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30 属性が・・・
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その後の魔法の授業では、退屈な日々が私を待っていた。他の生徒が魔法の実習をしているとき、私は後ろで杖をブン!ブン!と素振りしている。
最初は怪力を活かして薪割りなどをしていたものの、用務員のオジサンに「もう充分です」と断られてしまったのだ。だからティナが投げる火の球をバット杖で打ち返したりしつつ、何とか時間をつぶしている。
でもそれって魔法の練習じゃなくない? 野球の練習だよね。
「つらいよぉ。魔法を使いたいよぉ……」
「げ、元気だして……」
机にうつ伏せになった私の肩をティナがもんでいる。
私だって、魔法で水を出したり風を起こしたりしてみたかったなぁ……。
「ルシー様、殿下がお呼びですわ」
「行ってらっしゃいませ!」
「きっといい事ありますよ!」
嘆く私の前に可愛らしい少女が三人現れ、手を引いて廊下へ連れ出そうとする。アリシア達だ。また殿下に呼び出されるパターンですか。
「おはよぉございます……。なにか御用でしょうか……」
「おはよう……。かなり参ってるみたいだね」
「サイモンがルシー嬢を呼んでるぜ。なんか、新しい指輪を作ったから試してほしいんだと」
「はあ」
私の魔力で何かを試す気なんだろうか。でも今の状態がどうにかなるなら試してもいい。この際、マッドサイエンティストに全てを託そう。
先日と同じように三人でサイモン氏の部屋を訪ねると、彼は待ち構えていたように笑った。机の上にはタブレットのような黒い板が置かれている。
「フハハ、よく来たなルシー嬢! おっと、そいつがウワサの杖か!?」
「触りたいならどうぞ」
魔力で何かするなら杖もいるかと思い、マイバットも持ってきた。サイモンは興味津々で撫でたり振ったりしたあと、「杖には見えんな」と言いながら私に返した。最後のひと言が余計なんだよね。
「ルシー嬢は魔法の実習中、杖で素振りをしているそうではないか。きみの様子を見ていた殿下が不憫だと言うので、新しい指輪を開発したぞ!」
「……サイモン、余計なことを言うな」
殿下は腹の底から出したようなひっっくい声でぼそっと言い、サイモンのほっぺたをギュッと引っぱった。あいだだだ!と叫ぶ声が研究室にこだまする。
そうか、殿下まで私の素振りを見ていたのか。あまり見てほしくなかったなぁ……。
「つ、つまりだな。きみの魔力に属性を与える指輪を作ったわけだ。だがその前に、こちらの発明品を見てほしい」
サイモンが赤くなった頬をさすりながら黒い板を指差す。何の変哲もない板に見えるけど。
「なんですか、これ?」
「この板は、触れた人間の属性や魔力値、そして魔力に含まれる性質などを教えてくれる優れものだ。まず私がやってみよう」
サイモンが黒い板にぺたっと手の平をつけると、左側に白い文字が浮き出てきた。
属性:水 魔力値:737 聡明さ:700――なんじゃこれ?
「属性とかは分かりますけど、聡明さって何ですか?」
「一つずつ解説しよう。属性についてはもう知っていると思うが、ドラゴンの玉に触れたことによって覚醒した魔力の属性だ。魔力値は最大2000まで測定可能。そしてだな、魔力には個人ごとに性質があるのだ。個性というべきか……。私の場合だと魔力には聡明さが含まれ、魔力アップの指輪をはめると聡明さが増えたりする」
「へえ、面白いじゃん。俺もやってみよ」
カイラーが手を乗せると、また数値が変わった。
属性:火 魔力値:620 筋力:881。
「俺もルシー嬢と同じで、魔力が筋力になるタイプかも」
「僕もやってみよう」
殿下が手を乗せた。
数値が変わり、属性:風 魔力値:768 そして――腹黒さ:810?
