ドSな王太子はただのヤキモチ焼きでした~溺愛はお仕置きのあとで~

3月5日コミカライズ配信♡二階堂まや

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ワニの嫉妬は恐ろしい

「……はい」

 やや不貞腐れながら、私はトレイを調理台へと置く。

 そしてダグラスの方へと向き直ろうとした矢先、急に両手首を彼に掴まれてしまった。

「きゃ……っ!?」

 視界が反転し、見えるのは苛立った表情のダグラスと、天井のみ。

 調理台に上半身を乗り上げる形で、私は彼に押し倒されていた。

 肉食獣のような鋭い視線が、至近距離で自分を睨みつける。本能的に身の危険を感じて、私はすぐさま顔を背けた。

「っ……離してください」

「モニカ。菓子作りは自己表現であると、以前お前は言っていたな?」

「……はい」

「となると、私には見せないがローガンには見せる顔があるということか?」

「ち、違っ……」

「どうやら、お前は優先順位を分かってないようだな。だったら、身体で分かってもらおうか?」

 するりと音を立てて、首元で結んだリボンが外される。そしてダグラスは、ブラウスのボタンを外し始めた。

「ダグラス様……っ、んんっ!!」

 キスで唇を塞がれ、器用な長い舌が口の中で歯列をなぞっていく。彼の舌は、口内に残っていたチョコレートの味を絡めとっていった。

 身体を押し返そうとするものの、力が入らず上手くいかない。そして口づけから解放された時には、ブラウスのボタンは胸の下あたりまで外されていた。

「ん……甘いな」

「っ、嘘……今日使ったのは、ビターチョコですもの」

 襲われているというのに、パティシエの性で、つい私はそんなふうに言い返していた。

 しかしダグラスは、思いも寄らぬ言葉を返してきたのである。

「知ってる。だが、お前から口移しされたとなると、甘いと思っただけだ」

「っ!?」

「プロの舌を舐めてもらっては困るな」

 赤面する私を、ダグラスは楽しげに見下ろす。妖しい色気のある表情を見て、私はぞくりと肌が粟立つのを感じた。

 彼の表情には、隠しきれない加虐心が滲んでいた。それは本来、ベッドの上でしか見ないはずの顔であった。

「……っ、ひとつひとつ外すのも、煩わしいな」

「きゃっ……!?」

 ブラウスと下着を掴んで左右に引っ張り、ダグラスは無理やり私の服を破いた。

 ブチブチと糸が切れ、布が弾ける音がして、裸の胸が晒される。そして私が手で隠すよりも先に、ダグラスは胸元に顔を埋めてきたのだった。

「ダグラス様、っ、やめ……っ」

 乳首に吸いつきながら、ダグラスは片手で胸を揉みしだく。やや乱暴だけれども、与えられるのは苦痛ではなく快感だ。

 夫婦として幾度となく身体を重ねてきたので、彼は私の悦くなる場所を心得ているのだ。

「くっ……っ、ふ」

「ひっ、あっ……、ああああっ!!」

 頂を前歯でカチカチと甘噛みされ、私は嬌声を上げる。

「ん、ここは舐められるより噛まれるのが好きなのかと思っていたが、違ったか?」

 人差し指の先で胸の尖りを突きながら、ダグラスは意地悪く問いかける。彼は私の答えを知った上で、聞いているのだ。
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