたるか本人にもわからない。そんな彼の為に嵯峨はお守り程度の威力しかない22口径のグロッグG44を与えていた。しかしそれはさすがにやりすぎだとかなめもカウラも思っていた。その為に誠でも二発目以降が当たりそうで威力のある弾丸を使用する銃を嵯峨は探していた。

 かなめは目の前の古めかしい拳銃に手を伸ばした。かなめに銃を持たせるとろくなことにはならないので、全員が肉から彼女の手の動きに目を向けた。かなめはグリップを握りこんだ後、何度か安全装置をいじった。

「なんだよ、じろじろ見やがって。オメエも持ってみるか?」 

 そう言うと肉を噛んでいたカウラに銃を手渡す。彼女も何度か手にした銃の薬室を開いてはのぞき込んでいる。

「あと二、三マガジン撃ってから調整するからな。前のユーザーは結構こいつを撃ち込んでたらしくてトルグがゆるゆるだったんだ。そこら辺は俺の技術でどうにか直した。たぶんちゃんと動くと思うよ」 

 そう言いながら嵯峨は再び皿から牛タンを七輪の上の網に乗せた。いつの間にか誠の隣に座っていたアメリアも黙って彼が載せた肉を素早く取り上げて焼き始めた。

「グリップはウォールナットのスムースですか?神前は慣れないから滑り止めのチェッカーとか入れた方が良いんじゃないでしょうか?」 

 カウラから渡された拳銃のグリップを撫でながらパーラが嵯峨に尋ねた。滑り止めの無いオイルで仕上げたグリップがつややかにパーラの手の中で滑っている。

「俺もチェッカーの入った奴が好みなんだけど、どうせ射撃が苦手な神前が持つんだ。コイツは銃なんかただ下げてるだけでバカスカ撃つわけじゃねえんだ。神前が撃ってみて問題があるようなら交換するけど」 

 そう言うと嵯峨は半焼きの肉を口に放り込んだ。

『これまでの『オモチャみたいな銃』とは違う……これは、信頼の証なのか。気づけば、僕はもう……この部隊の一員なんだ』

 誠は手にした『モーゼル・モデル・パラベラム』を見ながらそんなことを考えていた。

「拳銃談義はそれくらいにして、隊長の『殿上会』出席のための留守の勤務のシフトはどうするんです。出勤リストとか出来てるんですか?」 

 アメリアのその言葉に嵯峨が黙って手を上げる。

「今回の『殿上会』は俺は重要な要件が有って絶対出ないといけないからねえ……なんと言っても四大公家末席の位をかえでに譲らなきゃならないからな。シフトはこれが終わったら全員の端末に流す。その辺の抜かりは無いよ、俺は」

 嵯峨はそう言うと酒を口に含んだ。

「いい匂いがするんだな」 

 誰も気づかないうちに、扉がすっと開いた……そこには小さな影が立っていた。そこに居たのは幼い容貌のランだった。突然のランの登場にかなめとアメリアは驚いた表情を浮かべていた。

「ランじゃないの。本局の偉いさんの接待お疲れさま。ランよ。ご苦労さんと言うことでお前も食っていけよ」 

 ランから渡された司法局の上層部からの書類を執務机に投げた嵯峨が声をかける。

「飯は食ったからな。まあ、一口、二口は食うけどそれ以上はいーや。それにアタシの本異動の歓迎会は月島屋の二階でやるんだろ?一応予約はしておいたけど」 

 それだけ言うと食にはうるさいランには珍しく焼き肉を食わずにそのまま出て行こうとした。

「さてと、とりあえずまだまだあるからな……ちゃんと食っとけ、良いもんなんだから。俺も明日からはカップ麺生活だ。肉の食い貯めしとかないと」 

 そう言って嵯峨が立ち上がった。牛タンパーティーは夜半まで続くことになった。

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