54 / 73
連載
第173話 出航
しおりを挟む
翌日。
俺たちは翡翠島へと向かうため、早朝から港町ハバートを訪れていた。
ちなみにメンツはソニル、レメット、アキノ、リディア、ミミューといつも通り。
前回の人魚族の国とは違い、今回は特に怪しい話とかはないのでアニエスさんたちを安心してレメットを送りだせるとホッとしていた。
いずれはレメットもここを離れて領主となるんだよなぁ。
寂しくはあるけど、これは仕方がない――いや、彼女のことだから「ヒカリ村の近くに新しいアヴェルガ家の屋敷を建てます」とか言い出しそうではある。
……それはそれでみんな喜ぶだろうから別にいいか。
さて、話を本題に戻すとして、とりあえず今日お世話になる船乗りさんのところへ挨拶に行かないと。
「おはようございます、ラキームさん」
「おぉ、ウィルムか。待っていたぞ」
バーネット商会時代から付き合いのあるラキームさん。
相変わらず日に焼けていて、タンクトップから弾けそうな凄い筋肉をしているなぁ。ここが別の世界ならボディビルダーとして名を馳せていそうな肉体だった。
彼には前日にミミューの使い魔を通して船を出してほしいことを伝えてある。
急な話なので断られるかもしれないと思っていたが、ラキームさんはすぐに「任せろ」というメッセージを使い魔に託した。
「突然のお願いを叶えてくださって、ありがとうございます」
「いいってことよ。おまえさんには町単位でいろいろと世話になっているからな。これくらい御安い御用さ」
本当に助かるよ。
俺としてはこうした見返りを求めてクラフトスキルを使っているわけじゃないのだが、感謝してお返しをしてくれるのは素直に嬉しいな。
「目的地は翡翠島だったな。……大丈夫か?」
「えぇ。その点は心配ありません。あっちにいるソニルという子はその翡翠島の代表であるザクセンさんの娘なんですよ」
「ほぉ、言われてみれば確かに獣人族だな。分かった。それなら安心して航海ができるってもんだ」
船乗りたちの間でも、翡翠島は何度か話題にあがるらしい。
しかし、外部からの来島を頑なに拒んできた歴史があるからな。
今でこそザクセンさんを通して少しずつ交流を持つようになっているようだが、浸透するにはまだまだ時間がかかりそうだ。
もちろん、ザクセンさんもそれを見越して動いているとは思うが。
ともかく、そんな彼の相談とやらを直接聞くために、俺たちを乗せた船は大海原へと飛び出したのだった。
俺たちは翡翠島へと向かうため、早朝から港町ハバートを訪れていた。
ちなみにメンツはソニル、レメット、アキノ、リディア、ミミューといつも通り。
前回の人魚族の国とは違い、今回は特に怪しい話とかはないのでアニエスさんたちを安心してレメットを送りだせるとホッとしていた。
いずれはレメットもここを離れて領主となるんだよなぁ。
寂しくはあるけど、これは仕方がない――いや、彼女のことだから「ヒカリ村の近くに新しいアヴェルガ家の屋敷を建てます」とか言い出しそうではある。
……それはそれでみんな喜ぶだろうから別にいいか。
さて、話を本題に戻すとして、とりあえず今日お世話になる船乗りさんのところへ挨拶に行かないと。
「おはようございます、ラキームさん」
「おぉ、ウィルムか。待っていたぞ」
バーネット商会時代から付き合いのあるラキームさん。
相変わらず日に焼けていて、タンクトップから弾けそうな凄い筋肉をしているなぁ。ここが別の世界ならボディビルダーとして名を馳せていそうな肉体だった。
彼には前日にミミューの使い魔を通して船を出してほしいことを伝えてある。
急な話なので断られるかもしれないと思っていたが、ラキームさんはすぐに「任せろ」というメッセージを使い魔に託した。
「突然のお願いを叶えてくださって、ありがとうございます」
「いいってことよ。おまえさんには町単位でいろいろと世話になっているからな。これくらい御安い御用さ」
本当に助かるよ。
俺としてはこうした見返りを求めてクラフトスキルを使っているわけじゃないのだが、感謝してお返しをしてくれるのは素直に嬉しいな。
「目的地は翡翠島だったな。……大丈夫か?」
