24 / 52
24 重鎮、やってくる
しおりを挟む
「姫様、本当にフェリオス皇子殿下との婚約を解消したいんですか?」
家捜し開始から四日目の朝、カリエが私の世話をしながら言った。
どうして婚約を解消したいのか説明したはずだが、カリエは私がフェリオスに惚れたと思っているので納得できないのだろう。
「したいわ。だって陛下がお認めにならないのだから、もう諦めるしかないと思うの」
フェリオスは何かを企んでいる様子だけど、エンヴィードの最高権力者が頷かない限り私と彼は結ばれない。
カリエは何かを言いかけて口をつぐみ、持っていた服を寝台へ置いた。
私の真正面に移動してきて、やけに真剣な顔で訊いてくる。
「本当の、本当に、解消したいのですね?」
「しっ…………したい、わ。どうしたのよ、そんな真剣な顔をして?」
「分かりました。カリエにお任せください」
そういうと、シーツを抱えて部屋から出てしまう。私はぽかんとしたまま彼女の後ろ姿を見送った。
カリエのあんな顔を見たのは初めてだ。
いつも私の悪事に巻き込まれ、泣きそうになっていたあの子が。
「どうしたのかしら……。フェリオス様に突撃したりしてないといいけど」
着がえた後に二人の皇子と朝食を取ったが、特に変化はなかった。どうやらカリエはフェリオスに何か言ったわけではないらしい。
良かった。
エンヴィードに睨まれたら、ロイツは生き残れない。
今でさえ綱渡り状態なんだから、余計な揉め事を起こさないようにしないと。
その日も家捜しをしたが当然のように書類は見つからず、数日後にとうとうイリオン皇子がハートンを発つ日を迎えてしまった。
しかし彼を見送るために城の門まで来た私は、思いがけない来客に呆然と立ち尽くした。
「お……お祖父様……!?」
「久しぶりじゃのぅ、ララ。元気そうで良かった」
イリオン皇子が乗る馬車のよこに、ロイツ製の白い馬車が並んでいる。扉が開いて出てきた人物は、私がよく知る人物――なんと教皇猊下である、お祖父様だった。
◇ ◇ ◇
応接室にお祖父様、私とフェリオス皇子。そしてなぜかイリオン皇子。彼は帰る予定を変更し、成り行きを見守ることにしたらしい。
お祖父様の向かい側に私とフェリオスが座り、一人掛けのソファにイリオン皇子が座った。
廊下では使用人たちが慌しく動いて来客に備えているようだ。何しろ普通の客ではない。ロイツ聖国を治める教皇だ。今ごろ客室を大急ぎで整えているのだろう。
「お、お祖父様。どうしてハートンへいらしたの?」
「なぁに、大した用ではない。観光ついでに、ちと孫の顔を見ておこうと思ってのぅ」
シワだらけの手でティーカップを持ち、紅茶を飲む。
駄目だわ、シワが深すぎて表情が読めない。
何を考えているのか全然わからないわ!
「教皇猊下。俺とララシーナの婚約について、何か知ったからハートンへ来られたのだろう? あまりにもタイミングが良すぎる」
フェリオスがちらりと私を見てからお祖父様へ言った。私がお祖父様を呼んだのかと疑っているらしい。
残念ながら私ではありません。
でも確かにおかしい。
婚約のことで悩んでいる真っ最中にハートンへ来るなんて――。
「あっ! もしかして、カリエがお祖父様を呼んだのですか? 私はあの子に悩みを相談していたから……」
「ふふ、そうじゃよ。でもあの子を叱らないでやっておくれ。儂がもとからカリエに頼んでおったのだ。ララの様子を、手紙で知らせてくれと」
「そうだったのですか……」
お祖父様は隣に立つ司教へ荷物を見せるように指示し、一つの筒を取り出した。
蓋を開けると丸められた紙が入っている。
「ララはこれが欲しかったんじゃろう? 何日も探したと手紙に書かれておった」
「あ……!」
お祖父様は丸められた紙をテーブルの上に広げた。私とフェリオスのサインが記された、婚約の証となる書類だ。全く同じものを二枚用意し、一枚をエンヴィード、もう一枚をロイツで保管することになっていた。
フェリオスが身を乗り出し、少し慌てた様子でお祖父様に話しかける。
「待ってくれ、教皇猊下。俺はまだ納得していない」
「儂もじゃよ。わざわざここへ来たのは、孫の本心を聞くためだ。のうララ、本当に婚約を解消したいのかい? おまえはフェリオス殿下に一目ぼれしたと言っておったじゃないか」
「お祖父様ぁ!!」
悲鳴みたいな甲高い声が出た。
それ、言わないで欲しかったのに……!
