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第60話 ぼく、はじめて役に立つ!?
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ファランさまの裾がヒラヒラッとして、待っててくれてる護穎さんたちの塊の中に吸い込まれていって――
「……?」
ふと、止まった。
……あれ?
「サファ――」
くるんと半分回って、ファランさまの顔がぼくを見る。
「え……?」
「……そなた、ひとつ手伝ってはくれないか?」
「えっ!?」
ぼくは、目をパチパチしてファランさまを見る。
「もしよければだが」
「は、はい! あの……」
お手伝い、ってなんだろう? ぼくにできること、ある?
「実は、見る書類がたくさんあるのだが、そなたが手伝ってくれると助かりそうだ」
「えっ、ぼくが、書類?」
「ああ」
えっ……!? ええええっ!? ぼく? ぼくが!?
「ぼくが……? でんかの、書類……? あの、だいじょぶ、ですか?」
え、それ、失敗したらまずいやつでは? っていうか、ファランさま、ぼくに任せて大丈夫なやつですか!?
「ああ、もちろんだ。そなたなら信用できる」
「えっ!」
ファランさまはが、すっと手をあげるのと、ふって笑うのを、じっと見ちゃう。
「そなたが、書類を順番に並べてくれると助かるんだが」
「わ……じゅんばんに!」
それなら……できる、かも?
「だが、ああ……今から散歩だったな。それなら、手伝いをさせては悪いか」
「いえ! ぼく、やりますっ!」
いいの! 散歩なんかいつでもできるんだから! 思わず手もピーンとあげて言っちゃう。
「いいのか?」
「はい! 数字ちゃんとわかるから、並べられますっ!」
アピールもしておこ。
「それは頼もしいな。では、お願いしようか」
「はいっ!」
ひゃぁぁぁ! ぼくが、ファランさまの、おてつだい!
思わず、足が踊りだしちゃいそう。
あ、ダメダメ。ぴょんぴょんしたり、スキップしたりしたら、落ち着きのない子って思われちゃう。
ちゃんとお仕事頼んでも平気な感じに、しっかりした子みたいにしておかないと!
***
「さあ、入って」
「は、はい」
ここ、ファランさまの書斎……!
前に、ハロルドさまの探検で、よくわからない道からキたのと違う、通常の?お勉強とか書類を見るところ、みたい。
なんか本がたくさんあって、どーんと大きい机があって、すっっごく真面目そうな雰囲気。
「はわわ……」
すこし……緊張するかも。
えっと、静かに、バタバタしないように、しずかーに右足、それから左足――
あれ? 手と足、一緒になってる? あれれ?
「はは、固くならなくていい、サファ。大丈夫だ」
「は、はぃ」
「さあ、そこの机と椅子を使うといい」
「あ、はい」
ファランさまの指した方を見ると、いつのまにか小さいけど立派な机と、背もたれのピシッとした椅子が用意されてる。
あれ? いつの間に? さっきまでなかったよね?
もしかして、ぼくが手と足を一緒に出しながらワタワタしてる間に、誰かが準備してくれたってことぉ?
もしかして、手品みたいな感じ? わあ、すっごぉい。
「そなたに頼みたいのは、この書類なんだ」
「は、はい!」
ファランさまは、どーんとした机の上のパキッとした箱から、紙の束を取り出した。
ぼくがいつも読んでる絵本の、3冊分はある。
「わぁ……それを、ぼくに?」
これはもしかして、思った以上に責任重大なやつかも。
背中がシャキーと伸びる。
「この紙の右下、ここを見てほしい」
「はい!」
ファランさまが寄せてくれた紙の束を、そそ、と覗き込む。
「右下に数字があるだろう?」
「はい。――1、2、3……ありますね」
ゆっくりめくってくれる紙の右下には、カチッとした数字がしっかり印刷されている。
「これが、たまに順番になってないところがある」
「わ……なるほど」
「だから、1枚ずつめくって、順番通りに並べ直してほしいのだ」
「1から順番ですね。わかりました! ぼく、がんばります!」
「では、頼む」
「はい! あずかりますっ」
わわわ、はじめてのお手伝い、開始ぃぃぃ! がんばるよ、ぼく!
ファランさまが差し出した紙の束を、受け取って、しっかりがっちりつかむ。
上等そうな紙の束が、ちょっとだけずしっとなる。
たくさんだけど、ちゃんと頑張ればできるはず、うん!
