彷徨えるジパング~蒙古襲来編~

花田 一劫

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第9章 我が国はどうする?

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総理大臣を始めとする与党の幹部達が集まり、世界各国と連絡が全くつかない中、(勝手に)日本国の領海に来た者、この侵犯者達への我が国の対応について協議を始め半日が過ぎたが結論が出ないでいた。

「やはり、木造の船からして北興国からの避難民だ。間違いない。彼らが武器を持っているのは、日本人が怖いだけで、こちらが(武器を持たず)無手で向かえば、笑顔になろう。助けるしかない。人命救助が最優先だ。」と得意げに言い出すお人よしの老いた議員。
「いやいや、中央国殿が我が国が良好なる国交が出来るかどうか試しをしようとしている。即ち中央国殿に忠誠心があるかどうかだ。彼らを温かく迎えるべきだ。」と親中央国派の矢橋内閣官房長官が周りを説得しだした。それに呼応するように、親中央国派の親玉であるデジタル大臣の小屋浦は、「(中央国の)お世話になっている(議員)先生の方々が多くいらっしゃると思われますが、(中央国に逆らうと)どうなるかはお分かりになりますよねぇ。」と丁寧ながら恫喝めいた言葉で言い、更に、「我が党(事由政策党)の名前をいっそのこと中央国従属党にしようじゃないか。」と息巻いたが、流石に多くの国民支持者からの非難が出ることが想定されるため会議室内はシーンとなった。

その暗くなった会議室内の空気を変えるため霜川外務大臣が慮り、「総理のお考えは如何でしょうか?」と橘田総理大臣へ問うた。
「貢物(中央国の利益となる電力再エネ賦課金)を大幅に増やさなかったのが、(中央国の)怒りにふれ、我が党が慌てふためくような強硬手段に出てきたのかも知れない。もっと(日本国民から)搾取しなければならない。彼ら(侵犯者達)に対しては穏便に…。穏便にいきましょう。海上保安庁の瀬川長官へ(侵犯者達には)丁寧に当たるよう伝えてください。決して争いにならぬように。低姿勢で。」橘田の何時もの大国に対する弱気な発言だった。

若手幹部議員から、「何故に人口衛星が消えていたのか原因は分かりましたでしょうか。」と総理に尋ねた。
「人口衛星がロケット等で撃墜された形跡もないし、機器の不具合で落下したことも考えられるが、同時期に全ての人口衛星がなるとは考えられない。後、考えられるとしたら、人口衛星がハッキング等により乗っ取られたか。だが今のところは究明できない。と言う回答がJAXAから連絡があったが。」と答えた。

誰一人として歴史専門家の我妻先生が考える推測(日本の国土のタイムスリップ)の話は一切出なかった。

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