キュートな悪魔の甘い蜜

月那

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「りつー。えっちしよー」
 どこぞのトレンディドラマ的なセリフで、鹿倉が律にキスをしてきたのは、半分仕事の時間。

「かぐちゃん!」

 二人きり、という状況ではあるが。
 堀案件の絡みで古い旅館に泊まりで出張、なんて美味しい状況ではあるが、そうは言っても何故ここに泊まるかというのは勿論、仕事の為で。

 以前ここに泊まった堀が、鹿倉が広い和室で一人で寝るのは嫌がるから、三人まとめて一部屋で寝られるように手配しておいた、と言ったのは一週間前。
 律、鹿倉と戸波の三人で当たっていた仕事だったので、当然三人で一緒に泊まる予定だったのだが、急遽田村の業務で戸波も引っ張られることになり、律にとっては嬉し恥ずかし二人でお泊まりという状況になってしまったわけだ。

「いいじゃん、戸波っちいないしー」

 打合せが終わり、そのまま用意されていた食事――とは言えそこでも当然仕事の話をしていたのだが――を終えるとあとは「ゆっくりされて下さいねー」と言われて部屋に通された。

 一応、VIP待遇らしく部屋にはちゃんと露天風呂まで完備されているし、広い部屋には大きな布団が三組敷かれているわけだが。

「なこと、言われても。いつ中津さんが入ってくるかわかんねーだろ」
 従業員がいろいろと世話を焼いてくれるのがわかるので、イマイチ二人きりになれている気になれなくて。
 律は手を出したい気持ちと、冷静に“今はまだ仕事”なんて意識とが綯い交ぜになって、鹿倉のキスに応えられずにいた。

「入ってくるわけねーじゃん。も、こっから先は時間外。ふっつーに客としてタンノーしちゃえばいいってことじゃん」
「あ……ま、そうか。客としての、感想、欲しいよな」
「でしょ? したら、ふっつーのお客様んトコ、ずかずか入って来ないよ」

 だから、えっち、しよ。
 なんて、目が、言ってる。

 鹿倉の可愛くて、一番怖いトコ。
 それはもう、セックスに関するスイッチが入ってしまえば、それにこっちが全く抗えなくなる魅力。いや、それはもはや魔力か。

 布団に、ぼす、と押し倒される。
 そのまま、上から濃厚なキスが降ってくる。
 丸い目が細められ、心の底から“欲しい”と言っていて。

「畳にお布団でえっち、って、たまんないねー」
 無邪気にくふくふ笑いながら、唇の間でそんなことを言う。
 そんなことをされて、律の理性が保てるわけがなく。

 下からその小さな頭を抱き寄せて、唇を合わせて舌を潜り込ませる。
 鹿倉の力がなくなるまで、口の中を貪って。
 自分の上に寄りかかって来た小さな体を抱きしめた。

「重くない?」
「平気」

 日頃、何のために鍛えてるってもう、鹿倉を抱くようになってからは、そのためだけ、と言ってもいいくらいで。
 どうやって鹿倉を善がらせるか。

 どんな体位でも気持ちイイと言わせるためには、どんな筋肉も鍛えてやる、なんて妙な方向に筋トレの目的が向かっているのは、自覚している。

 ある意味、今までの無目的な筋トレより、全然意味がある。
 なんて、自分でもちょっと変態ちっくだな、と笑えるけど。
 律は自分の上に鹿倉を載せたまま、鹿倉を裸にする。
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