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ちっちゃくてかわいい子に与えられた『勤務地』と『任務』
第18話 任務は『回収と補給』
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近づいてくる延々と続く駐屯地の壁に感心しながら誠は窓の外を眺めていた。
「まー。隊長好みの『落ちこぼれ』や『社会不適合者』を集めた『特殊な部隊』だからな、うちは。そーいう意味でも世間様の駐屯地設置反対運動ぐらいあるわ、ふつーは」
バックミラーの中でランは『いい顔』で笑っていた。
誠はランの言葉に違和感を感じていた。『特殊な部隊』という言葉の使われ方が誠の予想の上を言っていた。
「……『落ちこぼれ」……『社会府適合者』……」
誠はそれ以外の言葉を口にできなかった。
「そーだ。『特殊な馬鹿』がいっぱいいるから、『特殊な部隊』。オメーは立派な『高学歴の理系馬鹿』で、東和共和国宇宙軍以外に、『就職先』が無かった『社会不適合者』!ちゃんと該当しているじゃねーか、条件に。そして、神前!オメーの仕事は……」
ランの言葉が明らかに誠を馬鹿にしていることは理解できた。
誠の気が短ければ、彼は小さいランの首に『チョークスリーパー』をしていたことだろう。
自動車はとりあえず大きなコンクリート造りの建物の前で停まった。
大きな運転席の横から可愛らしいランが顔を出し、誠に向かって笑いかけた。
「オメーは『回収者』をやれ!それと『補給係』!専用の機体の手配はついてる!何かがあった時、その現場で『被害者』を回収する……それがオメーの仕事だ。いー仕事だろ!危険物倉庫の作業を外でやるだけ!他は期待してねー!」
自動的に開いた誠のドアの前にランは笑顔で誠に手を伸ばし握手を求めた。
「『回収者』……『補給係』……戦闘は?期待して無いんですよね。……確かに無理ですよね。僕、操縦はド下手ですから……しかも『胃弱』ですし」
誠の大きな手にランの小さな手が握られる。
「大丈夫だ!『最強』のアタシが『鉄火場』は仕切る!安心して『回収・補給』に専念してろ!」
どこから出てくるのか理解不能な幼女の自信に誠は打ちのめされた。
「必要資格は『玉掛け』……ロープでモノを縛る技術。オメーはその『資格持ち』!そして、大事なのは『クレーン操作技術』だ!『アサルト・モジュール』のパイロットは完全失格だが、『クレーン操作』は得意!どっちもクリアーだ!『危険物』の取り扱いも、理系の実験室で経験済み!期待してんぞ!『理系馬鹿』!」
ランの言うことが、ことごとく当てはまるだけに、誠は反論できなかった。
「テメーは結局、『エリート』にはなりたくてもなれなかった。その時点でいずれアタシが目を付けた。安心しろ……アタシが立派な『社会人』にしてやる!」
ランは褒めているのかけなしているのかよくわからないことを言った。満面の笑みである。
「……はあ」
ランは笑顔でさらに一言言った。
「オメーの乗る機体にはちゃんと『エチケット袋』は用意させるつもりだ!安心しろ!」
誠は本当に『特殊な部隊』に配属になってしまったらしい。
胃から食道にかけての『いつもの違和感』を感じながら誠はそう思った。
「まー。隊長好みの『落ちこぼれ』や『社会不適合者』を集めた『特殊な部隊』だからな、うちは。そーいう意味でも世間様の駐屯地設置反対運動ぐらいあるわ、ふつーは」
バックミラーの中でランは『いい顔』で笑っていた。
誠はランの言葉に違和感を感じていた。『特殊な部隊』という言葉の使われ方が誠の予想の上を言っていた。
「……『落ちこぼれ」……『社会府適合者』……」
誠はそれ以外の言葉を口にできなかった。
「そーだ。『特殊な馬鹿』がいっぱいいるから、『特殊な部隊』。オメーは立派な『高学歴の理系馬鹿』で、東和共和国宇宙軍以外に、『就職先』が無かった『社会不適合者』!ちゃんと該当しているじゃねーか、条件に。そして、神前!オメーの仕事は……」
ランの言葉が明らかに誠を馬鹿にしていることは理解できた。
誠の気が短ければ、彼は小さいランの首に『チョークスリーパー』をしていたことだろう。
自動車はとりあえず大きなコンクリート造りの建物の前で停まった。
大きな運転席の横から可愛らしいランが顔を出し、誠に向かって笑いかけた。
「オメーは『回収者』をやれ!それと『補給係』!専用の機体の手配はついてる!何かがあった時、その現場で『被害者』を回収する……それがオメーの仕事だ。いー仕事だろ!危険物倉庫の作業を外でやるだけ!他は期待してねー!」
自動的に開いた誠のドアの前にランは笑顔で誠に手を伸ばし握手を求めた。
「『回収者』……『補給係』……戦闘は?期待して無いんですよね。……確かに無理ですよね。僕、操縦はド下手ですから……しかも『胃弱』ですし」
誠の大きな手にランの小さな手が握られる。
「大丈夫だ!『最強』のアタシが『鉄火場』は仕切る!安心して『回収・補給』に専念してろ!」
どこから出てくるのか理解不能な幼女の自信に誠は打ちのめされた。
「必要資格は『玉掛け』……ロープでモノを縛る技術。オメーはその『資格持ち』!そして、大事なのは『クレーン操作技術』だ!『アサルト・モジュール』のパイロットは完全失格だが、『クレーン操作』は得意!どっちもクリアーだ!『危険物』の取り扱いも、理系の実験室で経験済み!期待してんぞ!『理系馬鹿』!」
ランの言うことが、ことごとく当てはまるだけに、誠は反論できなかった。
「テメーは結局、『エリート』にはなりたくてもなれなかった。その時点でいずれアタシが目を付けた。安心しろ……アタシが立派な『社会人』にしてやる!」
ランは褒めているのかけなしているのかよくわからないことを言った。満面の笑みである。
「……はあ」
ランは笑顔でさらに一言言った。
「オメーの乗る機体にはちゃんと『エチケット袋』は用意させるつもりだ!安心しろ!」
誠は本当に『特殊な部隊』に配属になってしまったらしい。
胃から食道にかけての『いつもの違和感』を感じながら誠はそう思った。
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