横に座る青年の様子をそっと伺うと、彼は目を丸くしてお祖父様を見ている。
角を挟んだソファには、面白そうに笑う少年。
全然面白くないわよ、イリオン様!
「…………一目ぼれ? 本当に?」
「本当だとも。儂はララにフェリオス殿下の肖像画を見せたが、その時にララは「ああっ!」ともの凄い悲鳴を上げてのぅ。あれが恋に落ちた瞬間じゃったのか……」
「も、もうやめて……。なんの拷問ですか……」
恥ずかしくて無理。
今すぐこの場を立ち去りたい。
両手で顔を隠していると、片方の手を誰かがぎゅっと握った。
武骨な手をした誰かは、大切そうに私の手を撫でている。
確認するまでもない、フェリオスだ。
「とても嬉しい。俺たちは両想いだったのだな。ララシーナ、猊下の前で誓わせてくれ。俺は必ずあなたを妻に――」
「誓わなくてよろしいですわ!! 仮に両想いだとしても、皇帝陛下が認めてくださらない以上、諦めるしかないでしょう!」
「諦める必要はない。俺だって何の考えもなしに動いているわけじゃないんだ。どうか猶予を与えて欲しい、今すぐには無理でも必ず何とかしてみせる。だから……諦めないでくれ」
最後の方は声がかすれていた。
冷酷なはずのフェリオスが顔をくしゃりと歪め、切なそうに私を見ている。
そんな顔をされたら彼を追い詰める気にはならず、黙って俯くしかなかった。
「フェリオス殿下。わしからもララに話したいことがあるんじゃ。しばらく二人きりにして貰えんか?」
私たちの様子を見守っていたお祖父様が優しげに言うと、フェリオスは静かに頷いて部屋を出て行った。
彼の後を追ってイリオンも司教も退室し、部屋に私とお祖父様だけが残される。
家捜し開始から四日目の朝、カリエが私の世話をしながら言った。
どうして婚約を解消したいのか説明したはずだが、カリエは私がフェリオスに惚れたと思っているので納得できないのだろう。
「したいわ。だって陛下がお認めにならないのだから、もう諦めるしかないと思うの」
フェリオスは何かを企んでいる様子だけど、エンヴィードの最高権力者が頷かない限り私と彼は結ばれない。
カリエは何かを言いかけて口をつぐみ、持っていた服を寝台へ置いた。
私の真正面に移動してきて、やけに真剣な顔で訊いてくる。
「本当の、本当に、解消したいのですね?」
「しっ…………したい、わ。どうしたのよ、そんな真剣な顔をして?」
「分かりました。カリエにお任せください」
そういうと、シーツを抱えて部屋から出てしまう。私はぽかんとしたまま彼女の後ろ姿を見送った。
カリエのあんな顔を見たのは初めてだ。
いつも私の悪事に巻き込まれ、泣きそうになっていたあの子が。
「どうしたのかしら……。フェリオス様に突撃したりしてないといいけど」
着がえた後に二人の皇子と朝食を取ったが、特に変化はなかった。どうやらカリエはフェリオスに何か言ったわけではないらしい。
良かった。
エンヴィードに睨まれたら、ロイツは生き残れない。
今でさえ綱渡り状態なんだから、余計な揉め事を起こさないようにしないと。
