黒歴史転生 ~全ルートでもれなく殺される【闇属性】と【魔法創造】持ちのクズ貴族に転生した俺、ここが自作ゲームの世界だと気づいたので死亡&没

鈴木竜一

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第25話 生まれ変わったラナーク村

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 魔鉱石は王都にある老舗のガルシア商会へ卸すことにした。
 貴族も御用達で広い情報網を有する由緒ある商会なので信頼できる。
 
 こいつが大ヒットとなり、ラナーク村は一瞬にして潤った。

 原作通り、魔鉱石の採掘量が世界的に減少していき、価格が高騰しているというのも追い風となった。
高品質かつ低価格のラナーク産魔鉱石は飛ぶように売れたのだ。

 おかげでガディウス家の没落も未然に防ぐことができたのである。

 その後も魔鉱石の商売は順調に進み、かつてガディウス領でも存在感皆無として半ば見捨てられた状態にあったヴェステン地方は今や産業の中心地として大きく発展していた。

 ちなみに、期間限定領主をしている間もテオリアとの文通は続いている。

 互いの些細な生活の変化を伝えたり、頑張っていることやハマっていることなど、内容は多岐にわたった。

 おかげで遠く離れていてもまるで近くにいるような存在感になっている。

 そして――約束の一年が過ぎる。


「いよいよ一週間後には王立学園の入学式がありますね」
「そうだな」

 ヴェステンの屋敷の執務室で荷物の最終チェックをしながら他愛ない会話をしつつ、窓の外の景色へと目を向ける。

 そこに広がる光景は、一年前とまるで違っていた。

 廃墟のような家が立ち並び、ボロボロの服を身にまとっていた村人たちは人並みの生活を維持できるようになった。

 鉱山で働きたいと移住してくる者が後を絶たず、人口は劇的に増加。

 今や活気に満ち溢れ、周りから羨ましがられる村へと生まれ変わったのだ。

 とりあえず、ヴェステン絡みの死亡フラグと没落フラグの両方は消滅。
 安堵していると、コンコンとドアをノックする音が。
 
「入れ」
「失礼します」

 訪れたのはドウェイン村長だった。
 ちなみに、俺が学園に通っている間は彼が代理領主を務めることになっており、すでに父上からも了承を得ている。

「馬車の準備は整いました」
「御苦労。すぐに行く」
「…………」
「どうかしたか?」
「いえ、その……エナード様のいらっしゃる日常がすっかり当たり前となっていたので、なんだか未だにいなくなるのが信じられなくて」

 学園入学までの間の期間限定領主であるというのは伝えてあるんだがな。
 しかし、嫌な気持ちではないな。

「ふっ、いなくなるといっても学園にいるのは四年間だけだ。それに夏と冬には長期休校もある。その際はこちらへ吉報を聞くために寄らせてもらうからそのつもりでいろ」
「ぜ、ぜひ! みんなも喜びます!」

 定期的に採掘量もチェックしておきたいし、何より学園に通うようになったら魔鉱石が必要となる場面も出てくる。

 俺の死亡フラグを完全に破壊するためにも。

 その後、俺たちは大勢の村人たちに見送られる形でヴェステン地方をあとにした。
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