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小さな手の祈り(ユージン視点)
しおりを挟むぼくは、しってる。
おかあしゃまは、ねてるけど、ほんとうは、ないてる。
だれもきづかないけど、ぼくにはわかるんだ。
おとうしゃまって、よんじゃいけないって、いわれたけど、でも、ぼくのこころが、さけんでる。
「おとうしゃま、ぼくをみて」って。
きのう、おとうしゃまが、ぼくに剣をくれた。
「昔、俺が使っていたものだ」って。
ぼくは、うれしくて、でもちょっとこわかった。
だって、ほんとうは、ぼくのことをおぼえてないんだ。
でも、パンを食べたとき、おとうしゃまが言った。
「昔、誰かが焼いてくれた味に似ている」
そのとき、ぼくの胸が、ぽっとあったかくなった。
おかあしゃまは、まだ話せない。
ぼくも、ほんとうのことを言っちゃいけないって、わかってる。
でも、夜になると、夢の中で誰かが言うんだ。
「ユージン、君の願いは何?」
ぼくは、こたえる。
「おかあしゃまが、わらってくれること」
「おとうしゃまが、ぼくをだっこしてくれること」
「3人で、ずっといっしょにいること」
その人は、きらきらしてて、ちょっとこわいけど、やさしい声だった。
「その願い、叶えるには、君が動かなきゃいけないよ」
ぼくは、うなずいた。
小さな手でも、できることがあるって、信じてる。
だから、ぼくは、動き出す。
おかあしゃまのために。
おとうしゃまのために。
そして、ぼくのために。
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