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幼年期
#15 偶然
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砂埃の元へ向かうと、貴族らしき子供を後ろに庇った騎士と中等部の生徒が対峙していた。
どうやら砂埃を起こしたのは騎士の剣が起こした風圧らしい。
「レック様の未来を愚弄するなど!!許さん!!」
「え、ちょ、ちょっと待ってください?たかが占いで…」
「問答無用!」
「あぶね!なにするんですか!」
これは酷いケンカになる前に割って入るしかねぇな。
まぁもうすでに危ない状況だけど。
俺とターシャは二人の間に割って入り話を聞くことにする。
「はい、警備係です、落ち着いて下さい」
「お話を聞かせてもらっても?」
「この男が我が主マルート伯爵の御子息、レック様の未来が暗闇だと占ったのだ!どうだ!これは侮辱というものだろう!?」
「ん?マルート?」
「む?なんだ?何か文句があるのか?」
「とりあえず危ないのでちょっとこっちに向けてる剣を仕舞っていただけます?」
「は、はい…ってふざけているのか貴様!…おい、聞いているのか!」
ん?マルート…マルート家…ん~?どこかで聞いたことがあるような…
そこで一つのことを思い出す。
「マルート家って!!姉さんが嫁いだ所じゃないですか!」
「は?」
そこらいったいの空気が、は?という包まれる。
「だからマルート家!!ライル=マルート!!」
大声でそう言うと、騎士の後ろからヒョコっとレック様と呼ばれた少年が顔を出した。
年齢は4歳ぐらい、あどけない顔立ちだが将来はかなりのイケメンになるだろう。
「ミサおねえちゃんをしってるの?」
「もちろん、知ってるとも、僕の自慢のお姉さんだからね」
俺が胸を張ると目の前に立っていたはずの騎士が目の前で跪いた。
「ッ!!まさかこのミダム、ミサ婦人の弟君に剣を向けていたとは…ッ!誠に申し訳ございません、どうぞこの身を煮るなり焼くなりしてください」
「いや、あの…頭を上げてください!!」
するとミダムは顔を上げ、目尻に涙を浮かべた。
「なんっと!寛大な御方だ!流石は麗しきミサ婦人の弟君、このミダム感服致しました、この恩忘れません!」
「は、はぁ…あ、でも問題を起こした以上、規則なので」
そういい俺は拘束用の縄をミダム手首にかけ、縛り、連行する。
「はい、このミダム潔く罪を受け入れましょう、学生の方申し訳ございませんでした、このミダム反省致します」
「はぁ…」
中等部の占い師は急に丸くなったミダムの態度に困惑しながら、連行されていく彼を苦笑いを浮かべながら見送ったのだった。
それから小一時間ミダムは教師から説教を受け、それの見届け人としてそこに残された俺は貴重な時間を他人の説教を聞かされるという地獄のような時間で潰された。
_____________________________________
「連れていかれちゃった…」
レイくんがミダムさんを連れていったが為に私はレック君と二人きりで置いてかれた。
ふむ…どうするかな…
「おねえちゃん、あとどれくらいでミダムはかえってくるの?」
「う~ん一時間は帰って来ないかもね~その間どうしようか?」
まぁ…答えは二つに一つなんだけどね。
「一緒に回ってみようか、魔法祭」
「うん!」
「それじゃあ…出発進行!」
とりあえず私とレック君はレイくんとミダムさんが帰ってくるまで魔法祭を二人で回ることにした。
何か大事な物が無いような気がするけど回ることにした。
「おねえちゃん!!あそこのおみせ!あれ食べたい!!」
レック君がピョンピョンと跳び跳ねてはしゃぐ様子はとても可愛い。
お店の近くまで来て私はようやく大事な物の正体に気付いた。
お金だった、財布を寮に忘れたことが頭からスッポ抜けていた。
どうしよう…
「レック君ごめんね、お姉ちゃんお金お家に置いてきちゃって」
ポリポリと頬を掻きながらレック君に伝える。
「おかねならもってるよ?」
そう言うとレック君は肩から下げているバッグから金貨が10枚ほど入った袋を出した。
太陽の光に照らされた金貨がギラギラと輝いて、私の目に反射する。
ま、まぶしいッ!さ、流石は貴族の息子ッ!持ってる額も量も常人とは桁が違うッ!
