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第2章 陛下の忍び
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「遠路ご苦労だが。急な用件とはなんじゃ?」
宮中の奥まった部屋の一室で、侍従長の西園寺公望(明治天皇の実弟)が目の前で跪いてる男に問うた。
「(明治天皇)陛下へ直接ご報告をしたい儀がございます。」と男が片膝のままの姿勢で答えた。
「陸軍が旅順要塞を奪取した話は、お主の配下から我(われ)に詳細報告(軍の話を盛った報告でなく真実の戦記)があり、既に陛下へお伝えしているが…。わざわざ八瀬童子はんの棟梁がくる話でもなかろうに。」
西園寺は八瀬童子の棟梁が更にお金(報酬)をねだりに来たと思い、億劫に答えた。
八瀬童子の棟梁は目を上げ西園寺を見据えて言った。
「乃木希典大将を海上にて暗殺する計画がございます。」
西園寺は仰天し、「不届きな輩は、コロシア帝国船か?大韓帝国船?それとも清々国船か?」と聞いた。
「違います。我が大日本帝国軍です。」
「海軍か…。乃木(陸軍)の大勝利が気に入らないのか。」
「いえ違います。陸軍です。」
西園寺は絶句し…うろたえたが気を持ち直して棟梁に聞いた。
「何故に…。その情報は確かか。」
「間違いはございません。乃木大将が乗った船を偽装した大韓帝国の民間船で衝突させ爆破させる計画です。」
「乃木大将の大勝利なのに…。」
「嫉妬している御仁が陸軍に多くの人数が近くにいらっしゃると言うことです。」
「誰が加担しているのか?」
「大日本帝国軍全体が転覆することに繋がりますので、ご容赦ください。」
「何か良い算段はないのか。」
「海軍へ助けをお借りするのは、如何でしょうか。東郷平八郎司令官に事情を話し戦艦三笠に乃木大将を同乗させたら、陸軍も迂闊に手を出せないのではないか。と、思慮します。」
「あい分かった。陛下にご裁断を仰ぐことにしよう。」
その後、陛下へご報告のところ、陛下のアイデアで、陸軍(乃木大将)の英雄を海軍の英雄(東郷大将)がバトン(日露戦争)を受け取りに戦艦三笠で出向き、民間報道員も乗せ二人の写真やインタビューを行うことになった。
思った通りに大韓帝国の民間船が500m先を走行して戦艦三笠へ近づいてきたが、三笠が大砲の砲身を民間船へ向け、その上、甲板には船員20名が一斉に膝をつき民間船へ銃を構えた。秋山真之中佐(参謀)が不審な民間船を睨みながら、「総員、撃ち方用意。」と、毅然とした声で指示をした。
船員皆、銃のトリガーに人差し指をそっと当て、何時でも発砲できる態勢をとった。
その三笠の整然とした態度を観て、不審な民間船は、それ以上近づいて来れなくなり三笠から離れていった。
この情報をもたらした八瀬童子とは室町時代より天皇家に使え駕輿丁役(輿を担ぐ役)や影役(忍者)を務めている軍団であった。
八瀬童子の由来は酒吞童子(鬼)の子孫と称され、歴代の支配者達(織田信長、豊臣秀吉、徳川家康等)からは天皇家の忍びとして危惧されていた。
明治時代以降も皇室との関わりが深く八瀬童子は大正天皇の棺を担ぎ、昭和天皇の(棺の担ぎ手が人から自動車に変わった)大喪の礼には八瀬童子会の会長が参列したり、現代(2023年)でも、京都三大祭である葵祭のお輿を支える役を八瀬童子の約90人が担っていた。
それは現代の表向きの顔。本当の姿は…。
宮中の奥まった部屋の一室で、侍従長の西園寺公望(明治天皇の実弟)が目の前で跪いてる男に問うた。
「(明治天皇)陛下へ直接ご報告をしたい儀がございます。」と男が片膝のままの姿勢で答えた。
「陸軍が旅順要塞を奪取した話は、お主の配下から我(われ)に詳細報告(軍の話を盛った報告でなく真実の戦記)があり、既に陛下へお伝えしているが…。わざわざ八瀬童子はんの棟梁がくる話でもなかろうに。」
西園寺は八瀬童子の棟梁が更にお金(報酬)をねだりに来たと思い、億劫に答えた。
八瀬童子の棟梁は目を上げ西園寺を見据えて言った。
「乃木希典大将を海上にて暗殺する計画がございます。」
西園寺は仰天し、「不届きな輩は、コロシア帝国船か?大韓帝国船?それとも清々国船か?」と聞いた。
「違います。我が大日本帝国軍です。」
「海軍か…。乃木(陸軍)の大勝利が気に入らないのか。」
「いえ違います。陸軍です。」
西園寺は絶句し…うろたえたが気を持ち直して棟梁に聞いた。
「何故に…。その情報は確かか。」
「間違いはございません。乃木大将が乗った船を偽装した大韓帝国の民間船で衝突させ爆破させる計画です。」
「乃木大将の大勝利なのに…。」
「嫉妬している御仁が陸軍に多くの人数が近くにいらっしゃると言うことです。」
「誰が加担しているのか?」
「大日本帝国軍全体が転覆することに繋がりますので、ご容赦ください。」
「何か良い算段はないのか。」
「海軍へ助けをお借りするのは、如何でしょうか。東郷平八郎司令官に事情を話し戦艦三笠に乃木大将を同乗させたら、陸軍も迂闊に手を出せないのではないか。と、思慮します。」
「あい分かった。陛下にご裁断を仰ぐことにしよう。」
その後、陛下へご報告のところ、陛下のアイデアで、陸軍(乃木大将)の英雄を海軍の英雄(東郷大将)がバトン(日露戦争)を受け取りに戦艦三笠で出向き、民間報道員も乗せ二人の写真やインタビューを行うことになった。
思った通りに大韓帝国の民間船が500m先を走行して戦艦三笠へ近づいてきたが、三笠が大砲の砲身を民間船へ向け、その上、甲板には船員20名が一斉に膝をつき民間船へ銃を構えた。秋山真之中佐(参謀)が不審な民間船を睨みながら、「総員、撃ち方用意。」と、毅然とした声で指示をした。
船員皆、銃のトリガーに人差し指をそっと当て、何時でも発砲できる態勢をとった。
その三笠の整然とした態度を観て、不審な民間船は、それ以上近づいて来れなくなり三笠から離れていった。
この情報をもたらした八瀬童子とは室町時代より天皇家に使え駕輿丁役(輿を担ぐ役)や影役(忍者)を務めている軍団であった。
八瀬童子の由来は酒吞童子(鬼)の子孫と称され、歴代の支配者達(織田信長、豊臣秀吉、徳川家康等)からは天皇家の忍びとして危惧されていた。
明治時代以降も皇室との関わりが深く八瀬童子は大正天皇の棺を担ぎ、昭和天皇の(棺の担ぎ手が人から自動車に変わった)大喪の礼には八瀬童子会の会長が参列したり、現代(2023年)でも、京都三大祭である葵祭のお輿を支える役を八瀬童子の約90人が担っていた。
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