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第49話 ぼく、すごく小さい!?
しおりを挟む「ファランさま、あれ、あれはなんですか!?」
正面の壁に、どーんと、深い色の布がかかったなにか。
ぼくより、ファランさまより、たぶん大きな大人の人より、もっとずっと背が高い。
なんだろぉぉ? ひみつの像とか!?
「ああ、これはだな――」
ファランさまスタスタっと近づいて、バサッと布をとってしまった。
「えっ――あわわ」
ファランさまの突然のバサッに、目がパチパチだ。
そこにあったのは、すこし丸くて、ふちがぐるりと飾られた、しぶーい金色の――
「すごぉぉぉい。ぼく、こんな大きなかがみ、はじめてみましたっ!」
「そうだろう。これより大きいのは、他になかなか無いからな」
ファランさまが、鏡の前を指して、どうぞ、としてくれる。
「えっ、えっ!」
「……?」
「ファランさま、これ……ぼくがうつっていいやつですか……!?」
思わず、逆にちょっと後退る。
ほら、あるかもしれないから! 王族しかうつちゃダメな鏡とか!
「ああ、もちろん、かまわない。せっかくだから見てごらん」
「え、わぁ……はい」
ドキドキドキ……そう言われると、ちょっと好奇心に勝てない。
そろろーっと近づいて、よこから……チラ。
「はわわ……」
そしてすぐ隠れる。
「はは、なにをしている。遠慮しなくていいのだぞ?」
「は、はいぃぃ」
「それともこわいか? 向こうになにもいないぞ?」
「ふえっ!」
そ、そんなこと言われたら急にちょっと怖くなってきたぁ!
「そうか、では――」
すると、ファランさまがさっと鏡の前に出て、全身が鏡に映し出された。
「わぁ、なんかカッコいい!」
おっっきい、すごくきれいな装飾に囲まれたピカピカの鏡に映るファランさまが、なんか一段とカッコよく見えた。
「はは、ほら平気だろう?」
ちら、とこちらを見て、またさっと場所を譲ってくれる。
「はい! じゃあぼくも!」
思い切って、どーんと鏡の前に出てみる。
そして、そーっと正面を見てみると――
「あ」
鏡のなかのぼくも、「あ」と口を開けた。
ちょっとびっくりしたみたいな顔、まん丸になった目。
「どうだ? なんでもないだろう?」
「はい!」
でも、でもでも――
「ファランさま……」
「ん? どうした?」
「かがみに、半分もうつってませんね、ぼく」
鏡の上はずっと部屋の中を映してるだけ。
ぼくが全身で映っても、鏡の下半分だけだ。上はガラ空きで、なんかちょっと……しょんぼり。
「ぼく、すごくちっさく見えるぅ……」
「だが、そのうち大きくなる……きっとな」
なんだか、ファランのお顔が真剣な感じ。
どうかしたのかなぁ?
「……ファランさま?」
「きっとちゃんと大きくなる。だから、心配しなくていい」
「そうですかぁ?」
「ああ、もちろんだ」
おおきく、おおきくかぁ……ぼく、無事に大きくなれる……といいなぁ。
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