あ、でもこのままその袋をバッグから出してたらスリとかに遭うんじゃ…
「あれ?おかねの袋どこにいった?」
「え?早速?」
私とレック君が疑問符を浮かべると、少し前を歩くコートを着た男性がこっちを見て少しニヤッと笑ったのが見えた。
きっとあの人ね、とっちめてやりましょう。
「レック君お金の袋をとった人を見つけたからちょっと捕まえてくるね」
「え?おねえちゃんまっ…」
レック君の返答を聞く前に私は走り出した。
おっと…新しい人の財布をスルつもりですね、そうはさせませんよ。
「残念でした」
私は人混みに紛れようとしている男性の襟を掴み、うつ伏せに倒した後に剣を首筋に突きつけます。
「警備係です、持っているものすべてを出しなさい」
「くっ…」
するとコートの中からたくさんの財布や巾着がドサドサと出てきた。
「これまた沢山スったな…」
私が呆れていると、先輩の警備係の人が近寄ってきたので犯人を預けて、私はあの人が盗った財布や巾着を係に落とし物として預けることにした。
「レック君の袋は…と、あった」
とりあえずレック君の袋をレック君に手渡して、一緒に落とし物係のテントに行くことにした。
こんな風に人知れず犯罪が行われているのだなぁ、勉強になった。
_____________________________________
先生によるミダムに対する説教が終わり俺はやっと解放された。
解放されたは良いけど…ターシャとレック君の姿が見当たらない。
そうして俺はあるものが無いことに気が付いた、財布がポケットから消えていた。
えぇ…盗られたか…クソッ…
落とし物係の所にあるかね…
「えっとミダムさん…ん?」
するとミダムも一生懸命ポケットを漁っている様子だった。
「このミダム、財布を落としてしまったようです」
お前もかよ。
「俺もです、とりあえず落とし物係のテントに行ってみましょう」
「なっ!!このミダムの財布のみならずレイ様の財布まで盗るとは…ッ!!許せん!!」
「いや、盗られたとは決まってないですから」
行きましょう、と苦笑いを浮かべ、俺とミダムは落とし物係のテントを目指し、歩き始めたのだった。
_____________________________________
テントに着くとターシャとレック君が居た。
するとレック君がミダムに気付き、走って近寄ってきた。
「ミダム~!!」
「あぁレック様!何も問題はありませんでしたか?!」
「ん~おかねの袋を男の人にとられた位かな」
「なっ…そんな男許せません!今どこに?…このミダム、その男に一太刀浴びせなければ気が済みません!」
「でもね!おねえちゃんがとりかえしてくれたんだ!かっこよかったよ!」
レック君がターシャの動きを真似して教える。
それを見てターシャは顔を紅潮させる。
「おぉ!!ありがとうございます!!感謝を申し上げたく!」
「いえいえ!」
と二人がペコペコする。
日本人か! と突っ込みが出そうになったがなんとか堪える。
ってか俺…空気じゃね?
するとターシャが俺の方を向いてニヤニヤと笑いながら話しかけてきた。
「レイくん…財布無いでしょ?」
「ま、まぁ…」
まさか…本当に同一人物に盗られてたのかっ?!
するとターシャが俺の財布を掲げた。
「道端に落ちてたよ!」
「いや盗られてないんかい!」
思わず口から出た、そのツッコミは学園中に響いたらしく、後からその事で弄られるとはこの時の俺は知るよしもない。
どうやら砂埃を起こしたのは騎士の剣が起こした風圧らしい。
「レック様の未来を愚弄するなど!!許さん!!」
「え、ちょ、ちょっと待ってください?たかが占いで…」
「問答無用!」
「あぶね!なにするんですか!」
これは酷いケンカになる前に割って入るしかねぇな。
まぁもうすでに危ない状況だけど。
俺とターシャは二人の間に割って入り話を聞くことにする。
「はい、警備係です、落ち着いて下さい」
「お話を聞かせてもらっても?」
「この男が我が主マルート伯爵の御子息、レック様の未来が暗闇だと占ったのだ!どうだ!これは侮辱というものだろう!?」
「ん?マルート?」
「む?なんだ?何か文句があるのか?」
「とりあえず危ないのでちょっとこっちに向けてる剣を仕舞っていただけます?」
「は、はい…ってふざけているのか貴様!…おい、聞いているのか!」
ん?マルート…マルート家…ん~?どこかで聞いたことがあるような…
そこで一つのことを思い出す。
「マルート家って!!姉さんが嫁いだ所じゃないですか!」
「は?」
そこらいったいの空気が、は?という包まれる。
「だからマルート家!!ライル=マルート!!」
大声でそう言うと、騎士の後ろからヒョコっとレック様と呼ばれた少年が顔を出した。
年齢は4歳ぐらい、あどけない顔立ちだが将来はかなりのイケメンになるだろう。
「ミサおねえちゃんをしってるの?」
「もちろん、知ってるとも、僕の自慢のお姉さんだからね」
俺が胸を張ると目の前に立っていたはずの騎士が目の前で跪いた。
「ッ!!まさかこのミダム、ミサ婦人の弟君に剣を向けていたとは…ッ!誠に申し訳ございません、どうぞこの身を煮るなり焼くなりしてください」
「いや、あの…頭を上げてください!!」
するとミダムは顔を上げ、目尻に涙を浮かべた。
「なんっと!寛大な御方だ!流石は麗しきミサ婦人の弟君、このミダム感服致しました、この恩忘れません!」
「は、はぁ…あ、でも問題を起こした以上、規則なので」
そういい俺は拘束用の縄をミダム手首にかけ、縛り、連行する。
