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『特殊な部隊』の飲み会ウォームアップ!
第159話 最高級鍋と運用艦『ふさ』を支配する女
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「しかし……緊張するとすぐに吐瀉するとは……少したるんでいるんじゃないのか?」
医務室から出ると誠を捕まえたカウラがそう言ってにらみつけた。
「アタシの『ペット』になんか文句あんのか?」
「西園寺さん……いい加減『ペット』扱いをやめてくれませんか?僕は人間ですけど」
誠は反論するがかなめは完全に誠の意見を黙殺して歩き出す。
「今日の宴会の主役は我等が『愛玩動物』である誠ちゃんよ!なんでも『釣り部』がとっておきの『クエ』を出すから、『クエ鍋』なんですって!よかったわね、誠ちゃん」
糸目でほほ笑むアメリアの口調には純粋に誠をおもちゃにするお姉さん気質があふれていた。
「『クエ鍋』?なんだよ『クエ』って……『食う』から鍋だろ?とっておきなら『トラフグ』とか『アンコウ』とかじゃねえの?」
島田は意味も分からず彼女のサラと見つめあう。この二人はアホなので誠も知っている『高級料理』の知識がないことは予想ができた。
「島田君……『フグ』はね、養殖ができるから安いのがあるの!『アンコウ』は獲るのに底引き網漁を使うから獲れるときはいっぺんに取れるわけ。でも『クエ』は滅多に獲れない幻の魚なの。うちの『釣り部』だって年に2回ぐらいしか食べないんだから……」
無知な島田のボケにパーラが丁寧なフォローを入れた。
「年に2回もクエを食べるって……うちの『釣りマニア』はどういう食生活を送ってるんですか?」
さすがの誠も彼等が魚のみでたんぱく質を取っていることは今でも信じられなかった。
「西園寺大尉!」
急にアメリアがそう叫んだ。
「なんだよ、芸人」
かなめは嫌々そう言ってアメリアのハイテンションに付き合う。
「私は『少佐』。かなめちゃんは『大尉』。そして、私はこの『ふさ』の艦長 なの。かなめちゃん流に言うと『格が違う』わけ?分かった?」
そう言うアメリアの態度には嫌味の成分があふれていた。
『ハイ!少佐殿』
普段自分が『女王様』としてふるまっているだけに以後の偉そうな態度が否定されると感じたのか、かなめはわざとらしくそう叫んだ。
「西園寺大尉はガスコンロ等の物資をハンガーに運搬する指揮を執ること!ラビロフ中尉!グリファン少尉!島田曹長!」
アメリアは視線をパーラ・ラビロフ、サラ・グリファン、島田正人の三名に向けた。
『ハイ!』
「以上は会場の設営の指揮を担当!以上!かかれ!」
『了解!』
三人はアメリアのこんな急な態度の変化に慣れているらしく、きびきびとした態度で廊下を走っていった。
「僕とカウラさんはなにを?」
残された誠とカウラはアメリアのおもちゃにされる恐怖から顔を引きつらせて彼女の糸目を見つめた。
「ああ、誠ちゃんは主賓でしょ?それにカウラちゃんはいい子だからそのお供。今頃は、『偉大なる中佐殿』ことクバルカ・ラン中佐がご自慢の『いい酒』を選んでいるころだと思うけど」
そう言ってアメリアは二人を置いて今来た医務室に足を向けた。
「アメリアさん。どこに行くんですか?」
誠の問いにアメリアは満面の笑みを浮かべる。
「当然、隊長に持ってきた甲種焼酎以外の酒の供出を要求するわけ。何かあった時に『甲武国』の偉い軍人さんに送る用の酒も持ってきてるはずだから。どうせあの人にはどうせ安酒しか口に合わないって公言してるし」
そんなアメリアの一言に誠は彼女がある意味『鬼』である事実に気づいて驚愕した。
医務室から出ると誠を捕まえたカウラがそう言ってにらみつけた。
「アタシの『ペット』になんか文句あんのか?」
「西園寺さん……いい加減『ペット』扱いをやめてくれませんか?僕は人間ですけど」
誠は反論するがかなめは完全に誠の意見を黙殺して歩き出す。
「今日の宴会の主役は我等が『愛玩動物』である誠ちゃんよ!なんでも『釣り部』がとっておきの『クエ』を出すから、『クエ鍋』なんですって!よかったわね、誠ちゃん」
糸目でほほ笑むアメリアの口調には純粋に誠をおもちゃにするお姉さん気質があふれていた。
「『クエ鍋』?なんだよ『クエ』って……『食う』から鍋だろ?とっておきなら『トラフグ』とか『アンコウ』とかじゃねえの?」
島田は意味も分からず彼女のサラと見つめあう。この二人はアホなので誠も知っている『高級料理』の知識がないことは予想ができた。
「島田君……『フグ』はね、養殖ができるから安いのがあるの!『アンコウ』は獲るのに底引き網漁を使うから獲れるときはいっぺんに取れるわけ。でも『クエ』は滅多に獲れない幻の魚なの。うちの『釣り部』だって年に2回ぐらいしか食べないんだから……」
無知な島田のボケにパーラが丁寧なフォローを入れた。
「年に2回もクエを食べるって……うちの『釣りマニア』はどういう食生活を送ってるんですか?」
さすがの誠も彼等が魚のみでたんぱく質を取っていることは今でも信じられなかった。
「西園寺大尉!」
急にアメリアがそう叫んだ。
「なんだよ、芸人」
かなめは嫌々そう言ってアメリアのハイテンションに付き合う。
「私は『少佐』。かなめちゃんは『大尉』。そして、私はこの『ふさ』の艦長 なの。かなめちゃん流に言うと『格が違う』わけ?分かった?」
そう言うアメリアの態度には嫌味の成分があふれていた。
『ハイ!少佐殿』
普段自分が『女王様』としてふるまっているだけに以後の偉そうな態度が否定されると感じたのか、かなめはわざとらしくそう叫んだ。
「西園寺大尉はガスコンロ等の物資をハンガーに運搬する指揮を執ること!ラビロフ中尉!グリファン少尉!島田曹長!」
アメリアは視線をパーラ・ラビロフ、サラ・グリファン、島田正人の三名に向けた。
『ハイ!』
「以上は会場の設営の指揮を担当!以上!かかれ!」
『了解!』
三人はアメリアのこんな急な態度の変化に慣れているらしく、きびきびとした態度で廊下を走っていった。
「僕とカウラさんはなにを?」
残された誠とカウラはアメリアのおもちゃにされる恐怖から顔を引きつらせて彼女の糸目を見つめた。
「ああ、誠ちゃんは主賓でしょ?それにカウラちゃんはいい子だからそのお供。今頃は、『偉大なる中佐殿』ことクバルカ・ラン中佐がご自慢の『いい酒』を選んでいるころだと思うけど」
そう言ってアメリアは二人を置いて今来た医務室に足を向けた。
「アメリアさん。どこに行くんですか?」
誠の問いにアメリアは満面の笑みを浮かべる。
「当然、隊長に持ってきた甲種焼酎以外の酒の供出を要求するわけ。何かあった時に『甲武国』の偉い軍人さんに送る用の酒も持ってきてるはずだから。どうせあの人にはどうせ安酒しか口に合わないって公言してるし」
そんなアメリアの一言に誠は彼女がある意味『鬼』である事実に気づいて驚愕した。
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