【完結】男装令嬢、深い事情により夜だけ王弟殿下の恋人を演じさせられる

千堂みくま

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 ルルシェはふふっと笑い、もう一度王子に口付ける。

「今日は殿下にお願いを聞いてほしくて…………。あのね、殿下。僕、あなたに純潔を捧げたいです」

 イグニスは瞬きもしなかった。目を見開いたまま硬直し、まじまじとルルシェを見ている。目が乾くのではないかと心配になるほどに。

「え? じゅん…………ええ!? それはつまり――い、いいのか!?」

 言動が怪しくなっている。ルルシェはぷっと吹き出しながら言った。

「いいですよ。あなただから……あなたに、貰ってほしいんです」

 数日後、自分はどこでどうなっているか分からない。だから最後の奉公をさせてほしい――こんな本音を伝えたら、イグニスはきっと怒るだろう。

 それを隠すためにわざと卑怯な言い方をした。「あなたに貰ってほしい」なんて、まるでルルシェがイグニスに恋をしているような言い方だ。自分でも最低だと思う。
 だけど……。

(どうか拒まないで。僕の最後の望みを、叶えてください)

 ルルシェはイグニスの肩に腕を回し、必死に視線で訴えた。
 お願い。お願いです――。

 イグニスはしばらく呆然としていたが、「わかったよ」と呟いてキスしてくれた。嬉しくて泣いてしまいそうだ。ルルシェは自分から舌を出して、イグニスの愛撫に応える。いつもは受けとってばかりだったけれど、今夜は彼にも気持ちよくなってほしい。

 キスをしている間にボタンが全てはずされ、下着の紐もほどかれた。イグニスが裸のルルシェを抱き上げて寝台へ運び、自身も服を脱いでいる。服を脱いでいるイグニスを見ていると、これからいよいよ始まるのだという妙な緊張が走った。

「ん、ふ……あふ、う……」

 口の中に侵入してきた肉厚の舌を、懸命に吸って自分の舌も絡ませる。甘く噛んでやると、お返しのように武骨な手が乳房をむにむにと揉んだ。色づいた胸の蕾を指先で捏ねられて、ルルシェの肩がびくりと跳ねる。

「あん……! は、あぁ、やぁ……」

「もっとだ。もっと可愛く啼いてみせてくれ」

 イグニスは嬉しそうに囁き、赤くなった乳首を下から上に向かってぞろりと舐め上げた。悪寒に似た感覚が全身を走り、女の肉体が弓のようにしなる。

「っん……はぁ、あぁう……」

 無意識に太ももを擦り合わせてしまい、それに気づいたイグニスは目を細めた。どういたぶってやろうかと狙う獣のような瞳だった。

(嬉しい、のかな……)

 ルルシェがイグニスの前でだけ乱れる事を、彼は喜んでいる。もういく度となくイグニスと肌を合わせてきて、さすがに鈍いルルシェもその事実に気づき始めていた。

(ひどい事してもいいよ。最後だから、何をしても許してあげる)

 じっとイグニスを見つめていると、彼は躊躇いなくルルシェの股間に手を伸ばして濡れた秘裂をなぞった。

「あっ……!」

「濡れてる」

 いつものように、容赦なく脚を開かされる。太ももの間からイグニスの顔を見るのは何度目だろう。どれだけ経験を積んでも慣れないけれど。

 イグニスの指が銀色の薄い下生えを愛おしそうに撫でて、下に降りていく。蜜が絡まった指は女の入り口をなぞるようにぐるりと動いた。今からここに雄のものを埋め込むのだと教えるように。

「ん……!」

 長い指が一本、つぷりと侵入してきた。まだ何も迎えたことのない狭い蜜路をほぐすように、進んだり引いたりしながら徐々に奥へと埋め込まれていく。

 痛みよりも異物感が強かったが、長い指が前後する内に下腹部がずぅんと重くなってきた。体の深い場所で、大きな波がうねっている。解放されようともがいている。

「はぁっ、あぁ……! ん、あう……ふぁ……っ」

 指が二本に増えた頃には、部屋の中にじゅぷ、ぐちゅ、という淫らな音が響くようになっていた。腹側にあるざらりとした部分を指先がこすると、太ももが痙攣したようにびくびくと動いてしまう。