その日も家捜しをしたが当然のように書類は見つからず、数日後にとうとうイリオン皇子がハートンを発つ日を迎えてしまった。
しかし彼を見送るために城の門まで来た私は、思いがけない来客に呆然と立ち尽くした。
「お……お祖父様……!?」
「久しぶりじゃのぅ、ララ。元気そうで良かった」
イリオン皇子が乗る馬車のよこに、ロイツ製の白い馬車が並んでいる。扉が開いて出てきた人物は、私がよく知る人物――なんと教皇猊下である、お祖父様だった。
◇ ◇ ◇
応接室にお祖父様、私とフェリオス皇子。そしてなぜかイリオン皇子。彼は帰る予定を変更し、成り行きを見守ることにしたらしい。
お祖父様の向かい側に私とフェリオスが座り、一人掛けのソファにイリオン皇子が座った。
廊下では使用人たちが慌しく動いて来客に備えているようだ。何しろ普通の客ではない。ロイツ聖国を治める教皇だ。今ごろ客室を大急ぎで整えているのだろう。
「お、お祖父様。どうしてハートンへいらしたの?」
「なぁに、大した用ではない。観光ついでに、ちと孫の顔を見ておこうと思ってのぅ」
シワだらけの手でティーカップを持ち、紅茶を飲む。
駄目だわ、シワが深すぎて表情が読めない。
何を考えているのか全然わからないわ!
「教皇猊下。俺とララシーナの婚約について、何か知ったからハートンへ来られたのだろう? あまりにもタイミングが良すぎる」
フェリオスがちらりと私を見てからお祖父様へ言った。私がお祖父様を呼んだのかと疑っているらしい。
残念ながら私ではありません。
でも確かにおかしい。
婚約のことで悩んでいる真っ最中にハートンへ来るなんて――。
「あっ! もしかして、カリエがお祖父様を呼んだのですか? 私はあの子に悩みを相談していたから……」
「ふふ、そうじゃよ。でもあの子を叱らないでやっておくれ。儂がもとからカリエに頼んでおったのだ。ララの様子を、手紙で知らせてくれと」
「そうだったのですか……」
お祖父様は隣に立つ司教へ荷物を見せるように指示し、一つの筒を取り出した。
蓋を開けると丸められた紙が入っている。
「ララはこれが欲しかったんじゃろう? 何日も探したと手紙に書かれておった」
「あ……!」
お祖父様は丸められた紙をテーブルの上に広げた。私とフェリオスのサインが記された、婚約の証となる書類だ。全く同じものを二枚用意し、一枚をエンヴィード、もう一枚をロイツで保管することになっていた。
フェリオスが身を乗り出し、少し慌てた様子でお祖父様に話しかける。
「待ってくれ、教皇猊下。俺はまだ納得していない」
「儂もじゃよ。わざわざここへ来たのは、孫の本心を聞くためだ。のうララ、本当に婚約を解消したいのかい? おまえはフェリオス殿下に一目ぼれしたと言っておったじゃないか」
「お祖父様ぁ!!」
悲鳴みたいな甲高い声が出た。
それ、言わないで欲しかったのに……!
横に座る青年の様子をそっと伺うと、彼は目を丸くしてお祖父様を見ている。
角を挟んだソファには、面白そうに笑う少年。
全然面白くないわよ、イリオン様!
