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異質な『法術師』という存在
第92話 未発表の存在『法術師』
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「ああ、苦すぎ」
そう言うと嵯峨は渋い顔をして茶碗を机に置いた。
「俺は各方面に神前の『能力』を、あることないことバラまいているのに、それを信じて動く『馬鹿』が結構いる。しかも、そいつらはオカルトとかとは無縁な連中だ。なんだってそんなこと信じて動くのかわからんなあ……」
そんな『情報通の脳ピンク』はエロ本の山から、『甲武国』銘菓の入った箱を引っ張り出す。
「『地球人』はマジで俺達『遼州人』は『魔法』とか『超能力者』だと信じてるのかな?『中佐殿』。お得意の何とかいう『魔法のステッキ』で宇宙の平和のためにも連中を滅ぼしちゃってよ。できそうじゃん、戸籍上は34歳だけどどう見ても8歳女児だし。『地球人』からしたら、理解不能じゃん、俺達若すぎて」
『甲武・京八つ橋』と書かれた箱。それを開けた嵯峨はそう言って中の菓子を取り出し、口に運ぶ。
「アタシの『魔法のステッキ』の白鞘は地球製だ。作者の子孫を滅ぼしたら祟られるだろ」
ランはあっさりそう言って嵯峨の提案を断った。
「『地球人』は『遼州星系』と関わって、遼州人の『ゲリラ戦法』で『痛い目を見た』のは歴史的事実なんだけどさ。それは地球人と遼州人はお互いそんなことは『無かった』ってことで手打ちになってるんだから」
『八つ橋』を食いながら嵯峨はお茶を飲んだ。
「その点、遼州同盟の加盟国は『元地球人』の国も『遼州人』の国も『効率的』に俺の痛いところを突いてくるわ。困ったもんだ。『法術師』の軍事利用を禁止する法案の素案が俺の手元に届いちゃってね」
そう言うと嵯峨は隊長の巨大な机の上の一冊の冊子を取り出して二人の部下に示して見せた。
「……まあこっちも『法術の軍事利用』なんてするつもりはねえんだけどさ……動きにくくなるね……軍人としては。俺、一応、、甲武国の陸軍に籍あるし」
ランは目の前の『自分は46歳バツイチ』とひたすら主張する、自称する年齢より明らかに若い『駄目人間』の馬鹿行動を見守っていた。
その表情は自分の上司の馬鹿さ加減にうんざりしているようなものだった。
「でも、意外に神前の『素性』については地球の各政府が正確に把握してるみたいなんだよね。特にアメリカとか……あそこの軍は『法術師』の研究が進んでるからな……当然だよね」
嵯峨は口に二つ目の菓子をくわえたまま、二人の部下を『鋭い視線』で射抜いた。
「結局、アタシ等の『法術』は、いつオープンにするんだ?」
旨そうに菓子を食う『プライドゼロ』に呆れながらランはそう言った。
「神前の誘拐を企てた連中が出てくるぐらいだから……遠くはねえだろうな。まあ、俺と『偉大なる中佐殿』の年齢と見た目の差に……誰でも気づくわな、何かおかしいって」
『そんなのあんた等の免許証を見たら、誰でも気づくわ!』
見た目が『若すぎる』上官二人のやり取りから取り残された、情報課課長の男性大尉は思った。『駄目中年を演じる演劇サークルの大学生』と『軍人のコスプレの小学校2年生』。誰が見てもそのようにしか見えない。
「じゃあ、報告ありがとうね。俺も言いたいこと言ってすっきりしたから。これから決裁書のシャチハタ押すお仕事に入るんで」
嵯峨はそう言うと立ち上がり、山と積まれた書類の箱に手を伸ばした。
「神前は立派な『営業成績第一主義の会社の体育会系営業マン』が務まるように鍛え上げてやんよ」
自分よりはるかに長身の情報課課長を従えて、ランは隊長室を出ていく。
完全に誠の教育方針を『勘違い』した言葉を残して。
そう言うと嵯峨は渋い顔をして茶碗を机に置いた。
「俺は各方面に神前の『能力』を、あることないことバラまいているのに、それを信じて動く『馬鹿』が結構いる。しかも、そいつらはオカルトとかとは無縁な連中だ。なんだってそんなこと信じて動くのかわからんなあ……」
そんな『情報通の脳ピンク』はエロ本の山から、『甲武国』銘菓の入った箱を引っ張り出す。
「『地球人』はマジで俺達『遼州人』は『魔法』とか『超能力者』だと信じてるのかな?『中佐殿』。お得意の何とかいう『魔法のステッキ』で宇宙の平和のためにも連中を滅ぼしちゃってよ。できそうじゃん、戸籍上は34歳だけどどう見ても8歳女児だし。『地球人』からしたら、理解不能じゃん、俺達若すぎて」
『甲武・京八つ橋』と書かれた箱。それを開けた嵯峨はそう言って中の菓子を取り出し、口に運ぶ。
「アタシの『魔法のステッキ』の白鞘は地球製だ。作者の子孫を滅ぼしたら祟られるだろ」
ランはあっさりそう言って嵯峨の提案を断った。
「『地球人』は『遼州星系』と関わって、遼州人の『ゲリラ戦法』で『痛い目を見た』のは歴史的事実なんだけどさ。それは地球人と遼州人はお互いそんなことは『無かった』ってことで手打ちになってるんだから」
『八つ橋』を食いながら嵯峨はお茶を飲んだ。
「その点、遼州同盟の加盟国は『元地球人』の国も『遼州人』の国も『効率的』に俺の痛いところを突いてくるわ。困ったもんだ。『法術師』の軍事利用を禁止する法案の素案が俺の手元に届いちゃってね」
そう言うと嵯峨は隊長の巨大な机の上の一冊の冊子を取り出して二人の部下に示して見せた。
「……まあこっちも『法術の軍事利用』なんてするつもりはねえんだけどさ……動きにくくなるね……軍人としては。俺、一応、、甲武国の陸軍に籍あるし」
ランは目の前の『自分は46歳バツイチ』とひたすら主張する、自称する年齢より明らかに若い『駄目人間』の馬鹿行動を見守っていた。
その表情は自分の上司の馬鹿さ加減にうんざりしているようなものだった。
「でも、意外に神前の『素性』については地球の各政府が正確に把握してるみたいなんだよね。特にアメリカとか……あそこの軍は『法術師』の研究が進んでるからな……当然だよね」
嵯峨は口に二つ目の菓子をくわえたまま、二人の部下を『鋭い視線』で射抜いた。
「結局、アタシ等の『法術』は、いつオープンにするんだ?」
旨そうに菓子を食う『プライドゼロ』に呆れながらランはそう言った。
「神前の誘拐を企てた連中が出てくるぐらいだから……遠くはねえだろうな。まあ、俺と『偉大なる中佐殿』の年齢と見た目の差に……誰でも気づくわな、何かおかしいって」
『そんなのあんた等の免許証を見たら、誰でも気づくわ!』
見た目が『若すぎる』上官二人のやり取りから取り残された、情報課課長の男性大尉は思った。『駄目中年を演じる演劇サークルの大学生』と『軍人のコスプレの小学校2年生』。誰が見てもそのようにしか見えない。
「じゃあ、報告ありがとうね。俺も言いたいこと言ってすっきりしたから。これから決裁書のシャチハタ押すお仕事に入るんで」
嵯峨はそう言うと立ち上がり、山と積まれた書類の箱に手を伸ばした。
「神前は立派な『営業成績第一主義の会社の体育会系営業マン』が務まるように鍛え上げてやんよ」
自分よりはるかに長身の情報課課長を従えて、ランは隊長室を出ていく。
完全に誠の教育方針を『勘違い』した言葉を残して。
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