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第99話 初日終了
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体験入学初日は充実したものとなった。
「はあ……疲れたな」
「本当ね」
最後は希望者を招いて寮での宿泊体験。
俺とロミーナは寮の部屋で寝てみたいという純粋な好奇心からこれに申し込み、今はその寮のロビーでひと休みしている。
当然、護衛騎士を務めるパウリーネさんとモリスさんもそばに控えている。
「ふたりもこの学園の卒業生なんだよね?」
「えぇ」
「懐かしい話ですね」
目を細めるふたり。
きっと、頭の中では当時の様子を思い出して――あ、あれ?
なんかだんだんと険しい表情になっていっているような?
「……モリス、そういえばおまえとの実戦演習勝敗は五分のままだったな」
「うむ。俺も今それを思い出していた」
「いい機会だ。ここらで決着をつけないか?」
「ふっ、考えることは同じだな。昼間のアズベル様たちの演習を見て触発されたのだろう?」
「分かっているじゃないか」
両者の間にバチバチと火花が飛び散る。
突然始まった険悪なムードに、ロミーナが慌てて飛びだした。
「ダ、ダメだよ! ここでケンカなんてしたら!」
「ロミーナ様がそうおっしゃられるのであれば」
「私も同意見ですな」
「えっ? あ、あれ?」
今にも剣を抜いて戦いだしそうな闘気を放っておきながら、ロミーナが間に入って制止すると途端に穏やかになるふたり。
――そう。
ふたりは俺たちをからかおうとしていたのだ。
正直、俺はすぐに見抜けたんだけど……ロミーナは引っかかってしまったらしい。
「も、もう! ひどいよ、ふたりとも!」
「「申し訳ありません」」
謝罪する声も見事に重なっている。
すっかり仲良くなったなぁ、このふたり。
そんなやりとりの途中でふと視線を階段近くにまで移すと、そこにはひとりの女子生徒が立っていた。
「あれは……」
その子は俺と目が合うとすぐに立ち去っていったが……間違いない。ロミーナのふたりいる姉のうちのひとりで、次女のカテリノさんだ。
一体何をしに来たのだろう。
ロビーに用があったけど、俺たちがいたからあきらめた?
……いや、あの人はそういうタイプじゃない。
ここにロミーナがいると分かったら率先して嫌味を言いに来るタイプだからな。
むしろ突っ込んでこないことの方に違和感を覚える。
一抹の不安を覚えつつ、体験入学初日の夜は過ぎていくのだった。
「はあ……疲れたな」
「本当ね」
最後は希望者を招いて寮での宿泊体験。
俺とロミーナは寮の部屋で寝てみたいという純粋な好奇心からこれに申し込み、今はその寮のロビーでひと休みしている。
当然、護衛騎士を務めるパウリーネさんとモリスさんもそばに控えている。
「ふたりもこの学園の卒業生なんだよね?」
「えぇ」
「懐かしい話ですね」
目を細めるふたり。
きっと、頭の中では当時の様子を思い出して――あ、あれ?
なんかだんだんと険しい表情になっていっているような?
「……モリス、そういえばおまえとの実戦演習勝敗は五分のままだったな」
「うむ。俺も今それを思い出していた」
「いい機会だ。ここらで決着をつけないか?」
「ふっ、考えることは同じだな。昼間のアズベル様たちの演習を見て触発されたのだろう?」
「分かっているじゃないか」
両者の間にバチバチと火花が飛び散る。
突然始まった険悪なムードに、ロミーナが慌てて飛びだした。
「ダ、ダメだよ! ここでケンカなんてしたら!」
「ロミーナ様がそうおっしゃられるのであれば」
「私も同意見ですな」
「えっ? あ、あれ?」
今にも剣を抜いて戦いだしそうな闘気を放っておきながら、ロミーナが間に入って制止すると途端に穏やかになるふたり。
――そう。
ふたりは俺たちをからかおうとしていたのだ。
正直、俺はすぐに見抜けたんだけど……ロミーナは引っかかってしまったらしい。
「も、もう! ひどいよ、ふたりとも!」
「「申し訳ありません」」
謝罪する声も見事に重なっている。
すっかり仲良くなったなぁ、このふたり。
そんなやりとりの途中でふと視線を階段近くにまで移すと、そこにはひとりの女子生徒が立っていた。
「あれは……」
その子は俺と目が合うとすぐに立ち去っていったが……間違いない。ロミーナのふたりいる姉のうちのひとりで、次女のカテリノさんだ。
一体何をしに来たのだろう。
ロビーに用があったけど、俺たちがいたからあきらめた?
……いや、あの人はそういうタイプじゃない。
ここにロミーナがいると分かったら率先して嫌味を言いに来るタイプだからな。
むしろ突っ込んでこないことの方に違和感を覚える。
一抹の不安を覚えつつ、体験入学初日の夜は過ぎていくのだった。
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