「急がなくていいし、途中まででもかまわない」
「は、はい」
よーーし、がんばるぞっ、ぼく!
「……?」
ふと、止まった。
……あれ?
「サファ――」
くるんと半分回って、ファランさまの顔がぼくを見る。
「え……?」
「……そなた、ひとつ手伝ってはくれないか?」
「えっ!?」
ぼくは、目をパチパチしてファランさまを見る。
「もしよければだが」
「は、はい! あの……」
お手伝い、ってなんだろう? ぼくにできること、ある?
「実は、見る書類がたくさんあるのだが、そなたが手伝ってくれると助かりそうだ」
「えっ、ぼくが、書類?」
「ああ」
えっ……!? ええええっ!? ぼく? ぼくが!?
「ぼくが……? でんかの、書類……? あの、だいじょぶ、ですか?」
え、それ、失敗したらまずいやつでは? っていうか、ファランさま、ぼくに任せて大丈夫なやつですか!?
「ああ、もちろんだ。そなたなら信用できる」
「えっ!」
ファランさまはが、すっと手をあげるのと、ふって笑うのを、じっと見ちゃう。
「そなたが、書類を順番に並べてくれると助かるんだが」
「わ……じゅんばんに!」
それなら……できる、かも?
「だが、ああ……今から散歩だったな。それなら、手伝いをさせては悪いか」
「いえ! ぼく、やりますっ!」
いいの! 散歩なんかいつでもできるんだから! 思わず手もピーンとあげて言っちゃう。
「いいのか?」
「はい! 数字ちゃんとわかるから、並べられますっ!」
アピールもしておこ。
「それは頼もしいな。では、お願いしようか」
「はいっ!」
ひゃぁぁぁ! ぼくが、ファランさまの、おてつだい!
思わず、足が踊りだしちゃいそう。
あ、ダメダメ。ぴょんぴょんしたり、スキップしたりしたら、落ち着きのない子って思われちゃう。
ちゃんとお仕事頼んでも平気な感じに、しっかりした子みたいにしておかないと!
***
「さあ、入って」
「は、はい」
ここ、ファランさまの書斎……!
前に、ハロルドさまの探検で、よくわからない道からキたのと違う、通常の?お勉強とか書類を見るところ、みたい。
なんか本がたくさんあって、どーんと大きい机があって、すっっごく真面目そうな雰囲気。
「はわわ……」
すこし……緊張するかも。
えっと、静かに、バタバタしないように、しずかーに右足、それから左足――
あれ? 手と足、一緒になってる? あれれ?
「はは、固くならなくていい、サファ。大丈夫だ」
「は、はぃ」
「さあ、そこの机と椅子を使うといい」
「あ、はい」
ファランさまの指した方を見ると、いつのまにか小さいけど立派な机と、背もたれのピシッとした椅子が用意されてる。
あれ? いつの間に? さっきまでなかったよね?
もしかして、ぼくが手と足を一緒に出しながらワタワタしてる間に、誰かが準備してくれたってことぉ?
もしかして、手品みたいな感じ? わあ、すっごぉい。
「そなたに頼みたいのは、この書類なんだ」
「は、はい!」
ファランさまは、どーんとした机の上のパキッとした箱から、紙の束を取り出した。
ぼくがいつも読んでる絵本の、3冊分はある。
「わぁ……それを、ぼくに?」
これはもしかして、思った以上に責任重大なやつかも。
背中がシャキーと伸びる。
「この紙の右下、ここを見てほしい」
「はい!」
ファランさまが寄せてくれた紙の束を、そそ、と覗き込む。
「右下に数字があるだろう?」
「はい。――1、2、3……ありますね」
ゆっくりめくってくれる紙の右下には、カチッとした数字がしっかり印刷されている。
「これが、たまに順番になってないところがある」
「わ……なるほど」
「だから、1枚ずつめくって、順番通りに並べ直してほしいのだ」
「1から順番ですね。わかりました! ぼく、がんばります!」
「では、頼む」
「はい! あずかりますっ」
わわわ、はじめてのお手伝い、開始ぃぃぃ! がんばるよ、ぼく!
ファランさまが差し出した紙の束を、受け取って、しっかりがっちりつかむ。
上等そうな紙の束が、ちょっとだけずしっとなる。
たくさんだけど、ちゃんと頑張ればできるはず、うん!
「急がなくていいし、途中まででもかまわない」
「は、はい」
よーーし、がんばるぞっ、ぼく!
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