「壊れているようだ」
「ぎゃああああ! やめろぉ、私の努力の結晶を捨てないでくれぇ!」
腹黒さの数値をみた殿下はおもむろに窓をあけ、板を捨てようとする。が、サイモンが必死にすがりついて殿下のご乱心をとめた。これは面白い。
「私もやってみよ」
恐るおそる手を乗せると、殿下の数値が消えて私の数値になった……が。
属性:暴力 魔力値:1473 筋力:測定不能。
「やっぱり壊れてるみたいですね」
「やめてくれぇ! 壊さないでくれぇ!」
板を真っ二つにするべくバットを構えると、サイモンは板をひしっと抱きしめた。こいつは何の研究をしてるんだ。ロクなもんを出さないじゃないか。
鼻息あらくサイモンを睨みつけると、奴はビクビクしながら一つの指輪を出した。
「お、落ち着くんだ。この指輪をはめれば、きっと属性は変わる!」
サイモンの手の平には、サファイアのように青い石がはめ込まれた指輪が転がっている。
「綺麗な石だ。僕の瞳の色と似ているかもしれないな」
そう言いつつ私をチラチラ見てくる殿下。いや、チラチラどころじゃない。食い入るようにじいっと見てる。分かりましたよ、指にはめればいいんでしょ。
私はサイモンの手から指輪を受け取り、今度は右手の中指にはめてみた。
「よし、もう一度測定してみよう」
サイモンに言われて、手の平を板に乗せる。数値が浮かび上がってきた。
属性:氷 魔力値:1473。
「わあっ、属性が変わりました! でも氷って初めて見ましたけど」
「フハハ、そうだろう。氷の属性は私が作った人工的な属性だからな! 自分の天才ぶりがときどき恨めしくなる。おお神よ、どうして私をこんなに天才にしたのか……!!」
サイモンは自分の世界に入ってしまったらしい。そっとしておこう。
「良かったね、ルシー嬢。素振りする必要もなくなっただろう?」
「は、どうも……。お気遣いいただき、ありがとうございます。じゃあ左手の指輪は、もう必要ないかもしれないですね」
属性が変わったなら、魔力を拡散させる指輪はいらないだろう。そう思ってはずしたのだが――。
「う、うおっ!? ルシー嬢、足元が凍ってんぞ!」
「えっ」
左手の指輪を外した瞬間、私の体が接している床からまたたく間に氷が広がっていった。あわわ、えらいこっちゃ! 急いで指輪をはめ、氷の勢いを止める。が、しかし。
「あ、あわわっ!」
「ルシー嬢!」
氷から足がすっぽ抜けた時、つるりと滑って転んでしまった。隣にいた殿下が私を受け止めようとしたが、二人そろって床に倒れ……。
「あっ、すみません」
「い、いや……。無事なら、いいんだ……」
勢いあまって、殿下を床に押し倒したような格好になった。
何という事でしょう。これが前世からずっと憧れてた、床ドン! でもするよりされる方を夢見てたのに……!
床ドンされた殿下はなぜか頬を赤くそめ、そっと私から視線をそらした。反応がおかしい。逆でしょ? 私にも立場ってもんがあるんですけど。
「いや~、いいモン見ちゃったな」
「なるほど。魔力値が高すぎる場合、触れたものを全て凍らせてしまうのか。これはまだまだ研究の余地がありそうだな!」
ニヤつくカイラーと、研究しか頭にないサイモン。攻略対象って変な奴ばっかだなと思ってしまう。まぁ私には言われたくないだろうけど。
しかしこの日を境に素振りする必要もなくなったので、殿下とサイモンには感謝している。ありがとう、腹黒殿下と狂科学者よ。
最初は怪力を活かして薪割りなどをしていたものの、用務員のオジサンに「もう充分です」と断られてしまったのだ。だからティナが投げる火の球をバット杖で打ち返したりしつつ、何とか時間をつぶしている。
でもそれって魔法の練習じゃなくない? 野球の練習だよね。
「つらいよぉ。魔法を使いたいよぉ……」
「げ、元気だして……」
机にうつ伏せになった私の肩をティナがもんでいる。
私だって、魔法で水を出したり風を起こしたりしてみたかったなぁ……。
「ルシー様、殿下がお呼びですわ」
「行ってらっしゃいませ!」
「きっといい事ありますよ!」
嘆く私の前に可愛らしい少女が三人現れ、手を引いて廊下へ連れ出そうとする。アリシア達だ。また殿下に呼び出されるパターンですか。
「おはよぉございます……。なにか御用でしょうか……」
「おはよう……。かなり参ってるみたいだね」
「サイモンがルシー嬢を呼んでるぜ。なんか、新しい指輪を作ったから試してほしいんだと」
「はあ」
私の魔力で何かを試す気なんだろうか。でも今の状態がどうにかなるなら試してもいい。この際、マッドサイエンティストに全てを託そう。
先日と同じように三人でサイモン氏の部屋を訪ねると、彼は待ち構えていたように笑った。机の上にはタブレットのような黒い板が置かれている。
「フハハ、よく来たなルシー嬢! おっと、そいつがウワサの杖か!?」
「触りたいならどうぞ」
魔力で何かするなら杖もいるかと思い、マイバットも持ってきた。サイモンは興味津々で撫でたり振ったりしたあと、「杖には見えんな」と言いながら私に返した。最後のひと言が余計なんだよね。
「ルシー嬢は魔法の実習中、杖で素振りをしているそうではないか。きみの様子を見ていた殿下が不憫だと言うので、新しい指輪を開発したぞ!」
「……サイモン、余計なことを言うな」
殿下は腹の底から出したようなひっっくい声でぼそっと言い、サイモンのほっぺたをギュッと引っぱった。あいだだだ!と叫ぶ声が研究室にこだまする。
そうか、殿下まで私の素振りを見ていたのか。あまり見てほしくなかったなぁ……。
「つ、つまりだな。きみの魔力に属性を与える指輪を作ったわけだ。だがその前に、こちらの発明品を見てほしい」
サイモンが赤くなった頬をさすりながら黒い板を指差す。何の変哲もない板に見えるけど。
「なんですか、これ?」
「この板は、触れた人間の属性や魔力値、そして魔力に含まれる性質などを教えてくれる優れものだ。まず私がやってみよう」
サイモンが黒い板にぺたっと手の平をつけると、左側に白い文字が浮き出てきた。
属性:水 魔力値:737 聡明さ:700――なんじゃこれ?
