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『特殊な部隊』の飲み会ウォームアップ!
第161話 『女王様』と『女戦闘人種』
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「何してんだ?お前って……カウラ!」
コンロを抱えたかなめに二人は見つかった。誠は思わずかなめから目をそらした。
「カウラ……テメエ、また何か企んでるな?こいつはアタシの『ペット』だぞ、勝手に餌をやんじゃねえ!」
「私が何を企んでいると言うんだ?それに、私は水分を与えただけだ、餌はやっていない」
「だってそうじゃないか。人がこうして汗を流して宴会の準備をしているのに……まさか!変なことをしようと……こいつは『家畜』なんだぞ……そんな……『家畜』と人間で……」
かなめが誠の理解できない発想で彼を『家畜』呼ばわりしているのは腹が立ったが、彼女の手元にはいつも通り『スプリングフィールドXMD40』と言う拳銃があるので、誠は何も言えなかった。ここにきて仲間に殺されるのは嫌だった。
「それはアメリアの指示だろ?あいつは一応『ふさ』の艦長だ。クバルカ中佐のように『不死身』なら、外に出て生身で『遼州』の大気圏突入をすればいいだろう。サイボーグだろ?できるんじゃないか?」
「う……」
腐っても軍と同等の指揮命令系統である。上官の名前を出されたら逆らえるはずも無い。
「それにまだ誠の体調は本調子ではない、小隊長として彼を見守る義務がある。もしまた口から何かを吐く可能性がある。そうしたら誰かが掃除をしなければならないだろ?」
「カウラさん。僕は猫じゃないんで、自分で掃除ぐらいできます」
誠は武装していないカウラにはツッコミを入れることができた。
筋が通っているものの何故か納得できない、かなめはそんな表情を浮かべた。
「それとも何か?代わってもらいたいとでも言うのか?理由によっては聞いてやらんこともないぞ?」
カウラの一言。かなめの顔が急に赤くなる。
「馬鹿野郎!何でアタシがそんなことしなきゃならねえんだ!こいつの吐いたものはテメエがかたずけろ!アタシはそんなメイドの真似なんかしねえかんな!」
「そうか。じゃあ消えろ。うちの野郎共の脳改造プランでも立ててじっくりと宇宙征服でも企めばいい」
淡々とかなめをあしらうカウラに、かなめはさらに切れそうになる。
「西園寺さん後ろがつかえてるんですけど」
幼い顔の以前顔を見た年若いつなぎの整備兵が、いつ切れてもおかしくないとでも言うような表情のかなめに声をかける。
「うるせえ!餓鬼!これ持ってハンガー行け!」
彼は既に椅子を持っている上にかなめからコンロを持たされてよろける。隣の兵長が気を利かせてコンロを受け取ってエレベータに乗り込む。
「おい、カウラ!前からオメエのことが気に入らなかったんだけどな。今回のことで分かったよ。アタシはテメエのことが気にくわねえ!戦うだけの文化レベルゼロの戦闘人種とは高貴で雅な平安貴族の末裔のアタシは合わねえんだ」
「ほう。奇遇だな。私も西園寺の『女王様』な態度が非常に劣悪であると言う認識を持っているわけだが」
「面白れえじゃねえか!勝負はなんにする?飲み比べじゃあアタシが勝つのは決まってるから止めといてやるよ」
「そういう風にすぐ熱くなって喧嘩を売る隊員は私の小隊には不要だ。ちょうどまもなく甲武の領域を通過する。そのまま実家に帰っておとなしく『家畜人』と遊んでろ」
「何だと!」
いつでも殴りかかれると言う状態で叫び続けるかなめ、それを受け流しつつ明らかに反撃の機会を覗うカウラ。誠は自分が原因である以上どうにかすべきだと思ってはいたが、ニヤつきながら遠巻きに見ている技術部員とブリッジクルーの生暖かい視線を感じながら黙り込んでいた。
コンロを抱えたかなめに二人は見つかった。誠は思わずかなめから目をそらした。
「カウラ……テメエ、また何か企んでるな?こいつはアタシの『ペット』だぞ、勝手に餌をやんじゃねえ!」
「私が何を企んでいると言うんだ?それに、私は水分を与えただけだ、餌はやっていない」
「だってそうじゃないか。人がこうして汗を流して宴会の準備をしているのに……まさか!変なことをしようと……こいつは『家畜』なんだぞ……そんな……『家畜』と人間で……」
かなめが誠の理解できない発想で彼を『家畜』呼ばわりしているのは腹が立ったが、彼女の手元にはいつも通り『スプリングフィールドXMD40』と言う拳銃があるので、誠は何も言えなかった。ここにきて仲間に殺されるのは嫌だった。
「それはアメリアの指示だろ?あいつは一応『ふさ』の艦長だ。クバルカ中佐のように『不死身』なら、外に出て生身で『遼州』の大気圏突入をすればいいだろう。サイボーグだろ?できるんじゃないか?」
「う……」
腐っても軍と同等の指揮命令系統である。上官の名前を出されたら逆らえるはずも無い。
「それにまだ誠の体調は本調子ではない、小隊長として彼を見守る義務がある。もしまた口から何かを吐く可能性がある。そうしたら誰かが掃除をしなければならないだろ?」
「カウラさん。僕は猫じゃないんで、自分で掃除ぐらいできます」
誠は武装していないカウラにはツッコミを入れることができた。
筋が通っているものの何故か納得できない、かなめはそんな表情を浮かべた。
「それとも何か?代わってもらいたいとでも言うのか?理由によっては聞いてやらんこともないぞ?」
カウラの一言。かなめの顔が急に赤くなる。
「馬鹿野郎!何でアタシがそんなことしなきゃならねえんだ!こいつの吐いたものはテメエがかたずけろ!アタシはそんなメイドの真似なんかしねえかんな!」
「そうか。じゃあ消えろ。うちの野郎共の脳改造プランでも立ててじっくりと宇宙征服でも企めばいい」
淡々とかなめをあしらうカウラに、かなめはさらに切れそうになる。
「西園寺さん後ろがつかえてるんですけど」
幼い顔の以前顔を見た年若いつなぎの整備兵が、いつ切れてもおかしくないとでも言うような表情のかなめに声をかける。
「うるせえ!餓鬼!これ持ってハンガー行け!」
彼は既に椅子を持っている上にかなめからコンロを持たされてよろける。隣の兵長が気を利かせてコンロを受け取ってエレベータに乗り込む。
「おい、カウラ!前からオメエのことが気に入らなかったんだけどな。今回のことで分かったよ。アタシはテメエのことが気にくわねえ!戦うだけの文化レベルゼロの戦闘人種とは高貴で雅な平安貴族の末裔のアタシは合わねえんだ」
「ほう。奇遇だな。私も西園寺の『女王様』な態度が非常に劣悪であると言う認識を持っているわけだが」
「面白れえじゃねえか!勝負はなんにする?飲み比べじゃあアタシが勝つのは決まってるから止めといてやるよ」
「そういう風にすぐ熱くなって喧嘩を売る隊員は私の小隊には不要だ。ちょうどまもなく甲武の領域を通過する。そのまま実家に帰っておとなしく『家畜人』と遊んでろ」
「何だと!」
いつでも殴りかかれると言う状態で叫び続けるかなめ、それを受け流しつつ明らかに反撃の機会を覗うカウラ。誠は自分が原因である以上どうにかすべきだと思ってはいたが、ニヤつきながら遠巻きに見ている技術部員とブリッジクルーの生暖かい視線を感じながら黙り込んでいた。
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