「…………一目ぼれ? 本当に?」
「本当だとも。儂はララにフェリオス殿下の肖像画を見せたが、その時にララは「ああっ!」ともの凄い悲鳴を上げてのぅ。あれが恋に落ちた瞬間じゃったのか……」
「も、もうやめて……。なんの拷問ですか……」
恥ずかしくて無理。
今すぐこの場を立ち去りたい。
両手で顔を隠していると、片方の手を誰かがぎゅっと握った。
武骨な手をした誰かは、大切そうに私の手を撫でている。
確認するまでもない、フェリオスだ。
「とても嬉しい。俺たちは両想いだったのだな。ララシーナ、猊下の前で誓わせてくれ。俺は必ずあなたを妻に――」
「誓わなくてよろしいですわ!! 仮に両想いだとしても、皇帝陛下が認めてくださらない以上、諦めるしかないでしょう!」
「諦める必要はない。俺だって何の考えもなしに動いているわけじゃないんだ。どうか猶予を与えて欲しい、今すぐには無理でも必ず何とかしてみせる。だから……諦めないでくれ」
最後の方は声がかすれていた。
冷酷なはずのフェリオスが顔をくしゃりと歪め、切なそうに私を見ている。
そんな顔をされたら彼を追い詰める気にはならず、黙って俯くしかなかった。
「フェリオス殿下。わしからもララに話したいことがあるんじゃ。しばらく二人きりにして貰えんか?」
私たちの様子を見守っていたお祖父様が優しげに言うと、フェリオスは静かに頷いて部屋を出て行った。
彼の後を追ってイリオンも司教も退室し、部屋に私とお祖父様だけが残される。
6
あなたにおすすめの小説
差し出された毒杯
しろねこ。
恋愛
深い森の中。
一人のお姫様が王妃より毒杯を授けられる。
「あなたのその表情が見たかった」
毒を飲んだことにより、少女の顔は苦悶に満ちた表情となる。
王妃は少女の美しさが妬ましかった。
そこで命を落としたとされる少女を助けるは一人の王子。
スラリとした体型の美しい王子、ではなく、体格の良い少し脳筋気味な王子。
お供をするは、吊り目で小柄な見た目も中身も猫のように気まぐれな従者。
か○みよ、○がみ…ではないけれど、毒と美しさに翻弄される女性と立ち向かうお姫様なお話。
ハピエン大好き、自己満、ご都合主義な作者による作品です。
同名キャラで複数の作品を書いています。
立場やシチュエーションがちょっと違ったり、サブキャラがメインとなるストーリーをなどを書いています。
ところどころリンクもしています。
※小説家になろうさん、カクヨムさんでも投稿しています!
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
冷徹公爵閣下は、書庫の片隅で私に求婚なさった ~理由不明の政略結婚のはずが、なぜか溺愛されています~
白桃
恋愛
「お前を私の妻にする」――王宮書庫で働く地味な子爵令嬢エレノアは、ある日突然、<氷龍公爵>と恐れられる冷徹なヴァレリウス公爵から理由も告げられず求婚された。政略結婚だと割り切り、孤独と不安を抱えて嫁いだ先は、まるで氷の城のような公爵邸。しかし、彼女が唯一安らぎを見出したのは、埃まみれの広大な書庫だった。ひたすら書物と向き合う彼女の姿が、感情がないはずの公爵の心を少しずつ溶かし始め…?
全7話です。
このたび、あこがれ騎士さまの妻になりました。
若松だんご
恋愛
「リリー。アナタ、結婚なさい」
それは、ある日突然、おつかえする王妃さまからくだされた命令。
まるで、「そこの髪飾りと取って」とか、「窓を開けてちょうだい」みたいなノリで発せられた。
お相手は、王妃さまのかつての乳兄弟で護衛騎士、エディル・ロードリックさま。
わたしのあこがれの騎士さま。
だけど、ちょっと待って!! 結婚だなんて、いくらなんでもそれはイキナリすぎるっ!!
「アナタたちならお似合いだと思うんだけど?」
そう思うのは、王妃さまだけですよ、絶対。
「試しに、二人で暮らしなさい。これは命令です」
なーんて、王妃さまの命令で、エディルさまの妻(仮)になったわたし。
あこがれの騎士さまと一つ屋根の下だなんてっ!!
