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家に連れて帰ったんですけど
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「仕方ない、うちに連れて帰ろ。かなり衰弱してるから休ませないと……。私のカゴはロイクが持ってくれる?」
「うん、いいよ。お父さま達びっくりするだろうね。こんな美少年連れて帰ったらさ」
面白がっている弟を放置して、少年の体を背中に担いだ。私よりは年下だと思うのに意外と重たい。途中に休憩を挟みながら山道を歩き、泉を見つけた時にはロイクに水を飲ませてもらった。
あー熱い。温かいものを背負って歩くのってこんなにしんどいんだ。背中が汗でビショビショ。
重い、重い、熱い!!
下山した私たちは、ふもとに置いていた荷車に布を敷き、その上に少年を寝かせた。これで移動が楽になる。荷車を引いて山道を登るのは厳しいのであきらめていたのだ。
「今日は荷車持ってきて大正解だったね」
「うん。さあ、行くわよ」
取っ手を持った私はうんしょ!と体重を掛けて荷車を引き始めた。ロイクは後ろから押す係である。道を歩いていると、通りすがりの人が荷車に寝かせた少年をしげしげと見ていた。この辺りでは見ないような綺麗な顔の子だから珍しいんだろう。
伯爵家に着いた私たちは裏口から入ることにした。裏口はキッチンに近いから、食材を運ぶにはこちらの方が都合がいいのだ。貧乏なので当然ながら使用人なんかいない。料理を作るのはお母さまか、たまに私。
「ただいまー。お母さま、ちょっと裏口に来てください」
「ええ? どうしたの、運べないような大きな食材でも見つけた?」
母は嬉しそうな顔でこちらにやってくる。何となく申し訳ない気分になった。だって食材ではなくて、行き倒れた男の子だから。
「あまり驚かないでね? 今日、山の中で行き倒れた子を拾ったの」
「え……あらま、綺麗な子。まぁほっとく訳にもいかないし、家に入れてあげましょう。ジョージには後で報告しても大丈夫だと思うわ」
私はホッと胸をなで下ろした。良かった、面倒なんて見れないと言われたらどうしようかと思った。ちなみに、ジョージというのは父の名前である。
私が少年の脇に手を入れて持ち上げ、ロイクには足を持ってもらった。裏口の古い木製のドアを全開にし、少年の体を運び込む。寝室は二階にあるから階段をのぼらなきゃならない。
「もうちょっと体を上げないと、この子の体が階段にぶつかりそうよ」
「んん~重いっ」
私とロイクは二階に上がってすぐの子供部屋に入り、少年の体をベッドに寝かせた。手はブルブルしてるし、足はガクガクだ。全身の筋肉が悲鳴を上げてるような気がする。
少年は全く起きそうにないので、私はキッチンへ向かった。山菜はアク抜きしないと食べられないから母を手伝おうと思ったのだ。
キッチンに入ると母がすでに山菜の水洗いを始めていた。私は井戸から水を汲んできて釜のような大きな鍋に水をたっぷりと入れる。ここに山菜と暖炉の灰を入れて煮込めばアク抜きが出来るのだ。
残ったワラビは塩蔵するため、母が大きな容器に塩とワラビを交互に積み重ねていた。塩漬けすると一年はもつので便利である。
「ふう。ただいま」
「あっ、おかえりお父さま! ねえねえ、今日、山で美少年拾ったんだよ!」
「ええ?」
ロイクが父に飛びつき早口で捲くし立てた。父は馬の世話をしていたのか、服のあちこちに飼い葉を付けている。本当か?どれどれ?とか言いながら二人は二階へ上がっていき、すぐに戻ってきた。父はポカンとしている。
「お父さま、あの子、逃げてきたとか何とか言ってたんです。うちに置いてあげてもいいでしょう?」
「う~ん……まあ、構わんが。とりあえず、あの子が起きたら話を聞いてみよう」
夕飯の前、少年の様子をもう一度見に行った。やっぱり泥のように眠っていて起きる気配がない。
「明日には起きるかなぁ」
「多分ね。とりあえず、私たちだけでご飯にしましょ」
私はロイクと一緒に一回のリビングへ戻り、家族四人で食事を取った。貧乏ゆえにあまり肉は食べられないが、鶏を飼っているので卵は毎日食卓にのぼる。
食事を終えたら順番に浴室で体を洗って寝るだけなのだが、二階に行ってからやっと気付いた。少年を寝かせるために私のベッドを使ったから、私が寝るところがない。
「どうすんの、姉さん」
「んー……ロイクのベッドを持ってきて、このベッドにくっ付けたらどうかな。二つ並べたら三人で寝れるんじゃない?」
私とロイクは隣の部屋からベッドを運び込み、少年が寝ているベッドに並べて置いた。予想通り三人は寝れそうなスペースが出来ている。少年の体をそっと端の方に移動させ、ロイクを真ん中にして寝ることにした。
ああ、体が痛い。明日は筋肉痛になりそう。
「うん、いいよ。お父さま達びっくりするだろうね。こんな美少年連れて帰ったらさ」
面白がっている弟を放置して、少年の体を背中に担いだ。私よりは年下だと思うのに意外と重たい。途中に休憩を挟みながら山道を歩き、泉を見つけた時にはロイクに水を飲ませてもらった。
あー熱い。温かいものを背負って歩くのってこんなにしんどいんだ。背中が汗でビショビショ。
重い、重い、熱い!!
