27 / 35
連載
第100話 朝の異変
しおりを挟む
学園での一夜が明け、屋敷へ戻るための帰り支度をパウリーネさんやモリスさんにも手伝ってもらいながらしていたのだが、その途中で何やら外が騒がしいことに気づく。
「なんだ?」
「何かトラブルかしら」
量の外へ出た瞬間、俺もロミーナも言葉を失った。
「こ、これは……」
見上げた先にあるのは青空――ではなかった。
空はある。
問題は……その色だ。
「紫色の空なんて始めて見るわ……」
思わずロミーナが口にしたように、空は俺たちがこれまでに見たことがない紫色へと変わっていた。
学園側も想定外の事態が発生したと教職員たちが慌ただしく走り回っていた。
そのうちのひとりが学生寮へとやってきて「次の指示があるまで待機しておくように」と告げられる。
モリスさんが詳しい事情を尋ねたが、結局明確な回答は得られず、職員は次の対応のため足早に去っていった。
「まいりましたな。これでは今日中に帰るのは無理かもしれませんね」
「帰るどころか、学園から出られるかどうかさえ不透明ですね」
俺たちにそう説明するモリスさんとパウリーネさん――が、不思議と「そうなんだ」と受け入れてしまえるのは最近起きた出来事がいろいろとショッキングすぎるからかな。
しかし、まずい状況というのに変わりはない。
周りの学生たちの話を聞く限り、あれは恐らく結界魔法の類。
この学園から外へ出られなくするためのものらしいが……問題は誰がなんの目的であれを設置したかだ。
もしかして……俺やロミーナを閉じ込めておくため?
前から俺たちを狙っていたヤツが、とうとう学園にまで手を出してきたか。
「アズベル様、ロミーナ様、私とパウリーネから離れないようにしてください」
モリスさんは事態を察知し、俺たちの安全確保に動く。
これは今日中に帰れるかどうかの話じゃなくなってくるな。
「とりあえず、寮のロビーにいれば人も大勢いるし安全ね」
「いえ、この人だかりに紛れ込んで近づいてくる者も――むっ!」
パウリーネさんが何かに反応して振り返る。
そこにいたのは、
「ふたりともご無事ですか!?」
騒ぎを聞きつけてやってきたカルロだった。
彼のことを知るパウリーネさんは「申し訳ありません」と謝罪し、彼を改めて俺たちの方へと呼び寄せる。
「カルロ、何が起きたか知っているか?」
「空の色が変わって、それが結界魔法の影響によるものだとしか……」
俺たちと同じってわけか。
一体、何をしようっていうんだ?
「なんだ?」
「何かトラブルかしら」
量の外へ出た瞬間、俺もロミーナも言葉を失った。
「こ、これは……」
見上げた先にあるのは青空――ではなかった。
空はある。
問題は……その色だ。
「紫色の空なんて始めて見るわ……」
思わずロミーナが口にしたように、空は俺たちがこれまでに見たことがない紫色へと変わっていた。
学園側も想定外の事態が発生したと教職員たちが慌ただしく走り回っていた。
そのうちのひとりが学生寮へとやってきて「次の指示があるまで待機しておくように」と告げられる。
モリスさんが詳しい事情を尋ねたが、結局明確な回答は得られず、職員は次の対応のため足早に去っていった。
「まいりましたな。これでは今日中に帰るのは無理かもしれませんね」
「帰るどころか、学園から出られるかどうかさえ不透明ですね」
俺たちにそう説明するモリスさんとパウリーネさん――が、不思議と「そうなんだ」と受け入れてしまえるのは最近起きた出来事がいろいろとショッキングすぎるからかな。
しかし、まずい状況というのに変わりはない。
周りの学生たちの話を聞く限り、あれは恐らく結界魔法の類。
この学園から外へ出られなくするためのものらしいが……問題は誰がなんの目的であれを設置したかだ。
もしかして……俺やロミーナを閉じ込めておくため?
前から俺たちを狙っていたヤツが、とうとう学園にまで手を出してきたか。
「アズベル様、ロミーナ様、私とパウリーネから離れないようにしてください」
モリスさんは事態を察知し、俺たちの安全確保に動く。
これは今日中に帰れるかどうかの話じゃなくなってくるな。
「とりあえず、寮のロビーにいれば人も大勢いるし安全ね」
「いえ、この人だかりに紛れ込んで近づいてくる者も――むっ!」
パウリーネさんが何かに反応して振り返る。
そこにいたのは、
「ふたりともご無事ですか!?」
騒ぎを聞きつけてやってきたカルロだった。
彼のことを知るパウリーネさんは「申し訳ありません」と謝罪し、彼を改めて俺たちの方へと呼び寄せる。
「カルロ、何が起きたか知っているか?」
「空の色が変わって、それが結界魔法の影響によるものだとしか……」
俺たちと同じってわけか。
一体、何をしようっていうんだ?
98
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私に姉など居ませんが?
山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」
「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」
「ありがとう」
私は婚約者スティーブと結婚破棄した。
書類にサインをし、慰謝料も請求した。
「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。