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【5】Tiger’s-eye
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月が明るい金曜日の夜。
机に向かっていた成親は、翔に会いたくなって。どうしても逢いたくて仕方なくて。
部屋の窓を開けた。
エアコンの効いていた部屋に、外の暑い空気が入ってくる。
夏真っ只中だから、夜だからと言って涼しくなんて全然ない。
でも、開けたかった。
それは片想いしている時に、時々やっていたこと。
お隣、なんていっても配置も間取りも違うから翔の部屋なんて見えるわけがないのはわかっているけれど、でも月を見て同じように翔がこの月を見てたらいいな、なんて妙にロマンチックなことを考えたりして。
でも、まだあの頃は今よりマシだった。
だって、勉強がわからないからっていくらでもラインできたし、電話もできた。
翔の邪魔をしたらいけないと思って、会いにいくことはできなかったけれど、少なくとも声を聴くことはできたから。
だけど今は……。
窓を開けて、月を見上げる。
きっと翔は月なんて見てないだろうけど。
もしかしたら皇の腕の中にいるのかもしれないけど。
それでもまだ、自分は翔のことが好きなんだと思うと、切なくなる。
いっぱい勉強したら、会えるかな。もし、頑張って特進科に転科できたら、会えるかな。
そんなことを考えて机に向かって頑張っていたけど、でも無理で。
翔と同じ学校に入れただけでも奇跡なのに、特進科や、ましてや特選科なんて絶対にあり得ない世界だから。
じゃあもういっそのこと勉強なんかやめちゃおうか、とも思った。
けどそんなことをしたら、誰よりも翔が悲しむだろう。
ちゃんとした成績も、その為の勉強の仕方も、全部翔から教えて貰ったことだし、それが折角身についてるのに、手放すのは勿体ないし。
グダグダ考えていたら、涙が溢れてくる。
どれだけ頑張っても、会えない。
――だってお隣さんだよ。会おうと思えば会えるはずじゃん。
でも、あれから一度も会ってない。
それはきっと、翔が自分のことを避けているから。
翔が、会いたくないって思ってるから。
そう思うと、涙が止まらなくなる。
いつも金曜日は翔が家庭教師をしに来てくれていた日で。
どんなに忙しくても、この日だけは成親を優先してくれていた日だった。
なのに。
「……逢いたいよお」
口にしたら、また涙が零れ落ちた。
本当は声を大にして叫びたい。
だってそれは掛け値なしに本当の気持ちだから。
翔のことが、好きだって気持ちはもう、消えようがないから。
でも、逢えない。
ただただ心の中で叫ぶしか、できない。
翔が逢いたいと思ってくれない以上、それは伝えられない自分だけの一方通行な想いだから。
ぽろぽろと零れ落ちる涙を、Tシャツの裾で拭った。
と、同時にスマホが着信を伝える。
――まーくん、だ。
ずっと、夏休みに入ってからは会えてなくて、電話すら通じなくて。
大会に向けての練習試合や、合宿で毎日部活に明け暮れている征人だから。
この機会を逃したら、また連絡なんて取れなくなると。
思わず、出てしまって。
「ひっさしぶりー! なる、元気ー?」
もっのすごいハイテンションに、涙は止まった。
机に向かっていた成親は、翔に会いたくなって。どうしても逢いたくて仕方なくて。
部屋の窓を開けた。
エアコンの効いていた部屋に、外の暑い空気が入ってくる。
夏真っ只中だから、夜だからと言って涼しくなんて全然ない。
でも、開けたかった。
それは片想いしている時に、時々やっていたこと。
お隣、なんていっても配置も間取りも違うから翔の部屋なんて見えるわけがないのはわかっているけれど、でも月を見て同じように翔がこの月を見てたらいいな、なんて妙にロマンチックなことを考えたりして。
でも、まだあの頃は今よりマシだった。
だって、勉強がわからないからっていくらでもラインできたし、電話もできた。
翔の邪魔をしたらいけないと思って、会いにいくことはできなかったけれど、少なくとも声を聴くことはできたから。
だけど今は……。
窓を開けて、月を見上げる。
きっと翔は月なんて見てないだろうけど。
もしかしたら皇の腕の中にいるのかもしれないけど。
それでもまだ、自分は翔のことが好きなんだと思うと、切なくなる。
いっぱい勉強したら、会えるかな。もし、頑張って特進科に転科できたら、会えるかな。
そんなことを考えて机に向かって頑張っていたけど、でも無理で。
翔と同じ学校に入れただけでも奇跡なのに、特進科や、ましてや特選科なんて絶対にあり得ない世界だから。
じゃあもういっそのこと勉強なんかやめちゃおうか、とも思った。
けどそんなことをしたら、誰よりも翔が悲しむだろう。
ちゃんとした成績も、その為の勉強の仕方も、全部翔から教えて貰ったことだし、それが折角身についてるのに、手放すのは勿体ないし。
グダグダ考えていたら、涙が溢れてくる。
どれだけ頑張っても、会えない。
――だってお隣さんだよ。会おうと思えば会えるはずじゃん。
でも、あれから一度も会ってない。
それはきっと、翔が自分のことを避けているから。
翔が、会いたくないって思ってるから。
そう思うと、涙が止まらなくなる。
いつも金曜日は翔が家庭教師をしに来てくれていた日で。
どんなに忙しくても、この日だけは成親を優先してくれていた日だった。
なのに。
「……逢いたいよお」
口にしたら、また涙が零れ落ちた。
本当は声を大にして叫びたい。
だってそれは掛け値なしに本当の気持ちだから。
翔のことが、好きだって気持ちはもう、消えようがないから。
でも、逢えない。
ただただ心の中で叫ぶしか、できない。
翔が逢いたいと思ってくれない以上、それは伝えられない自分だけの一方通行な想いだから。
ぽろぽろと零れ落ちる涙を、Tシャツの裾で拭った。
と、同時にスマホが着信を伝える。
――まーくん、だ。
ずっと、夏休みに入ってからは会えてなくて、電話すら通じなくて。
大会に向けての練習試合や、合宿で毎日部活に明け暮れている征人だから。
この機会を逃したら、また連絡なんて取れなくなると。
思わず、出てしまって。
「ひっさしぶりー! なる、元気ー?」
もっのすごいハイテンションに、涙は止まった。
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