「属性とかは分かりますけど、聡明さって何ですか?」
「一つずつ解説しよう。属性についてはもう知っていると思うが、ドラゴンの玉に触れたことによって覚醒した魔力の属性だ。魔力値は最大2000まで測定可能。そしてだな、魔力には個人ごとに性質があるのだ。個性というべきか……。私の場合だと魔力には聡明さが含まれ、魔力アップの指輪をはめると聡明さが増えたりする」
「へえ、面白いじゃん。俺もやってみよ」
カイラーが手を乗せると、また数値が変わった。
属性:火 魔力値:620 筋力:881。
「俺もルシー嬢と同じで、魔力が筋力になるタイプかも」
「僕もやってみよう」
殿下が手を乗せた。
数値が変わり、属性:風 魔力値:768 そして――腹黒さ:810?
「壊れているようだ」
「ぎゃああああ! やめろぉ、私の努力の結晶を捨てないでくれぇ!」
腹黒さの数値をみた殿下はおもむろに窓をあけ、板を捨てようとする。が、サイモンが必死にすがりついて殿下のご乱心をとめた。これは面白い。
「私もやってみよ」
恐るおそる手を乗せると、殿下の数値が消えて私の数値になった……が。
属性:暴力 魔力値:1473 筋力:測定不能。
「やっぱり壊れてるみたいですね」
「やめてくれぇ! 壊さないでくれぇ!」
板を真っ二つにするべくバットを構えると、サイモンは板をひしっと抱きしめた。こいつは何の研究をしてるんだ。ロクなもんを出さないじゃないか。
鼻息あらくサイモンを睨みつけると、奴はビクビクしながら一つの指輪を出した。
「お、落ち着くんだ。この指輪をはめれば、きっと属性は変わる!」
サイモンの手の平には、サファイアのように青い石がはめ込まれた指輪が転がっている。
「綺麗な石だ。僕の瞳の色と似ているかもしれないな」
そう言いつつ私をチラチラ見てくる殿下。いや、チラチラどころじゃない。食い入るようにじいっと見てる。分かりましたよ、指にはめればいいんでしょ。
私はサイモンの手から指輪を受け取り、今度は右手の中指にはめてみた。
「よし、もう一度測定してみよう」
サイモンに言われて、手の平を板に乗せる。数値が浮かび上がってきた。
属性:氷 魔力値:1473。
「わあっ、属性が変わりました! でも氷って初めて見ましたけど」
「フハハ、そうだろう。氷の属性は私が作った人工的な属性だからな! 自分の天才ぶりがときどき恨めしくなる。おお神よ、どうして私をこんなに天才にしたのか……!!」
サイモンは自分の世界に入ってしまったらしい。そっとしておこう。
「良かったね、ルシー嬢。素振りする必要もなくなっただろう?」
「は、どうも……。お気遣いいただき、ありがとうございます。じゃあ左手の指輪は、もう必要ないかもしれないですね」
属性が変わったなら、魔力を拡散させる指輪はいらないだろう。そう思ってはずしたのだが――。
「う、うおっ!? ルシー嬢、足元が凍ってんぞ!」
「えっ」
左手の指輪を外した瞬間、私の体が接している床からまたたく間に氷が広がっていった。あわわ、えらいこっちゃ! 急いで指輪をはめ、氷の勢いを止める。が、しかし。
「あ、あわわっ!」
「ルシー嬢!」
氷から足がすっぽ抜けた時、つるりと滑って転んでしまった。隣にいた殿下が私を受け止めようとしたが、二人そろって床に倒れ……。
「あっ、すみません」
「い、いや……。無事なら、いいんだ……」
勢いあまって、殿下を床に押し倒したような格好になった。
何という事でしょう。これが前世からずっと憧れてた、床ドン! でもするよりされる方を夢見てたのに……!
床ドンされた殿下はなぜか頬を赤くそめ、そっと私から視線をそらした。反応がおかしい。逆でしょ? 私にも立場ってもんがあるんですけど。
「いや~、いいモン見ちゃったな」
「なるほど。魔力値が高すぎる場合、触れたものを全て凍らせてしまうのか。これはまだまだ研究の余地がありそうだな!」
ニヤつくカイラーと、研究しか頭にないサイモン。攻略対象って変な奴ばっかだなと思ってしまう。まぁ私には言われたくないだろうけど。
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