「えぇ。その点は心配ありません。あっちにいるソニルという子はその翡翠島の代表であるザクセンさんの娘なんですよ」
「ほぉ、言われてみれば確かに獣人族だな。分かった。それなら安心して航海ができるってもんだ」
船乗りたちの間でも、翡翠島は何度か話題にあがるらしい。
しかし、外部からの来島を頑なに拒んできた歴史があるからな。
今でこそザクセンさんを通して少しずつ交流を持つようになっているようだが、浸透するにはまだまだ時間がかかりそうだ。
もちろん、ザクセンさんもそれを見越して動いているとは思うが。
ともかく、そんな彼の相談とやらを直接聞くために、俺たちを乗せた船は大海原へと飛び出したのだった。
270
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
引退賢者はのんびり開拓生活をおくりたい
鈴木竜一
ファンタジー
旧題:引退賢者はのんびり開拓生活をおくりたい ~不正がはびこる大国の賢者を辞めて離島へと移住したら、なぜか優秀な元教え子たちが集まってきました~
【書籍化決定!】
本作の書籍化がアルファポリスにて正式決定いたしました!
第1巻は10月下旬発売!
よろしくお願いします!
賢者オーリンは大陸でもっと栄えているギアディス王国の魔剣学園で教鞭をとり、これまで多くの優秀な学生を育てあげて王国の繁栄を陰から支えてきた。しかし、先代に代わって新たに就任したローズ学園長は、「次期騎士団長に相応しい優秀な私の息子を贔屓しろ」と不正を強要してきた挙句、オーリン以外の教師は息子を高く評価しており、同じようにできないなら学園を去れと告げられる。どうやら、他の教員は王家とのつながりが深いローズ学園長に逆らえず、我がままで自分勝手なうえ、あらゆる能力が最低クラスである彼女の息子に最高評価を与えていたらしい。抗議するオーリンだが、一切聞き入れてもらえず、ついに「そこまでおっしゃられるのなら、私は一線から身を引きましょう」と引退宣言をし、大国ギアディスをあとにした。
その後、オーリンは以前世話になったエストラーダという小国へ向かうが、そこへ彼を慕う教え子の少女パトリシアが追いかけてくる。かつてオーリンに命を助けられ、彼を生涯の師と仰ぐ彼女を人生最後の教え子にしようと決め、かねてより依頼をされていた離島開拓の仕事を引き受けると、パトリシアとともにそこへ移り住み、現地の人々と交流をしたり、畑を耕したり、家畜の世話をしたり、修行をしたり、時に離島の調査をしたりとのんびりした生活を始めた。
一方、立派に成長し、あらゆるジャンルで国内の重要な役職に就いていた《黄金世代》と呼ばれるオーリンの元教え子たちは、恩師であるオーリンが学園から不当解雇された可能性があると知り、激怒。さらに、他にも複数の不正が発覚し、さらに国王は近隣諸国へ侵略戦争を仕掛けると宣言。そんな危ういギアディス王国に見切りをつけた元教え子たちは、オーリンの後を追って続々と国外へ脱出していく。
こうして、小国の離島でのんびりとした開拓生活を希望するオーリンのもとに、王国きっての優秀な人材が集まりつつあった……
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
異世界転移から始まるハーレム生活〜チートスキルを貰った俺は、妹と共に無双する〜
昼寝部
ファンタジー
2XXX年、X月。
俺、水瀬アキトは戦争の絶えない地球で『戦場の悪魔』と呼ばれ、数多の戦で活躍していた。
そんな日々を過ごしていた俺は、ひょんなことから妹と一緒に異世界へ転移することになった。
その世界にはダンジョンが存在しており、ライトノベルなどで登場する世界観と類似していた。
俺たちはその世界で過ごすため女神様からチートスキルを貰い、冒険者となって異世界での生活を満喫することにした。
これは主人公の水瀬アキトと妹のカナデが異世界へ転移し、美少女たちに囲まれながら異世界で無双するお話し。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。