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ワニの嫉妬は恐ろしい
「……はい」
やや不貞腐れながら、私はトレイを調理台へと置く。
そしてダグラスの方へと向き直ろうとした矢先、急に両手首を彼に掴まれてしまった。
「きゃ……っ!?」
視界が反転し、見えるのは苛立った表情のダグラスと、天井のみ。
調理台に上半身を乗り上げる形で、私は彼に押し倒されていた。
肉食獣のような鋭い視線が、至近距離で自分を睨みつける。本能的に身の危険を感じて、私はすぐさま顔を背けた。
「っ……離してください」
「モニカ。菓子作りは自己表現であると、以前お前は言っていたな?」
「……はい」
「となると、私には見せないがローガンには見せる顔があるということか?」
「ち、違っ……」
「どうやら、お前は優先順位を分かってないようだな。だったら、身体で分かってもらおうか?」
するりと音を立てて、首元で結んだリボンが外される。そしてダグラスは、ブラウスのボタンを外し始めた。
「ダグラス様……っ、んんっ!!」
キスで唇を塞がれ、器用な長い舌が口の中で歯列をなぞっていく。彼の舌は、口内に残っていたチョコレートの味を絡めとっていった。
身体を押し返そうとするものの、力が入らず上手くいかない。そして口づけから解放された時には、ブラウスのボタンは胸の下あたりまで外されていた。
「ん……甘いな」
「っ、嘘……今日使ったのは、ビターチョコですもの」
襲われているというのに、パティシエの性で、つい私はそんなふうに言い返していた。
しかしダグラスは、思いも寄らぬ言葉を返してきたのである。
「知ってる。だが、お前から口移しされたとなると、甘いと思っただけだ」
「っ!?」
「プロの舌を舐めてもらっては困るな」
赤面する私を、ダグラスは楽しげに見下ろす。妖しい色気のある表情を見て、私はぞくりと肌が粟立つのを感じた。
彼の表情には、隠しきれない加虐心が滲んでいた。それは本来、ベッドの上でしか見ないはずの顔であった。
「……っ、ひとつひとつ外すのも、煩わしいな」
「きゃっ……!?」
ブラウスと下着を掴んで左右に引っ張り、ダグラスは無理やり私の服を破いた。
ブチブチと糸が切れ、布が弾ける音がして、裸の胸が晒される。そして私が手で隠すよりも先に、ダグラスは胸元に顔を埋めてきたのだった。
「ダグラス様、っ、やめ……っ」
乳首に吸いつきながら、ダグラスは片手で胸を揉みしだく。やや乱暴だけれども、与えられるのは苦痛ではなく快感だ。
夫婦として幾度となく身体を重ねてきたので、彼は私の悦くなる場所を心得ているのだ。
「くっ……っ、ふ」
「ひっ、あっ……、ああああっ!!」
頂を前歯でカチカチと甘噛みされ、私は嬌声を上げる。
「ん、ここは舐められるより噛まれるのが好きなのかと思っていたが、違ったか?」
人差し指の先で胸の尖りを突きながら、ダグラスは意地悪く問いかける。彼は私の答えを知った上で、聞いているのだ。
やや不貞腐れながら、私はトレイを調理台へと置く。
そしてダグラスの方へと向き直ろうとした矢先、急に両手首を彼に掴まれてしまった。
「きゃ……っ!?」
視界が反転し、見えるのは苛立った表情のダグラスと、天井のみ。
調理台に上半身を乗り上げる形で、私は彼に押し倒されていた。
肉食獣のような鋭い視線が、至近距離で自分を睨みつける。本能的に身の危険を感じて、私はすぐさま顔を背けた。
「っ……離してください」
「モニカ。菓子作りは自己表現であると、以前お前は言っていたな?」
「……はい」
「となると、私には見せないがローガンには見せる顔があるということか?」
「ち、違っ……」
「どうやら、お前は優先順位を分かってないようだな。だったら、身体で分かってもらおうか?」
するりと音を立てて、首元で結んだリボンが外される。そしてダグラスは、ブラウスのボタンを外し始めた。
「ダグラス様……っ、んんっ!!」
キスで唇を塞がれ、器用な長い舌が口の中で歯列をなぞっていく。彼の舌は、口内に残っていたチョコレートの味を絡めとっていった。
身体を押し返そうとするものの、力が入らず上手くいかない。そして口づけから解放された時には、ブラウスのボタンは胸の下あたりまで外されていた。
「ん……甘いな」
「っ、嘘……今日使ったのは、ビターチョコですもの」
襲われているというのに、パティシエの性で、つい私はそんなふうに言い返していた。
しかしダグラスは、思いも寄らぬ言葉を返してきたのである。
「知ってる。だが、お前から口移しされたとなると、甘いと思っただけだ」
「っ!?」
「プロの舌を舐めてもらっては困るな」
赤面する私を、ダグラスは楽しげに見下ろす。妖しい色気のある表情を見て、私はぞくりと肌が粟立つのを感じた。
彼の表情には、隠しきれない加虐心が滲んでいた。それは本来、ベッドの上でしか見ないはずの顔であった。
「……っ、ひとつひとつ外すのも、煩わしいな」
「きゃっ……!?」
ブラウスと下着を掴んで左右に引っ張り、ダグラスは無理やり私の服を破いた。
ブチブチと糸が切れ、布が弾ける音がして、裸の胸が晒される。そして私が手で隠すよりも先に、ダグラスは胸元に顔を埋めてきたのだった。
「ダグラス様、っ、やめ……っ」
乳首に吸いつきながら、ダグラスは片手で胸を揉みしだく。やや乱暴だけれども、与えられるのは苦痛ではなく快感だ。
夫婦として幾度となく身体を重ねてきたので、彼は私の悦くなる場所を心得ているのだ。
「くっ……っ、ふ」
「ひっ、あっ……、ああああっ!!」
頂を前歯でカチカチと甘噛みされ、私は嬌声を上げる。
「ん、ここは舐められるより噛まれるのが好きなのかと思っていたが、違ったか?」
人差し指の先で胸の尖りを突きながら、ダグラスは意地悪く問いかける。彼は私の答えを知った上で、聞いているのだ。
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