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#1 最初の街
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故郷を出て一日が過ぎ。
まず最初の街【レイクーア】に着いた。
徒歩で3日はかかる道を1日で来れたのは村の牛飼いのおじさんの馬車に乗せてもらえたからだ。
「すみません、助かりました」
「いやいや、良いんだべ、困ったときはお互い様さ~」
カインは礼をして、街の役場へと向かう牛飼いを見送る。
「さて、と」
見送りが終わり、カインは街を見渡す。
レイクーア、別名、水面の街。
街の様子を見た感じ、随分と賑わっているな、とカインは思った。
幼い頃に両親と1度しか来たことが無かったが、ここまで賑やかであったかは正直カインは覚えていない。
だが確実に街行く人々の数は多くなっていると感じた。
「とりあえず宿を探さないと」
カインはそう呟き、宿を求めて、大通りへと出た。
____________________________
「い、1泊、65シルバー!?そんな…!」
「なんだぁ、あんちゃん、そんなびっくりする程じゃないだろ」
「い、いや、だって銀貨65枚って…しかも一泊で…」
カインは大きなため息を吐き、肩を落とした。
父から渡された金は銀貨150枚、150シルバーしかないのだ。
こんな一銭も稼ぎのない状態で所持金の3分の1も費やすわけにはいかない。
どうしたものか…とカインは考え込む。
すると宿主が、疑問の表情を浮かべ、カインに問いかける。
「……?あんちゃん、冒険者じゃあ無いのか?」
「ぼう…けんしゃ?」
「おっと…ただの旅人なのか、すまねぇ、てっきり一攫千金を狙って来た冒険者かと思ってたぜ」
「一攫千金…?何かあるんですか?」
「おっと、これは本当に知らねぇときたか、今、冒険者ギルドが街の近くに出来たダンジョンの攻略に踏み出そうって参加者を募ってんだ。…確か攻略に成功すれば生還者に……150ゴールドだったか」
「150ゴールド!?」
150ゴールド…シルバーでいえば150万シルバー…旅をするには充分すぎる金額が手に入る。
なるほど、一攫千金だ、とカインは思うと共にニヤリと笑った。
今でもベラベラと喋ってくれている宿主の話などカインの耳を通るも、情報が吸収されることなく抜けていく、今カインの頭の中は大金と冒険へのワクワク感で一杯だ。
「___だから今ここまで俺の宿も値段を上げてるってこった、わかったか?あんちゃ…って聞いてたか?」
「親父さん…それってどこ行ったら受けれるんです?」
「そりゃ、冒険者ギルドだが…まさか、行くって言うんじゃねぇよな…?」
「そのまさかですよ」
「無理だ!冒険者でも尻尾巻いて逃げるか帰ってこれなくなっちまってるんだ!ただの旅人に攻略なんて出来るわけねぇ!」「やってみないとわからないですよ、それに何もしないで金がなくなって旅ができなくなるなんて嫌だ」
「……本気なんだな?」
「えぇ」
「じゃあこの宿を出て左の突き当たりの武具屋を訪ねな、オススメの店だ、流石にその格好じゃ戦う前に負けてるようなもんだ」
「ありがとうございます!」
そう言うとカインは宿を飛び出して行った。
「ったく、若いってぇのは良いなぁ…」
そう、宿主は呟き、カウンターに頬杖をついた。
まず最初の街【レイクーア】に着いた。
徒歩で3日はかかる道を1日で来れたのは村の牛飼いのおじさんの馬車に乗せてもらえたからだ。
「すみません、助かりました」
「いやいや、良いんだべ、困ったときはお互い様さ~」
カインは礼をして、街の役場へと向かう牛飼いを見送る。
「さて、と」
見送りが終わり、カインは街を見渡す。
レイクーア、別名、水面の街。
街の様子を見た感じ、随分と賑わっているな、とカインは思った。
幼い頃に両親と1度しか来たことが無かったが、ここまで賑やかであったかは正直カインは覚えていない。
だが確実に街行く人々の数は多くなっていると感じた。
「とりあえず宿を探さないと」
カインはそう呟き、宿を求めて、大通りへと出た。
____________________________
「い、1泊、65シルバー!?そんな…!」
「なんだぁ、あんちゃん、そんなびっくりする程じゃないだろ」
「い、いや、だって銀貨65枚って…しかも一泊で…」
カインは大きなため息を吐き、肩を落とした。
父から渡された金は銀貨150枚、150シルバーしかないのだ。
こんな一銭も稼ぎのない状態で所持金の3分の1も費やすわけにはいかない。
どうしたものか…とカインは考え込む。
すると宿主が、疑問の表情を浮かべ、カインに問いかける。
「……?あんちゃん、冒険者じゃあ無いのか?」
「ぼう…けんしゃ?」
「おっと…ただの旅人なのか、すまねぇ、てっきり一攫千金を狙って来た冒険者かと思ってたぜ」
「一攫千金…?何かあるんですか?」
「おっと、これは本当に知らねぇときたか、今、冒険者ギルドが街の近くに出来たダンジョンの攻略に踏み出そうって参加者を募ってんだ。…確か攻略に成功すれば生還者に……150ゴールドだったか」
「150ゴールド!?」
150ゴールド…シルバーでいえば150万シルバー…旅をするには充分すぎる金額が手に入る。
なるほど、一攫千金だ、とカインは思うと共にニヤリと笑った。
今でもベラベラと喋ってくれている宿主の話などカインの耳を通るも、情報が吸収されることなく抜けていく、今カインの頭の中は大金と冒険へのワクワク感で一杯だ。
「___だから今ここまで俺の宿も値段を上げてるってこった、わかったか?あんちゃ…って聞いてたか?」
「親父さん…それってどこ行ったら受けれるんです?」
「そりゃ、冒険者ギルドだが…まさか、行くって言うんじゃねぇよな…?」
「そのまさかですよ」
「無理だ!冒険者でも尻尾巻いて逃げるか帰ってこれなくなっちまってるんだ!ただの旅人に攻略なんて出来るわけねぇ!」「やってみないとわからないですよ、それに何もしないで金がなくなって旅ができなくなるなんて嫌だ」
「……本気なんだな?」
「えぇ」
「じゃあこの宿を出て左の突き当たりの武具屋を訪ねな、オススメの店だ、流石にその格好じゃ戦う前に負けてるようなもんだ」
「ありがとうございます!」
そう言うとカインは宿を飛び出して行った。
「ったく、若いってぇのは良いなぁ…」
そう、宿主は呟き、カウンターに頬杖をついた。
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