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1話
しおりを挟む櫻田夏鈴22歳
同じ会社で付き合って3ヶ月、ある日チョイ、イケメン彼氏が言い放った。
夏目勇斗23歳
「ごめん別れてください」
一応、すまなさそうに、しているが早く返事くれよの顔が、ムカついた。
それも、会社のホールでだ。
男女とわず立ち止まり2人を見学している。
まるで、社内ドラマの公開収録でも始まったかのように、みんなが固唾をのんで見守っていた。
誰も声を出さない。
コピー機の音も止まり、空調の風だけが静かに流れている。
初めは好きでは、なかったが、ハキハキしていて素っ気無いとこが好ましく思えた。
だいたい付き合って、くださいと言ってきたのは、お前だ。勇斗!
それなのに今私に、別れを告げているのか。
「エッ付き合って、まだ3ヶ月よ?」
たった3ヶ月。されど、3ヶ月だ。
私に、とって幸せな毎朝で、挨拶するだけで、ドキドキしてたのに、昼休みの会話、帰り道の沈黙、全部が私の中では、恋心満点だった。
確かに“恋人”だと思えていたのに。
それを、勇斗、お前は、こんなふうに終わらせるのかよ。
勇斗、あなたは初めから終わりまで、何も見えていなかったのか?
何でも、いいから早く別れてくれよ。
「短さは関係ないだろう?」
「この短期間で私の、何が分かったのよ」
「分かる解らないでわなくて、今の彼女直ぐさせてくれたし、お前は結婚してからとか、今時そんな女いないぞ」
凄く最低の言葉を今言ったな。
何か知らないが、無性に殴りたくなった。
それもグゥでだ、今しかない。
ファイテングポーズをとり、グーで彼の頬を殴った。
殴った、手がジンジンと痛んだ。
心の奥の重さは少しだけ軽くなった。
でも、それ以上に胸の奥がずっと重く伸し掛かった。
あの言葉を、彼から告げられた瞬間、私達の関係は終わったのだと、悟った。
勇斗の顔を見ても、怒りも、愛情の欠片も無いことに気がついた。
それでも、殴った手の痛みが、私に、もう一度殴るんだ夏鈴ーー。
バコーンと響いた。
男はホール中央まで飛んでいた。
痛いぞ、頬を殴ったのか?
ホールの空気が、殴った音の余韻を吸い込んで、静かに沈んでいく。
「よくも俺を殴ったな」
「やかましい、もう1回殴るぞ」
そこえ、彼の彼女になる予定の、柊木梅子が彼にそっとハンカチを渡している。
「痛いよね、何故こんな酷いことが出来るの?殴るなら私を殴って」
そう言いながら彼の前に出て庇ったのだ。
「よし、この男よりは、まだましだな」
指をバキバキ音をならしながら。
ファイテングポーズをとり、グーで殴った。
さっきより、3倍の強さだ。
バコーンバコーンバコーン3回殴りたおした。
死なない程度だから安心してくれ。
「勇斗、お前の愛人は、大した事ないな」
「梅子、生きてるか?愛人ではないぞ」
梅子は誤解した。
私は婚約者なのね、指輪は、まだだけど、あの女の指輪より大きのを買ってもらうわ!
彼の頬にハンカチを当てながら、梅子はうっとりと、つぶやいた。
「私の婚約指輪は、ダイヤが3つ並んでるやつがいいな。あの女のより、ずっと目立つやつが欲しいわ」
勇斗は何も言わず、ただ血を拭いていた。
「そうか、ならば婚約者か?」と、夏鈴は聞いてみた。
「それも違う」
勇斗は、やるだけの相手何て、言えないと心の声で呟いていた。
エッ婚約者は違うの?梅子ショック。
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