工芸職人《クラフトマン》はセカンドライフを謳歌する

鈴木竜一

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第186話 襲撃理由

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「拷問をしようってんじゃないんだ。まあ、騎士団には突き出すが……その前に黒幕を話してもらおうか」

 捕らえた男たちを連れ、場所を近くの広場へと移す。
 彼らの行った海賊行為は立派な犯罪であるためメルキスへと身柄を渡すのだが、やはり気になるのはバックに潜んでいる仕掛け人の存在だ。

 海賊たちも身体能力で人間を上回る獣人族に加え、そんな彼ら以上に高い戦闘力を誇るアキノとリディアがいたのでは抵抗するだけ無駄だと悟ったらしく、経緯を洗いざらいぶちまけてくれた。

「確かに俺たちは金で雇われた……が、素性はおろか名前すら知らねぇんだ」
「バカな。そんな話があるか」

 アキノは詰めるが、船長は苦笑いを浮かべて首を横へと振る。

「事実だ。あれは今から二週間くらい前か……酒屋で飲んだくれていると、ひとりの男が話しかけてきてこの島を襲撃するよう指示を出してきた」
「攻撃するように言っただけなのか?」
「適当に砲弾を撃ち込んですぐに撤退しろ……それが筋書きだった」
「どういうことだ? そんなことをあんたたちにさせて、依頼してきたヤツは何をするつもりだったんだ?」
「さあな。俺たちはその場で前金をもらい、残りは成功報酬として受け取る予定だった。ご覧の通り失敗しちまったからそれもパーだがな」

 ヤケクソ気味に笑いながら語る船長。
 どうも嘘を言っているようには見えないが……しかし、そうなると黒幕の手がかりがなくなってしまう。

 使い魔を通じて騎士団には連絡を取ってある。
 城にはガウリー大臣やジュリスもいるだろうからすぐに対応してくれるはずだ。

 となれば、あとはやはり黒幕の存在が気がかり。

「どうしたものかなぁ……」

 このまま翡翠島を離れるのは少し心配だ。

 ――そう思っていた時だった。

「おい! もうこっちへ近づいてくる船があるぞ!」

 島民のひとりが海原を指さしながら叫ぶ。
 彼の言うように、海には別の船がこちらへと進路を取っているようだったが、海賊船の時とは違ってみんな落ち着いていた。

 どうやら知っている船らしい。

「あれは……前にこの島を訪れた別大陸の獣人族が使っている船だ」
「そうだ。間違いない」

 その話は聞いていた。

 内容からして敵ではないようだが……ちょっとタイミングが気にかかるな。
 疑いすぎかもしれないが、ここは警戒をするべきだろう。

 アキノとリディアも同じ気持ちだったようで、少し身構えている。
 ザクセンさんと話し合い、とりあえずこちらから数人が小船で接触を試み、来訪の理由を尋ねることに決まった。
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