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confusion
confusion -3-
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「ルカ! ごめん、詳細は後でライン入れるから、車お願い!」
二十時ちょっと前、ルカのバイト先に乗り込んで来た美紅がそう言ってキーを強引に押し付けると、返事なんて一切無視して走り去って行った。
正に嵐の如き襲来に、呆然としているルカに店長が、
「最近モテモテだね」
と声をかけてきた。
「やめて下さい、店長。今のは母です」
物凄く不快な表情でルカが答えると。
「じゃあこの間のコは彼女?」
言われて、そう言えば深月がナンパされていた日に黙ったまま帰って、それから何も話していなかったな、と思い出す。
「いや、あれは高校の時の連れです。あんな可愛い子、俺なんて相手にしませんよ」
「確かにかなりの美少女だったねえ。でも、お母さんも美人さんじゃない?」
「それはないです。まあ、若いのは認めますけど。だからよく彼女とか言われて、かなりメーワクしてるんですよ」
陳列ケースに入荷されたパンを並べながら、本当に嫌そうな顔で言ったので店長が笑った。
「ま、でも似てるよね、田所くんに。目元とか」
ちゃんと親子に見えるというフォローのつもりだろうが、ルカにとっては全くフォローになっていなくて。
眉根を寄せてますます不快感を示したルカに、店長は面白そうに笑うと、来客のレジへと戻って行った。
二十代後半の店長は、若いせいか学生バイトともかなり打ち解けていて。しかも清潔感溢れる爽やか系好青年なので(あえてイケメンではない、とは言いづらいのだが)主婦のパートさんたちにも受けはいい。
先日の深月の一件も、根掘り葉掘り詮索することもなく、さらりと流してくれていて。
最近接したルカの周りの“大人”としては、かなり憧れている存在ではある。
だからこそ、多少のシフトの無理も頑張ろうと思えるし、少しずつ責任のある作業を任されることにも、素直に喜べるのだ。
店の状況としても、最近またこの近所に、大手チェーン店の居酒屋や、某大手のカフェなどが増えてきた為、駅への通り道にあるこのコンビニは夕方以降の来客数はかなり増加している。
二十一時を過ぎると酔客もあったりはするが、そうは言っても田舎の新興住宅地であり、都会のようなとんでもないトラブルがあることもなく。
いつものように接客や商品管理をしているうちに深夜シフトの時間へと変わり、ルカは切り上げてタイムカードを押し、バックヤードに下がった。
賄いを探って弁当を一つ貰うと、お茶だけ購入して携帯を開く。
美紅のメッセージともう一件、未読の表示があった。が、とりあえず美紅の用件を先に。
“ごめん、ルカ。今日パートの飲み会なんだけどご飯用意するのに手間取っちゃって、遅刻しそうだったから車使ったの。でも飲みたいから、あとお願い。裏手のコインパーキング、B七十三番に停めてるから、よろしくね”
…………。
俺の愛車はどーしてくれる?
ルカのアシは自転車で、子供の自転車ならともかく、このサイズの自転車が美紅の軽自動車に入るわけもなく。
“明日、バイトに車で送ってけよ”
とりあえず、返事してみた。飲んでいるので気付くかどうかはわからないが。
そしてもう一件のメッセージ。それは深月からだった。
“ルカ、バイト終わったら話あるんだけど。カフェで待ってるから、来て”
何だろう?
さすがにこちらに心当たりはないのだが、差し当たって急ぐ用事もないので、
“今バイト終わったトコ。飯食ったら出るから、ちょっと待ってて”
と返事をして、急いで弁当を平らげる。
深月からは“諒解”のスタンプが返って来たが、美紅からの返事はない。が、まあ明日の話だからよしとしよう。
コンビニを出て、とりあえずコインパーキングへ向かう。駐車代は後で美紅に請求しようとは思うが、深月の待つカフェには無料駐車場があったハズなので、先に車を移動させた。
二十時ちょっと前、ルカのバイト先に乗り込んで来た美紅がそう言ってキーを強引に押し付けると、返事なんて一切無視して走り去って行った。
正に嵐の如き襲来に、呆然としているルカに店長が、
「最近モテモテだね」
と声をかけてきた。
「やめて下さい、店長。今のは母です」
物凄く不快な表情でルカが答えると。
「じゃあこの間のコは彼女?」
言われて、そう言えば深月がナンパされていた日に黙ったまま帰って、それから何も話していなかったな、と思い出す。
「いや、あれは高校の時の連れです。あんな可愛い子、俺なんて相手にしませんよ」
「確かにかなりの美少女だったねえ。でも、お母さんも美人さんじゃない?」
「それはないです。まあ、若いのは認めますけど。だからよく彼女とか言われて、かなりメーワクしてるんですよ」
陳列ケースに入荷されたパンを並べながら、本当に嫌そうな顔で言ったので店長が笑った。
「ま、でも似てるよね、田所くんに。目元とか」
ちゃんと親子に見えるというフォローのつもりだろうが、ルカにとっては全くフォローになっていなくて。
眉根を寄せてますます不快感を示したルカに、店長は面白そうに笑うと、来客のレジへと戻って行った。
二十代後半の店長は、若いせいか学生バイトともかなり打ち解けていて。しかも清潔感溢れる爽やか系好青年なので(あえてイケメンではない、とは言いづらいのだが)主婦のパートさんたちにも受けはいい。
先日の深月の一件も、根掘り葉掘り詮索することもなく、さらりと流してくれていて。
最近接したルカの周りの“大人”としては、かなり憧れている存在ではある。
だからこそ、多少のシフトの無理も頑張ろうと思えるし、少しずつ責任のある作業を任されることにも、素直に喜べるのだ。
店の状況としても、最近またこの近所に、大手チェーン店の居酒屋や、某大手のカフェなどが増えてきた為、駅への通り道にあるこのコンビニは夕方以降の来客数はかなり増加している。
二十一時を過ぎると酔客もあったりはするが、そうは言っても田舎の新興住宅地であり、都会のようなとんでもないトラブルがあることもなく。
いつものように接客や商品管理をしているうちに深夜シフトの時間へと変わり、ルカは切り上げてタイムカードを押し、バックヤードに下がった。
賄いを探って弁当を一つ貰うと、お茶だけ購入して携帯を開く。
美紅のメッセージともう一件、未読の表示があった。が、とりあえず美紅の用件を先に。
“ごめん、ルカ。今日パートの飲み会なんだけどご飯用意するのに手間取っちゃって、遅刻しそうだったから車使ったの。でも飲みたいから、あとお願い。裏手のコインパーキング、B七十三番に停めてるから、よろしくね”
…………。
俺の愛車はどーしてくれる?
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“明日、バイトに車で送ってけよ”
とりあえず、返事してみた。飲んでいるので気付くかどうかはわからないが。
そしてもう一件のメッセージ。それは深月からだった。
“ルカ、バイト終わったら話あるんだけど。カフェで待ってるから、来て”
何だろう?
さすがにこちらに心当たりはないのだが、差し当たって急ぐ用事もないので、
“今バイト終わったトコ。飯食ったら出るから、ちょっと待ってて”
と返事をして、急いで弁当を平らげる。
深月からは“諒解”のスタンプが返って来たが、美紅からの返事はない。が、まあ明日の話だからよしとしよう。
コンビニを出て、とりあえずコインパーキングへ向かう。駐車代は後で美紅に請求しようとは思うが、深月の待つカフェには無料駐車場があったハズなので、先に車を移動させた。
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