「あんっ……! や、そこ、さわらな……」

「ここか。ここがいいんだな」

「ちがっ……、ああ! あぁうっ、やめ、はぁあっ……!」

 嫌なのに。体が勝手にびくびくしてしまうのに。
 ルルシェの反応が嬉しかったのか、イグニスはいきなり上体を倒してルルシェの股間に顔を近づけた。

「ひっ……! やぁっ、だめ!」

 蜜孔の弱い部分を指先で刺激されながら、膨らんだ秘玉をぱくりと咥えられる。舌で押しつぶすようにして皮を剥かれ、むき出しになった芯に舌先が触れた瞬間、強烈な快感で目蓋の裏にちかちかと光が瞬いた。

「あぁあ――……っ!!」

 あっけなく頂点へ追いやられ、視界も頭の中も真っ白に染まる。体は脱力しているのに蜜壷が勝手に男の指を食い締め、イグニスが熱っぽいため息をついた。

「ここに挿れたら気持ちがいいだろうな……。本当はもっと丁寧にほぐしてやりたかったが、もう限界だ。挿れさせてくれ」

 膝立ちになったイグニスが、はちきれそうな怒張を見せつけるように片手で掴んだ。臍につきそうな程、元気に勃ち上がっている。

「な、なんか……前より大きく見えます」

「分かるか。最初に勃ち上がった日から、だんだん大きくなってるんだ。こういう事を繰り返すと大きくなるなんて、知らなかったよなあ……」

 しみじみと言う。まあ普通に考えてそんな事は誰も教えてくれないだろうし、男同士で大きさを比べる機会なんてまずないだろう。王子という立場なら尚さら。

 蜜口に先端が潜り込み、肉ひだをにゅくりと掻き分けて太く長いモノが侵入してくる。エラが張った部分が埋め込まれると、ほぐされていてもめりめりとこじ開けられる感覚があった。

「ま、待って……裂けちゃう……!」

「裂けてない。ちゃんと濡れてるから大丈夫だ」

 イグニスが焦れた様子で言った。
 初めて味わう女の蜜壷は雄根に熱く絡みつき、すぐにでも剛直を根元まで埋め込んでやりたい衝動に駆られる。だがルルシェは処女だから、痛みも恐怖もあるだろう。初体験の思い出が痛みだけというのは憐れだ。

 イグニスは自分の欲望と戦いながら騙し騙し腰を押し進めていった。視界にまるく拓いた膣口が雄の象徴を咥え込む様が映る。言葉にできないほど淫靡だった。初めて女を味わうイグニスには刺激が強すぎた。

「っくそ、いやらしいな……! うまそうに俺のを咥えて……っ」

 ちょうど真ん中まで埋め込んだとき、とうとう耐え切れずに腰を叩きつけてしまった。二人の結合部からばちゅっと音が漏れる。

「ひあぁっ! あっ、あん、ああ……! ひぃ、あうぅっ……!」

 イグニスは箍が外れたように腰を振った。これまで抑え付けてきた衝動を解放するかのような激しい動きで、ルルシェは翻弄されるがままに喘ぐしかない。部屋の中にパンッ、パンッと肌を打つ音が鳴り響く。

「いい、すごくいい……っ! 最高だ、ルルシェ……!」

 ぼやけた視界の中で、イグニスが夢中で腰を振っている。快楽に目元を染めながら。まだ膣には引き攣れるような痛みがあったが、それでもルルシェは嬉しかった。

 痛みの代わりに少しずつ快感が増していって、体内で暴れまわる雄根をきゅうっと締め付ける。イグニスは歯を食いしばってその甘い蠢きに耐えていたが、限界を迎えて急いで肉の楔を引き抜いた。

「ああ……」

 肉塊がびくびくと跳ね、ルルシェの腹に白濁をまき散らす。イグニスが満足そうに笑っているのが見えた。

(良かった……。満足してもらえた)

 ちゃんと最後までやり遂げることが出来た。もう何も思い残すことはない。

 ――どうか幸せになってください。
 ルルシェは祈りながら、汗に濡れる主君の体を抱きしめた。
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