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flashback
flashback -1-
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あれから。
世間はお盆という時期に入り、そのせいでルカが失恋の傷みに浸る余裕は殆どなかった。
何となれば。
コンビニバイトがやたらと忙しくなったのである。
お盆でお休みする主婦パートさんのシフトまで回って来たおかげで、巡り巡って何故か早朝シフトを余儀無くされたのである。
店にしてみれば、ルカにはお金を貯めるという目的もあるし、リア充できる彼女もなく、暇な大学生としては非常に使い勝手のいい存在である。結果やたらと重宝され、まさに馬車馬の如くシフト上限ギリギリまで働いている、という状況に陥り。
おかげで、休みなく早朝から頑張って練習しているガチ系スポーツサークルの連中に、「もはやヌシだな」と笑い飛ばされているのだった。
大学近くのコンビニ。という便利な場所をバイト先に選んだことを少し後悔しつつも、とりあえず当初の「貯金」目的だけでも果たされればいいか、と根が真面目なだけに、今朝も早起きして店先の掃除などしていた矢先。
「ルカ?」
突然の女性の声。に顔を上げるとそこには。
「深月……」
高校時代の元カノ、というやつである。
早朝には慣れてきたものの、眠いものは眠いわけで、多少ぼんやりしていた目が一気に醒める。
ほんの少しだけ大人っぽくなった彼女も、ルカに驚いて目を見開いていた。
「あ、バイト?」
「うん、バイト」
ルカが店員として制服を着ているので、当たり前なのだが。
そんなすっとんきょうな会話。に、思わず二人で笑う。
「ここ。新しくできた、よね?」
「ああ、春にオープンしたんだよ。俺、そこの工大だから、近いし」
「そーなの?」
「深月は? こんな朝早くにどしたの?」
「私は今から友達と海、泳ぎに行くから。ここの駐車場待ち合わせだし、朝御飯買って行こうと思って」
このコンビニ、割と駐車場が広いので、こういう待ち合わせに使う客は多い。
なので早朝シフトもそんなに暇ではなかったりするのだ。
さっき並べたおにぎりを深月が選んでいる間、掃除を終えて手を洗い、レジへと向かう。
「ちょっと、びっくりした」
深月が選んだ商品はおにぎり二つとペットボトルのお茶。それをルカがレジに通しながら、少し会話する。
再会の驚きも漸く落ち着いたみたいだ。
「俺も」
言って、二人して笑った。
「また、来ていいかな?」
「そりゃ勿論」
当たり前の返事。で、また笑う。
別れた時はこんなに笑える日が来るとは思えなかったけれど、意外とスムーズに会話できている自分に、ルカは深月がちゃんと「過去」なんだ、と思えた。
いつか、ゆかりのこともこうやって「過去」にすることができたなら、その時はまたあの頃のように挨拶のハグもできるかもしれないのだろう。
今はまだ、少しでも気を緩めると甦るゆかりの総てが心を締め付けるけれど。
世間はお盆という時期に入り、そのせいでルカが失恋の傷みに浸る余裕は殆どなかった。
何となれば。
コンビニバイトがやたらと忙しくなったのである。
お盆でお休みする主婦パートさんのシフトまで回って来たおかげで、巡り巡って何故か早朝シフトを余儀無くされたのである。
店にしてみれば、ルカにはお金を貯めるという目的もあるし、リア充できる彼女もなく、暇な大学生としては非常に使い勝手のいい存在である。結果やたらと重宝され、まさに馬車馬の如くシフト上限ギリギリまで働いている、という状況に陥り。
おかげで、休みなく早朝から頑張って練習しているガチ系スポーツサークルの連中に、「もはやヌシだな」と笑い飛ばされているのだった。
大学近くのコンビニ。という便利な場所をバイト先に選んだことを少し後悔しつつも、とりあえず当初の「貯金」目的だけでも果たされればいいか、と根が真面目なだけに、今朝も早起きして店先の掃除などしていた矢先。
「ルカ?」
突然の女性の声。に顔を上げるとそこには。
「深月……」
高校時代の元カノ、というやつである。
早朝には慣れてきたものの、眠いものは眠いわけで、多少ぼんやりしていた目が一気に醒める。
ほんの少しだけ大人っぽくなった彼女も、ルカに驚いて目を見開いていた。
「あ、バイト?」
「うん、バイト」
ルカが店員として制服を着ているので、当たり前なのだが。
そんなすっとんきょうな会話。に、思わず二人で笑う。
「ここ。新しくできた、よね?」
「ああ、春にオープンしたんだよ。俺、そこの工大だから、近いし」
「そーなの?」
「深月は? こんな朝早くにどしたの?」
「私は今から友達と海、泳ぎに行くから。ここの駐車場待ち合わせだし、朝御飯買って行こうと思って」
このコンビニ、割と駐車場が広いので、こういう待ち合わせに使う客は多い。
なので早朝シフトもそんなに暇ではなかったりするのだ。
さっき並べたおにぎりを深月が選んでいる間、掃除を終えて手を洗い、レジへと向かう。
「ちょっと、びっくりした」
深月が選んだ商品はおにぎり二つとペットボトルのお茶。それをルカがレジに通しながら、少し会話する。
再会の驚きも漸く落ち着いたみたいだ。
「俺も」
言って、二人して笑った。
「また、来ていいかな?」
「そりゃ勿論」
当たり前の返事。で、また笑う。
別れた時はこんなに笑える日が来るとは思えなかったけれど、意外とスムーズに会話できている自分に、ルカは深月がちゃんと「過去」なんだ、と思えた。
いつか、ゆかりのこともこうやって「過去」にすることができたなら、その時はまたあの頃のように挨拶のハグもできるかもしれないのだろう。
今はまだ、少しでも気を緩めると甦るゆかりの総てが心を締め付けるけれど。
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