コレは誰の姫ですか?

月那

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 こっちはまだ、萎えない。いや、萎えるとは思えない。
 涙すら、泣き顔すら、ここまで興奮している恵那のモノにはアゲな材料でしかないらしく。

「涼……涼。ダメだ。もう、俺あっちのベッドで寝るよ。おまえ、このまま一人でこっちで寝な?」
 泣き疲れてぐったりしている涼に言うと、
「やだあ……やだやだ。えな、一緒がいい」とべったりくっついてくる。
「いや、別に部屋が離れるわけじゃなくて。その……だから、俺、このままおまえと一緒に寝たらさ、その……ヤバイわけなんだけど?」
 挿れたい、という本能が抑えきれないわけで。

「やだ……えな、やっぱり僕のこと、嫌いになった? こんな状況なのに、できないなんて……やっぱり僕のこと」
「ならないっつの。もお、まじ勘弁してくれ。俺、おまえのことが好き過ぎるんだよ。だから、このまま一緒に寝たら、絶対無理矢理突っ込みたくなるんだってば」
 思わず本音を言ってしまうと、再び涼が泣き始めた。

 なんだこれ? 何の拷問だ?
 パンツの中、パツパツに勃起したモノを持て余しながら、恵那は天を仰ぐ。
 無理矢理するなんて、あり得ない。ほんとに。
 涼を気持ちよくさせて、それから自分も。それが、絶対だと思ってる。
 だからパンツの中、勃ってる涼のモノを扱いて先にイかせてから、と思っていたのに。
 こんな、自分だけ勃ちまくってるのに、この状態で涼を抱いて何もしないで寝ろってのは、もう拷問以外の何物でもない。

「……別々に寝るなんて、やだ」
 涼は頑固である。
 という事実は、もう恵那だってわかり過ぎるくらい、わかっている。

 こうなったら絶対に手を放さないだろう。
「……わかった。じゃあ、ちょっとだけ譲って貰えるか?」
 最後の手段というか。
 ちょっとだけ、我慢して、貰いたい。
 「?」涼が泣き顔のまま目で問う。

「後ろ向きで、いいから。素股で、ヤらせて?」
 これくらい、赦して欲しい。涼の素肌を感じながら、無理なことはさせないから、お願いだからイかせてほしい。
「?」その意味がわかっていないらしく、相変わらずキョトンとしているから。

 そっとバックハグしてシーツの中に入った。
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