下山した私たちは、ふもとに置いていた荷車に布を敷き、その上に少年を寝かせた。これで移動が楽になる。荷車を引いて山道を登るのは厳しいのであきらめていたのだ。
「今日は荷車持ってきて大正解だったね」
「うん。さあ、行くわよ」
取っ手を持った私はうんしょ!と体重を掛けて荷車を引き始めた。ロイクは後ろから押す係である。道を歩いていると、通りすがりの人が荷車に寝かせた少年をしげしげと見ていた。この辺りでは見ないような綺麗な顔の子だから珍しいんだろう。
伯爵家に着いた私たちは裏口から入ることにした。裏口はキッチンに近いから、食材を運ぶにはこちらの方が都合がいいのだ。貧乏なので当然ながら使用人なんかいない。料理を作るのはお母さまか、たまに私。
「ただいまー。お母さま、ちょっと裏口に来てください」
「ええ? どうしたの、運べないような大きな食材でも見つけた?」
母は嬉しそうな顔でこちらにやってくる。何となく申し訳ない気分になった。だって食材ではなくて、行き倒れた男の子だから。
「あまり驚かないでね? 今日、山の中で行き倒れた子を拾ったの」
「え……あらま、綺麗な子。まぁほっとく訳にもいかないし、家に入れてあげましょう。ジョージには後で報告しても大丈夫だと思うわ」
私はホッと胸をなで下ろした。良かった、面倒なんて見れないと言われたらどうしようかと思った。ちなみに、ジョージというのは父の名前である。
私が少年の脇に手を入れて持ち上げ、ロイクには足を持ってもらった。裏口の古い木製のドアを全開にし、少年の体を運び込む。寝室は二階にあるから階段をのぼらなきゃならない。
「もうちょっと体を上げないと、この子の体が階段にぶつかりそうよ」
「んん~重いっ」
私とロイクは二階に上がってすぐの子供部屋に入り、少年の体をベッドに寝かせた。手はブルブルしてるし、足はガクガクだ。全身の筋肉が悲鳴を上げてるような気がする。
少年は全く起きそうにないので、私はキッチンへ向かった。山菜はアク抜きしないと食べられないから母を手伝おうと思ったのだ。
キッチンに入ると母がすでに山菜の水洗いを始めていた。私は井戸から水を汲んできて釜のような大きな鍋に水をたっぷりと入れる。ここに山菜と暖炉の灰を入れて煮込めばアク抜きが出来るのだ。
残ったワラビは塩蔵するため、母が大きな容器に塩とワラビを交互に積み重ねていた。塩漬けすると一年はもつので便利である。
「ふう。ただいま」
「あっ、おかえりお父さま! ねえねえ、今日、山で美少年拾ったんだよ!」
「ええ?」
ロイクが父に飛びつき早口で捲くし立てた。父は馬の世話をしていたのか、服のあちこちに飼い葉を付けている。本当か?どれどれ?とか言いながら二人は二階へ上がっていき、すぐに戻ってきた。父はポカンとしている。
「お父さま、あの子、逃げてきたとか何とか言ってたんです。うちに置いてあげてもいいでしょう?」
「う~ん……まあ、構わんが。とりあえず、あの子が起きたら話を聞いてみよう」
夕飯の前、少年の様子をもう一度見に行った。やっぱり泥のように眠っていて起きる気配がない。
「明日には起きるかなぁ」
「多分ね。とりあえず、私たちだけでご飯にしましょ」
私はロイクと一緒に一回のリビングへ戻り、家族四人で食事を取った。貧乏ゆえにあまり肉は食べられないが、鶏を飼っているので卵は毎日食卓にのぼる。
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私とロイクは隣の部屋からベッドを運び込み、少年が寝ているベッドに並べて置いた。予想通り三人は寝れそうなスペースが出来ている。少年の体をそっと端の方に移動させ、ロイクを真ん中にして寝ることにした。
ああ、体が痛い。明日は筋肉痛になりそう。
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