上 下
25 / 38
【7】Sparkle

-5-

しおりを挟む
 なんか、なし崩しに二人して萎えてしまったから。
 で、だからってこの変な空気もすっごい気持ち悪いから。
 俺は、とりあえず田村のモノを指先でつん、と触った。
「志麻さん、俺の、平気で触るようになったよね」
「うん。なんかもー、可愛くて」
 俺が触ると、ぴくん、って元気になるのが、可愛い。
 なので、そのまま握ってやる。
「……俺、志麻さんに触られると、暴発しかねないんだけど」
「俺も、イかせてやろっか?」
「いや、人の話、聞いてる?」
「俺ばっか、イかされてるし」
「だから、それはさ。俺なんかもー、志麻さんのこと触ってるだけで勃っちゃうし、気持ち良すぎてヤバイんだってば」
「でも、直接触った方が気持ちいいだろ?」
 触りながら田村の目を見ると、真っ赤になった。
 うわ、俺の発言で照れるなんて、可愛いが過ぎるだろ。
 嬉しくなったから、ちょっと余裕が出てきた俺はくふくふ笑いながら、
「田村、先っぽがイイ? 根元がイ?」なんて訊いてやる。
 えっちしてる分にはいつだって田村が余裕かましてやがるから、俺としてはもう、翻弄されまくってるわけで。
 たまにはこっちに主導権渡せっつーか、もう奪い取ってやる。
 俺は自分でヌく時みたく、田村の根元を握って扱いた。
 そんで、右手で頭を握り込んでやわやわと捏ねる。
 やってるうちにソレがどんどん硬くなってきて、先端から滲んでくるのがわかったから、なんかほんとに自分で自分のモノ、扱いてる気になってしまって。
 うわー、これ、俺まで勃っちまいそーだ。
 田村の息が激しくなって、俺の体を抱いた。そのまま肩をさわさわと撫でる。
 手の動きはそのまま、俺は田村の唇に吸い付いた。
 そしたら今度は頭を引き寄せられ、激しく舌を絡ませてくる。
 重ねた唇の間で、田村の息が熱くなって。
「……っ……あ……イく!」
 手の中のモノが大きく膨れて爆ぜた。
 びゅっと飛んで出た精液が、俺の腹にかかる。つくづく、若いなーと思う。
「うわ、志麻さん、ごめんね」
 田村が慌ててティッシュでそれを拭いとる。
「あやまんなくて、いいって」
「志麻さん、ダメだってば。マジで、俺志麻さんに触られたらイきたくなくてもイっちゃうんだから」
「若いんだから、何回だってイけんだろ? 何回だってイかせてやるよ?」
 ちょっとニヤニヤしながら言ってやると。
「もー。そーゆーこと、言わないの」
「なんで?」
「志麻さん、もーちょっと上品だと思ってんだけど、俺としては」
「わりーな。俺だって男なんだから、ヤるときゃヤるっつーの」
「じゃあ、朝までこーやってイチャイチャしててもいい?」
「別に、大丈夫だけど?」
 余裕、かまして言う、けど。
 はっきり言って、もう半分眠くて……。
「うそ。いんだってば。志麻さん、遅くまで起きてらんないの、知ってるし」
「人を幼児みたいに言うなや」
「だってもう、欠伸してるもん」
 くっそー。
 全部わかってるみたいな、余裕な田村がすごい、憎たらしい。
「志麻さん。いいから、寝よ? そんかわり、裸で」
「え?」
「このまま、裸のまま、抱き合って、寝たい」
「……それくらいなら、全然、いいよ」
 田村はすっごい嬉しそうに笑って、そのまま俺を抱きしめた。
しおりを挟む
1 / 3

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

男の娘になってしまった僕の、内緒の話

BL / 完結 24h.ポイント:142pt お気に入り:10

一夏の性体験

恋愛 / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:6

キュートなSF、悪魔な親友

BL / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:28

Sugar and salt

BL / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:20

自由を求めて

BL / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:2

最後の個別授業

恋愛 / 完結 24h.ポイント:35pt お気に入り:14

処理中です...