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【4】Crystal
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成親を見送り、普段通りの生活を送った征人はその夜、眠れなくなっていた。
それはベッドに入る直前、カーテンの隙間から見えた月に、成親の涙を思い出してしまったから。
いつだってふわふわと笑って仲間たちに癒しを与えている成親が。
あんなにも切ない涙を流すのを見たのは初めてで。
そんなに長い付き合いではないけれど、馬が合うというか、一緒にいて一番居心地がいいと思える人間に初めて出会ったと思えたのが成親だったから。
その大事な大事な友人が、はらはらと哀しみの涙を零すなんて。
「しょーさんに会えなくなった」
と、絞り出すような声で言った後、溢れてくる涙を拭うこともしないで泣き続ける成親に、征人は見惚れていた。
月の灯りを受けた成親の涙は、その大きな瞳から次々と溢れて輝く。
憔悴した表情なのに、白く透明感のある成親の頬はその涙によってきらきらと輝くのが。
あまりにも綺麗で。
活気に溢れた笑顔や、時折見せるふざけたくふくふ笑いも、全部成親をカラフルに彩るから、誰もがそれに癒されるし、当然自分だって一番好きな表情は笑顔だ。
でも今夜、愛する人の想いを見失って哀しみに涙しているその表情は、きっと他の誰にも見せない神聖なもので。
もしかしたら……いや、きっと。
翔でさえ見たことのない成親のあの時の表情は、征人にはあまりにも美し過ぎた。
切なさに目を伏せ、少し赤くなった眼の縁に溢れる透明な、まるでクリスタルのような大粒の涙が。
膨れ上がって、零れ落ちて。
また溢れては月の灯りを反射して。
だから、言葉を失ってただ見つめることしかできなかった。
どうしていいかわからなくて、触ったら壊れてしまうんじゃないかと思うくらい儚くて。
本当は抱きしめたかった。
腕の中に包み込みたいと、本気で思った。
でも、それをすればきっと自分は彼を穢してしまうと、無意識の中でそんな気がして触れなくて。
なんとかTシャツで拭ったけれど、成親が“ぎゅっとするトコ”なんて言うから、そんなのこっちだってできるもんならやってる、と言いたかった。
抱きしめて、キスして涙を止めることだって、ほんとはしたかったけれど。
そんなこと、できるわけがない。
親友だと思っている成親に対して、そんなことをしたら完全にタガが外れてしまうと思ったから。
翔が“抱いてる”と言っていたけれど、そんなこと自分にはできないと思っていたけれど。
あんなに切ない表情をして、でもなんとか笑って見せる健気な成親に。
征人は“親友”以上のヨコシマな想いが溢れそうになった自分がわかって。
だからこそ、触れなかった。
成親の親友でいたいから。
翔に泣かされた成親を、ヨコシマな想いで穢したくないから。
必死で耐えた自分を褒めてやりたいと思う。
だから……。
どうしようもなく疼く下半身をこっそり処理するのに成親を利用したことは、誰にも言わないから、赦して欲しい。
それはベッドに入る直前、カーテンの隙間から見えた月に、成親の涙を思い出してしまったから。
いつだってふわふわと笑って仲間たちに癒しを与えている成親が。
あんなにも切ない涙を流すのを見たのは初めてで。
そんなに長い付き合いではないけれど、馬が合うというか、一緒にいて一番居心地がいいと思える人間に初めて出会ったと思えたのが成親だったから。
その大事な大事な友人が、はらはらと哀しみの涙を零すなんて。
「しょーさんに会えなくなった」
と、絞り出すような声で言った後、溢れてくる涙を拭うこともしないで泣き続ける成親に、征人は見惚れていた。
月の灯りを受けた成親の涙は、その大きな瞳から次々と溢れて輝く。
憔悴した表情なのに、白く透明感のある成親の頬はその涙によってきらきらと輝くのが。
あまりにも綺麗で。
活気に溢れた笑顔や、時折見せるふざけたくふくふ笑いも、全部成親をカラフルに彩るから、誰もがそれに癒されるし、当然自分だって一番好きな表情は笑顔だ。
でも今夜、愛する人の想いを見失って哀しみに涙しているその表情は、きっと他の誰にも見せない神聖なもので。
もしかしたら……いや、きっと。
翔でさえ見たことのない成親のあの時の表情は、征人にはあまりにも美し過ぎた。
切なさに目を伏せ、少し赤くなった眼の縁に溢れる透明な、まるでクリスタルのような大粒の涙が。
膨れ上がって、零れ落ちて。
また溢れては月の灯りを反射して。
だから、言葉を失ってただ見つめることしかできなかった。
どうしていいかわからなくて、触ったら壊れてしまうんじゃないかと思うくらい儚くて。
本当は抱きしめたかった。
腕の中に包み込みたいと、本気で思った。
でも、それをすればきっと自分は彼を穢してしまうと、無意識の中でそんな気がして触れなくて。
なんとかTシャツで拭ったけれど、成親が“ぎゅっとするトコ”なんて言うから、そんなのこっちだってできるもんならやってる、と言いたかった。
抱きしめて、キスして涙を止めることだって、ほんとはしたかったけれど。
そんなこと、できるわけがない。
親友だと思っている成親に対して、そんなことをしたら完全にタガが外れてしまうと思ったから。
翔が“抱いてる”と言っていたけれど、そんなこと自分にはできないと思っていたけれど。
あんなに切ない表情をして、でもなんとか笑って見せる健気な成親に。
征人は“親友”以上のヨコシマな想いが溢れそうになった自分がわかって。
だからこそ、触れなかった。
成親の親友でいたいから。
翔に泣かされた成親を、ヨコシマな想いで穢したくないから。
必死で耐えた自分を褒めてやりたいと思う。
だから……。
どうしようもなく疼く下半身をこっそり処理するのに成親を利用したことは、誰にも言わないから、赦して欲しい。
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