わたし、どうなっちゃうのっ!? 妻(仮)ライフ、ドキドキしすぎで心臓がもたないっ!!
恐怖侯爵の後妻になったら、「君を愛することはない」と言われまして。
長岡更紗
恋愛
落ちぶれ子爵令嬢の私、レディアが後妻として嫁いだのは──まさかの恐怖侯爵様!
しかも初夜にいきなり「君を愛することはない」なんて言われちゃいましたが?
だけど、あれ? 娘のシャロットは、なんだかすごく懐いてくれるんですけど!
義理の娘と仲良くなった私、侯爵様のこともちょっと気になりはじめて……
もしかして、愛されるチャンスあるかも? なんて思ってたのに。
「前妻は雲隠れした」って噂と、「死んだのよ」って娘の言葉。
しかも使用人たちは全員、口をつぐんでばかり。
ねえ、どうして? 前妻さんに何があったの?
そして、地下から聞こえてくる叫び声は、一体!?
恐怖侯爵の『本当の顔』を知った時。
私の心は、思ってもみなかった方向へ動き出す。
*他サイトにも公開しています
夫に顧みられない王妃は、人間をやめることにしました~もふもふ自由なセカンドライフを謳歌するつもりだったのに、何故かペットにされています!~
狭山ひびき
恋愛
もう耐えられない!
隣国から嫁いで五年。一度も国王である夫から関心を示されず白い結婚を続けていた王妃フィリエルはついに決断した。
わたし、もう王妃やめる!
政略結婚だから、ある程度の覚悟はしていた。けれども幼い日に淡い恋心を抱いて以来、ずっと片思いをしていた相手から冷たくされる日々に、フィリエルの心はもう限界に達していた。政略結婚である以上、王妃の意思で離婚はできない。しかしもうこれ以上、好きな人に無視される日々は送りたくないのだ。
離婚できないなら人間をやめるわ!
王妃で、そして隣国の王女であるフィリエルは、この先生きていてもきっと幸せにはなれないだろう。生まれた時から政治の駒。それがフィリエルの人生だ。ならばそんな「人生」を捨てて、人間以外として生きたほうがましだと、フィリエルは思った。
これからは自由気ままな「猫生」を送るのよ!
フィリエルは少し前に知り合いになった、「廃墟の塔の魔女」に頼み込み、猫の姿に変えてもらう。
よし!楽しいセカンドラウフのはじまりよ!――のはずが、何故か夫(国王)に拾われ、ペットにされてしまって……。
「ふふ、君はふわふわで可愛いなぁ」
やめてえ!そんなところ撫でないで~!
夫(人間)妻(猫)の奇妙な共同生活がはじまる――
冷酷な旦那様が記憶喪失になったら溺愛モードに入りましたが、愛される覚えはありません!
香月文香
恋愛
家族から虐げられていた男爵令嬢のリゼル・マギナは、ある事情によりグレン・コーネスト伯爵のもとへと嫁入りすることになる。
しかし初夜当日、グレンから『お前を愛することはない』と宣言され、リゼルは放置されることに。
愛はないものの穏やかに過ごしていたある日、グレンは事故によって記憶を失ってしまう。
すると冷たかったはずのグレンはリゼルを溺愛し始めて――!?
けれどもリゼルは知っている。自分が愛されるのは、ただ彼が記憶を失っているからだと。
記憶が戻れば、リゼルが愛されることなどないのだと。
(――それでも、私は)
これは、失われた記憶を取り戻すまでの物語。
転生者と忘れられた約束
悠十
恋愛
シュゼットは前世の記憶を持って生まれた転生者である。
シュゼットは前世の最後の瞬間に、幼馴染の少年と約束した。
「もし来世があるのなら、お嫁さんにしてね……」
そして、その記憶を持ってシュゼットは転生した。
しかし、約束した筈の少年には、既に恋人が居て……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる