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『タフネス』と『銃』
第100話 紛争が生み出した『殺人銃』
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「何か意味があるんですか?僕が『グロックG44』で西園寺さんが『スプリングフィールドXDM40』だと」
誠は銃に詳しくなかったのでアメリアの言葉の意味が分からず聞き返した。
かなめは苦虫をかみつぶしたような表情をした後、誠を押しのけて射場に入った。
「この銃はな……グロックのコピーなんだわ。グロックは20世紀初頭の拳銃のいくつかの忘れられた構造と、ポリマーフレームと言うプラスティック加工メーカーならではの強みを生かして作った傑作なんだが……」
そこまで言うとかなめはすさまじい速度で銃を連射した。
12発爆音が響いた後、かなめの銃のスライドは弾を撃ち尽くしたことを示すようにスライドが開いたままで停止して煙を放っていた。
「まあ、傑作はどこでもコピーを生み出すんだ。20世紀末。どの銃器メーカーもグロックのコピーを作った。多くはグロックが取った特許に引っかかったり、値段がグロックより高かったりで成功しなかった。何社かのメーカーはその競争に負けて身売りをしたり潰れたりした。その中での数少ない成功例がこいつなの」
かなめはそう言うとスライドを閉鎖して銃を誠に手渡した。
右手にかなめのXDM40、左手にG44を持ちながら誠は両方を見比べた。
「確かにそっくりですね」
「そうだろ?でも決定的な違いがあるんだ」
かなめはそう言うとにやりと笑った。
「XDMシリーズは戦争の中で生まれた『殺し合いの道具』なんだ」
「戦争中?」
誠は歴史知識がほぼなかったので、二十世紀は半ばあたりに『第二次世界大戦』があったという程度の地球の歴史知識しかなかった。
「二十世紀末のバルカン半島。そこでは多民族国家が崩壊して民族ごとの殺し合いの戦争が始まった……その必要からそいつは生まれたんだ」
いつも自分を語る時のかなめの鈍い鉛色の瞳がそこにあった。
「確実に弾が出る銃。それが戦場では必要なんだ……当たるかどうかは二の次。HS2000ってのがそいつの開発当初の名前だな。最初はどんな環境でも動くだけのひどい銃だったが、改良を加えられてそれなりに使える銃になった。何よりグロックより安いからな」
かなめの言葉を聞きながら誠は自分のG44とかなめのXDM40を見比べた。
銃が『人を殺す』道具だという事実を改めて知り、誠は少し悲しい気分になった。
誠は銃に詳しくなかったのでアメリアの言葉の意味が分からず聞き返した。
かなめは苦虫をかみつぶしたような表情をした後、誠を押しのけて射場に入った。
「この銃はな……グロックのコピーなんだわ。グロックは20世紀初頭の拳銃のいくつかの忘れられた構造と、ポリマーフレームと言うプラスティック加工メーカーならではの強みを生かして作った傑作なんだが……」
そこまで言うとかなめはすさまじい速度で銃を連射した。
12発爆音が響いた後、かなめの銃のスライドは弾を撃ち尽くしたことを示すようにスライドが開いたままで停止して煙を放っていた。
「まあ、傑作はどこでもコピーを生み出すんだ。20世紀末。どの銃器メーカーもグロックのコピーを作った。多くはグロックが取った特許に引っかかったり、値段がグロックより高かったりで成功しなかった。何社かのメーカーはその競争に負けて身売りをしたり潰れたりした。その中での数少ない成功例がこいつなの」
かなめはそう言うとスライドを閉鎖して銃を誠に手渡した。
右手にかなめのXDM40、左手にG44を持ちながら誠は両方を見比べた。
「確かにそっくりですね」
「そうだろ?でも決定的な違いがあるんだ」
かなめはそう言うとにやりと笑った。
「XDMシリーズは戦争の中で生まれた『殺し合いの道具』なんだ」
「戦争中?」
誠は歴史知識がほぼなかったので、二十世紀は半ばあたりに『第二次世界大戦』があったという程度の地球の歴史知識しかなかった。
「二十世紀末のバルカン半島。そこでは多民族国家が崩壊して民族ごとの殺し合いの戦争が始まった……その必要からそいつは生まれたんだ」
いつも自分を語る時のかなめの鈍い鉛色の瞳がそこにあった。
「確実に弾が出る銃。それが戦場では必要なんだ……当たるかどうかは二の次。HS2000ってのがそいつの開発当初の名前だな。最初はどんな環境でも動くだけのひどい銃だったが、改良を加えられてそれなりに使える銃になった。何よりグロックより安いからな」
かなめの言葉を聞きながら誠は自分のG44とかなめのXDM40を見比べた。
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