「はい、このミダム潔く罪を受け入れましょう、学生の方申し訳ございませんでした、このミダム反省致します」
「はぁ…」
中等部の占い師は急に丸くなったミダムの態度に困惑しながら、連行されていく彼を苦笑いを浮かべながら見送ったのだった。
それから小一時間ミダムは教師から説教を受け、それの見届け人としてそこに残された俺は貴重な時間を他人の説教を聞かされるという地獄のような時間で潰された。
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「連れていかれちゃった…」
レイくんがミダムさんを連れていったが為に私はレック君と二人きりで置いてかれた。
ふむ…どうするかな…
「おねえちゃん、あとどれくらいでミダムはかえってくるの?」
「う~ん一時間は帰って来ないかもね~その間どうしようか?」
まぁ…答えは二つに一つなんだけどね。
「一緒に回ってみようか、魔法祭」
「うん!」
「それじゃあ…出発進行!」
とりあえず私とレック君はレイくんとミダムさんが帰ってくるまで魔法祭を二人で回ることにした。
何か大事な物が無いような気がするけど回ることにした。
「おねえちゃん!!あそこのおみせ!あれ食べたい!!」
レック君がピョンピョンと跳び跳ねてはしゃぐ様子はとても可愛い。
お店の近くまで来て私はようやく大事な物の正体に気付いた。
お金だった、財布を寮に忘れたことが頭からスッポ抜けていた。
どうしよう…
「レック君ごめんね、お姉ちゃんお金お家に置いてきちゃって」
ポリポリと頬を掻きながらレック君に伝える。
「おかねならもってるよ?」
そう言うとレック君は肩から下げているバッグから金貨が10枚ほど入った袋を出した。
太陽の光に照らされた金貨がギラギラと輝いて、私の目に反射する。
ま、まぶしいッ!さ、流石は貴族の息子ッ!持ってる額も量も常人とは桁が違うッ!
あ、でもこのままその袋をバッグから出してたらスリとかに遭うんじゃ…
「あれ?おかねの袋どこにいった?」
「え?早速?」
私とレック君が疑問符を浮かべると、少し前を歩くコートを着た男性がこっちを見て少しニヤッと笑ったのが見えた。
きっとあの人ね、とっちめてやりましょう。
「レック君お金の袋をとった人を見つけたからちょっと捕まえてくるね」
「え?おねえちゃんまっ…」
レック君の返答を聞く前に私は走り出した。
おっと…新しい人の財布をスルつもりですね、そうはさせませんよ。
「残念でした」
私は人混みに紛れようとしている男性の襟を掴み、うつ伏せに倒した後に剣を首筋に突きつけます。
「警備係です、持っているものすべてを出しなさい」
「くっ…」
するとコートの中からたくさんの財布や巾着がドサドサと出てきた。
「これまた沢山スったな…」
私が呆れていると、先輩の警備係の人が近寄ってきたので犯人を預けて、私はあの人が盗った財布や巾着を係に落とし物として預けることにした。
「レック君の袋は…と、あった」
とりあえずレック君の袋をレック君に手渡して、一緒に落とし物係のテントに行くことにした。
こんな風に人知れず犯罪が行われているのだなぁ、勉強になった。
_____________________________________
先生によるミダムに対する説教が終わり俺はやっと解放された。
解放されたは良いけど…ターシャとレック君の姿が見当たらない。
そうして俺はあるものが無いことに気が付いた、財布がポケットから消えていた。
えぇ…盗られたか…クソッ…
落とし物係の所にあるかね…
「えっとミダムさん…ん?」
するとミダムも一生懸命ポケットを漁っている様子だった。
「このミダム、財布を落としてしまったようです」
お前もかよ。
「俺もです、とりあえず落とし物係のテントに行ってみましょう」
「なっ!!このミダムの財布のみならずレイ様の財布まで盗るとは…ッ!!許せん!!」
「いや、盗られたとは決まってないですから」
行きましょう、と苦笑いを浮かべ、俺とミダムは落とし物係のテントを目指し、歩き始めたのだった。
_____________________________________
テントに着くとターシャとレック君が居た。
するとレック君がミダムに気付き、走って近寄ってきた。
「ミダム~!!」
「あぁレック様!何も問題はありませんでしたか?!」
「ん~おかねの袋を男の人にとられた位かな」
「なっ…そんな男許せません!今どこに?…このミダム、その男に一太刀浴びせなければ気が済みません!」
「でもね!おねえちゃんがとりかえしてくれたんだ!かっこよかったよ!」
レック君がターシャの動きを真似して教える。
それを見てターシャは顔を紅潮させる。
「おぉ!!ありがとうございます!!感謝を申し上げたく!」
「いえいえ!」
と二人がペコペコする。
日本人か! と突っ込みが出そうになったがなんとか堪える。
ってか俺…空気じゃね?
するとターシャが俺の方を向いてニヤニヤと笑いながら話しかけてきた。
「レイくん…財布無いでしょ?」
「ま、まぁ…」
まさか…本当に同一人物に盗られてたのかっ?!
するとターシャが俺の財布を掲げた。
「道端に落ちてたよ!」
「いや盗られてないんかい!」
思わず口から出た、そのツッコミは学園中に響いたらしく、後からその事で弄られるとはこの時の俺は知るよしもない。
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